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第1580話 定石通りにはいかないぜ
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俺たちは、強化外骨格4式を作るために、予定を前倒ししていた。
健司の呟きから、俺たちは新たな可能性を強化外骨格、もうほとんどロボットだけどな! だから、唆して下らねえことばっか画策してくる神たちを楽しませるか! と言わんばかりのえげつない作戦を考えることにした。
「そう言えば、時間を決めた防衛線って何か条件あったか?」
「ちょっと待つでござる。えっとでござるな、1つがタイムアタック的な感じでござるな。2つが制限なしで、最後の1つが……マジでござるか? ダンジョンマスター参加型でござる」
はぁ? ダンジョンマスター参加型って、どういうこと?
「ちょっと、バザール。そのダンジョンマスター参加型っていうやつのアーカイブを出して」
綾乃に言われたとおりにバザールが操作する。
その光景を見てちょっと唖然とした。
「そう来るか。これってあの聖国のSSSランク冒険者を思い出すな」
何か特殊な能力でも授かっているのだろう。迫りくる魔物をちぎっては投げちぎっては投げの無双状態。しかもこいつ、日本人じゃねえ。なんとなくだけど、アメリカの人っぽい。
このダンジョンマスターは、魔物も連れているが基本的には補助をさせている感じだな。死角をなくすために使っているし、回復魔法も結構枚数をそろえてきている。
「確かに強いでござるが、Sランクの魔物を相手にしているアーカイブは無いでござるな。おそらく、Aランクが相手でござるから、ああ見えるだけでござるよ。某からすれば、主殿の従魔たちのほうが数倍怖いでござる」
自分で戦っていないから実感がないけど、Aランク相当であれば俺でも無双は余裕でできるんだった。見るのとやるのとでは全然違うんだな。
「で、そのダンジョンマスター参加型っていうのは、俺もダンジョンに行かないといけないのか?」
「ルールブックには、魔物に任せてもいいと書いてあるでござる。主殿が行く必要はなさそうでござるよ」
「そっか。一応確認だけど、ダンジョンバトルの侵攻戦も防衛戦も、攻められる側のダンジョンの大きさに比例して時間が決まるんだよな?」
「そう書いてあるでござるな」
「よし、いい作戦を思い付いた!」
俺は、思い付いた作戦を話すと、綾乃は爆笑、バザールはあきれ顔、健司はそれってありなの?って顔をしていた。
「ということで、S級スケルトンたちが水中でも問題なく戦えるように、2式を改造しよう。後は、それに合わせたダンジョンを用意すれば完璧だな」
バザールたちには、強化外骨格2式のバックアームに水中移動用のアームと攻撃用アームをつけさせ、腕にはボウガンを仕込んだ籠手、足には滑らないように床をつかむ爪と取り付けさせる。
俺は、ダンジョンの床全体を爪でつかみやすいように改造した。
4日後にはダンジョンバトルが開始となる。
もちろん、4つのダンジョンマスターをまとめて相手をする。
めちゃくちゃテンションの高いアナウンサーが、ダンジョンバトルのルールなどを読み上げていき、俺たちのダンジョンが公開される。
ブーイングの嵐だ。
そもそも防衛線の場合は、ダンジョンバトルを観戦する神たちを観戦することができるのか、近未来的な造りのフロアにたくさんの投影型ディスプレイがあって、それを思い思いに神たちが見ているようだ。
『ちょっと、あんた!! さすがにこれは無いでしょ!!』
おっと、いきなりチビ神からクレームのようなものが来た。
なんもおかしくないだろ? 神が何かを画策して、俺が面倒なことになっているんだぞ。その意趣返しをしたっていいじゃないか! 何が悪いってんだよ!
『私たちにとって、ダンジョンバトルの観戦は娯楽の1つなのよ! あんたが勝つのは分かり切っていることだけど、それでもこれはないでしょ!』
チビ神よ、落ち着け。よく考えてみろ。ダラダラと続くダンジョンバトルより、互いが総力戦で泡がはじける刹那のような戦いも悪くないと思わないか? 相手もバトルの時間の短さで、このダンジョンの特性に気付くはずだ。出し惜しみなしだぞ。熱いと思わないか?
