ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1396話 発見

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 ウルたちの体を拭いてあげて、着替えを促す。4人でキャイキャイ言いながら着替えている。ブラウニーたちが近くで服を渡している様子を見ながら、俺も着替えをする。

 着替え終わったウルたちを改めて見た。

 ウルはウサミミだ。髪の毛の色は白というよりは、銀に近い色に見える。白にちょっとだけ黒が混ざっていて、超薄い灰色なのかもしれないけど、それに背中の中ほどに届きそうな長さだ。

 ミーシャは、ネコ耳に暗めの茶色い毛。ショートカットで活発な子供のイメージだな。

 スミレは、カエデと同じで黒い綺麗な髪をしている。普段は後ろで縛ってポニーテールにしている。

 ブルムは、赤みがかった髪の色をしている。髪の毛の長さは肩にかからないくらいの長さだ。

 ミーシャとスミレは母親と似たような髪の色なのに、ブルムは色が違うんだよな。何か理由があるのかな? まぁ理由があっても無くても、どっちにしても可愛いから気にしてもしょうがないよな!

 ウルたちを連れて子ども部屋に移動する。4人の行動は読めている。まず部屋に入ったら弟妹たちの様子を見に行くのだ。寝ている様子を見てほっこりしてから、自分たちのスペースに向かう。

 そこで本を読むのだ。勉強の一環ではあるが、まだ小さい子どもたちなので、勉強というよりは漫画でも絵本でも読むことを癖付けるといった感じかな? 俺も一緒にソファーに座ってブッ君で本を読む。

 20分もすると俺の太腿を枕にしてみたり、俺を背もたれ代わりにしてみたりしてくるのだ。そこから10分ほどすると、船をこぎ始めるのでそうなったら、トイレに行かせてからベッドへ移動する。

 最近はよく一緒に寝ているので、このパターンが多い。時間にすると21時位なので俺にとっては、寝るには早すぎるんだけど、娘たちは眠らせないとな。4人がくっつき虫みたいになって、俺や他の子にくっ付いて寝息をたてはじめる。

 そうなったところで俺は、ブッ君をまた起動して小説の続きを読み始めるのだ。何度か一緒に寝てみたら、3時とかに目が覚めてかなりきつかったので、今は寝る時間を遅くしている。

 3時間程経った頃にミーシャがむくりと体を起こした。どうやらトイレのようだ。この歳の子がトイレに起きるっていうのが、俺には信じられない。中にはいると思うけど、娘3人とも起きるのだから不思議である。

 ミーシャが起きた事によって、連鎖的にスミレとブルムが体を起こして、3人でトイレに行くのが怖いからと言ってウルを起こす。俺は起きているのだが眼中にないらしい。

 さて誰か起きているのだろうか? 4人がトイレに行こうと部屋の扉を開けると、そこにはミリーが立っていた。そろそろ起きるかな? と思って待とうとしてたところに、ウルたちが出てきたようだ。後はミリーに任せてベッドの上で寝る準備をして待つ事にした。

 暫くして戻って来たウルたちと一緒に眠りについた。

 ぬおっ!? お腹に重さを感じて目を覚ました。いつものようなボディーアタックではないようだ。重さはあるけど、寄りかかっているような感じがする。

 目をあけて体の上を見てみる。あ~起きたけど眠すぎて2度寝をしてしまって、俺の体の上に倒れ込んだ感じだな。

 時間的には、もう起こしたほうがよさそうだな。4人の鼻をつまむと目を覚ました。4人にポカポカ叩かれるが、いたずらしたからしょうがないよね。

 朝食を下の子の面倒をみている、ピーチたち以外の妻たちと一緒に食べてから、仕事へ向かう。

 今日も特に変わった報告もなく、いつものように読んだ報告書にサインをして、気になる点には赤丸をつけてグリエルとガリアに送り返す。

 そういえばこの執務室を使うようになってから、専属のブラウニーが俺のいる間は待機するようになった。相変わらず美味しい紅茶を入れてくれますね。

 今日はホットレモンティーを飲んでいる。レモンティーはアイスで飲むのが俺のスタンダードだったんだけど、たまにはホットで飲んでもいい気がするな。ブラウニーたちが入れてくれるんだから間違いないよね!

 グリエルたちからの返信が戻って来たので確認してみる。あれ? 何か間違えたか?

 2人から送られてきたメールには「少しお話したいので執務室でお待ちください」と返って来たのだ。ちょっとビクビクする。

 しばらくすると2人そろって俺の執務室へ入ってくる。そのまま席について話し始める。

「サクッと話を進めましょう。えっと、フレデリクとリーファスの収支報告書ですが、どの辺がおかしかったですか?」

 あ~何か不備があったわけじゃなく、報告書が何かおかしく感じからマークしていたところが気になって2人で来たみたいだ。

「えっと、まずは収支報告書の支出の方なんだけど、全体的に値段が高くない? 4ヶ月分の報告書を見て気付いたんだけどね。8ヶ月前位から徐々に個々の購入金額が上がってるんだよね。数が変わってないのにさ。俺の商会から買っているはずなのに、ゼニスからは値上げしている話は聞いてないし」

「確かに、徐々に値段が上がっていますね。数量を増やしたわけではないのに……不自然にならないくらいの金額ですね。あそこは王国からの干渉を排除した後に、こちらから人を送り込んだはずですが……」

「トップではなく中間層に、不正をしている輩がいるということですかね?」

 グリエルは過去のデータと照らし合わせて驚き、ガリアはどこの人間が不正をしているのか考えているようだ。

「そこは調べてくれ。で、気になったから収入の方も見てみたんだけど、微妙に下がっている気がするんだよね。月によって上下があるのは分かっているけど、ちょっと不自然かなって思ってる。

 黒字が多い所為で気にされていないかもしれないけどね。全部プール金にしているから少しくらい、とか思っている奴がいるかもね」

 俺の推測を聞いて2人は苦い顔をしている。

 俺をそっちのけで話し始めた2人をながめながら、残っていたお茶を飲む……もう帰っていいのかな?

「シュウ様、ありがとうございます! 大至急調査員を派遣して調べてまいります」

「気にしないで、2人は忙しいからしょうがないよ。暇な俺が見つけられたから十分でしょ」

「そうなのですが……収支に関しては、専門の部署を設けてもいいかもしれませんね。街の数も増えてきましたし、監査部でもいいかもしれませんね。信頼のおける奴隷と言うと語弊はありますが、絶対に私情に左右されないし、間違えを犯さない奴隷がいいかもしれませんね」

 ツィード君特製の奴隷の首輪なら問題はないか? それにしても奴隷か、選択肢としてはアリなんだろうな。

 指示を出した後に対策を練るために話し合うようで、俺の部屋を出て行った。よし帰ろう!
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