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第1625話 スイーツの出来栄えは?
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ウルが起きるまでのんびりしているつもりだったのだが、先ほどまでメッチャ笑顔だったはずのシンラが急に泣き始めた。
下の子たちで一番泣かないシンラが急に泣いたので、親である俺たちは何事かと思い少し慌ててシンラのもとへ。
ギャーギャー泣いてケットシーに抱き着いていたシンラが、俺たちの顔を見つけると高速でハイハイして寄ってきたが、箱型になっているエアーベッドの柵が邪魔になって、俺たちのところまで来れなかった。そうすると、でっぱり部分に向かってバシバシと攻撃を始めた。
「プラムたちがいなくて、泣いたのか?」
「それは無いと思うわ。プラムちゃんたちじゃなくて、部屋……テントに誰もいなかったから泣いたんじゃないかな? 普段は、誰かしら近くにいますからね。もしかしたら、自分1人なったのは初めてかもしれませんね」
ライラにそう言われて子どもたちのことも思い返す。ミーシャたちも常に一緒にいるけど、1人になったことはあるのだろうか? 3人の方を見てそんなことを考えていたら。
「最近は、3人一緒じゃないときもあるよ!」
近くに来ていたブルムがそう言ってきた。あれ? 俺、また声に出してた?
「シュウ君の顔を見れば、子どもたちでも何を考えているのか分かるわよね」
まじか。まぁ、知られて困ることでもないし問題ないか。
微笑ましい様子で話していたら、シンラが怒りだしてしまったのか、先ほどより強くエアーベッドの柵を叩いている。さて、お前さんは誰に抱っこしてほしいのだ? 視線が母親であるライラを見ているから、やっぱり母親がいいのだろうか?
ライラが近づくと両手を伸ばして、抱っこを要求してきた。やはり母親が安心するのだろう。所詮俺は、プラムたちからの弾除けみたいな扱いだろうな。息子に嫌われるのもきついだろうけど、娘たちに嫌われることを考えれば、どうってことないと思う。
シンラの微笑ましい一面を見て笑っていた俺たちを、シンラはムスッとした顔で見てくる。先ほどまで笑顔で寝ていた赤ちゃんと、同一には見えないな。拗ねるな拗ねるな、そんな顔してるとプラムたちに心配されるぞ?
俺がそんなことを考えていると、シンラがハッとした顔をして周りをキョロキョロと見まわしていた。何もなかったことにホッとしたのか、安心した顔でライラに抱き着いた。俺の考えていることが、シンラにも伝わったのか?
下の世話が終わったようで、プラムたちが戻ってきた。キャンプだったとしても、子どもたちの清潔は大切なのでテントで囲った、きちんとしたお風呂を準備している。
プラムたちは戻ってくるなり、何かを探し始めた。ピーチたちに指をさしてテントに行くように声を出している。
あ~シンラのことを探しているんだな。テントの中を見ていないことを確認すると、更にキョロキョロし始めた。
今シンラは、プラムたちから見え難い位置でライラに抱かれているので探しているのだろう。それに気付いたライラがプラムたちが見える位置で、手を振ると不安そうな顔をしていたプラムたちが笑顔になる。
シンラを見つけて安心したプラムたちは、周りの様子が気になったのか、また周りを見回し始めた。
2人が、姉たちに巻き付いているメグちゃんとシリウス君を発見して、羨ましそうな声をだしていると、それに気付いたメグちゃんが「きゅおっ」と鳴くと、メグちゃんがプラムにシリウス君がシオンにのもとへ移動した。
できるヘビだな!
