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第1682話 疑う心は忘れてはいけない!
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俺はマップ先生に映る光点の情報を見て考える。
この世界でこれだけの高レベルの者が集まっているのって、俺たちを除けばかなり稀有な事じゃないか? そもそも、近くにそこまで強い魔物のいない領域、今回の戦争の原因となった場所でもあるが、そこにいるのは不自然なほど強い人たちである。
そして14人もいることは不自然じゃないか? 何か裏があったりするんじゃないか? そう考えずにはいらない。警戒しておいた方がいいのかもしれないな。
妻と従魔たちに警戒をするように伝え、すぐに臨戦態勢に入れるようにしておくようにお願いする。
いくら俺たちが向こうよりレベルが高いとはいえ、懐に入られて暴れられればその被害は大きくなる。それに俺たちが本気で戦えば、周りに甚大な被害を与えることになってしまうのだ。それは物だけでなく人にも与えてしまうだろう。
余波で戦闘員じゃない人たちが怪我や最悪の場合、死人が出てしまう可能性だってあるのだ。警戒は必要だと考えている。
妻たちは若干呆れた顔をしている。冒険者ギルドがわざわざ派遣してきたダブルの冒険者たちが、そんな事をするわけないだろう、といった顔だ。トリプルの問題児たちなら話は別だろうが、ダブルは冒険者ギルドの顔で模範とするべき人たちなのだ。そんな事をする理由はないと……
言っていることはわかるけど、バレルにいた理由が不明なのだ。百歩譲ってダンジョンのあるメギドならわかるが、新しく作った大した魔物も出ない領域の近くに、とどまっていた理由が分からないのだ。しかもこの時期にだ。警戒してしかるべきだろう。
さすがにあからさまに警戒するわけにはいかないが、うちにはスライムたちがいるのだ。さりげない警戒には、多分定評があると思う!
今の移動速度のままここまで来るのであれば、夜明け前くらいには着くだろうな。
できればこの野営地には入れたくないから、土木組に頼んで……いや、自分でやればいいか。14人位の野営地なら簡単に作れるしな。大規模となると1人だと面倒なので、慣れている土木組にお願いしたんだしな。
俺たちの野営地の周りには、大量の罠が仕掛けてあるから、罠の外に作ればいいか? ん~それだとあからさまだよな。ちょっと離れた位置の罠を解除して野営地を作るか。
冒険者たちが監視をしやすいように、さりげなく見やすい位置に作ろう。一番近い監視塔から見るのはあからさまだから、対角からは見えないけど、他の角からなら見れる場所だな。
そうなると、俺たちと帝国の野営地の触れ合っている場所から、直線の延長上あたりなら大丈夫かな? 距離は、50メートルくらい離れていれば何とかなるか?
それに、これくらいの距離なら離れていてもおかしくないと思う。ほとんどが冒険者とはいえこっちは軍だからな、距離が離れていても違和感はないんじゃないか?
一応レイリーにも確認したが、その辺なら問題ないとお墨付きをもらったので、サクッと整地をした。壁はどうするべきか? この狭いエリアで壁を作ると、牢獄にも見えなくないよな。
近くに壁を作るのが問題だから、ちょっと離して壁を作ればこっちの壁の距離と近くなるから、違和感がなくなるんじゃないか? ついでに3つの野営地の中心に会議できる場所をつくろう! いい考えだ!
勝手に色々作り始めた俺に、飽きれた表情をしている帝国の騎士たちがいるが、ディストピアの冒険者たちは「また何か始めたのか?」と、俺の奇行について笑って、どこまでするか予想を始めて賭け事までしている。
よし、我ながら完璧だな。
そういえば何で冒険者ギルド、俺から見ると他勢力が派遣した冒険者たちを、受け入れないといけないんだ? 冒険者ギルドから依頼されたとはいえ、何で俺たち側に派遣してきたんだ?
