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第1626話 チビ神……
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キャンプは1泊2日のつもりだったが、妻たちが入れ替わることで3泊4日になった。
その間にいろいろな料理を娘たちと作れて、俺的には大満足である。料理と呼んでいいのかという物もあったが、娘たちも喜んでいたので問題ない! 思ったよりホイル焼きが美味しかったためか、ウルたちが畑で作られている野菜に興味を持っていたので、今度一緒に行く約束をした。
バザールたちから連絡もなかったので、キャンプから帰ってきてからは庁舎の方に顔を出して仕事をしていた。
ダンジョンバトルが終わってから1週間、庁舎で仕事をしてからバザールのいる部屋に向かう。
そこには、人間フォームのバザールと綾乃がどてらを着てコタツに足を突っ込み、煎餅を食べながらテレビを見ていた。
「お? 主殿、久しぶりでござるな」
「シュウ、久しぶりじゃない。何かあったの?」
「それはこっちのセリフだよ。何かなかったか聞きに来たんだよ」
「あれからは、特に何もないでござるな。ダンジョンバトルの申し込みも無かったでござるし、神と思われる奴らからの干渉も確認できていないでござる。あっ、でも……」
「でも、の後はなんだよ?」
「チビ神がしつこくケーキの要求をしてくるでござる」
「俺に要求してももらえないからって、またバザールに要求をはじめたのか? お前のことだから、何度か渡してるんだろうな」
「ケーキで邪魔者がいなくなるでござるから、送らない理由は無いでござる。あのしつこいのの相手をするくらいなら、DPを使って追い払うでござるよ」
俺も甘い方ではあるが、奴が調子に乗らないように加減はしてるからな。
「今度、釘を刺しておくわ。可能なら物理的に刺してやりたいけどな」
『ちょっと! 何物騒なこと言ってんのよ! 寒気がするから何事かと覗いてみれば、こんな幼気な少女になんてことするつもりよ!』
バザールと綾乃の反応を見る限り、今回は2人にも聞こえているようだ。
「幼気な少女ね? やっと、自分のことをチビ神だと自覚したか」
『あっ! 今の無しね。消し去ったから、ノーカンよノーカン。てか何で、私に釘を刺すとかいう話になったのよ』
「お前が、俺に隠れてバザールにたかってたのを聞いたからな、どう懲らしめてやろうかと考えてたわけよ。それに、お前には十分渡してんだろ? そらなのに追加で要求とか、ふざけるなっての」
『何よ! それだけ稼いでるんだから、もっとこっちに回してくれてもいいじゃない!』
「だから、十分回してんだろ。何で追加で要求してんだよ」
『調子に乗って、同じ境遇の仲間にケーキやスイーツを出してたら、無くなっちゃったのよ。それに、あんたから送られてくるのが美味しいせいで、リピーターになっちゃったの! だから、半分はあなたの所為よ!』
「ふざけるな! 全部お前の見栄の所為じゃねえか! つか、今度バザールにたかったら、もう2度と送らねえからな。バザールも、無視しろ無視」
『分かったわ。今度からは、あんたにするわよ』
「俺は、たかるなっていいたいんだが?」
『せっかく、立場が上がってきたから、私についてきている子たちに分けてあげたいのよ。こんな境遇だったから、同じ境遇の子たちを見捨てられないの』
「シュウ、今回はこの神が言いたいことも分かるわ。立場や状況は違うけど、気持ちは痛いほど分かるわね。ブラウニーたちにお願いして、定期的に送る量を増やしてもらったら? あまり厳しくし過ぎると、四六時中声を聴くはめになると思うわよ」
綾乃は、気持ちが分かることと、四六時中これが聞こえるようになるかもしれないから、送る量を増やした方が良いと考えているみたいだ。
バザールは頷いているので、賛成のようだな。
「わかった。送る量を増やすから、それで対応しろよ。それと送ってやるんだから、その内見返りをくれよな。神が複数いるなら、なんとかなることもあんだろ? 期待しておくぞ」
『うっ……だけど、力がない神でも数が揃えば、出来ることは増えるわね。ちょっとそこらへんに詳しい神を引き込みたいから、上等な日本刀を1本くれないかしら?』
「話の意味が分からん」
チビ神が説明を始めた。
どうやら、神たちの力関係や何やらが詳しい奴がいるらしい。しかも、どこにも属していない自由な奴なのだとか。だけど、ランカーを何度も召喚しているし、今もランカーにこいつの召喚したダンジョンマスターがいるらしい。
そいつは、極度の武器マニアらしく、今は日本刀を欲しがっているのだとか。そいつに日本刀を渡せれば、力になってくれるだろうということらしい。
力もあるから、俺が望んでいるような特殊な召喚をできるようになるかもしれないだってさ。
うっし、なら奮発してやろう。上等な日本刀ではなく、最高の一振りを……妖刀・村正を召喚してやったわ。
チビ神には価値が分からなかったらしいが、武器マニアの神にはあれがどんなものか分かったらしい。あれの価値が分かるとは、やりおる。
そして、DP換算でいうと一番高かったものらしく、チビ神はかなり気に入られたらしい。そのおかげで協力してもらえるようになったようだ。俺の召喚枠を増やすために腐心してくれ!