「ふぁぁ~」
可愛らしい声が聞こえる。ウルが起きてあくびをしたようだな。ミーシャたちが起きたウルのもとに集まりお礼を言い始めたが、ウルは混乱していて何の事か分からない様子だ。おやつのスイーツの件を聞くと、なるほど! といった表情だ。
ウルも起きたのでおやつが始まる。
おっと? 下の子たちも食べて大丈夫なのか? とか思ったが、何の問題も無いらしい。
おやつではお腹いっぱい食べるわけにはいかないのだが、ソースをたくさん作ってしまったため全部食べるとなると、結構な量になってしまう。普段食べているチーズケーキの6分の1くらいのサイズに切り別け、1口サイズにしてソースをかけて楽しむ形になった。
俺も一口、口に運ぶ。うん、上手くできてるな。まぁ、パティシエが作っているような上等なものでは無いので、失敗する要素もほとんどないケーキだからな。
スイーツって、同じ物でも手間をかけるだけ、美味しくなるものも多い気がするな。母親に連れられてよく言っていたスイーツ店のパティシエに聞いたのだが、バレンタインにもらう手作りチョコレートの中には、テンパリングをしていない物もあるので、食べるときは注意した方が良い、と言われたことがある。
後日、俺がよくわかっていない顔をしていたのがバレていたようで、きちんと温度管理をしてテンパリングをされたチョコ、温度管理が微妙でテンパリングされたチョコ、溶かして固めただけのチョコ、の3種類を作ってくれたのだ。
食べてみると、確かに触感が全然違ったのだ。しっかりとテンパリングされたチョコが一番おいしく感じたんだよな。3種類準備されて、どれがどれだか分からない状態で食べ比べをしたので、違いが本当によくわかったんだよな。
チョコレートで例えたけど、他のスイーツでも手間をかけるだけ美味しくなるものは沢山ある。実際にレアチーズケーキも、こだわればこだわるだけ美味しくなる。
あっ、バレンタインにチョコなんてもらったことないから、余計なお世話です! と心の中で突っ込んだけどね。
隣にいるウルはみんなが美味しそうに食べている姿を見て安心した表情をしている。頭を優しくなでてあげた。
夜は、バーベキューを思い思いにしながら、ブラウニーたちの作ってくれた肉料理メインの食事を食べた。うっぷ……食べ過ぎて、苦しいな。
夜は、久々に1人で寝る気がする。子どもと母親は、上と下に分かれて別々のテントへ。ミーシャたちのテントには、ウルとメグちゃんも一緒だ。プラムたちはシリウス君が一緒だ。他の妻は、違うテントにまとまっている。
俺はテントで1人寝転がっている。いつも、誰かしらと寝ているから、誰もいないと不思議に感じるな。たまには、1人でのんびりするのも悪くないかな?
下の子たちで一番泣かないシンラが急に泣いたので、親である俺たちは何事かと思い少し慌ててシンラのもとへ。
ギャーギャー泣いてケットシーに抱き着いていたシンラが、俺たちの顔を見つけると高速でハイハイして寄ってきたが、箱型になっているエアーベッドの柵が邪魔になって、俺たちのところまで来れなかった。そうすると、でっぱり部分に向かってバシバシと攻撃を始めた。
「プラムたちがいなくて、泣いたのか?」
「それは無いと思うわ。プラムちゃんたちじゃなくて、部屋……テントに誰もいなかったから泣いたんじゃないかな? 普段は、誰かしら近くにいますからね。もしかしたら、自分1人なったのは初めてかもしれませんね」
ライラにそう言われて子どもたちのことも思い返す。ミーシャたちも常に一緒にいるけど、1人になったことはあるのだろうか? 3人の方を見てそんなことを考えていたら。
「最近は、3人一緒じゃないときもあるよ!」
近くに来ていたブルムがそう言ってきた。あれ? 俺、また声に出してた?
「シュウ君の顔を見れば、子どもたちでも何を考えているのか分かるわよね」
まじか。まぁ、知られて困ることでもないし問題ないか。
微笑ましい様子で話していたら、シンラが怒りだしてしまったのか、先ほどより強くエアーベッドの柵を叩いている。さて、お前さんは誰に抱っこしてほしいのだ? 視線が母親であるライラを見ているから、やっぱり母親がいいのだろうか?
ライラが近づくと両手を伸ばして、抱っこを要求してきた。やはり母親が安心するのだろう。所詮俺は、プラムたちからの弾除けみたいな扱いだろうな。息子に嫌われるのもきついだろうけど、娘たちに嫌われることを考えれば、どうってことないと思う。
シンラの微笑ましい一面を見て笑っていた俺たちを、シンラはムスッとした顔で見てくる。先ほどまで笑顔で寝ていた赤ちゃんと、同一には見えないな。拗ねるな拗ねるな、そんな顔してるとプラムたちに心配されるぞ?