これ以上考えても分からん! 作らないといけない物は作ったから、風呂入って寝よう。
どう考えても野外の生活ではなく、簡易的な宿があると言っても過言じゃない状況だろう。ディストピアの冒険者以外が見たら呆れるほどの設備だろう。食事が美味い、寝床が綺麗、風呂がある、普通ならありえないものがここには存在しているのだ。
そんな事を知ってか知らずか、お風呂に感謝しながら眠りにつく。
ぐっすり寝ているテントに誰かが入ってきた。
その瞬間に覚醒して、俺だけでなく嫁たちも戦闘態勢に入っていた。
「ん? 何だ? 伝令か何かか?」
「し、失礼しました! 時間が時間ですので、外から声をかけると周りに迷惑かと思い、中へ入らせていただきました。レイリー様より、もうすぐ冒険者ギルドから派遣されてくる者たちが到着するとの事です!」
時計を見て納得する。予想していた時間よりは少し遅いが、まだ夜明け前だな。
ここに来たのが男だったら目つぶしをしただろうが、そこらへんはレイリーが気を使ってか女性の冒険者を、伝令としてこちらによこしてくれている。
戦闘態勢に入ったため意識は覚醒していたのだが、態勢を解くと体が眠気を訴えている。
冷たい水で顔を洗い、体の覚醒を促す。
あれ? ここの指揮はレイリーに任せているし、帝国側はこちらは関与していない事になっているのに、何で俺が起こされてまで冒険者たちを迎え入れないといけないんだ?
そんな疑問を心にしまってから迎え入れる準備を始める。
俺が派遣されてくる冒険者たち用に作った野営地を改めて見たレイリーは一言、「やりすぎです」と言われていた。
湯船なんかは作っていないけど、衛生管理のために水は大量に使えるようにしている。トイレはぼっとん便所だけど、臭いを防ぐために用と足すときにだけ開けるようにしている。
テントはいたって普通だから、セーフじゃね? とか思ったけど、レイリーからはアウトだと言われた。
解せぬ。
この世界でこれだけの高レベルの者が集まっているのって、俺たちを除けばかなり稀有な事じゃないか? そもそも、近くにそこまで強い魔物のいない領域、今回の戦争の原因となった場所でもあるが、そこにいるのは不自然なほど強い人たちである。
そして14人もいることは不自然じゃないか? 何か裏があったりするんじゃないか? そう考えずにはいらない。警戒しておいた方がいいのかもしれないな。
妻と従魔たちに警戒をするように伝え、すぐに臨戦態勢に入れるようにしておくようにお願いする。
いくら俺たちが向こうよりレベルが高いとはいえ、懐に入られて暴れられればその被害は大きくなる。それに俺たちが本気で戦えば、周りに甚大な被害を与えることになってしまうのだ。それは物だけでなく人にも与えてしまうだろう。
余波で戦闘員じゃない人たちが怪我や最悪の場合、死人が出てしまう可能性だってあるのだ。警戒は必要だと考えている。
妻たちは若干呆れた顔をしている。冒険者ギルドがわざわざ派遣してきたダブルの冒険者たちが、そんな事をするわけないだろう、といった顔だ。トリプルの問題児たちなら話は別だろうが、ダブルは冒険者ギルドの顔で模範とするべき人たちなのだ。そんな事をする理由はないと……
言っていることはわかるけど、バレルにいた理由が不明なのだ。百歩譲ってダンジョンのあるメギドならわかるが、新しく作った大した魔物も出ない領域の近くに、とどまっていた理由が分からないのだ。しかもこの時期にだ。警戒してしかるべきだろう。
さすがにあからさまに警戒するわけにはいかないが、うちにはスライムたちがいるのだ。さりげない警戒には、多分定評があると思う!
