ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
1,355 / 2,518

第1355話 まさか……

しおりを挟む
 俺が今しなければいけない事は終わったと思うので、ゲームをして遊ぶ事にした。

 自分で戦う事がなかったので、少し不完全燃焼感が否めない。その鬱憤を晴らすために、一狩り行こうぜ! で戦闘を楽しむ事にした。

 クエストを受けて10分。

「あれ? こんなにこのゲームて難しかったっけ?」

 思わずこんな事を口にしてしまった。

 これは確実にシュウの勘違いなのだ。最後にこのゲームをしたのは、おそらく半年は経っている。その間にも操作の違うゲームを楽しんでいる。そんな事をすれば操作の仕方を忘れていても仕方がない事である。

 1時間くらいでは操作の勘が戻ることはなく、暇つぶしの息抜きでゲームをしているつもりだったのだが、イライラしてしまった。

「これ良くないな。深呼吸だ、深呼吸。スーハースーハー」

 ゲームを止めて深呼吸を繰り返すと、違う事に思考が流れてしまった。

 深呼吸って本当に落ち着けるのだろうか?

 そんなどうでもいいのだが、こんな事を30分も考えてしまった。結局、気持ちの問題だろうと思う事にした。

 俺ってどうでもいいことを無駄に考えてしまうよな。これは、性分なのかな? 無駄な時間だけど、する事がない時なら暇つぶしになるからいいか。

 待機する事3日……トラブルが発生した。

 トラブルと言っても軍が崩壊するとか、関所が破られたとか、誰かが死んだ等ではない。

 では、どんなトラブルが起きたかと言えば、防音処理をしていて、1人ずつ分けて牢屋に突っ込んでいたのだが、性欲を我慢できなくなったのか自家発電を始めるやつが増え、臭いによる苦情が上がって来たのだ。

 苦情は、見回りや食事を運ぶ関所の兵士からだ。

 牢屋の中でも潤沢に水が使えるようになっているのに、臭いが充満する状況なのか……めっちゃ汚そう。

 それより、監視の目や同じ牢屋に閉じ込められている屑共の目があるのに、自家発電をするとか正気の沙汰じゃねえ。精神障害でも持っているのではないかと疑うレベルだ。

 捕らえられて3日で我慢できなくなるとか、どれだけ性欲の塊なのかと思うが、それ以上に軍事行動している時に女なんてほとんどいないはずなのに、そのあふれ出す性欲をどう処理していたんだ?

 血の気が盛んな兵士は、特に戦闘後など昂っている時の性処理は、古今東西何処の軍でも問題になっていた。勝った軍であれば、敵国・敵軍の守っていた町などへ略奪に入り、残された女性を強姦したと歴史書の中にも書かれている。

 勝者から見れば、当然の権利だと考えてはいるが、実際に強姦される側はたまったものではない。心が壊れ正気を失ったり、事実に耐えられなくて自殺する女性も多かったのだとか。

 今回は、結構長い時間待機していたはずなのだが、街を襲ったわけでもなくどう処理をしていたのか。

 比較的まともそうな奴を尋問して聞いてみた。そうすると、日本史の教科書には乗らないが、幅広く知られている事実を聞く事になってしまった。

 それは、見た目の良い男で解消していたのだと……

 日本の歴史で語られる戦国武将の男色には、諸説存在している。恒例の儀式だったという説もある。実際の所は、知る者がいないので確認する事はできない。

 日本の歴史のそれとはまったく違う、この糞共は有り余る性欲を男の尻で解決していただけだ。そこまで考えて、あることを思いだした。

 こいつらホモークと同じだな。男の尻なら何でもいいってあれだな。初めて遭遇していた時は、オークの尻で解消していたみたいだからな。

 野生のあいつらは本当に危険だから、今でも近寄りたいとは思わない! 俺が勝負で負ける事がないのは分かっているが、あいつらと相対すると生理的嫌悪感が勝って、逃げたくなるんだよな。

 ゴーストタウンにいるあいつらは、まったく別の種族だと思っていい程、礼儀正しいから気にならなくなったが、野生のホモークと同じ匂いがしたから、近付きたいと思ったのかもしれないな。ああいう貴族が嫌いだという事もあるけどな。

 そういえば、俺も人を殺した時に気持ちが高ぶって解消するために、妻たちが解消を手伝ってくれたことがあったな。

 さて、この苦情をどう対処するべきか。

 自家発電をするなと言っても無駄なことは分かっている。だからと言って放置すると兵士たちから苦情が。

 そこで閃いた。粘液タイプのスライムを突っ込んでおけばいいんじゃねえか? あいつらは、基本何でも溶かそうとするからな。臭いの下を消化してくれそうだ。

 弱い魔物と言っても、素手で倒そうとすれば大変だ。そこそこレベルの高い兵士であれば話は別だが、たいしてレベルも上げていない貴族共にはなかなか倒せる物ではない。

 粘液スライムは、戦闘らしい戦闘はしない。でも、それなりの頻度でスライムに襲われた! とか言う話を聞くが、大抵は自分で触った所為で取り込まれた、と言うのが正しい。

 俺の従魔なので、人を襲わないように言っておけば、糞共を殺す事は無いので部屋だけを綺麗にしてくれるだろう。

 早速大量に準備して、兵士に運んでもらう。最初は引きつった顔をしていたが、野生のものと違いこっちの言っている事が分かる動きをするので、兵士に気に入られている。

 その3日後に、3ヶ国の軍も毒の影響が消えると、わき目もふらずに落とした帝国の街へ戻っていった。弱い毒のつもりだったのだが、約1週間程効果が続いてしまった毒に少し改良が必要かなと思った。