俺がそんなことを考えていると、シンラがハッとした顔をして周りをキョロキョロと見まわしていた。何もなかったことにホッとしたのか、安心した顔でライラに抱き着いた。俺の考えていることが、シンラにも伝わったのか?
下の世話が終わったようで、プラムたちが戻ってきた。キャンプだったとしても、子どもたちの清潔は大切なのでテントで囲った、きちんとしたお風呂を準備している。
プラムたちは戻ってくるなり、何かを探し始めた。ピーチたちに指をさしてテントに行くように声を出している。
あ~シンラのことを探しているんだな。テントの中を見ていないことを確認すると、更にキョロキョロし始めた。
今シンラは、プラムたちから見え難い位置でライラに抱かれているので探しているのだろう。それに気付いたライラがプラムたちが見える位置で、手を振ると不安そうな顔をしていたプラムたちが笑顔になる。
シンラを見つけて安心したプラムたちは、周りの様子が気になったのか、また周りを見回し始めた。
2人が、姉たちに巻き付いているメグちゃんとシリウス君を発見して、羨ましそうな声をだしていると、それに気付いたメグちゃんが「きゅおっ」と鳴くと、メグちゃんがプラムにシリウス君がシオンにのもとへ移動した。
できるヘビだな!
「ふぁぁ~」
可愛らしい声が聞こえる。ウルが起きてあくびをしたようだな。ミーシャたちが起きたウルのもとに集まりお礼を言い始めたが、ウルは混乱していて何の事か分からない様子だ。おやつのスイーツの件を聞くと、なるほど! といった表情だ。
ウルも起きたのでおやつが始まる。
おっと? 下の子たちも食べて大丈夫なのか? とか思ったが、何の問題も無いらしい。
おやつではお腹いっぱい食べるわけにはいかないのだが、ソースをたくさん作ってしまったため全部食べるとなると、結構な量になってしまう。普段食べているチーズケーキの6分の1くらいのサイズに切り別け、1口サイズにしてソースをかけて楽しむ形になった。
俺も一口、口に運ぶ。うん、上手くできてるな。まぁ、パティシエが作っているような上等なものでは無いので、失敗する要素もほとんどないケーキだからな。
スイーツって、同じ物でも手間をかけるだけ、美味しくなるものも多い気がするな。母親に連れられてよく言っていたスイーツ店のパティシエに聞いたのだが、バレンタインにもらう手作りチョコレートの中には、テンパリングをしていない物もあるので、食べるときは注意した方が良い、と言われたことがある。
後日、俺がよくわかっていない顔をしていたのがバレていたようで、きちんと温度管理をしてテンパリングをされたチョコ、温度管理が微妙でテンパリングされたチョコ、溶かして固めただけのチョコ、の3種類を作ってくれたのだ。
食べてみると、確かに触感が全然違ったのだ。しっかりとテンパリングされたチョコが一番おいしく感じたんだよな。3種類準備されて、どれがどれだか分からない状態で食べ比べをしたので、違いが本当によくわかったんだよな。
チョコレートで例えたけど、他のスイーツでも手間をかけるだけ美味しくなるものは沢山ある。実際にレアチーズケーキも、こだわればこだわるだけ美味しくなる。
あっ、バレンタインにチョコなんてもらったことないから、余計なお世話です! と心の中で突っ込んだけどね。
隣にいるウルはみんなが美味しそうに食べている姿を見て安心した表情をしている。頭を優しくなでてあげた。
夜は、バーベキューを思い思いにしながら、ブラウニーたちの作ってくれた肉料理メインの食事を食べた。うっぷ……食べ過ぎて、苦しいな。
夜は、久々に1人で寝る気がする。子どもと母親は、上と下に分かれて別々のテントへ。ミーシャたちのテントには、ウルとメグちゃんも一緒だ。プラムたちはシリウス君が一緒だ。他の妻は、違うテントにまとまっている。
俺はテントで1人寝転がっている。いつも、誰かしらと寝ているから、誰もいないと不思議に感じるな。たまには、1人でのんびりするのも悪くないかな?
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