『そういわれると、そういうバトルがあってもいいかもしれないわね。しかもあなたは4人のダンジョンマスターを相手に、短い時間とはいえガチでやりあって勝つのよね? これは! また私の株が上がるんじゃないかしら! 負ける神たちの悔しがる顔を特等席で見てくるわ!』
そういって、走り去っていく足音が聞こえる。
ちょろいぜ。もっともらしいことを言ってみたけど、実際は長々と付き合ってられんから速攻で終わらせるために、3階しかないダンジョンを作り部屋は3つ。1階に1部屋ずつ。
1階の大部屋には、S級スケルトンを101体とダゴンが5体。
2階の大部屋には、リバイアサンのシリウス君とシリウス君の友達でアクアドレイクの皆さん計30匹。
3階はダンジョンコア。
そして、このダンジョンは階層を防衛している魔物をすべて倒さないと、次の階層へ行けないBOSS部屋仕様にしてある。
お分かりの通り、完全に水没しているダンジョンである。しかも、ダゴンやシリウス君の能力ではなく、湖の底に作ったダンジョンなので、海水で満たされている。海に適応していない魔物にとっては、地獄のようなダンジョンである。
アナウンサーがバトル開始の合図をした。
ダンジョンが謎空間で繋げられ、魔物が一気に侵入してくるが、侵入してくる勢いに押され海水の中に放り出された魔物たちは、もがき始める。
ダンジョンバトルの時間を見て、狭いダンジョンだというのはすぐに理解したのだろう。だから、慌てて魔物たちを俺のダンジョンに侵入させたのが間違いだった。一切空気のないダンジョンなので、こうなるのは当然の結果である。
事情が分かっていない魔物たちは、次々に移動して俺のダンジョンに侵入してくるが、S級スケルトンが待ち構える部屋まで押し出された魔物たちは、窒息する前に切り刻まれていく。
しばらくして侵入が止まった。
どうやら気付いたようだ。このタイミングで水棲の魔物を召喚しているんだろうな。ダゴンがいるのは知っているはずだから、用意していると思ったんだけどな、用意してなかったのだろうか?
しばらくすると、またダンジョンに侵入が始まるが、半数以上が淡水でしか活動できなかったようで、侵入と同時に奇怪な動きをしてしばらくすると動かなくなり消滅した。
攻めてくる予定だったダンジョンマスターは、最初に突入したときに何とか死なずに入口へ戻れたようで、その後姿を見ていない。
そして、バトル終了の合図。まともに戦うことなく、ダンジョンバトルが終了した。
『ちょっと~~~!!!』
チビ神からの怒鳴り声である。
健司の呟きから、俺たちは新たな可能性を強化外骨格、もうほとんどロボットだけどな! だから、唆して下らねえことばっか画策してくる神たちを楽しませるか! と言わんばかりのえげつない作戦を考えることにした。
「そう言えば、時間を決めた防衛線って何か条件あったか?」
「ちょっと待つでござる。えっとでござるな、1つがタイムアタック的な感じでござるな。2つが制限なしで、最後の1つが……マジでござるか? ダンジョンマスター参加型でござる」
はぁ? ダンジョンマスター参加型って、どういうこと?
「ちょっと、バザール。そのダンジョンマスター参加型っていうやつのアーカイブを出して」
綾乃に言われたとおりにバザールが操作する。
その光景を見てちょっと唖然とした。
「そう来るか。これってあの聖国のSSSランク冒険者を思い出すな」
何か特殊な能力でも授かっているのだろう。迫りくる魔物をちぎっては投げちぎっては投げの無双状態。しかもこいつ、日本人じゃねえ。なんとなくだけど、アメリカの人っぽい。
このダンジョンマスターは、魔物も連れているが基本的には補助をさせている感じだな。死角をなくすために使っているし、回復魔法も結構枚数をそろえてきている。
「確かに強いでござるが、Sランクの魔物を相手にしているアーカイブは無いでござるな。おそらく、Aランクが相手でござるから、ああ見えるだけでござるよ。某からすれば、主殿の従魔たちのほうが数倍怖いでござる」
自分で戦っていないから実感がないけど、Aランク相当であれば俺でも無双は余裕でできるんだった。見るのとやるのとでは全然違うんだな。
「で、そのダンジョンマスター参加型っていうのは、俺もダンジョンに行かないといけないのか?」
「ルールブックには、魔物に任せてもいいと書いてあるでござる。主殿が行く必要はなさそうでござるよ」
「そっか。一応確認だけど、ダンジョンバトルの侵攻戦も防衛戦も、攻められる側のダンジョンの大きさに比例して時間が決まるんだよな?」
