ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
1,712 / 2,518

第1712話 探索1日目終了

しおりを挟む
 薄い赤、淡い赤とでもいえばいいのかね? これを見た娘たちは、青白いのも欲しいけどこっちの色も欲しい! と言い出したので、カエデとリンドに確認を取って、2つの色のミニオブジェクトを作る約束をした。

 正直クリエイトゴーレムがあれば、あの程度のオブジェクトであればすぐに作る事ができるので、娘たちがあれで喜ぶのであれば、安いものだろう。

 パターン的にD~Cランクの魔物が出てくるのかと思ったが、E~Dランクのままだった。それもそうか、もしそのパターンで行けば45階になる頃には、SSSSランクとかになってしまうもんな。

 そもそも、ランク分けでいうとSSSまでしか存在していない。普通の冒険者であれば、SランクもSSSランクも差が分からずに絶望するレベルだ。

 そもそもSランクの魔物を召喚できるようになるのは、かなりの運が必要なはずなのだ。そう考えると、Sランクのレッドドラゴンが湧き続ける、メギドのダンジョンはかなりレアなのだ。

 あっ、Sランクの魔物といえば、フェンリルたちは今回来てなかったな。スライムたち以外全部来ているかと思ったけど、来てないやつらもいたんだな。

 進んでいくと、今までは人型、亜人の魔物だけだったのが、この階は獣タイプや昆虫タイプの魔物も出てきていたのだ。

 見た目だけではなく、魔物の出現パターンも今までのダンジョンと違うな。今まで攻略してきたダンジョンは十中八九、同じ系統の魔物しか同じフロアに出てこなかった。それが、今回は亜人と一緒に違う種族が出てきたことに驚いている。

 まぁ、妻たちからすれば、黒歴史を思い出すのか殲滅に躍起になっている。

 昔、俺が作ったダンジョンインダンジョンで、かなり不名誉な結果を残して以来、戦術を研究していたんだっけな。

 良く分かっていないのだが、この世界の人たちって違う種族が混ざっていると、対応が上手く出来なくなり、何故か格下にも負けてしまう傾向があるのだ。

 そんな黒歴史の過去を払拭するために、殲滅に躍起になっているのだろう。俺が手を出す隙も無く次々と魔物が屠られていく。

 印象的には、亜人が多いイメージだな。3:1位の割合だろうか? その中でも、俺が嫌らしいと思ったのは、亜人の隙をついて昆虫系の魔物が死角から狙ってくる奴だな。

 特に蜘蛛の糸と、ムカデの気配を消してからの攻撃は、油断をしていたら怪我をするだろうな。しかも、ムカデには毒のあるタイプがいるから厄介だ。蜘蛛の糸も行動阻害があるので、かなり厄介である。

 昆虫って何故か気配の把握がしにくいんだよね。動物系の魔物は体温とか行動する際に音が出やすいので、気配を感じやすいのだと思う。だけど、昆虫は体温で判定することも難しい。それに移動するのに音があまりでないんだよな。節足動物は硬い気がするのに音がしないってのが不思議だ。

 本当に意味が分からんが、そういうものだと理解しないといけないんだろう。

 しばらく進んでいると、12階で異変があった。

 昆虫に混ざって爬虫類系も追加で出てきたのだ。この中で一番厄介だと思ったのは、ヤモリ? イモリ? タイプの魔物だろう。確か普通、魔物じゃないのは毒は無かったはずなのだが、こいつも毒持ちだったのだ。しかも、昆虫より気配がない、かなり厄介な魔物だった。

 少しブランクがあると言っても、訓練は欠かさずに行っていた妻たちは、指揮官のキリエの指示のもと、前衛と後衛の火力は的確に魔物を屠っていき、中衛のメンバーが周囲の警戒を行い、不意打ちを防ぎ反対に魔物を屠っていく。

 しっかりと役割分担をしているのがいいのだろう、危なげなく進んでいける。

 13階に到着して、本日のタイムアップを迎える。

 最近まで知らなかったのだが、ドッペルゲンガーって俺たちが憑依している時は、寝ている状態だったとのことだ。なので、俺たちが明日憑依するまで普通に起きているのだとか。こいつらを使って進ませてもいいのだが、せっかくの楽しみを持っていかれるのは嫌なので待機をお願いしている。

 帰ってくると、娘たちが俺の上にまたがって待機していた。ミリーたちも注意しているのだが、この姿が面白いのか本気ではないようでそのままという感じだ。

「「とーたん、作って!」」

 スミレとブルムがお願いしてきた。あのオブジェクトを作ってほしいのだろう……しょうがないな。

 俺は、水晶を召喚してみた。このままだと微妙だな。正面から見ると六角形でそれはそれでいいんだけど、今回のオブジェクトとしては微妙なんだよな。

 なので、ダンジョンで見た一点を中心にして放射状に広がるタイプの水晶に変えていく。クリエイトゴーレムはイメージが命だから、慎重に形をイメージする。

 中心の1本を長くして、それに寄り添うように放射状にはやしていく。中心となっている部分が手のひらに接触しているので、上に伸びる形で作っている。ダンジョンのオブジェクトも、壁や床を中心にしていたので真似てみた。

 ウニみたいに全方位でもいいかと思ったが、それだと俺としては水晶のイメージでは無かったのだ。

 見た目は良さそうだな。俺がクリエイトゴーレムで作った水晶は、透明ではなく少し白みがかっている。その理由は、娘たちがもしもの時に怪我をしないようにクリアメタルで包む予定だからだ。

 台座になる黒い金属プレートに水晶を置き接着する。金属プレートには魔核を埋め込んであり、水晶を光らせるプログラムを組み込んだのだ。ライトの魔法を水晶に使う感じだな。それだけだと、青白い光しか再現できないけど、属性魔法の火と組み合わせて見たら、薄い赤っぽくなったので結果オーライだ。

 そこで思いついたのが、いろんな属性を組み合わせて、光る色を変えられるようにしてみた。火・水・風の赤・青・緑の光の三原色を再現できたのが大きいな。各色の光を強くしたり弱くしたりするためのつまみを作り、回すことで色の調整ができるかたちだ。

 思ったより良くできたと思う。スミレとブルムにプレゼントしたら、ミーシャも欲しかったのか「私の分は?」と泣きそうな顔で言ってきたので、慌てて3つ目を作った。さっきまで別にいらないみたいな雰囲気だったのに、急にほしくなったようだ。

 女の子は、可愛い物や綺麗な物が好きだからな。小さくても女の子ってことだろう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~

霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。  ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。  これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

処理中です...