チビ神との話も終わり、協力体制も築けた。ゆっくりしようと思ったら、綾乃が急に立った。
「私、休憩終わりだから行くね」
と、どっかに行ってしまった。ゴーレムなんかの開発の息抜きでここに来ていたらしい。ゲームをやってるんじゃないのか? とか思ったが、それは一昨日までの話だとか。昨日今日は、何かを思いついたのか、こもって何かしてるらしい。
バザールはバザールで、ここにいながら自分の農園のスケルトンに指示を出して、本体ではいろんなアーカイブを見て研究をしているようだ。
「ここにいても、することは無いと思うでござるよ? 娘さんたちと遊んで来たらどうでござるか?」
後ろからカリカリ聞こえると思ったら、健司がいた。マジで気付かなかったわ。ビビるから、隅っこで書かないでくれよ。
娘たちと畑に行く約束をしていたので、近々行ってみるか。
その間にいろいろな料理を娘たちと作れて、俺的には大満足である。料理と呼んでいいのかという物もあったが、娘たちも喜んでいたので問題ない! 思ったよりホイル焼きが美味しかったためか、ウルたちが畑で作られている野菜に興味を持っていたので、今度一緒に行く約束をした。
バザールたちから連絡もなかったので、キャンプから帰ってきてからは庁舎の方に顔を出して仕事をしていた。
ダンジョンバトルが終わってから1週間、庁舎で仕事をしてからバザールのいる部屋に向かう。
そこには、人間フォームのバザールと綾乃がどてらを着てコタツに足を突っ込み、煎餅を食べながらテレビを見ていた。
「お? 主殿、久しぶりでござるな」
「シュウ、久しぶりじゃない。何かあったの?」
「それはこっちのセリフだよ。何かなかったか聞きに来たんだよ」
「あれからは、特に何もないでござるな。ダンジョンバトルの申し込みも無かったでござるし、神と思われる奴らからの干渉も確認できていないでござる。あっ、でも……」
「でも、の後はなんだよ?」
「チビ神がしつこくケーキの要求をしてくるでござる」
「俺に要求してももらえないからって、またバザールに要求をはじめたのか? お前のことだから、何度か渡してるんだろうな」
「ケーキで邪魔者がいなくなるでござるから、送らない理由は無いでござる。あのしつこいのの相手をするくらいなら、DPを使って追い払うでござるよ」
俺も甘い方ではあるが、奴が調子に乗らないように加減はしてるからな。
「今度、釘を刺しておくわ。可能なら物理的に刺してやりたいけどな」
『ちょっと! 何物騒なこと言ってんのよ! 寒気がするから何事かと覗いてみれば、こんな幼気な少女になんてことするつもりよ!』
バザールと綾乃の反応を見る限り、今回は2人にも聞こえているようだ。
「幼気な少女ね? やっと、自分のことをチビ神だと自覚したか」
『あっ! 今の無しね。消し去ったから、ノーカンよノーカン。てか何で、私に釘を刺すとかいう話になったのよ』
「お前が、俺に隠れてバザールにたかってたのを聞いたからな、どう懲らしめてやろうかと考えてたわけよ。それに、お前には十分渡してんだろ? そらなのに追加で要求とか、ふざけるなっての」
『何よ! それだけ稼いでるんだから、もっとこっちに回してくれてもいいじゃない!』
「だから、十分回してんだろ。何で追加で要求してんだよ」
『調子に乗って、同じ境遇の仲間にケーキやスイーツを出してたら、無くなっちゃったのよ。それに、あんたから送られてくるのが美味しいせいで、リピーターになっちゃったの! だから、半分はあなたの所為よ!』
