ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
1,656 / 2,518

第1656話 計画と違うぞ

しおりを挟む
 昨日の住人の割合の話を聞いて、俺はまたゴーストタウンに来ている。綾乃とバザールは、スチーム掃除機の魔道具の改良を行っている。屋台用の据え置きである大きな方を作ってから、ダウンサイジングを行って掃除部門のスチーム掃除機を作ることになっていたのだ。

 それにしても、この前は気付かなかったが、俺たちが工房を構えたのはかなり昔から人が入っているエリアだったので、人間が多かったのだ。獣人は比較的最近というと変だが、移動するのも大変なのでジェノサイドキャラバンにくっ付いて、移動してくる人たちが多いのだとか。

 獣人に優しい街だったら移動する必要ないもんな。移動したいと思っている獣人は、大半が虐げられているだろうから、移動するためのお金にも困っていただろう。そこでジェノサイドキャラバンの出番ってことだな。荷物の積み下ろしのために獣人を雇って連れて来たのだとか。

 知らないところで活躍しているんだな。

 話だと、ジェノサイドキャラバンで移動しているときに、色々聞いて希望を持って移動してきているため、獣人による犯罪が少ないのではないか? とも言われているのだとか。

 虐げられていた獣人からすれば、移動中のジェノサイドキャラバンでも街の生活より上だろうからな。何せ、ゴーストタウンの生活に近い衛生環境だからな。そりゃ、希望も持てるってもんだな。

 ん~この前の屋台は人間が多いエリアだったんだろうな。ゴーストタウンにいくつかある屋台エリアでも、獣人が多いエリアに来てみた。

 おぉ~、本当に獣人が多いな。グリエルたちからもらった情報によると、比較的最近できたエリアになるのか。ゴーストタウンの半分くらいの建物は、ダンジョンの中だから風化せずに残っていた建物を、リフォームして使っているのだが、広げたエリアなので新築が多くみられる。

 家賃とかどうなってるんだろうな。そこらへんは情報にないな。

 まぁいいか。笑顔が多いってことは、悲観的な人が少ないってことだよな。

 人間のエリアもそうだったけど、屋台って肉系が多いな。ゴーストタウンに肉ダンジョンがあるからだろうな。個人的には、麺類とかも置いてほしいんだけどな。焼きそばとかさ!

 俺はここの屋台エリアでも情報収集をしてみたが、やっぱり火周りの掃除が大変なようだな。それとなく、屋台の申請場所に掃除用の魔道具が配置されるって噂を流しておいた。

 大きいのは、既にできてるからな。後は、強度の問題でどれだけ連続使用できるか、というものである。そういえば、大きいタイプはクリエイトゴーレムで作るとかいう話もあったが、最終的にメンテナンスを考えた造りにして、パーツを取り換えられるタイプにしている。

 さて、食堂の方は、

 工房のあるエリアと同じかと思っていたら、獣人の多いここのエリアは食堂でも肉が中心だった。工房の方は、バランスのいい料理が多かったけど、何か理由があるのかな?

 思ったより分かりやすい理由だった。肉は高いので、食べられる機会がほとんどなかった獣人の方たちは、その反動か肉の安いゴーストタウンで肉を大量に食べているらしい。そのおかげなのか、ムッキムキな人たちが多い気がする。

 断食していると栄養の吸収率が上がるっていうけど、たんぱく質が不足していると同じような感じになるのかね? それとも獣人の体質だろうか? 素質は獣人も人間も変わらんからな。

 ここら辺の食堂の床は、大体が石みたいだな。木はほとんどない。土もいくつかあったけど、石が多かったな。宿の食事処でも石や土が多く、建物も木ではなく石造りが多いのがこのエリアの特徴かな?

 こっちは基本的にキッチンだけで問題なさそうだな。スティッキースライムのドロップを使う必要もないかもな。

 ん~こっちでも昼から飲んでいる人たちはいるけど、向こうよりは大人しい感じがするな。

 世間的なイメージからすると獣人の方が粗野だと言われているが、人間の方が色々と問題が多い気がするな。

 しばらくこのエリアを歩いてみたが、根本的な問題は向こうのエリアと大して変わらないようだな。

 ついでに工房エリアにでも行ってみるかな。俺らの工房は初期の住人たちのエリアに建てたので、工房エリアから若干離れているんだよな。同じエリアに作ろうとしたけど、作ろうとしていた建物のサイズ的に空きがなかったんだっけな?

 ここら辺に来ると、ドワーフが増えてくるな。ヴローツマインから、若手400~500歳……が大量に移住してきてるんだよね。

 ここの屋台は、どこを見ても酒のつまみばっかりだな。特に多いのは、ソーセージ系かな? パリッパリに焼かれたソーセージに、マスタードとケチャップを自由にみたいなスタンスだな。

 ここの屋台も火の回りの油汚れが大変だと……どう考えても、調理する食材の所為だろうな。

 食堂は肉系が多いが、それ以上に多かったのは、酒の種類だな。ドワーフの飲み方って俺の酒飲みのイメージと違うんだよな。俺的には、つまみをちびちび食べながらちびちび酒を飲むって感じなのだが、ドワーフはつまみも酒もガバガバ行くんだよな。付き合わされるとヤバいタイプだ。

 どこでも、油汚れは大変なんだな。重曹掃除方法も確立しておくべきか? 量産できる方法が今のところないからな。ん~ドロップする魔物がいればいいんだけどな、今のところ情報がないんだよな。

 よし、帰るか。

 工房に戻ると、綾乃とバザールが言い合いをしていた。

 パーツの部分は問題ないのだが、魔道具の部分で意見の食い違いが出てるようだ。バザールは、今より簡易的にして、すぐに交換できるようにたくさん作るようにしたいのだが、綾乃は魔道具の部分は丁寧に作って、交換をできる限り減らす方がいいと主張している。

 どっちもどっちだな、一長一短があるからな。って、ダウンサイジングしてたんじゃないんかい!

 こいつら、ダウンサイジングの前に設置タイプの方の改良をしてやがった。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道

コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。  主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。  こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。  そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。  修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。    それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。  不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。  記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。     メサメサメサ   メサ      メサ メサ          メサ メサ          メサ   メサメサメサメサメサ  メ サ  メ  サ  サ  メ サ  メ  サ  サ  サ メ  サ  メ   サ  ササ  他サイトにも掲載しています。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

処理中です...