ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
1,297 / 2,518

第1297話 考察

しおりを挟む
 ひとまず、簡単な対策はうった次にするべき事は、神のダンジョンの攻略だな。

 あそこに限っては、創造神以外は干渉出来ないと思うが、悪さをする時の人間は、普段以上の力を発揮することがある。それと同じ事が、神たちに起こらないとは限らない。

 俺が知っている範囲で、神が関わっている物と言えば、勇者召喚の間と神のダンジョン位だからな。

 この内の勇者召喚の間は全部埋めたからな、再度使うにしてもまずは勇者召喚の間は、砂や土を詰めているのですぐに使用することは不可能だ。使用できるようにしても、地下に埋めてあるので脱出も困難を極める。周りはダンジョンの壁におおわれているから、干渉は出来ないはずだ。

「シュウ、本当に神のダンジョンを攻略するつもりなの? かなり危なくて、時間がかかるって話だけど、大丈夫なの?」

 綾乃が心配して、そんなことを言っている。

「今回は、ダンジョン攻略を楽しむつもりはないよ。だから、最強戦力を連れていく予定だよ」

「最強戦力? もしかして、リバイアサンの事?」

「正解。今回は、どんなダンジョンになるか分からないけど、間違いないのは今までのように時間がかからないだろうね」

 綾乃はそれを聞いて、納得した顔になった。

 そして、俺たちは神のダンジョン攻略の準備を始める。

 基本的には食料の準備だけなのだが、調理が必要なのでシルキー、ブラウニー、妻たちはみんなで料理をしている。俺たちが監視部屋の改造をしていた時にも作っているので、後2~3日もすれば予定分は作れるはずだ。

 神たちの誰かが、本当に攻めてくることがあるのか? 考えを巡らせていた。神が直接介入してくる可能性は少ないはず。ただ、少ないだけでゼロではない。直接俺の横に現れて殺すとかは無いよな?

 神の能力で神界から直接攻撃は無いはず。そんなことが出来るなら、チビ神があそこまで魔王の事で焦ることはないはず。

 創造神なら可能かもしれないが、あいつは神全体をバカにしなければ、人にも神にも公平だと思う。創造神から見れば、自分以外の神も人間も同じなのだろう。ただ、神という種族でくくられると、自分も属す事になるからバカにされると怒るのだろう。

 全部は推測なので、注意が必要だけどな。

 考えを巡らせていると、綾乃が俺の事を探していると連絡が入った。何事かと思い、綾乃の元へ駆け付ける。

「シュウ、1つ聞いておきたいんだけど、貴方を召喚した神って確かダンジョンの中にいなくても、シュウの行動を把握してなかったっけ?」

 綾乃にそう言われてはっとなった。

 チビ神は、確かにダンジョンの外にいても俺の行動を把握してたな。他の神も同じように出来るのか?

 おい! チビ神! いるか?

『今度はなによ? こっちは、あんたの宣戦布告がみんなに知れ渡って大変なのよ! 余計な仕事を増やさないでくれるかしら?』

 元はお前が俺を召喚したのが原因だろ? あきらめろ! いつくか質問するから、答えられない物は答えられないと言ってくれ。

 1つ目は、お前はダンジョンの中に俺がいなくても、行動が把握できていたよな? それは、他の神達も同じことが出来るのか?

 2つ目は、神はこっちの世界に顕現出来るのか?

 3つ目は、神がそこから直接何かをする事が出来るのか?

 気になったことをダメ元で聞いてみた。

『1つ目は、召喚した相手の事は見れるけど、召喚していない相手の事は覗くことは出来ないわ。

 2つ目は、答えられないわ。

 3つ目は、ノーよ。神界からは声を届けられるけど、その世界に直接干渉する事は出来ないの』

 なるほど、直接何かを出来ないという情報は助かるな。可能性としては、顕現することは出来るけど、何かしらの制約やリスクがあるかもしれないな。

 もう1つ聞いておく、

 お前は、俺の敵か?

