1,672 / 2,518
第1672話 戦争は……
しおりを挟む
戦争当日。
国家間の戦争って思ってみれば初のような気がする。国を相手取って戦ったことはあっても、組織的な喧嘩であり国としての戦争では無かったような……
まぁ、国家間でも都市間でも、初めに口上戦をしてから戦争が開始されるのは変わらないようだ。
事前に分かっていたが、国家間の戦争であり利権だけを得るための物なので、かなりの人数が戦争に参加するのだ。どっちの国も人口的には20~30万人程度なのだが、戦場には1万人以上の兵士が参戦している。
人口の3~5パーセント……本来なら全軍がここに来ているといっても、おかしくない兵士の数である。実際には半数以上が、今回の利権の配分を口実に参戦してきている他国の兵士たちだ。
そしてひどい事に、両軍に兵士を送り出している国もあるようで、どっちが勝っても利権の分配金がある状態の国も存在している。俺たちが参戦しなければの話だったけどね。
参戦するからには、こちらは負けるつもりはない。壁に徹する帝国の騎士が100人にディストピアからの参戦が500人、そして帝国の騎獣が100匹、ディストピアというか俺関係の従魔が200匹程。頭数の合計で900程なのだが、戦力的に見ると過剰なほどいると言ってもいい。
ディストピアの冒険者たちは、基本パーティー毎に戦うのだが、動かしやすいように5人1組を単位として動く事になっている。人数の多いパーティーは分かれて、少ない者同士はくっついて組を作っている。
1組に1匹スライムたちがついているので、戦力的に見ればその時点でかなり優位に立っている。
スライムの色にもよるのだが、色によって特技が違うので一概には言えないが。こいつらは、眠らなくても平気ということと、数がたくさんいるということで、従魔たち専用に用意していたダンジョンで、物量で攻略しながら経験値を稼いでいるのだ。
ある程度Lvをあげたスライムたちは自由気ままに過ごすのだが、分裂したての生まれたばかりのスライムたちは、自由を謳歌するために寝ずの経験値稼ぎをしているらしい。
俺と遊ぶことのあるスライムたちは、古参が多かったりする。
頭数的には10:10:1といった感じだが、こちらの陣営に悲観した様子は特にない。他の国の兵士たちにはあまりいないのだが、ディストピアには兼任弓使いもいるので、遠距離攻撃の比率がかなり多くなっている。
他国では魔法兵だけが遠距離攻撃になりがちなので、その数を比べるまでもないだろう。防衛線ではかなりの脅威を発揮するのだが、この世界ではウォーゲームのような戦争以外はあまり起こらないので、魔法兵だけで足りてしまうのだ。
それに対してディストピアでは、敵が近付いてくる前に減らす。というのが常識になっているので、タンクを務めるメンバー以外は、大体が弓を使うことが出来る。
今回の戦争に参戦が決まった段階で、レイリーから普通より長い距離を飛ばせる弓の発注があり、DPで召喚して渡しているので習熟訓練を行っている。飛ばすだけなら400メートルは軽く飛ばせるので、牽制にはもってこいである。
魔法も飛ばすだけなら400でも500でも可能なのだが、意味のある威力を維持したまま魔法を届かせるのは難しい距離である。
ん? 何かおかしいって? 俺たちを基準にしたらダメに決まってるだろ。ピンポイントで500メートル先のターゲットを狙うのは面倒だけど、範囲魔法で薙ぎ払うのであれば、スキルLvと魔力のごり押しで簡単にできるからな。
このレベルの魔法使いは、大国でもそう多くない。ましてや20~30万人規模の国には、いても1人程度である。このレベルの国同士であれば、魔法の有効射程はよくて200メートル位とみていいだろう。
おっと、口上戦が終わったな。
向こう側2ヶ国の言い分は、自分たちの領土である魔の森の資源を勝手に使うのは許さない。戦争に負けたら使用料を払えといった感じだ。お前らの戦争だったはずなのに、何で俺たちへの要求になっているか不明だが……
それに対してこっちの言い分は、魔の森は実効支配が難しいのでどの国の領土でもない。いわれのない金は払うつもりはない、といった感じだったな。
本来なら、俺たちが参戦しなければ、魔の森の支配権を得るための戦争だったので口上戦で終わりだったのだが、俺たちが参戦したことにより俺たちが勝った場合の要求をする事になる。
払ういわれのない金を、払わされそうになっていたことに対するこちらからの要求、といってもいいかな?
