ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1491話 道具選び2

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 議論の末に、テントが決まった。

 大型の5~6人用のドームテントに、外膜を延長してリビングスペースを確保するタイプ、ツールームテントを選んだ。色は濃い青色、市販の物だとリビングスペースがちっちゃいと思ったので、DPで魔改造をして、本来の倍くらいのスペースを確保することに成功した。

 リビングスペースとは別にシェルタータイプのテントも検討してみたが、この世界では現実味がないので却下になった。リビングスペースとは別に作るなら、タープを利用して設営するべきだろう。

 娘たちにも説明したが問題なさそうだったので、テントに続いてタープを選んでもらった。

 タープって思っている以上にカラーバリエーションが豊富だったので、娘たちの議論が白熱していた。

 今回は娘たちのキャンプ体験でもあるので、あまり難しくしてしまうのも良くないだろう。タープにポールを使うか、木を利用するかどっちがいいかな? 個人的には、どっちも変わらない気がするのだが、木の場合は紐の結び方とかも覚える必要があるから、ポールの方が楽かな?

 俺が考え事をしている内にタープの色が決まったようだ、上の面がワインレッドで、下の面が乳白色だった。議論を聞いてなかったので、この色のチョイス理由は分からないが、俺的には好きな色合いだ。

 テントにタープも決まった。次は寝具といこうか。

「じゃぁ、次は寝具、寝袋を選ぼうか」

 そう言うと、娘たちは何を思ったのかエアーベッドの特集ページを開き始めた。

 娘たちにとって、寝る場所=ベッドなのだ。そのため寝袋と言っても通じずに、寝具という部分に反応して持ち運びができる、エアーベッドを選択したようだ。

 初めは大きいのを1つで、5人で寝るつもりだったみたいだけど、そこまで大きなエアーベッドが見つからなかったので、紹介されている中でも大きめのエアーベッドを2つ繋げて使うことに決めたようだ。

 掛け布団の代わりに、ブランケットを個人で1つずつ選んでいた。

 本当は良くないのだろうけど、娘たちが楽しそうに選んでいるので、このままにしよう。もう少し大きくなって、この世界のことを理解できるようになったら、改めて野営の厳しさを教えてやろう。

 そんな事を言っているシュウも、不便な野営が嫌で馬車を改造したりしているので、お前に教えられるのか? と突っ込まれそうである。

 焚火グリルはほしいけど、さすがにこれ以上娯楽っぽくすると問題があるので、自分たちで石を集めてかまどを作ることにしよう。

 鉄板や網はどうするか? 料理という意味では、材料をいれて放置できるダッチオーブンとかもいいんだけど、一般的な野営では料理を作っても汁物を1品程度らいいのだ。どうすんべ?

 この際、多少不便があるけど娯楽の方面で道具をそろえるか? エアーベッドの段階で、厳しいキャンプは諦めるべきだしな。

 ってか、よく考えたら魔法が使えるんだから、キャンプ道具無くても快適空間を作り出せるんだった。

 これまたシュウは理解していないが、この世界に魔法使いはそう多くない。その中で土魔法は、攻撃に使い難いということで習得者が更に少ない。そして、快適な空間を作り出すイメージも難しく、魔力を余計なことに使うのは忌避するべき行為であるため、前提から違うのだ。

 習得者が少ないけど、有用であることを示すために土木組を育てたのだが、そのせいで更に土魔法の難しさを理解できないでいた。

 椅子も机も魔法で作れるけど、娘たちが選び始めてしまったので、機会があったら教えることにしよう。

 妻たちも集まってきており、俺が娘たちに押されて、ダダ甘なキャンプになることは想定の範囲内だったのか、みんなで笑いをこらえている姿が見られた。

 あれ? 妻たちも独自にテントを選んでいるみたいだけど……あ、はい。みんなも一緒に行くんですね。了解しました。

 タープもいくつも使って、家族全員で過ごせる屋根付きの空間を、考えて作ってみるか?

 そんなことをしていたら、娘たちは椅子を選び終わったようだ。キャンプ用アルミチェアーを選んだようだ。持ち運びに便利で、耐久性にも優れている。重さは1キログラムも無いそうだ。とはいえ、冒険者たちにとってみれば、必要のないアイテムではあるのだが……

 机は、妻たちの助言によって魔法で作る事になった。キャンプ用の机を見てみたのだが、人数分用意するとなると、大変なことになってしまうのだ。

 それに、下の子たちも連れて行くことが決まったみたいで、シルキーたちも全員付いてくる。えっと、当初の目的とは大分かけ離れてしまったが、もうこれでいいか。

 調理器具に関しては、途中参加してきたミリーの話を聞いて、色々な調理器具を試してみることにしたようだ。

 娘たちのキャンプ体験から、地球にあるキャンプ道具を端から試してみる実験場に変わってしまった。

 妻たちとは別枠で、俺は娘たちと楽しむことにしよう。今決めた! そう決めた!

 豪華な料理は妻たちに任せて、娘たちと一緒にできる簡単に食べれる物がいいな。ホットサンドとかいいかもしれないな。中に入れる物をみんなで相談してみるか。

「4人とも、相談したい事があるんだけどいいかな?」

 キャンプ道具に夢中だった娘たちが振り返って、何? と聞いてきた。

「お母さんたちもキャンプに行くみたいで、食事はほとんど作ってくれるみたいな話になったけど、みんなも自分で作ってみたくないか?」

 娘たちは、自分たちで料理をするとは考えてなかったみたいで、作れるなら作ってみたいと声を上げた。

「難しいものは出来ないから、ホットサンドを作ってみようか。それで、中に入れる具材をみんなできめないか?」

 ホットサンドを知らなかった4人は首を傾げていた。食べた事はあるけど、ホットサンドがどんな料理か分からなかったらしい。

 個人的に好きな具材は、ハムにチーズとかツナマヨとかいいよね。千切りキャベツにトマトやハムも悪くないかな。

 娘たちは、揚げ物のホットサンドが好みのようだが、キャンプで揚げ物か……揚げ物も作るのか?

 言い出してしまった以上作らないといけないといけないな。

 予定していたキャンプとかけ離れていくのであった。
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