『現時点では、ノーね。私があなたに敵対する理由が無いわ。あなたが多少悪さをしても、全体的に見ればここ数年で神界を一番楽しませているから、召喚した私の評価も高いのよ』

 現時点ではか。チビ神にとって、都合が悪い事があれば敵になるってことだな。

 神界のルールは良く分からないから、慎重に考える必要があるな。

 神に思考が筒抜けになるのは、俺のような召喚された者と召喚した神という関係以外には、神に直接信仰を捧げた時だけかな? 妻たちから何か信仰だか純粋な思いだかが届いた! とか言ってたもんな。それ以外で考えている事については、知られていないと思う。

 強い意思で拒否している時は、チビ神にも考えは知られていない。なら、ロマン部屋では言葉以外の伝達方があれば盗聴対策は完璧か?

 綾乃に今聞いたことを伝えて、ロマン部屋で言葉を使わない伝達方法がなんとか出来ないか考えてもらう事にした。

 綾乃にお願いをして、俺はもう一度神たちについて考える。

 チビ神は、現時点では敵ではないと言っているが、嘘をついている可能性もある。全部を信用するわけにはいかない。

 神界から直接攻撃は出来ないのは分かった。もしチビ神が嘘をついていたとしても、それが出来るのであれば、魔王化を問題にしないもんな。何かしらの、制約やリスクがあると見ていいだろう。

 チビ神が敵か味方か分からないから、重要な事は極力話さないで伝える必要があるな。そこは綾乃に期待しよう。

 今度チビ神に送るデータには、ウィルスを仕掛けておこう。どんなに頑張っても地上から神界に影響は与えられないけど、ウィルスを仕込んで、本体の電源が切られてもマイクの機能だけ起動するようにして、俺たちへの敵対行動と思われる発言が聞こえたら、全データ削除するようにしておこう。

 ウィルスですらDPで魔改造出来るんだから恐ろしいよな。俺が思った通りのウィルスが出来上がった。後は、今日のお礼と言うことにして、新しいデータを送っておこう。

 まさか、神と戦争のような事をするはめになるとは思わなかったな。あいつらは、基本的に自己中だから俺と同じことをしようと思った奴がいると思うんだけどな……いないのかな?

 俺みたいに自由気ままにダンマスをしている奴がいないのかな?

 正直言えば、神に直接降臨していただきたいものだな。神具のグレイプニルがあるから、捕らえる事は出来ると思う。捕らえれば、色々と実験が出来るからな。

 問題は創造神だろうな。あの神には制限があるのか無いのか不明だからな。何処までの事が出来るのやら。

 1つ言えることは、他の神と違ってこちらに何かを仕掛ける方法があると言うことだ。

 この前話した感じでは、俺に調子に乗るな的な事を言っていたから、その部分は確定だと思う。今までで怒ったのは、神全体をバカにした時だけ、そこが地雷なのは確かだ。

 俺の神界に影響を与える何かで、神が消滅しているのに何もされていないことを考えると、神を殺しても創造神には関係ないのだと思う。

 少なくとも、創造神を含める内容で貶めるのは得策ではない。その部分は注意しないとな。

 バザールにも改めて俺の見解を話し、違和感があるところや、違うのでは無いかと思う所がないか考えてもらう。

 そうして2日後、神のダンジョンに突入する準備が整った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。  応援していただけたら執筆の励みになります。 《俺、貸します!》 これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ) ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非! 「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」 この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。 しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。 レベル35と見せかけているが、本当は350。 水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。 あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。 それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。 リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。 その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。 あえなく、追放されてしまう。 しかし、それにより制限の消えたヨシュア。 一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。 その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。 まさに、ヨシュアにとっての天職であった。 自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。 生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。 目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。 元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。 そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。 一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。 ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。 そのときには、もう遅いのであった。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

処理中です...