1,650 / 2,518
第1650話 準備が整いそう
しおりを挟む
サッカーの勉強をして審判代わりに召喚した妖精は、ジャック・オー・ランタンだ。俺は長いので、ジャック呼びが基本となっている。
何でこいつかというと、火の精霊の一種で四大精霊のガルドから推薦があったからだ。
ジャックは、いくつかあるうちの1つの逸話の通り、「天国へ行くことも、地獄へ行くことも出来ない」存在であり、現世を漂いいろいろなものを見て来た存在なのだとか。
そのせいか、なりたてのジャックは姿が乱れるほど色々なモノを恨んでいるが、長く現世にとどまり続けていると恨みが薄れていくそうだ。今まで興味も示さなかった些細なことが気になり始め、普通では触れられぬいることも感知できない存在であるため、興味の赴くままこの世界を漂い続けるのだとか。
しかもこの世界というのが、神が作った他の世界も含んでいるということが、ジャックの恐ろしいところだろう。
漂っている内に、勇者とダンジョンマスターに興味を持ったジャックたちは、こいつらの観察をはじめ、遊びなどに興味を持ったらしい。
そこで、妖精ネットワークの中でも各属性毎、種別毎に存在しているネットワークを通じて、ガルドに度々「召喚してほしい」と依頼が来ていたそうだ。
この世界では、一般的にジャック・オー・ランタンは、魔物と認識されている。
何故そんなことが起こっているかというと、恨みが深すぎたジャック・オー・ランタンは、その存在が妖精から反転して妖魔に落ちてしまうのだとか。そうすると、現世に顕現して攻撃性が強くなり人々を襲うのだとか。
妖魔ってなんぞ? って思ってたら、説明してくれたよ。
簡単に言えば、魔物の一種なんだってさ。死人が魔物になればアンデッド、妖精が魔物になれば妖魔なんだってさ。妖魔は魔物の一種ということで、倒すことによって魔石をドロップする。
現世に興味を持ちすぎたジャックたちを受け入れてほしいと、ガルドに連絡が入りサッカーの審判として仕事をしてくれるなら、召喚してもいいと持ち掛けたところ、今回の召喚になったのだ。
とはいえ、一気に30人も呼んでほしいと言われたときには、こめかみを抑えたけどな。
この30人のジャックたちは、鬼人とスケルトンたちの練習に付き合わせて、簡単なチーム戦などをするときに審判をしてもらい実戦経験を積んでいる。
審判用の動画も準備しているので、審判をしていないときなどは勉強をしてもらっている。
と言っても、ずっと勉強ばかりさせていればジャックたちは爆発するだろうから、ゲーム機も買い与えている。サッカーの審判の勉強や練習に支障が出ない限り、自由に遊んでいいように複数台準備した。
そのおかげで、概ね計画通りに審判を確保できたと思う。しかも、複数でドローンみたいにいろんな角度から見ることができるので、隠れて反則をするのは地球より難しくなっている。何せ、選手1人に1ジャックつくため、ほぼすべての行動が見られるのである。
同時に2試合行うこともあるだろうから、時を見て数を増やす必要があるかな? それに、人間の審判もいずれ増やしていきたいな。
サッカーに関することは、ひとまず終了だろう。後は、勝手に育ってくれることを祈ろう。
家に帰って自分の部屋に行くと、趣味部屋の方から娘たちの声が聞こえた。覗いてみると、そこでゲームをしていた。自分たちの子ども部屋にもあるのになぜだろう?
一緒に趣味部屋にいたカエデに聞いてみると、下の子たちが寝ているのに大きな声を出して遊ぶから、ここに来たのだとか。
あれ? でもさ、下の子たちの寝る場所とゲームのできる場所って、しっかり遮音されてなかったっけ?
実際には聞こえていないらしいんだけど、あまりにうるさかったのでこっちに連れて来たのだとか。どんなゲームしてたんだよ!
