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第1543話 模擬戦2
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「うわ~まじか~。まさか、あれに初見で勝つとか変態なんじゃないの? あんたの奥さんのシュリちゃんだって、初見では勝てなかったのに……あんたやっぱり変態ね」
「失礼な奴だな。それにしても、シュリが初見で勝てなかったのか?」
「シュリちゃんだけじゃなく、他の人も勝てなかったわよ。模擬専用の武器をもって、致命傷と判断されたらおしまいルールだけどね。唯一勝てたのは、おじいちゃんだけだよ。あの人、本当にインチキじゃない? 2体相手に完封したんだよ」
おじいちゃん。リリーのおじいちゃん、レイリーのことだ。
レイリーは元から強かったけど、レベルが上がってからありえないくらい強くなってるんだよね。どんなに頑張っても勝ち越せないんだよね。
「次は武器をもっての模擬戦に行く?」
「ちょっと待ってくれ、少し体力を回復してからじゃないと、かなりきついわ。試合が終わってから気付いたけど、思った以上に消耗しているみたいだ」
立った数分の模擬戦だったが、今までとは比にならないほどの疲労が体にたまっていたため、エリクサーを飲んで疲労が抜けるのを待っている。
「模擬戦の相手もあいつか?」
「違うよ~。模擬戦の相手は、軽量型の双剣使いね。手数で勝負するタイプとだけ言っておこうかしら?」
体術でないならそこまで大きく変わらないとは思うけど、大きいタイプの人造ゴーレムみたいに何か仕掛けがあるのだろうか?
「そうだ、休んでいる間に説明しておくけど、あの大きいタイプって実は、機構を圧縮するのに手間がかかってあのサイズなんだよね。だから、パワーに少し振って今回のようなスタイルになったんだよね。圧縮がうまくいけば、今までのと同じサイズにするつもりなんだ」
「なんで? 大きいのがいてもよくない?」
「それはまた別の機会かな。今までのを流用しているせいもあってか、軽量タイプと違って動きがよくないんだよね。だから、しっかりと改造してからじゃないと実戦配備できないわね」
「あれで動きが悪いんかい! 結構的確に攻撃してきた気がするけどな」
「あ~行動パターンのあれは、普通サイズの方を改造してああなってるから、本当に造りが違うだけなんだよね。シュウに余計な情報を与えないために嘘ついてたけどね。普通サイズにあの関節の機構をつけれるようになれば、もっと運用しやすくなるわよ」
始まる前から騙されてたのか。それにしても、普通サイズより動きが悪いってことは、普通サイズにあの関節とかがつけば……俺、勝てなくね? 今回みたいに肉を断って骨を切る! みたいな感じで勝つ以外無理にならないか?
「シュウが何を心配しているか解るけど、普通に考えてよ。生身でスキル無しで人造ゴーレムたちに勝てる、あんたたちが異常なのよ。それを理解してからその顔をしなさい」
おっと、俺はそんな顔をしていたのか? 顔をもみもみしてほぐしておく。
「スキルを使えば、人造ゴーレムに勝ち目はないんだから、素直に負けてよね。人類最強だと思うあんたたちに、自力で勝てる人造ゴーレムをって目指してるけど、本当にできるのかしら?」
人造ゴーレムはスキルが使えないから、総合力勝負になれば負けはないんだよな。そう考えると、自力で勝てる俺が異常という意味は解らなくもないけど、マッスルメタルが引き出せる力の限界もあるしな。
理論上は、魔力を注げば注ぐほど強くはなるのだが、それでも限界限界がありバランスを考えて、人造ゴーレムのサイズをあのくらいにしているんだったよな。
戦闘中にはすっかりそのことを忘れてたな。
「よし、そろそろ次を始めようか」
準備していた小柄の双剣使いがこちらに近付いてきた。普通サイズより小さいな。俺よりもさらに小さい。人造ゴーレムは、大体190センチメートル程が基本となっているが、こいつは170センチメートル程しかないと思う。
出せる力が同じだとすれば、小柄な分重さはないけどスピードを上げたタイプだろうか?