とにかく、俺たちが参戦して勝っても現状と何も変わらないのだ。だから、勝った場合の何かを要求する権利がこちらに発生する、という解釈らしい。
それによって今回戦争に参加した国には、賠償金を払ってもらうことが要求された。
ウォーゲームには、国の指導者、王や皇帝が参戦することはまずありえない。高くても上から3~4番目くらいの権力者が、代表として参加する形だ。多くの場合は、騎士団長や軍務のトップが参戦して、体裁を整えるらしい。
戦争にホイホイ出てくる俺は、異端の存在だ。そんな異端の存在も生身でここまで来ているわけじゃないからな。生身で行こうといったら、ベッドに縛り付けられるのがオチである。
ドッペルで参戦することで、やっと許可が下りているのだ。生身程性能はよくないけど、かなり無茶な強化が施されているドッペルなので、この程度の相手であれば問題ない。
おっと、思考がそれているな。
レイリーから、今日が戦争の開始日なのだが、戦闘は恐らくないだろうと言われていたので、注意が散漫になっている気がする。
今日戦争にならない理由は簡単である。
いくら上位の人間が参加しているとはいえ、独断で賠償金を払う、という要求を呑むことはできない。したがって、国に確認を取らなければいけなくなるため、戦争が現時点で行われる事はないとの予想である。
もしここに来ているトップの人間が勝手に決めたといっても、戦争でもし負けて勝者からの要求を「そいつが勝手に決めた事だから、払う必要はない」とか言ってしまうと、国を巻き込んだ侵略戦争になるらしい。
俺はするつもりなどは無いが、帝国としては看過できないため、軍を動かしての本当の戦争になってしまう。
そして、ミソなのが「戦争に参加した国」という部分である。
これは、陣借りのように参加している国へのけん制である。もし参加して負ければ、陣借りで参加している国もすべて賠償金を支払わなければならなくなるため、本国に報告と確認をする必要があるのだ。
一番遠い国で、往復に2週間位だろうか? 報告に戻る時に乗るものにもよるが、そんなもんだろう。
レイリーと帝国のリーダーの予想では、最低でも1週間ほどは戦争が延期されるはずだ。
フラグを回収することなく、いったん自分たちの陣地へと戻っていく。
1万人を超える規模の人員の兵糧は、さぞかし高くつくだろうな。現場の人間を責めてもどうにもならないとは思うが、勝っても負けても両陣営のトップ陣は糾弾されるんだろうな。
糾弾されても、ならお前たちなら自己で判断できたのか? と言えば、一発で解決なんだけどね。
突き詰めて言えば、そこまで想定して権限を与えていなかった国のトップが悪いということになる。
俺たちは自分たちの陣地に戻り、一部の警戒者を除き自由時間となった。
国家間の戦争って思ってみれば初のような気がする。国を相手取って戦ったことはあっても、組織的な喧嘩であり国としての戦争では無かったような……
まぁ、国家間でも都市間でも、初めに口上戦をしてから戦争が開始されるのは変わらないようだ。
事前に分かっていたが、国家間の戦争であり利権だけを得るための物なので、かなりの人数が戦争に参加するのだ。どっちの国も人口的には20~30万人程度なのだが、戦場には1万人以上の兵士が参戦している。
人口の3~5パーセント……本来なら全軍がここに来ているといっても、おかしくない兵士の数である。実際には半数以上が、今回の利権の配分を口実に参戦してきている他国の兵士たちだ。
そしてひどい事に、両軍に兵士を送り出している国もあるようで、どっちが勝っても利権の分配金がある状態の国も存在している。俺たちが参戦しなければの話だったけどね。
参戦するからには、こちらは負けるつもりはない。壁に徹する帝国の騎士が100人にディストピアからの参戦が500人、そして帝国の騎獣が100匹、ディストピアというか俺関係の従魔が200匹程。頭数の合計で900程なのだが、戦力的に見ると過剰なほどいると言ってもいい。
ディストピアの冒険者たちは、基本パーティー毎に戦うのだが、動かしやすいように5人1組を単位として動く事になっている。人数の多いパーティーは分かれて、少ない者同士はくっついて組を作っている。
1組に1匹スライムたちがついているので、戦力的に見ればその時点でかなり優位に立っている。
スライムの色にもよるのだが、色によって特技が違うので一概には言えないが。こいつらは、眠らなくても平気ということと、数がたくさんいるということで、従魔たち専用に用意していたダンジョンで、物量で攻略しながら経験値を稼いでいるのだ。
ある程度Lvをあげたスライムたちは自由気ままに過ごすのだが、分裂したての生まれたばかりのスライムたちは、自由を謳歌するために寝ずの経験値稼ぎをしているらしい。
俺と遊ぶことのあるスライムたちは、古参が多かったりする。
頭数的には10:10:1といった感じだが、こちらの陣営に悲観した様子は特にない。他の国の兵士たちにはあまりいないのだが、ディストピアには兼任弓使いもいるので、遠距離攻撃の比率がかなり多くなっている。
他国では魔法兵だけが遠距離攻撃になりがちなので、その数を比べるまでもないだろう。防衛線ではかなりの脅威を発揮するのだが、この世界ではウォーゲームのような戦争以外はあまり起こらないので、魔法兵だけで足りてしまうのだ。
それに対してディストピアでは、敵が近付いてくる前に減らす。というのが常識になっているので、タンクを務めるメンバー以外は、大体が弓を使うことが出来る。
今回の戦争に参戦が決まった段階で、レイリーから普通より長い距離を飛ばせる弓の発注があり、DPで召喚して渡しているので習熟訓練を行っている。飛ばすだけなら400メートルは軽く飛ばせるので、牽制にはもってこいである。
魔法も飛ばすだけなら400でも500でも可能なのだが、意味のある威力を維持したまま魔法を届かせるのは難しい距離である。