ネタで通称友情破壊ゲームと呼ばれている、電車を使ったあのゲームらしい。俺は召喚した覚えないけど、綾乃あたりに借りたのか? ミーシャたちは深く理解していないようで、貧乏神も楽しんでいる感じだった。
これで娘たちの仲が悪くなるようなことがあれば、綾乃を懲らしめる必要があったな。
遊びに夢中で俺に気付いていなかったミーシャたちが、俺のことに気付き近寄ってきた。うむうむ、3人とも可愛いぞ!
「あれ? ウルがいないけど、一緒じゃないのか?」
「ウー姉は、おやつ作ってる! 今日も美味しいおやつが出てくるの!」
あ~、今日もシルキーたちに料理を習っているんだな。
「よし! みんなでウルの頑張ってる姿見に行こうか?」
3人とも賛成なようでキッチンへ移動する。
そーっと覗いてみると、ウルが真剣な表情をしてスカーレットから指導を受けていた。
「ウー姉カッコいいね!」
「何か、キリッとした表情してる!」
「今日のおやつなのかな?」
ミーシャだけおやつのことを考えているようだ。
何やら平べったい円形の金属に、お玉ですくった液体を落としてT字の道具を使って広げている。これはあれだね、クレープの生地を作っているようだな。
でも、あの技術って結構難しくて、すぐに覚えられるような物じゃなかった気がするんだが……
やはり難しいようで、何度も失敗してしまっている。スカーレットの事だから、失敗しても何かに使うのだとは思うけど、不揃いの生地はさすがに使いにくい気がするけど、大丈夫だろうか?
しばらく、ウルの奮闘を見守ってから食堂へ移動する。
「今日のおやつは、なにっかな~」
ミーシャたちは、自作の歌のようなものを歌いながらおやつが運ばれてくるのを待っている。
目の前に出された物を見て、なるほど! と納得した。
2品出てきており、片方は手に持って食べる一般的に知られているクレープの食べ方ではなく、フレンチで食べるようなフォークとナイフを使うタイプのクレープと、クレープ生地を使ってミルフィーユにしたみたいだな。
うむ、美味いぞ! ミルフィーユの方は、出来るだけ同じような厚みの生地を使っているのか、食感も悪くない。
ウルを褒めておいた。
ウルの頭を撫でていると、ミーシャたちは何もしていないのだが、撫でてほしいとおねだりをしてきたので、みんなの頭を撫でることになった。
何でこいつかというと、火の精霊の一種で四大精霊のガルドから推薦があったからだ。
ジャックは、いくつかあるうちの1つの逸話の通り、「天国へ行くことも、地獄へ行くことも出来ない」存在であり、現世を漂いいろいろなものを見て来た存在なのだとか。
そのせいか、なりたてのジャックは姿が乱れるほど色々なモノを恨んでいるが、長く現世にとどまり続けていると恨みが薄れていくそうだ。今まで興味も示さなかった些細なことが気になり始め、普通では触れられぬいることも感知できない存在であるため、興味の赴くままこの世界を漂い続けるのだとか。
しかもこの世界というのが、神が作った他の世界も含んでいるということが、ジャックの恐ろしいところだろう。
漂っている内に、勇者とダンジョンマスターに興味を持ったジャックたちは、こいつらの観察をはじめ、遊びなどに興味を持ったらしい。
そこで、妖精ネットワークの中でも各属性毎、種別毎に存在しているネットワークを通じて、ガルドに度々「召喚してほしい」と依頼が来ていたそうだ。
この世界では、一般的にジャック・オー・ランタンは、魔物と認識されている。
何故そんなことが起こっているかというと、恨みが深すぎたジャック・オー・ランタンは、その存在が妖精から反転して妖魔に落ちてしまうのだとか。そうすると、現世に顕現して攻撃性が強くなり人々を襲うのだとか。
妖魔ってなんぞ? って思ってたら、説明してくれたよ。
簡単に言えば、魔物の一種なんだってさ。死人が魔物になればアンデッド、妖精が魔物になれば妖魔なんだってさ。妖魔は魔物の一種ということで、倒すことによって魔石をドロップする。
現世に興味を持ちすぎたジャックたちを受け入れてほしいと、ガルドに連絡が入りサッカーの審判として仕事をしてくれるなら、召喚してもいいと持ち掛けたところ、今回の召喚になったのだ。
とはいえ、一気に30人も呼んでほしいと言われたときには、こめかみを抑えたけどな。