格闘戦になったとしても、大きいタイプと違い従来の関節ならば壊して終わりだな。多分、そこを分かってなのか、スピードタイプ、捕まれない、攻撃を受けないことを重視しているのではないかと思う。
それに合わせて俺も武器を変えようかと思ったが、俺のメインウェポンは、大薙刀だ。剣や刀、槍も好きだけど、やっぱり一番最初に本気で鍛えたこともあり、自分のメインとして認識している自分がいる。
「ありゃりゃ? シュウ、本気でやるの?」
「当たり前だろ。それに俺のメインウェポンは、大薙刀だ。強敵にこれを使わずして何を使えというんだ」
「そうだけど……シュウってさ、大薙刀を使った時の自分の動きって、客観的に見たことってある?」
「はぁ? 録画した映像とかでなら見たことあるぞ」
「その時何か思わなかった?」
「イメージ通り動いているなくらいかな?」
「ダメだこりゃ。理解してないみたいだから後で教えるわ。とりあえず、何も聞かずに戦ってみてよ」
綾乃の言っていることは解らないが、本気で戦うのは当たり前のことだ。
相対している小型の人造ゴーレム。若干、距離をとりながら俺を中心に円を描いて動いている感じだな。
少し早い動きで距離を詰めてみようとするが、距離をとられてしまう。
双剣の間合いに入るためにタイミングを計っているのだろう。大薙刀の間合いは広いからな。それに、双剣の間合いになれば、大薙刀の間合いの内側だから攻撃がしにくいんだよね、本来ならね。
薙刀って実は、遠近中距離何でもござれな万能武器だったりするんだよ。双剣には手数は負けるけど、だからと言って近距離が弱いわけじゃないんだな。
君の間合いで勝負をしようじゃないか!
今までよりギアを3段ほど上げて一気に距離を詰める。
薙いだ大薙刀は、双剣によって受け止められ、人造ゴーレムは吹き飛ばされずに双剣の間合いに入ってきた。
繰り出される左右の連撃。
俺は大薙刀の重心を中心に回すようにして攻撃をさばいていく。それでも手数は向こうの方が圧倒的に多い。
さばききれなかった攻撃は、体術を併用して攻撃をさばいていく。
「失礼な奴だな。それにしても、シュリが初見で勝てなかったのか?」
「シュリちゃんだけじゃなく、他の人も勝てなかったわよ。模擬専用の武器をもって、致命傷と判断されたらおしまいルールだけどね。唯一勝てたのは、おじいちゃんだけだよ。あの人、本当にインチキじゃない? 2体相手に完封したんだよ」
おじいちゃん。リリーのおじいちゃん、レイリーのことだ。
レイリーは元から強かったけど、レベルが上がってからありえないくらい強くなってるんだよね。どんなに頑張っても勝ち越せないんだよね。
「次は武器をもっての模擬戦に行く?」
「ちょっと待ってくれ、少し体力を回復してからじゃないと、かなりきついわ。試合が終わってから気付いたけど、思った以上に消耗しているみたいだ」
立った数分の模擬戦だったが、今までとは比にならないほどの疲労が体にたまっていたため、エリクサーを飲んで疲労が抜けるのを待っている。
「模擬戦の相手もあいつか?」
「違うよ~。模擬戦の相手は、軽量型の双剣使いね。手数で勝負するタイプとだけ言っておこうかしら?」
体術でないならそこまで大きく変わらないとは思うけど、大きいタイプの人造ゴーレムみたいに何か仕掛けがあるのだろうか?
「そうだ、休んでいる間に説明しておくけど、あの大きいタイプって実は、機構を圧縮するのに手間がかかってあのサイズなんだよね。だから、パワーに少し振って今回のようなスタイルになったんだよね。圧縮がうまくいけば、今までのと同じサイズにするつもりなんだ」
「なんで? 大きいのがいてもよくない?」
「それはまた別の機会かな。今までのを流用しているせいもあってか、軽量タイプと違って動きがよくないんだよね。だから、しっかりと改造してからじゃないと実戦配備できないわね」
「あれで動きが悪いんかい! 結構的確に攻撃してきた気がするけどな」
「あ~行動パターンのあれは、普通サイズの方を改造してああなってるから、本当に造りが違うだけなんだよね。シュウに余計な情報を与えないために嘘ついてたけどね。普通サイズにあの関節の機構をつけれるようになれば、もっと運用しやすくなるわよ」
始まる前から騙されてたのか。それにしても、普通サイズより動きが悪いってことは、普通サイズにあの関節とかがつけば……俺、勝てなくね? 今回みたいに肉を断って骨を切る! みたいな感じで勝つ以外無理にならないか?