ん? 何かおかしいって? 俺たちを基準にしたらダメに決まってるだろ。ピンポイントで500メートル先のターゲットを狙うのは面倒だけど、範囲魔法で薙ぎ払うのであれば、スキルLvと魔力のごり押しで簡単にできるからな。
このレベルの魔法使いは、大国でもそう多くない。ましてや20~30万人規模の国には、いても1人程度である。このレベルの国同士であれば、魔法の有効射程はよくて200メートル位とみていいだろう。
おっと、口上戦が終わったな。
向こう側2ヶ国の言い分は、自分たちの領土である魔の森の資源を勝手に使うのは許さない。戦争に負けたら使用料を払えといった感じだ。お前らの戦争だったはずなのに、何で俺たちへの要求になっているか不明だが……
それに対してこっちの言い分は、魔の森は実効支配が難しいのでどの国の領土でもない。いわれのない金は払うつもりはない、といった感じだったな。
本来なら、俺たちが参戦しなければ、魔の森の支配権を得るための戦争だったので口上戦で終わりだったのだが、俺たちが参戦したことにより俺たちが勝った場合の要求をする事になる。
払ういわれのない金を、払わされそうになっていたことに対するこちらからの要求、といってもいいかな?
とにかく、俺たちが参戦して勝っても現状と何も変わらないのだ。だから、勝った場合の何かを要求する権利がこちらに発生する、という解釈らしい。
それによって今回戦争に参加した国には、賠償金を払ってもらうことが要求された。
ウォーゲームには、国の指導者、王や皇帝が参戦することはまずありえない。高くても上から3~4番目くらいの権力者が、代表として参加する形だ。多くの場合は、騎士団長や軍務のトップが参戦して、体裁を整えるらしい。
戦争にホイホイ出てくる俺は、異端の存在だ。そんな異端の存在も生身でここまで来ているわけじゃないからな。生身で行こうといったら、ベッドに縛り付けられるのがオチである。
ドッペルで参戦することで、やっと許可が下りているのだ。生身程性能はよくないけど、かなり無茶な強化が施されているドッペルなので、この程度の相手であれば問題ない。
おっと、思考がそれているな。
レイリーから、今日が戦争の開始日なのだが、戦闘は恐らくないだろうと言われていたので、注意が散漫になっている気がする。
今日戦争にならない理由は簡単である。
いくら上位の人間が参加しているとはいえ、独断で賠償金を払う、という要求を呑むことはできない。したがって、国に確認を取らなければいけなくなるため、戦争が現時点で行われる事はないとの予想である。
もしここに来ているトップの人間が勝手に決めたといっても、戦争でもし負けて勝者からの要求を「そいつが勝手に決めた事だから、払う必要はない」とか言ってしまうと、国を巻き込んだ侵略戦争になるらしい。
俺はするつもりなどは無いが、帝国としては看過できないため、軍を動かしての本当の戦争になってしまう。
そして、ミソなのが「戦争に参加した国」という部分である。
これは、陣借りのように参加している国へのけん制である。もし参加して負ければ、陣借りで参加している国もすべて賠償金を支払わなければならなくなるため、本国に報告と確認をする必要があるのだ。
一番遠い国で、往復に2週間位だろうか? 報告に戻る時に乗るものにもよるが、そんなもんだろう。
レイリーと帝国のリーダーの予想では、最低でも1週間ほどは戦争が延期されるはずだ。
フラグを回収することなく、いったん自分たちの陣地へと戻っていく。
1万人を超える規模の人員の兵糧は、さぞかし高くつくだろうな。現場の人間を責めてもどうにもならないとは思うが、勝っても負けても両陣営のトップ陣は糾弾されるんだろうな。
糾弾されても、ならお前たちなら自己で判断できたのか? と言えば、一発で解決なんだけどね。
突き詰めて言えば、そこまで想定して権限を与えていなかった国のトップが悪いということになる。
俺たちは自分たちの陣地に戻り、一部の警戒者を除き自由時間となった。
0
お気に入りに追加
459
あなたにおすすめの小説
サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道
コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。
主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。
こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。
そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。
修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。
それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。
不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。
記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。
メサメサメサ
メサ メサ
メサ メサ
メサ メサ
メサメサメサメサメサ
メ サ メ サ サ
メ サ メ サ サ サ
メ サ メ サ ササ
他サイトにも掲載しています。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした
御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。
異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。
女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。
――しかし、彼は知らなかった。
転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる