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第1381話 とーたんも楽じゃない
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ピーチの元にたどり着くと、平気な様子を見せてくれる。
でも、これが嘘だということを俺は理解している。ピーチは俺に心配させまいと何ともない様子を装って入るが、その実かなりの痛みを伴っているはずだ。おそらく破水が先で陣痛が始まっていてもおかしくない。実際に笑顔ではあるが、目元が若干歪んでいるのが分かる。
「あっ! もう破水しているんだよね? 感染症の対策は大丈夫?」
「そこら辺は問題ありません。キリエ様にお願いして、ピーチ様の体調管理をしています。ライム様にも手伝っていただき、ピーチ様の周囲は可能な限り無菌に近い状態です。出産に入るまではこの状態を維持して、お子様が出てくる前に解除する予定です」
もともとこの分娩室は衛生的である。無菌室にしてしまうと悪影響の方が強いとシルキーが言っていた。理由は分からんが、多少の菌は抗体や耐性をつけるために必要なのだろう。
ミリーたちの時に勉強していたのだが、陣痛の前に破水すると赤ちゃんが細菌感染する可能性が高くなるそうで、適切な対応が求められるそうだ。破水したからと言って羊水がすぐに空っぽになるわけではないので、慌てる必要は無いが迅速に対応する必要はある……何か矛盾してね?
一緒にいた娘たちも驚いただろうな。ウルは本当に頑張ってくれたよ。
近くでピーチに声を掛けたいけど、あまり対応している人以外が近付くのは良くないので、遠くからピーチに声をかけて部屋の準備をする事にした。
部屋の準備というのは、分娩室の近くに休憩できるスペースを作っていないことを思いだしたのだ。娘たちを連れて移動しようと考えたのだが、移動する為の部屋がなかったのだ。
作業している人たちに声をかけて、分娩室の近くに休憩室をいくつか作っていく。寝る場所と集まる場所、食事できる場所などを別けて準備した。もちろん分娩室の近くの廊下には長椅子も置いてある。様式美みたいなものだろう。
すべての準備を終えて、屋敷の食堂で働いているブラウニーたちに今日は、分娩室の近くに用意したキッチンで作ってほしいとお願いし移動してもらう。
娘たちを移動させるために様子を窺うと、先に寝ていたミーシャ・スミレ・ブルムが目を覚ましていた。ミリーに話を聞いているが、目が腫れている。また泣いたのかな?
カエデとリンドは、アリスとライラの近くにいる。妊娠中の2人もピーチの破水に驚いて、かなり精神状態が良くないので、経験者の2人が付き添っている形だ。年長組の他のメンバーも近くにいるようだ。
年中組は仕事に出ており、ちらほらと帰宅してきている。本来、妻たちがいなくても現場は回るのだが、妻たちが現場に行きたがっているので自由にさせている形だ。
年少組は家のことを色々してくれている。従魔たちの世話や各所への連絡、その他諸々を行ってくれているのだ。普通年長組の仕事かと思うが、今回の騒動で一番冷静に動けたのが年少組だったということだろう。
グリエルの連絡を受け取ったのも年少組のメンバーだった。年長組に連絡したのも年少組だ。多分、ウルみたいにお姉さんとかそういった感じの使命感で、下の子たちを守りたいといった気持ちで行動しているような気がするな。
特に娘たちが生まれてから、子供っぽかった性格が一気に大人びた気がするからな。
破水したことが周りの家の人に伝わり、伝染するように一気に話が広まってしまった。それの対応をしているのも年少組だった。年中組が帰ってきてからは代わる代わる対応していたけどね。
全部が落ち着いたのは、既に15時を過ぎていた。娘たちと妊娠組の2人は食事をしているが、俺や他の妻さんたちはそれどころではなかった。食事を食べる暇は一応あったのだが、口に入れることをためらってしまったのだ。
ブラウニーたちの食事は美味しいので、食べてしまうとそこで止まってしまいそうだということで、ある程度対応が終わるまでは水分だけで乗り切っていた。
そして子供たちのおやつと一緒に今食事をとり始めた。
しっかりと娘たちにも説明して、俺たちは準備された食事を食べている。でも全員一緒に……というわけにはいかなかった。対応する人と食事をする人で分けているからだ。
