ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1478話 秘密作戦進行中

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 あれから家に帰り、嫁たちにタイムキーパーの子たちについて聞いてみた。

 優秀過ぎて男性が近寄らない、出来る女タイプであることが判明した。まぁ、予想したまんまの結果だったね。妻たちもできればいい人と結婚してほしいとか言っているが、釣り合う男性を紹介できるわけでもないので、みんな苦笑いするしかなかった。

 そもそもの話、俺たちがいいと思って紹介しても、向こうは気に入らないかもしれない。余計なお世話と言われる可能性の方が高い気がしている。

 年下が良いのだろうか? 年上が良いのだろうか? 勝手なイメージだけど、ちょっと頼りないタイプの年下がいいんじゃないかと勝手に思ったりしている。できる女性なので、ちょっと頼りない男性で自分好みに育てていくといった感じだろうか?

 なんて妻たちに話したら、分かる! と反応が返って来た。

 妻たちは年下という部分ではなく、自分好みに育てていく……と言う部分に共感していたけどね。

 さて、紹介しようと思えば紹介できるが、果たしてそれが本当にタイムキーパーの子たちに求められていることなのだろうか? と考えてしまう。

 話し合いをしているところにフラッと現れたウルたちが、お友達を紹介するだけでしょ? 嫌なら距離を自分たちでとるから、合わせてみたらいいんじゃない? と……確かに、お見合いでもないんだから、友達から! みたいな感じだってありだよな。紹介したから絶対に付き合えってわけでもないしな。

 候補者の名前を上げようとしているところで、アリスが何かを思い出したように話し出した。

「そういえば、私の耳や尻尾を見て、モフモフしたいな! みたいな事を言っていたような気がするわ」

 そう言うと獣人の嫁たちが、それ私も言われた! と次々に反応した。もしかしたらケモナーさんなのだろうか? 母性本能をくすぐりそうなタイプで、獣人か……そんなことを考えていると、ピンっと思い当たる子たちがいた。

 孤児院の子たちだけど、そこの卒院生で獣人の男の子がいたのを思い出した。ちょっと気弱だけど、みんなのためにって頑張っている健気な男の子がいたな。確かあの子は、冒険者をやってるんだっけ?

 孤児院を管理している先生に連絡してみると、孤児院の卒院生たちは孤児院の近くに家を借りて、いくつかのグループになって生活しているようだ。お世話になった孤児院の手伝いをしたり、お金を持ってきたりするらしい。お手伝いはしてもらうが、お金は一切受け取っていないとか。

 寄付しようと思う位に孤児院の生活は大変なのだろうか? 男の子の様子を見に行くついでに、妻たちを数人連れて孤児院に行ってみる事にした。

 よく孤児院に遊びに来ている年少組の子たちが今日のお供だ。後、引率ってわけじゃないけど、キリエも一緒に来ている。

 孤児院につくと年少組の妻たちを、孤児院の子たちが取り囲んだ。たいそう人気があるようだ。よく一緒に遊んでいるみたいだな。面倒見のいい子たちだもんな。

 遊んでもらっている間に孤児院の先生たちと話をしてみたが、お金は特に困っていないそうだ。ただ、子どもたちにはお小遣いは上げていないのだとか。お金が欲しかったら、畑仕事をしたり街へ出てお手伝いをする必要がある。

 孤児院の子たちには大変かもしれないけど、一から十まですべて恵んであげるわけにはいかないのだそうだ。そんなことをしてしまえば、いずれ苦労する事になる。早めから労働の大切さを教えているのだとか。孤児院の運営については任せているので、それでいいだろう。

 話の終わりになると、孤児院の先生たちが困っているというか、悩みと言っていいのだろうか? 話し出した。

「卒院生たちなのですが、孤児院に感謝しているのか、いつも恩返しをしようとしているみたいなんです。そんなことは必要ないんですけど、気持ちはすごく嬉しいんです。ですが、その所為でいい人ができていないような気もするんですよね」

「そうそう、私たち的には早く結婚とかして、子どもを見せてもらいたいんですけどね」

 と、自分たちの子どものような気持で見守っているようだ。何というか、早く孫を見せろ! みたな親の圧力のようなものがあった。

 中には、卒院生同士でいい雰囲気の子たちもいるようだが、やはり結婚とかお付き合いには、一歩引いている感じがあるんだってさ。出会いがないわけではないのに、そういった感じなのは、草食系の男子たちが多いのだろうか?

 ん~多分、誰かが結婚したり本格的なお付き合いをしたりすれば……もしかしたら、この状況が変わったりして?

 ディストピアの孤児院の子たちは正直な話、そこら辺の貴族の子弟より教養が高い。ディストピアに住んでいる子どもたち全員に言えることなんだけどね。その中でも、苦労をしてきているせいか、優秀な子たちが多いのだ。

 気になった子について話を聞いてみると、どうやらその子は優秀だったため、ゴーストタウンの領主館で働いているらしい。しかも、同じような子がもう1人いるのだとか。この子は卒院生ではないが、ディストピア出身の優等生だけど、シャイなんだとか。

 この先生方は、どこからそういった情報を仕入れてくるのでしょうか? さすがに卒院生の子が、親代わりの先生たちに洗いざらい喋るものなのだろうか?

 まぁ、よかった。領主館で働いているなら、適当な理由をつけて庁舎に出向させてもいいし、何か報告がある時は直接来るように仕向けて、タイムキーパーの子たちに接近させるのもありか? 露骨に紹介してもあれだけど……試すのは自由だよな。

 下世話な相談を先生たちに話してみたら、是非お願いします! と、食いつき気味に言われたのでちょっとビックリしたな。

 ということで、キリエと一緒にゴーストタウンの領主館へやってまいりました。年少組の子たちは、孤児院の子たちに離してもらえずに居残りになったので、キリエと2人きりだ。人間はという注意が気がつくけどね。

 まずは遠くから孤児院の先生の情報にあった男の子を見てみる事にした。
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