ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1654話 のんびりした時間

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 1週間かけて、スチーム掃除機の改良を行った。大きく分ければ、掃除部隊用の持ち運び可能な物と、屋台用の同時に多数の人間が使えるようにする物の2つだ。

 前者を作ったことにより、ゴーストタウンの領主代行は掃除部門を立ち上げ、借金奴隷などを雇い入れて運営を始めた。奴隷は固定給で、多くても少なくても借金の額に応じての期間契約となっている。その代わり、固定給だからといって手を抜いたりすれば、違約金が発生するので期間が長くなる仕組みなんだって。

 後、何度も違約金を発生させた奴隷は、犯罪奴隷に格上げになるのだとか。故意に損失を出し過ぎた物は、犯罪者として扱われるようになるのだとか。借金奴隷の大半はまじめに働くのだが、稀にそうじゃないに奴隷もいるそうで、しっかりと決めているんだとさ。

 そういえば掃除するために汚れるものも多いので、合わせて洗濯業務を請け負う部署も作ったと言っていた。汚れ物は洗うのが大変だからな。本当はクリエイトゴーレムで、大型洗濯機みたいなのを作ってしまいたかったのだが、水車を動力にした洗濯機を作った。

 水車って思ったより使い勝手がいいんだよな。回転は速くないけど、そこそこ力があるから本当に便利なのだ。

 キッチン周りを掃除するときに使う雑巾も、油汚れを落とす時にスチームを当てて落としているのは、なんか見てて面白かったな。油汚れの布って落ちにくいからね。みるみる綺麗にしているのは、見て面白い物だった。

 木の床のコーティングについては、建築系の商会に頑張ってもらって結構な数の食堂や宿の床にコーティングが施された。

 概ね、いい評価をいただけているみたいで良かった。ただ、冒険者たちの多く集まる店では、武器を壁とかに立てかける人や武器を落とす人もいて、すぐに剥げてしまう部分が出来てしまうのだとか。

 さすがにそれはどうにもならんな。身につけられない物は、指定の場所に置いてもらうとかしか対策はできなそうだ。

 まぁまぁ頑張ったので、今は家でダレている。久々に俺の近くに来てくれたフブキの上に乗っかり、呼吸に合わせて体が上下する感覚を楽しんでいる。

 フブキってすげーんだよな。だってさ、俺が乗った状態でも普通に寝るし、娘たちに体当たりされても無視して寝てるんだもん。一番驚いたのは、雨にうたれた状態でも普通に寝てるところだな。鈍感なのか図太いのか、よくわからん奴だ。

 香箱座りのモフモフを味わうのも悪くないけど、お腹の上でダレるのも悪くない。

 一緒に日向ぼっこをしていると、フブキが急に起き上がり地面へと落ちた、痛い。急に何なんだ?

 何事かと思ったが、フブキの視線の先を見るとシンラ先頭に、プラムとシオンがこちらに向かってきていた。その後ろからは、姉たちが見守るようについてきている。

 シンラたちのお目当ては、フブキのようだった。起きてどこにもいなかったので、姉たちに付き添ってもらい探していたようだ。

 1番で到着したシンラはすぐに尻尾に摑まり、背中の上に移動させてもらったみたいだ。フブキの上ってモフモフしてて気持ちいんだよな。

 プラムとシオンも追いかけるのかと思ったら、フブキの体の下にもぐり始めた。香箱座りのような状態なので、脇の下から侵入して折りたたんでいる手のところまで移動して、肉球をいじり始めた。

 肉球には抗えない魔性の力が存在しているな。

 背中にいたシンラは移動を開始して、フブキの耳の間に到着した。そして、そのまま寝るようだ。さっきまで寝てたんじゃないんかい!

 こいつにはこいつにしかわからない苦労があるのかもな。

 っと、姉たちは何をしてるかな。

 ミーシャたちの姿を探してみると、俺が立っていた側と反対の後ろ脚の位置に、3人で並んでもたれかかるようにして、本を読んでいた。好みの本がここに違うところが個性だろうか?

 ミーシャは少年系の週刊誌に掲載されているバトルものが好きだ。スミレは恋愛ものの漫画が好きなようで、ブルムはスポーツ系の漫画が好きなようだな。

 ウルは尻尾の先近くで、尻尾に抱き着く姿が見られる。4人の中で一番俺に似てる行動をとるのは、何故か血の繋がっていないウルなんだよな。俺もフブキの上でダレる前は、モフモフな尻尾をモフモフしてたんだよな。

 おっと、プラムとシオンがフブキの胸の下から這い出してきた。違うな。肉球にくっ付いて寝たのに気付いたフブキが、器用に2人を胸の下から引っ張り出した感じだな。この猫本当に優秀である。

 おや? よく周りを見てみると、従魔のみんなが集まってきていた。新顔のフブキだが、子どもたちからの人気が高いため、ダマみたいなパシリみたいな扱いを受けていない。反対に羨ましがられているような気がするな。

 こいつらは、どこまで行っても俺より子どもたち優先だな。まったく、誰の従魔か分からん状況だな。

 足元に何やら気配が……ダマ、お前か。お前はいつも俺の近くにいてくれるよな。ういやつだな。

 かまってやっていると、尻尾を堪能したウルが俺のもとに来て、一緒にダマを撫で始めた。ダマは基本的に俺の近くにいるから、娘たちにかまってもらえるのは特権かもしれんな。後で僻みを言われているらしいけどな。

 本に夢中だったミーシャたちも、従魔たちが集まってきたことに気付き1匹1匹に近付いて、ワシャワシャし始めた。こうやってかまうから、従魔たちが俺より娘たちに懐くんだよな。最近、俺の風呂のときより、娘たちのときに合わせて入ってるみたいだしな。

 平和な時間が過ぎて、夕食だとコバルトが呼びに来た。

 明日は何をしようかな?
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