「ふざけるな! 全部お前の見栄の所為じゃねえか! つか、今度バザールにたかったら、もう2度と送らねえからな。バザールも、無視しろ無視」
『分かったわ。今度からは、あんたにするわよ』
「俺は、たかるなっていいたいんだが?」
『せっかく、立場が上がってきたから、私についてきている子たちに分けてあげたいのよ。こんな境遇だったから、同じ境遇の子たちを見捨てられないの』
「シュウ、今回はこの神が言いたいことも分かるわ。立場や状況は違うけど、気持ちは痛いほど分かるわね。ブラウニーたちにお願いして、定期的に送る量を増やしてもらったら? あまり厳しくし過ぎると、四六時中声を聴くはめになると思うわよ」
綾乃は、気持ちが分かることと、四六時中これが聞こえるようになるかもしれないから、送る量を増やした方が良いと考えているみたいだ。
バザールは頷いているので、賛成のようだな。
「わかった。送る量を増やすから、それで対応しろよ。それと送ってやるんだから、その内見返りをくれよな。神が複数いるなら、なんとかなることもあんだろ? 期待しておくぞ」
『うっ……だけど、力がない神でも数が揃えば、出来ることは増えるわね。ちょっとそこらへんに詳しい神を引き込みたいから、上等な日本刀を1本くれないかしら?』
「話の意味が分からん」
チビ神が説明を始めた。
どうやら、神たちの力関係や何やらが詳しい奴がいるらしい。しかも、どこにも属していない自由な奴なのだとか。だけど、ランカーを何度も召喚しているし、今もランカーにこいつの召喚したダンジョンマスターがいるらしい。
そいつは、極度の武器マニアらしく、今は日本刀を欲しがっているのだとか。そいつに日本刀を渡せれば、力になってくれるだろうということらしい。
力もあるから、俺が望んでいるような特殊な召喚をできるようになるかもしれないだってさ。
うっし、なら奮発してやろう。上等な日本刀ではなく、最高の一振りを……妖刀・村正を召喚してやったわ。
チビ神には価値が分からなかったらしいが、武器マニアの神にはあれがどんなものか分かったらしい。あれの価値が分かるとは、やりおる。
そして、DP換算でいうと一番高かったものらしく、チビ神はかなり気に入られたらしい。そのおかげで協力してもらえるようになったようだ。俺の召喚枠を増やすために腐心してくれ!
チビ神との話も終わり、協力体制も築けた。ゆっくりしようと思ったら、綾乃が急に立った。
「私、休憩終わりだから行くね」
と、どっかに行ってしまった。ゴーレムなんかの開発の息抜きでここに来ていたらしい。ゲームをやってるんじゃないのか? とか思ったが、それは一昨日までの話だとか。昨日今日は、何かを思いついたのか、こもって何かしてるらしい。
バザールはバザールで、ここにいながら自分の農園のスケルトンに指示を出して、本体ではいろんなアーカイブを見て研究をしているようだ。
「ここにいても、することは無いと思うでござるよ? 娘さんたちと遊んで来たらどうでござるか?」
後ろからカリカリ聞こえると思ったら、健司がいた。マジで気付かなかったわ。ビビるから、隅っこで書かないでくれよ。
娘たちと畑に行く約束をしていたので、近々行ってみるか。
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