ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
1,460 / 2,518

第1460話 子守りその1

しおりを挟む
 何かのんびりすることが増えた気がするな。

 学校見学が終わって、ゆっくりと歩いて帰る際中にそんなことを考えながら歩いていた。でも今日は、帰ったら下の子たちの面倒をみてほしいとお願いされているので、ちょっと楽しみにしている。

 一緒に遊ぶことは出来ないが、最近は俺の顔を認識してくれているのか、抱き上げて顔を見ると笑顔で俺の顔をペチペチと叩いてくる。これも、子どもたちの成長なんだろうな。

 ハイハイをし始めた頃から、ミーシャたちは俺に駆け寄るようになってきたけど、下の子たちもそうなるのだろうか? とはいえ、まだまだ首がすわったばかりなので、ハイハイはまだまだ先なんだけどね。

 いろんなことを考えながら歩いていると、家に到着していた。下の子たちのところに行く前に、シャワーを浴びて体を清潔にしてから行かないとな。

 あまり清潔にし過ぎると、子どもたちに抗体ができなくて体に悪いのだが、だからといって無駄な病原菌を持ち込むのも良くない。家の中の環境は、普通に掃除してキレイにしているだけだが、外に出た時はしっかりと体を洗うようにしている。

 まぁ、普通に窓を開けて換気をしているので、俺が体を洗う必要はそこまでないとは思われるが、俺が行くところってこの街以外の物があったりするので、念のためという部分もある。

 そういえば、ミーシャたちは学校どうするんだろうな。あの学校に通うのかな?

「あ、やっと戻ってきてくれたね。今日は急なお願いでごめんね。ブラウニーたちに任せても良かったんだけど、それするとシュウ君が拗ねそうだったからね」

 俺を出迎えてくれたのは、ミリーだ。

「シュウ様、今日はありがとうございます。私たちの我が侭を聞いてくださって、ありがとうございます」

 ピーチ、ライラ、マリーの3人が頭を下げてくる。

「気にしないでいいよ。いつもはみんなに任せっきりなんだからさ。こうやって何も言われることなく、面倒をみることができるっていうのは、俺としてはすごく嬉しいからね。みんながなかなか関わらせてくれないから、寂しいくらいだよ」

「たまにだったらいいけど、赤ちゃんや子どもの面倒は女性がみるものだからね。シュウは、そこら辺は任せていいのよ」

 カエデがからかうように言ってくる。

「そうなかもしれないけど、俺も子どもたちと触れ合いたいんだよ! だって、みんな可愛いじゃないか!」

「分かったから落ち着いて。ブルムたちもあなたのことが好きだから、子どもたちの面倒をみてもらっているけど、赤ちゃんはさすがにね。知られると面倒なのよ」

 俺みたいに社会的地位が高い人間が赤ちゃんの面倒をみると、侮られるらしい。

 だからどうしたと思うのだが、俺が平気でも家族……妻たちが困ってしまうということで、外では言わないようにしている。あまり自然に世話をしていると、ポロっと出てしまうことがあるので、ミーシャたちのときに比べて、頻度が落ちている。

 だからといって、俺の愛情が減っているわけではないので、あしからず。

 だけど今日は、何も気にする必要もなく子どもたちの面倒をみてあげられる! うをおおおお!

 いてぇ。

 百面相みたいになっていたようで、頭を叩かれてしまった。

「シュウ君が多少ケガするのは良いけど、この子たちに怪我させるのだけはやめてよね」

 ミリー! 俺がケガをしてもいいのか?

「シュウがケガしてもっていうか、家で体をケガすることなんてないでしょ?」

 言われてみれば、普通にタンスの角に足をぶつけても、地球基準の材質だとタンスが壊れるからな。違う意味で気をつけないと、大変な事になる。

 心配だなとか言われたけど、最悪の場合でもブラウニーたちが近くにいるし、あやす神様のケットシーたちもいるので大丈夫だ!

 妻たちがまとまってどこかに行くらしく、出て行ってしまった。

 さて、俺は赤ちゃんたちの面倒をみないといけないな。並んで寝ている3人をみて、今する事がないことを悟った。ここで、起こしたらさすがにブラウニーに怒られてしまうな。

 ケットシーたちが顔の横で寝てて、少しぐずりそうになる顔をすると、何かを察知して尻尾をフリフリして顔を撫でている。そうすると何故か笑顔になって、スヤスヤとまた眠ってしまう。

 ケットシーって、マジですげえな。そのケットシーたちと一緒に、体の周りで寝ている猫たちもすげえな。あれ? でも、ネコの抜け毛って体に悪いんじゃなかったっけ? 静かにブラウニーに聞いてみたら、万能薬を薄めた物を少量飲ませると問題ないそうで、品質が高く高ランクの物を使っているとの事だった。

 なるほど。魔法薬を使っていいのかよく分からなかったが、ある程度お金持ちの家には必ず万能薬があるらしい。子どもに何かあった時のために備えているのだとか。

 3人の様子を見ながら、近くで小説を読んでいたら、足を引っ張られる感覚が……見てみると、ケットシーが俺のズボンの裾を引っ張っていた。おや? 確かこれは?

 3人の様子を見ると、プラムが少し険しい顔をしていた。今にも泣きだしそうだ。ケットシーが、お尻のところに鼻を近づける仕草で分かった。

 なるほど、プラムが排泄をしたんだな。それで感じる違和感で険しい顔になっているのだと判断した。臭いを嗅いでみると、どうやら便をしたようだったので、1人だけ静かに抱きかかえて専用の部屋に向かう。

 確認してみると、それなりの量を出しており少し広めに汚れていた。俺は子どもたちのだから、素手でやっても気にならないのだが、洗う方の手には手袋をつけるように言われている。手袋をつける前に、手洗いをしてむずがっているプラムのオムツ交換の準備をする。

 少し前の方まで汚れてしまっているので、軽くシャワーで流す事にした。汚れた時用のベビーバスがあるので、体にシャワーがかからないようにお腹と背中をタオルで包んでから寝かせる。

 お尻に弱くシャワーをあてて、前からもシャワーをあて手で優しくキレイにする。女の子の場合は、ひだの部分に汚れが残っていると炎症を起こす原因になるので、拭くときは前からお尻に向かって拭く必要があるらしい。

 今回は、前からやると包んでいるタオルに便がついてしまうかもしれないので、お尻の方を綺麗にしてから前にいって、さらに全体を綺麗にする順番でやっている。

 嫌な感じがしなくなったのか、プラムはご機嫌である。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道

コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。  主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。  こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。  そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。  修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。    それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。  不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。  記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。     メサメサメサ   メサ      メサ メサ          メサ メサ          メサ   メサメサメサメサメサ  メ サ  メ  サ  サ  メ サ  メ  サ  サ  サ メ  サ  メ   サ  ササ  他サイトにも掲載しています。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

処理中です...