今の移動速度のままここまで来るのであれば、夜明け前くらいには着くだろうな。
できればこの野営地には入れたくないから、土木組に頼んで……いや、自分でやればいいか。14人位の野営地なら簡単に作れるしな。大規模となると1人だと面倒なので、慣れている土木組にお願いしたんだしな。
俺たちの野営地の周りには、大量の罠が仕掛けてあるから、罠の外に作ればいいか? ん~それだとあからさまだよな。ちょっと離れた位置の罠を解除して野営地を作るか。
冒険者たちが監視をしやすいように、さりげなく見やすい位置に作ろう。一番近い監視塔から見るのはあからさまだから、対角からは見えないけど、他の角からなら見れる場所だな。
そうなると、俺たちと帝国の野営地の触れ合っている場所から、直線の延長上あたりなら大丈夫かな? 距離は、50メートルくらい離れていれば何とかなるか?
それに、これくらいの距離なら離れていてもおかしくないと思う。ほとんどが冒険者とはいえこっちは軍だからな、距離が離れていても違和感はないんじゃないか?
一応レイリーにも確認したが、その辺なら問題ないとお墨付きをもらったので、サクッと整地をした。壁はどうするべきか? この狭いエリアで壁を作ると、牢獄にも見えなくないよな。
近くに壁を作るのが問題だから、ちょっと離して壁を作ればこっちの壁の距離と近くなるから、違和感がなくなるんじゃないか? ついでに3つの野営地の中心に会議できる場所をつくろう! いい考えだ!
勝手に色々作り始めた俺に、飽きれた表情をしている帝国の騎士たちがいるが、ディストピアの冒険者たちは「また何か始めたのか?」と、俺の奇行について笑って、どこまでするか予想を始めて賭け事までしている。
よし、我ながら完璧だな。
そういえば何で冒険者ギルド、俺から見ると他勢力が派遣した冒険者たちを、受け入れないといけないんだ? 冒険者ギルドから依頼されたとはいえ、何で俺たち側に派遣してきたんだ?
これ以上考えても分からん! 作らないといけない物は作ったから、風呂入って寝よう。
どう考えても野外の生活ではなく、簡易的な宿があると言っても過言じゃない状況だろう。ディストピアの冒険者以外が見たら呆れるほどの設備だろう。食事が美味い、寝床が綺麗、風呂がある、普通ならありえないものがここには存在しているのだ。
そんな事を知ってか知らずか、お風呂に感謝しながら眠りにつく。
ぐっすり寝ているテントに誰かが入ってきた。
その瞬間に覚醒して、俺だけでなく嫁たちも戦闘態勢に入っていた。
「ん? 何だ? 伝令か何かか?」
「し、失礼しました! 時間が時間ですので、外から声をかけると周りに迷惑かと思い、中へ入らせていただきました。レイリー様より、もうすぐ冒険者ギルドから派遣されてくる者たちが到着するとの事です!」
時計を見て納得する。予想していた時間よりは少し遅いが、まだ夜明け前だな。
ここに来たのが男だったら目つぶしをしただろうが、そこらへんはレイリーが気を使ってか女性の冒険者を、伝令としてこちらによこしてくれている。
戦闘態勢に入ったため意識は覚醒していたのだが、態勢を解くと体が眠気を訴えている。
冷たい水で顔を洗い、体の覚醒を促す。
あれ? ここの指揮はレイリーに任せているし、帝国側はこちらは関与していない事になっているのに、何で俺が起こされてまで冒険者たちを迎え入れないといけないんだ?
そんな疑問を心にしまってから迎え入れる準備を始める。
俺が派遣されてくる冒険者たち用に作った野営地を改めて見たレイリーは一言、「やりすぎです」と言われていた。
湯船なんかは作っていないけど、衛生管理のために水は大量に使えるようにしている。トイレはぼっとん便所だけど、臭いを防ぐために用と足すときにだけ開けるようにしている。
テントはいたって普通だから、セーフじゃね? とか思ったけど、レイリーからはアウトだと言われた。
解せぬ。
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