この30人のジャックたちは、鬼人とスケルトンたちの練習に付き合わせて、簡単なチーム戦などをするときに審判をしてもらい実戦経験を積んでいる。
審判用の動画も準備しているので、審判をしていないときなどは勉強をしてもらっている。
と言っても、ずっと勉強ばかりさせていればジャックたちは爆発するだろうから、ゲーム機も買い与えている。サッカーの審判の勉強や練習に支障が出ない限り、自由に遊んでいいように複数台準備した。
そのおかげで、概ね計画通りに審判を確保できたと思う。しかも、複数でドローンみたいにいろんな角度から見ることができるので、隠れて反則をするのは地球より難しくなっている。何せ、選手1人に1ジャックつくため、ほぼすべての行動が見られるのである。
同時に2試合行うこともあるだろうから、時を見て数を増やす必要があるかな? それに、人間の審判もいずれ増やしていきたいな。
サッカーに関することは、ひとまず終了だろう。後は、勝手に育ってくれることを祈ろう。
家に帰って自分の部屋に行くと、趣味部屋の方から娘たちの声が聞こえた。覗いてみると、そこでゲームをしていた。自分たちの子ども部屋にもあるのになぜだろう?
一緒に趣味部屋にいたカエデに聞いてみると、下の子たちが寝ているのに大きな声を出して遊ぶから、ここに来たのだとか。
あれ? でもさ、下の子たちの寝る場所とゲームのできる場所って、しっかり遮音されてなかったっけ?
実際には聞こえていないらしいんだけど、あまりにうるさかったのでこっちに連れて来たのだとか。どんなゲームしてたんだよ!
ネタで通称友情破壊ゲームと呼ばれている、電車を使ったあのゲームらしい。俺は召喚した覚えないけど、綾乃あたりに借りたのか? ミーシャたちは深く理解していないようで、貧乏神も楽しんでいる感じだった。
これで娘たちの仲が悪くなるようなことがあれば、綾乃を懲らしめる必要があったな。
遊びに夢中で俺に気付いていなかったミーシャたちが、俺のことに気付き近寄ってきた。うむうむ、3人とも可愛いぞ!
「あれ? ウルがいないけど、一緒じゃないのか?」
「ウー姉は、おやつ作ってる! 今日も美味しいおやつが出てくるの!」
あ~、今日もシルキーたちに料理を習っているんだな。
「よし! みんなでウルの頑張ってる姿見に行こうか?」
3人とも賛成なようでキッチンへ移動する。
そーっと覗いてみると、ウルが真剣な表情をしてスカーレットから指導を受けていた。
「ウー姉カッコいいね!」
「何か、キリッとした表情してる!」
「今日のおやつなのかな?」
ミーシャだけおやつのことを考えているようだ。
何やら平べったい円形の金属に、お玉ですくった液体を落としてT字の道具を使って広げている。これはあれだね、クレープの生地を作っているようだな。
でも、あの技術って結構難しくて、すぐに覚えられるような物じゃなかった気がするんだが……
やはり難しいようで、何度も失敗してしまっている。スカーレットの事だから、失敗しても何かに使うのだとは思うけど、不揃いの生地はさすがに使いにくい気がするけど、大丈夫だろうか?
しばらく、ウルの奮闘を見守ってから食堂へ移動する。
「今日のおやつは、なにっかな~」
ミーシャたちは、自作の歌のようなものを歌いながらおやつが運ばれてくるのを待っている。
目の前に出された物を見て、なるほど! と納得した。
2品出てきており、片方は手に持って食べる一般的に知られているクレープの食べ方ではなく、フレンチで食べるようなフォークとナイフを使うタイプのクレープと、クレープ生地を使ってミルフィーユにしたみたいだな。
うむ、美味いぞ! ミルフィーユの方は、出来るだけ同じような厚みの生地を使っているのか、食感も悪くない。
ウルを褒めておいた。
ウルの頭を撫でていると、ミーシャたちは何もしていないのだが、撫でてほしいとおねだりをしてきたので、みんなの頭を撫でることになった。
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~
霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。
ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。
これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる