ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1455話 邂逅

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 スーパー銭湯の混浴エリアも完成して、やっと落ち着いたな。週休2日で、しっかり休むように言ってくる妻やシルキーたちでさえ、この半月は休めと言わなかった。でも放っておくと働き過ぎてしまうので、毎日働くが時間が決められていた。

 そして俺は、今のんびりとしている。半月ほど休みなく働いていたので、まとまった休暇をとるように、と妻たちからもシルキーたちからも、そしてグリエルたちからも言われたので、自分で休むためのマイワールドを作ってのんびりしている。

 ディストピアを作っていた時のような家を建て、池を準備して魔改造した大きな木を作った。その木陰で今は、のんびりと本を読んでいる。今日は、ブッ君ではなく紙を使った本の方だ。スライムたちや、ダマたちとくつろぎながら……

 ちなみに、今のディストピアの家もここの家も外見的にはたいして変わっていないが、中身はかなり変わっているので、中に入ると懐かしい感じがする。

 今日の午前中、娘たちは勉強があるので一緒にはいないが、昼食の時間になればこっちに来ると言っていたな。それまでする事がないから、本を読んでいるだけなのだがつい、ウトウトしてしまった。

 気付くと、夢の中にいた。なぜ気付けたのかはよく分からんが、目の前のチビ神が座っていた。

 変わらずスレンダーな体ですな。

「あんた、声に出さなくても、考えていることは筒抜けよ」

 そんな気がしてた。だけど、筒抜けになったからって困ることないし。どうせなら、夜の営みを思い出そうか? 誰がいい?

「ばーかばっか! 誰があんたの夜の事情が知りたいと思うのよ! 自信過剰もいい加減にしなさい!」

 自信過剰じゃなくて、お前さんが嫌がったりしそうなことを思っているだけだぞ。

「相変わらずムカつくやつね。それより、あんたがここにいることに疑問をもたないの?」

 ここが何処か分からん。って、チビ神がいるってことは、神界かそれに近いところか? 何でこんな所に来てるんだろうな? 疑問は疑問だが、どうでもいいから、地上に帰してくれ。

「大体言っていることが、あたっているのがムカつくわね。神界ではないけど、私専用のエリアではあるから、神界ともいえるわね」

 無い胸そらして、何言ってんだか……神界じゃないのに神界って、とうとう頭がおかしくなったみたいだな。日頃の苦労の所為か……今度、高い美容液何本か召喚しておくから、手入れをしっかりしろよな。

「ありがとう、なんて言うと思ったのかしら? ハッ!? いけないいけない、このままあなたのペースに乗せられると、こっち言いたいことが何も言えないじゃない!」

 どうでもいいから、帰らせてくんない? って、まてよ……これが夢なら、今までの恨みをここで多少返しても問題ないよな?

「ちょ、ま! 封剣いでよ!」

 チビ神が何か言ったら、体が動かなくなった。自分の体をよくみると、手足首に光の剣みたいなのが刺さってるな。なんだ? 遊戯〇の光の護封剣じゃないんだから、止めてくれよ。

「あんたが物騒なこと考えるからでしょ!? まったく……これでやっと、落ち着いて話ができるわね。一応お礼を言っておくわ。このエリアがもらえたのは、あなたが活躍してくれたおかげでこのエリアを獲得できたのよ」

 チビ神が、俺に向かってお礼だと……戻ったらダンジョンにこもってないと槍が降ってくるかもしれない。いてえな! なにすんだよ!

「あんたが失礼なこと言うからでしょうが! このエリアはね、自分の召喚した人間が一定以上活躍すると、もらうことができるエリアなのよ。あの彷徨う神のダンジョンを攻略した功績で、私もやっともらえたのよ。ちなみに私で10柱目だ!」

 すでに9柱ももらってるのか? 俺って結構色々したよな? 神のダンジョンを初攻略したし、大陸全体をほぼ収めてるし、他の大陸……世界も俺が制覇したのは初めてだよな? それに、海賊船も俺が初めて。それなのに、どうしてお前より先にもらったやつが、9柱もいるんだ?

「そこには、触れないでほしいわ。で、話を戻すけど、このエリアってあなたからDPをもらえれば、自分で模様替えができるみたいなのよね……チラチラ。あなたが、マイワールドって呼んでいるやつみたいにさ……チラチラ。だから、DPがほしいなって……チラチラ」

 自分でチラチラ言うなよ。DPがあればいいんだな? どれくらいあればいいんだ?

「そうね。娘さんたちにあげたくらいのDPがあれば、十分かしらね」

 予想よりも、ずいぶん少ないな。まぁ、いいか。1億くらい渡しておくから、しばらく干渉してくんなよ?いいな?

「そんなにいいの!? ありがとう! お礼にチューしてあげるわ!」

 そんなこと言って俺に飛びついてきたので、とっさに右手を前に出した。

 あれ? 右腕が自由になってる。しかも、チビ神の頭をつかんでるな。これは、チャンス!

 万力のように力を込めていく。

「いだだだだだ……ちょっと、可愛い私に向かって、いででででで……こんなこと、しても、いだいいだい……いいと、思ってんの!?」

 おっと、蹴飛ばされた。でも、たいして痛くないが手を離してしまった。

「あんた、どういう神経してんのよ。しかも私のエリアなのに、なんでそんなことができるの? 信じられないんだけど! とりあえず、1億DPありがとね。感謝してるわ。タイミングよく寝てくれたから、こっちに呼べて助かったわ」

 どういうことかよく分からんが、そりゃよかったな。後さ、お前って今までに召喚した人間が、たいした功績をあげた事がないんだろ? ドンマイ。初の偉業がこれだけあるのに、もらえなかったって、今までが散々だったってことだろうな。

「ちくせう……的確に言い当てやがって、楽しくいられればいいと思って、何も考えずに召喚してたわよ! 何か悪いの?」

 いや別に。初めは恨んでたけど、今は感謝してるぜ。可愛い妻たちもできたし、可愛い娘に息子も生まれたし、そのみんなを養える力も得たし、感謝はしてる。っと、どうやら体の方に誰か来たようだな。しばらく干渉してくんじゃねーぞ!

 そう言ってから、体に意識が戻っていくのが分かった。

「「「とーたん! おきて!」」」

 ミーシャ・スミレ・ブルムの3人が俺の上に乗って、ペシペシと叩いていた。あまりにも可愛かったので、3人をまとめて抱きしめた。
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