「シュウが何を心配しているか解るけど、普通に考えてよ。生身でスキル無しで人造ゴーレムたちに勝てる、あんたたちが異常なのよ。それを理解してからその顔をしなさい」
おっと、俺はそんな顔をしていたのか? 顔をもみもみしてほぐしておく。
「スキルを使えば、人造ゴーレムに勝ち目はないんだから、素直に負けてよね。人類最強だと思うあんたたちに、自力で勝てる人造ゴーレムをって目指してるけど、本当にできるのかしら?」
人造ゴーレムはスキルが使えないから、総合力勝負になれば負けはないんだよな。そう考えると、自力で勝てる俺が異常という意味は解らなくもないけど、マッスルメタルが引き出せる力の限界もあるしな。
理論上は、魔力を注げば注ぐほど強くはなるのだが、それでも限界限界がありバランスを考えて、人造ゴーレムのサイズをあのくらいにしているんだったよな。
戦闘中にはすっかりそのことを忘れてたな。
「よし、そろそろ次を始めようか」
準備していた小柄の双剣使いがこちらに近付いてきた。普通サイズより小さいな。俺よりもさらに小さい。人造ゴーレムは、大体190センチメートル程が基本となっているが、こいつは170センチメートル程しかないと思う。
出せる力が同じだとすれば、小柄な分重さはないけどスピードを上げたタイプだろうか?
格闘戦になったとしても、大きいタイプと違い従来の関節ならば壊して終わりだな。多分、そこを分かってなのか、スピードタイプ、捕まれない、攻撃を受けないことを重視しているのではないかと思う。
それに合わせて俺も武器を変えようかと思ったが、俺のメインウェポンは、大薙刀だ。剣や刀、槍も好きだけど、やっぱり一番最初に本気で鍛えたこともあり、自分のメインとして認識している自分がいる。
「ありゃりゃ? シュウ、本気でやるの?」
「当たり前だろ。それに俺のメインウェポンは、大薙刀だ。強敵にこれを使わずして何を使えというんだ」
「そうだけど……シュウってさ、大薙刀を使った時の自分の動きって、客観的に見たことってある?」
「はぁ? 録画した映像とかでなら見たことあるぞ」
「その時何か思わなかった?」
「イメージ通り動いているなくらいかな?」
「ダメだこりゃ。理解してないみたいだから後で教えるわ。とりあえず、何も聞かずに戦ってみてよ」
綾乃の言っていることは解らないが、本気で戦うのは当たり前のことだ。
相対している小型の人造ゴーレム。若干、距離をとりながら俺を中心に円を描いて動いている感じだな。
少し早い動きで距離を詰めてみようとするが、距離をとられてしまう。
双剣の間合いに入るためにタイミングを計っているのだろう。大薙刀の間合いは広いからな。それに、双剣の間合いになれば、大薙刀の間合いの内側だから攻撃がしにくいんだよね、本来ならね。
薙刀って実は、遠近中距離何でもござれな万能武器だったりするんだよ。双剣には手数は負けるけど、だからと言って近距離が弱いわけじゃないんだな。
君の間合いで勝負をしようじゃないか!
今までよりギアを3段ほど上げて一気に距離を詰める。
薙いだ大薙刀は、双剣によって受け止められ、人造ゴーレムは吹き飛ばされずに双剣の間合いに入ってきた。
繰り出される左右の連撃。
俺は大薙刀の重心を中心に回すようにして攻撃をさばいていく。それでも手数は向こうの方が圧倒的に多い。
さばききれなかった攻撃は、体術を併用して攻撃をさばいていく。
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