食事の後は、俺は邪魔だということでピーチの近くには行けず、休憩場所で娘たちと一緒にいる。娘たちは周りがいつも通りになったので、かなり落ち着いてきている。普段と同じ様子って、結構安心する要素なのだろうな。
ケットシーやスライムたちと一緒に遊び始めているので、しばらくは大丈夫かな? でも、自分の弟か妹が生まれるところを見たいとと言われてしまった。さすがにこれは無理なので、2時間程費やして娘たちを説得した。生まれたらすぐに会えるようにするから、と言って。
ミリーたちは比較的早く生まれたみたいだけど、本来初産の場合は大体14時間程かかると言われている。チビ神からもらった加護があるとはいえ、今回も早く生まれるとは限らない。
それに出産予定日より1週間早く、陣痛より先に破水してしまっている。ミリーたちとは状況が違うので14時間はかかると仮定しておくべきだろう。そうなった場合、24時頃の出産になる。娘たちが起きている時間ではないのだ。
無理に起きていて体調を崩しでもしたら意味がない。俺も一緒に寝ることを約束して、ベッドに入る予定だ。
ピーチの近くにいても役に立たないと言われている俺は、娘たちが俺に懐いているのでそっちの面倒を見てもらっていた方が何十倍も助かるってさ。
ピーチも心配だけど娘たちも放置できないもんな。ピーチのことは他の妻たちに任せよう。俺は子どもを産んだ後にピーチにお礼を言おうと思っている。俺が近くにいない理由をピーチは分かっているからな。
娘たちと一緒に夕食は食べたのだが、15時過ぎに食事をとっているのであまり量を食べれていない。だけど、娘たちに心配されてしまった。おやつの時に食事したからお腹があまり空いていないんだよ、と伝えて何となく理解してもらっている。
うっぷ、ちょっと苦しい。理解はしてもらったが、心配させないように無理して食べたのでお腹が苦しい。
娘たちに感づかれないようにするのに苦労した。お腹が落ち着いてきた所でお風呂に入り、帰り道に5人でピーチの様子をうかがって、娘たちは生まれたら絶対に呼んでね! と、くぎを刺してからベッドに潜り込んだ。
今日も俺は娘たちに囲まれて眠りにつく……わけねえーだろ! 俺は寝れる訳もなく、寝た娘たちの頭を撫でながら連絡が来るのを待っていた。
でも、これが嘘だということを俺は理解している。ピーチは俺に心配させまいと何ともない様子を装って入るが、その実かなりの痛みを伴っているはずだ。おそらく破水が先で陣痛が始まっていてもおかしくない。実際に笑顔ではあるが、目元が若干歪んでいるのが分かる。
「あっ! もう破水しているんだよね? 感染症の対策は大丈夫?」
「そこら辺は問題ありません。キリエ様にお願いして、ピーチ様の体調管理をしています。ライム様にも手伝っていただき、ピーチ様の周囲は可能な限り無菌に近い状態です。出産に入るまではこの状態を維持して、お子様が出てくる前に解除する予定です」
もともとこの分娩室は衛生的である。無菌室にしてしまうと悪影響の方が強いとシルキーが言っていた。理由は分からんが、多少の菌は抗体や耐性をつけるために必要なのだろう。
ミリーたちの時に勉強していたのだが、陣痛の前に破水すると赤ちゃんが細菌感染する可能性が高くなるそうで、適切な対応が求められるそうだ。破水したからと言って羊水がすぐに空っぽになるわけではないので、慌てる必要は無いが迅速に対応する必要はある……何か矛盾してね?
一緒にいた娘たちも驚いただろうな。ウルは本当に頑張ってくれたよ。
近くでピーチに声を掛けたいけど、あまり対応している人以外が近付くのは良くないので、遠くからピーチに声をかけて部屋の準備をする事にした。
部屋の準備というのは、分娩室の近くに休憩できるスペースを作っていないことを思いだしたのだ。娘たちを連れて移動しようと考えたのだが、移動する為の部屋がなかったのだ。
作業している人たちに声をかけて、分娩室の近くに休憩室をいくつか作っていく。寝る場所と集まる場所、食事できる場所などを別けて準備した。もちろん分娩室の近くの廊下には長椅子も置いてある。様式美みたいなものだろう。
すべての準備を終えて、屋敷の食堂で働いているブラウニーたちに今日は、分娩室の近くに用意したキッチンで作ってほしいとお願いし移動してもらう。
娘たちを移動させるために様子を窺うと、先に寝ていたミーシャ・スミレ・ブルムが目を覚ましていた。ミリーに話を聞いているが、目が腫れている。また泣いたのかな?