「そう書いてあるでござるな」
「よし、いい作戦を思い付いた!」
俺は、思い付いた作戦を話すと、綾乃は爆笑、バザールはあきれ顔、健司はそれってありなの?って顔をしていた。
「ということで、S級スケルトンたちが水中でも問題なく戦えるように、2式を改造しよう。後は、それに合わせたダンジョンを用意すれば完璧だな」
バザールたちには、強化外骨格2式のバックアームに水中移動用のアームと攻撃用アームをつけさせ、腕にはボウガンを仕込んだ籠手、足には滑らないように床をつかむ爪と取り付けさせる。
俺は、ダンジョンの床全体を爪でつかみやすいように改造した。
4日後にはダンジョンバトルが開始となる。
もちろん、4つのダンジョンマスターをまとめて相手をする。
めちゃくちゃテンションの高いアナウンサーが、ダンジョンバトルのルールなどを読み上げていき、俺たちのダンジョンが公開される。
ブーイングの嵐だ。
そもそも防衛線の場合は、ダンジョンバトルを観戦する神たちを観戦することができるのか、近未来的な造りのフロアにたくさんの投影型ディスプレイがあって、それを思い思いに神たちが見ているようだ。
『ちょっと、あんた!! さすがにこれは無いでしょ!!』
おっと、いきなりチビ神からクレームのようなものが来た。
なんもおかしくないだろ? 神が何かを画策して、俺が面倒なことになっているんだぞ。その意趣返しをしたっていいじゃないか! 何が悪いってんだよ!
『私たちにとって、ダンジョンバトルの観戦は娯楽の1つなのよ! あんたが勝つのは分かり切っていることだけど、それでもこれはないでしょ!』
チビ神よ、落ち着け。よく考えてみろ。ダラダラと続くダンジョンバトルより、互いが総力戦で泡がはじける刹那のような戦いも悪くないと思わないか? 相手もバトルの時間の短さで、このダンジョンの特性に気付くはずだ。出し惜しみなしだぞ。熱いと思わないか?
『そういわれると、そういうバトルがあってもいいかもしれないわね。しかもあなたは4人のダンジョンマスターを相手に、短い時間とはいえガチでやりあって勝つのよね? これは! また私の株が上がるんじゃないかしら! 負ける神たちの悔しがる顔を特等席で見てくるわ!』
そういって、走り去っていく足音が聞こえる。
ちょろいぜ。もっともらしいことを言ってみたけど、実際は長々と付き合ってられんから速攻で終わらせるために、3階しかないダンジョンを作り部屋は3つ。1階に1部屋ずつ。
1階の大部屋には、S級スケルトンを101体とダゴンが5体。
2階の大部屋には、リバイアサンのシリウス君とシリウス君の友達でアクアドレイクの皆さん計30匹。
3階はダンジョンコア。
そして、このダンジョンは階層を防衛している魔物をすべて倒さないと、次の階層へ行けないBOSS部屋仕様にしてある。
お分かりの通り、完全に水没しているダンジョンである。しかも、ダゴンやシリウス君の能力ではなく、湖の底に作ったダンジョンなので、海水で満たされている。海に適応していない魔物にとっては、地獄のようなダンジョンである。
アナウンサーがバトル開始の合図をした。
ダンジョンが謎空間で繋げられ、魔物が一気に侵入してくるが、侵入してくる勢いに押され海水の中に放り出された魔物たちは、もがき始める。
ダンジョンバトルの時間を見て、狭いダンジョンだというのはすぐに理解したのだろう。だから、慌てて魔物たちを俺のダンジョンに侵入させたのが間違いだった。一切空気のないダンジョンなので、こうなるのは当然の結果である。
事情が分かっていない魔物たちは、次々に移動して俺のダンジョンに侵入してくるが、S級スケルトンが待ち構える部屋まで押し出された魔物たちは、窒息する前に切り刻まれていく。
しばらくして侵入が止まった。
どうやら気付いたようだ。このタイミングで水棲の魔物を召喚しているんだろうな。ダゴンがいるのは知っているはずだから、用意していると思ったんだけどな、用意してなかったのだろうか?
しばらくすると、またダンジョンに侵入が始まるが、半数以上が淡水でしか活動できなかったようで、侵入と同時に奇怪な動きをしてしばらくすると動かなくなり消滅した。
攻めてくる予定だったダンジョンマスターは、最初に突入したときに何とか死なずに入口へ戻れたようで、その後姿を見ていない。
そして、バトル終了の合図。まともに戦うことなく、ダンジョンバトルが終了した。
『ちょっと~~~!!!』
チビ神からの怒鳴り声である。
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