ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
1,418 / 2,518

第1418話 準備中

しおりを挟む
 昨日は、51階を偵察をしてから、夜営地へもどり作戦会議をすることなく、ゆっくり休む事にした。

 そして今日、

「朝食前にもう1回、51階を見てきました。マップ先生を立体にした時の地形と、見比べてきました。この位置でほぼ平面に見える部分は、全部海のようですね。水深は、すくなくとも10メートルはありました。持っている物で10メートル以上の物がなく、それ以上深いことは分かっています」

 アリス、水深を測ることができなかったのか。それなら、リールをつけた釣り竿でも渡してみるか。そうすれば、よほど深くない限りは、深さを調べられるな。いや、シリウスに協力してもらえば、海の中は分かるんじゃないか?

 水深が最低でも10メートルあるみたいなので、船を出す分には問題はなさそうだ。気になることと言えば、どのサイズまでの船ならこの間を通って行けるかということだ。

 船は舵を切っても反応が良くない。当たり前だが、車はハンドルを切ればすぐに方向が変わるが、船はすぐにというわけにはいかない。となると、通れる幅や場所にかなり制限がかかる事になる。

「そういえば、何で水深を調べてきたんだ?」

「水深がわかれば、どの程度の魔物がいるか想定できるかと思い調べました。後は、船を浮かべられる水深があるのか調べていますね」

 船を浮かべられるか、ということ以外にも、魔物の想定か。

「シリウス、ダンジョンの中だけど、お前の得意なフィールドだよな? 何とかなりそうだと思うか?」

 小さくなった体を使って、〇を作っていた。さすがリバイアサン、水があれば……いや、水がなくても何とかなるか。今回は、海があるので余裕みたいだな。

「だれか、シリウスを連れて、確認してきてくれ。シリウスは、どんな魔物がいるかどこまで水を操れるかしらべてきてくれ」

 シリウスは、シェリルたち3人に抱えられて51階の偵察に行ってくれるようだ。3人とも、危険なことはするなよ。

「シリウスが水深を調べてくれるなら、船の目途はたてれますね。水の操作ができるとはいっても、シリウスに無理させるのは良くないと思いますよ。船は動力で動かすべきですね」

 確かに、シリウスが優秀だとしても、無理をさせるのは良くないよな。操作できるとして、水中の戦闘も任せて細かい動きも要求させる。できるかもしれないが、さすがによくないな。戦闘に専念してもらう方がいいか。

 となると船は、機動性が高い船がいいけど……機動性が高い船ってそんなもんあるか!

 ガレー船なら人がいれば……あっ! ゴーレムがいればできなくないか? 待てよ、ガレーにしたらオールの分幅に余裕がなくなるじゃないか!

 船の動きが悪いのは、液体の上をすべるように移動しているから、どうしても慣性とかで車に比べて動きが悪くなるのはしょうがない。

 船の舵は後ろについていたっけ? 車は前輪で方向を決めている……船もそうしたら動きが良くなったりしないか? あっ! クリエイトゴーレムで強化してから、水を受ける部分を大きく広くすれば、動きが良くなるか?

 でも、そんな簡単に作れるか?

 スラスターっていうてもあるか?

 どうするのがベストなんだろうか?

「うんうん、うなっているみたいですけど、どうかしましたか?」

 シュリに心配されてしまった。

「船をどうしようかと思ってね。船って操作性がよくないだろ? マップ先生を見るとさ、あまり広くない所もあるだろ? どうしようかなってね」

 シュリは、首を傾げている。

 なぜ、分かってくれない! 船の舵だけで、そんな狭い所を操縦するほど操船は上手じゃないぞ!

「普通に進むときは船の動力でいいと思いますが、せまいところであれば水魔法で操作すればいいんじゃないか?」

 シュリ言われて、その手があったか! と目から鱗の解決法が提示された。

「ナイス! そんな解決法があったとは! 水魔法での操作なら俺でも何とかなるもんな。でも問題は、俺たちと従魔が乗ることを考えると、船は別けた方がいいよな。さすがに船を2つ操船するのはキツイな。ライムなら問題ないか?」

「シュウ様から離れるなと指示を受けていますので、同じ船から違う船を操船するのであれば問題ありませんね」

 む? 指示を受けているって、誰によ。ミリーたちかな? でも、それならお願いとかになりそうだけどな。娘たちはそんな事言わないし、グリエルか? それともシルキーたちか?

 しっくりくるのは、シルキーたちだな。俺の妻に指示をだせる人物なんて、シルキーたちくらいしかいないからな。グリエルだった場合は、絶対にお願いになるから指示ではないと思う。それに力関係を見ても、妻たちが上だからな。

 あっ! シルキーたち以外にも、4人程指示出せる人物がいたな。ガルド・ノーマン・アクア・メイの四大精霊だな。立場的には俺の従魔になるけど、力関係で言うと妻たちはあの4人に頭が上がらないからな。まぁ、どっちでもいいか。

 乗っている船だと俯瞰的に見れないから、水魔法による操船は難しいかな? 高い位置にいれば見渡せるから、操船の為に物見台をつくりますか。

 シェリルたちが戻ってくると、シリウスが得た情報を伝えてくれた。

 海の中には魔物がいたが、生物にしか反応しないようだった。物を浮かべて乗ってみても襲ってこなかったが、指を海に入れたら速攻で飛び掛かって来たらしい。シリウスが入っても同じだったようで、強さで相手を判断しないタイプだと思われる……とのことだ。

 海の中にいた魔物は、このダンジョンに合わせて骨、アンデッドの魚や蛇だったと話してくれた。

 魔物のタイプはぶれていないようだな。難破船の上には、アンデッドはもちろんのこと、海の悪魔も確認できたと言われて泣きそうになったよ。

 水深は約20メートル程で、海底には凹凸がなく不自然だといっていた。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道

コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。  主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。  こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。  そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。  修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。    それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。  不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。  記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。     メサメサメサ   メサ      メサ メサ          メサ メサ          メサ   メサメサメサメサメサ  メ サ  メ  サ  サ  メ サ  メ  サ  サ  サ メ  サ  メ   サ  ササ  他サイトにも掲載しています。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません

青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。 だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。 女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。 途方に暮れる主人公たち。 だが、たった一つの救いがあった。 三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。 右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。 圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。 双方の利害が一致した。 ※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

処理中です...