 牢屋の兵士は何とかディストピアの兵士が到着するまで耐えてくれたな。2週間経ったが帝国の地上組は、まだ半分を過ぎた所だった。やっぱり1ヶ月はかかるみたいだな。

 そういえば、レイリーはディストピアに帰らず、俺のいる関所に援軍と一緒に来ている。

 レイリーは、俺のしたかったグリフォンへの試射を理解しているので、関所の事を任せてほしいとのことだ。

 バッハに乗って移動すれば、往復で1日はかからないのだが、その間の守りを考えてくれているようだ。

 俺より適任なので、レイリーに引き継いでからグリフォンの巣がある谷へ向かう事にした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

救国の大聖女は生まれ変わって【薬剤師】になりました ~聖女の力には限界があるけど、万能薬ならもっとたくさんの人を救えますよね?~

日之影ソラ
恋愛
千年前、大聖女として多くの人々を救った一人の女性がいた。国を蝕む病と一人で戦った彼女は、僅かニ十歳でその生涯を終えてしまう。その原因は、聖女の力を使い過ぎたこと。聖女の力には、使うことで自身の命を削るというリスクがあった。それを知ってからも、彼女は聖女としての使命を果たすべく、人々のために祈り続けた。そして、命が終わる瞬間、彼女は後悔した。もっと多くの人を救えたはずなのに……と。 そんな彼女は、ユリアとして千年後の世界で新たな生を受ける。今度こそ、より多くの人を救いたい。その一心で、彼女は薬剤師になった。万能薬を作ることで、かつて救えなかった人たちの笑顔を守ろうとした。 優しい王子に、元気で真面目な後輩。宮廷での環境にも恵まれ、一歩ずつ万能薬という目標に進んでいく。 しかし、新たな聖女が誕生してしまったことで、彼女の人生は大きく変化する。

【完結】10引き裂かれた公爵令息への愛は永遠に、、、

華蓮
恋愛
ムールナイト公爵家のカンナとカウジライト公爵家のマロンは愛し合ってた。 小さい頃から気が合い、早いうちに婚約者になった。

鮮明な月

BL
鮮明な月のようなあの人のことを、幼い頃からひたすらに思い続けていた。叶わないと知りながら、それでもただひたすらに密やかに思い続ける源川仁聖。叶わないのは当然だ、鮮明な月のようなあの人は、自分と同じ男性なのだから。 彼を思いながら、他の人間で代用し続ける矛盾に耐えきれなくなっていく。そんな時ふと鮮明な月のような彼に、手が届きそうな気がした。 第九章以降は鮮明な月の後日談 月のような彼に源川仁聖の手が届いてからの物語。 基本的にはエッチ多目だと思われます。 読む際にはご注意下さい。第九章以降は主人公達以外の他キャラ主体が元気なため誰が主人公やねんなところもあります。すみません。

転移魔法に失敗したら大変な事に巻き込まれたようです。

ミカヅキグマ
ファンタジー
 魔導師のヴァージニアは転移魔法に失敗して見知らぬ島に来てしまった。  地図にも載っていないその島には何やら怪しげな遺跡がポツンと建っていた。ヴァージニアはただでさえ転移魔法の失敗で落ち込んでいるのに、うっかりその遺跡に閉じ込められてしまう。彼女が出口を探すために仕方なく遺跡の奥に進んで行くと、なんとそこには一人の幼い少年がいた。何故こんな所に少年が? 彼は一体何者なのだろうか?  ヴァージニアは少年の正体が世界を揺るがす出来事に発展するとは露程も思っていなかったのだった……。 ※台詞が多めです。現在(2021年11月)投稿している辺りだと地の文が増えてきています。 ※最終話の後に登場人物紹介がありますので、少しのネタバレならOKという方はどうぞご覧下さい。 ネタバレ ※ヴァージニア(主人公)が抱く疑問は地竜とキャサリンが登場すると解けていきます。(伏線回収) さらにネタバレ ※何度もループしている世界の話ですが、主人公達は前の世界の記憶を持っていません。しかし違和感などは覚えています。(あんまりループ要素はないです) さらにさらにネタバレ? ※少年の正体は早い段階で出てるじゃないかと思っている方……、それじゃないんです。別にあるんです。

没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!

日之影ソラ
ファンタジー
 かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。 しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。  ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。  そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。 こちらの作品の連載版です。 https://ncode.syosetu.com/n8177jc/

悪魔だと呼ばれる強面騎士団長様に勢いで結婚を申し込んでしまった私の結婚生活

束原ミヤコ
恋愛
ラーチェル・クリスタニアは、男運がない。 初恋の幼馴染みは、もう一人の幼馴染みと結婚をしてしまい、傷心のまま婚約をした相手は、結婚間近に浮気が発覚して破談になってしまった。 ある日の舞踏会で、ラーチェルは幼馴染みのナターシャに小馬鹿にされて、酒を飲み、ふらついてぶつかった相手に、勢いで結婚を申し込んだ。 それは悪魔の騎士団長と呼ばれる、オルフェレウス・レノクスだった。

優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~

日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。 もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。 そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。 誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか? そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。

欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします

ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、 王太子からは拒絶されてしまった。 欲情しない? ならば白い結婚で。 同伴公務も拒否します。 だけど王太子が何故か付き纏い出す。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ

処理中です...