カエデとリンドは、アリスとライラの近くにいる。妊娠中の2人もピーチの破水に驚いて、かなり精神状態が良くないので、経験者の2人が付き添っている形だ。年長組の他のメンバーも近くにいるようだ。
年中組は仕事に出ており、ちらほらと帰宅してきている。本来、妻たちがいなくても現場は回るのだが、妻たちが現場に行きたがっているので自由にさせている形だ。
年少組は家のことを色々してくれている。従魔たちの世話や各所への連絡、その他諸々を行ってくれているのだ。普通年長組の仕事かと思うが、今回の騒動で一番冷静に動けたのが年少組だったということだろう。
グリエルの連絡を受け取ったのも年少組のメンバーだった。年長組に連絡したのも年少組だ。多分、ウルみたいにお姉さんとかそういった感じの使命感で、下の子たちを守りたいといった気持ちで行動しているような気がするな。
特に娘たちが生まれてから、子供っぽかった性格が一気に大人びた気がするからな。
破水したことが周りの家の人に伝わり、伝染するように一気に話が広まってしまった。それの対応をしているのも年少組だった。年中組が帰ってきてからは代わる代わる対応していたけどね。
全部が落ち着いたのは、既に15時を過ぎていた。娘たちと妊娠組の2人は食事をしているが、俺や他の妻さんたちはそれどころではなかった。食事を食べる暇は一応あったのだが、口に入れることをためらってしまったのだ。
ブラウニーたちの食事は美味しいので、食べてしまうとそこで止まってしまいそうだということで、ある程度対応が終わるまでは水分だけで乗り切っていた。
そして子供たちのおやつと一緒に今食事をとり始めた。
しっかりと娘たちにも説明して、俺たちは準備された食事を食べている。でも全員一緒に……というわけにはいかなかった。対応する人と食事をする人で分けているからだ。
食事の後は、俺は邪魔だということでピーチの近くには行けず、休憩場所で娘たちと一緒にいる。娘たちは周りがいつも通りになったので、かなり落ち着いてきている。普段と同じ様子って、結構安心する要素なのだろうな。
ケットシーやスライムたちと一緒に遊び始めているので、しばらくは大丈夫かな? でも、自分の弟か妹が生まれるところを見たいとと言われてしまった。さすがにこれは無理なので、2時間程費やして娘たちを説得した。生まれたらすぐに会えるようにするから、と言って。
ミリーたちは比較的早く生まれたみたいだけど、本来初産の場合は大体14時間程かかると言われている。チビ神からもらった加護があるとはいえ、今回も早く生まれるとは限らない。
それに出産予定日より1週間早く、陣痛より先に破水してしまっている。ミリーたちとは状況が違うので14時間はかかると仮定しておくべきだろう。そうなった場合、24時頃の出産になる。娘たちが起きている時間ではないのだ。
無理に起きていて体調を崩しでもしたら意味がない。俺も一緒に寝ることを約束して、ベッドに入る予定だ。
ピーチの近くにいても役に立たないと言われている俺は、娘たちが俺に懐いているのでそっちの面倒を見てもらっていた方が何十倍も助かるってさ。
ピーチも心配だけど娘たちも放置できないもんな。ピーチのことは他の妻たちに任せよう。俺は子どもを産んだ後にピーチにお礼を言おうと思っている。俺が近くにいない理由をピーチは分かっているからな。
娘たちと一緒に夕食は食べたのだが、15時過ぎに食事をとっているのであまり量を食べれていない。だけど、娘たちに心配されてしまった。おやつの時に食事したからお腹があまり空いていないんだよ、と伝えて何となく理解してもらっている。
うっぷ、ちょっと苦しい。理解はしてもらったが、心配させないように無理して食べたのでお腹が苦しい。
娘たちに感づかれないようにするのに苦労した。お腹が落ち着いてきた所でお風呂に入り、帰り道に5人でピーチの様子をうかがって、娘たちは生まれたら絶対に呼んでね! と、くぎを刺してからベッドに潜り込んだ。
今日も俺は娘たちに囲まれて眠りにつく……わけねえーだろ! 俺は寝れる訳もなく、寝た娘たちの頭を撫でながら連絡が来るのを待っていた。
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