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第1243話 新たな発見
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次に連れていかれた場所は、
「畑エリアに、こんな所があったのか?」
一見すると気付けないのだが、城壁を拡張して幅を広くしていたらしい。その城壁の中に加工場を作っていたのだ。
これを作ったのは、ノーマンだな。さすがに魔法で加工したにしては、無理がある作りだと感じたのでDPでそこら辺を何とかしたのだろう。まぁ、有り余っているDPなので、妻たちが多少使った所で文句はない。
でも、ただ自分のためだけにというのは、衣服以外は許可していない。美容品とかも召喚できるようにしてほしいと言われているが、そう言った物は一度俺に話をしてもらい俺が召喚している。
基本的にはダメだとは言わない。妻たちには綺麗でいてほしいしな!
それはそれとして、
「ここで何をするんだ? 何かちょっと甘い匂いがしてる気がするんだが」
「ここでは、甘味料を作っています!」
「甘味料? 砂糖とかではなく?」
「ディストピアでは、砂糖の代わりにこれを甘味料として使っているのです」
砂糖も作っているのだが、砂糖は高級品なので普段使いはされていないらしい。さすがにこの畑を使ってもサトウキビから砂糖を作るのは、手間暇がかかって大変らしい。
それに対して紹介してくれるのは、この世界で一般的に出回っている甘味料だ。
「材料はこれになります!」
色々と説明をしてくれた上で、材料となる物を見せてくれた。
「麦と白い粉? 麦は、芽みたいなのが出てるな。白い粉は、片栗粉?」
「麦芽とジャガイモから取ったデンプンです!」
「?? 甘味料だよな? なのに麦芽とデンプン? なんで?」
俺は混乱していた。甘味料と言われ、砂糖の代わりとして使っている物なのに、麦芽とデンプンが出てきたので仕方が無いと思う。
「ご主人様、お米をずっと噛んでいると甘く感じた事はありませんか? 口の中を再現したのがこの方法です」
そう言うと熱したお湯のある場所に連れていかれた。多少湯気は出ているが、沸騰しているわけでは無い。
「この釜の温度は、大体60度程になります。この中に麦芽とデンプンを入れて良く溶かします! それを一晩保温したものがこれになります」
また何かの番組みたいに、一晩置いた物が出て来た。
「ん~まだシャバシャバだね。このまま使うの?」
まだ少しとろみのある液体に見える。
「いえ違います。この桶の上澄みだけをさらに煮詰める必要があります。この中の上澄みだけなのは、沈殿した物は、甘くならなかった物や、甘くした後の残りかすのような物ですので、上澄みだけを使います。それを漉しながら高温の釜に入れていきます」
熱気の強い釜の前に連れていかれる。そこでは動力を使った木のヘラが焦げないように釜の中で回転している。
動力がどこから来ているのかと思ったが、城壁の上から水が湧きだすように水精霊達が調整したようで、城壁から畑エリアに水が落ちる時の力を利用して水車を回してその力を動力に使っているのだとか。
「煮詰めていくとこうなります」
木のヘラの止まった場所に連れていかれ、中の液体を柄杓を使いトロトロ具合を見せてくれた。
「これが麦芽糖と呼ばれている物です。ディストピア以外では甘味料とだけ言われていますね」
その後もしばらく説明が続き、動力を使った練り機という物で空気を含むように少し固まった麦芽糖……水飴を練る場所へ連れていかれる。
「この練った物を平たくして、適当な大きさに切った物がこれです」
そう言われて差し出されたのが、飴の様な物だった。
「何だろう、とっても懐かしい味がする」
「これがディストピアの子どもに人気の飴ですよ」
そう教えてくれた。
「でもさ、これだったらサトウキビから砂糖を作っても、面倒さは大して変わらないんじゃないか?」
そう思ったのだが、砂糖を作るよりこっちの方が楽だと言われてしまった。まぁ、これで問題なく成り立っているのであれば気にする事じゃないか?
娘たちは説明を聞いても分からないので、半分寝ているような状況だったが、飴と聞いた瞬間に覚醒して食べたい! と騒ぎ出した。可愛いな~とか思いながら小さめの飴を口に入れてあげる。指までくわえようとしてきたのにはビックリしたな。
次に連れていかれたのは、あまり丈の高くない作物のある場所だ。
「何だろ? 初めて見るタイプの植物だけど、これも調味料になるのか?」
「調味料と言えば調味料にもなりますが、これはちょっと違うかな? とりあえず、これを抜いてもらってもいいですか?」
そう言われて、畝から生えているよく分からない植物を引っこ抜く。
「なんだこれ? 根の所に……あっ! これって、落花生か?」
「正解です! 根の所にとご主人様が言われていましたが、実はこの部分は根では無いのです! 落花生の名の通り花が落ちて生る実と言っていいのですかね? 花が落ちた後に茎みたいなのが地面に伸びて、突き刺さった後に生る実なのです!」
レミーが説明してくれたように、茎から伸びている何かの先に実がなっているのだ。それが根の近くにあったので根の所と思ってしまったようだ。
「でもこれって調味料とかではなく、普通に食べたりするんじゃない?」
これまでの流れで、調味料として使えるような物ばかりを紹介されていたので、そう聞いてしまった。
「そうですね。ピーナッツはディストピアの居酒屋でも人気のおつまみになっています。ですが、これをピーナッツバターにしてトーストに塗っても美味しいですが、これを味噌に合わせて味噌煮にしても美味しいんですよ?」
なるほど! 調味料としても使えるのか?
「あれ? でもピーナッツだけじゃ甘くないよな?」
「そうですね。ですからサトウキビから取れた砂糖はこう言った物に使われたりしますね。砂糖は他にも、高級な物に使われている事がありますね。ケーキみたいな洋菓子だったり、前に作った和三盆にして和菓子にしたり、そう言った用途にほとんど使われます!」
砂糖は基本的に嗜好品に使われているって事か? でも洋菓子も和菓子も長持ちしないぞ。そんな事に高級な砂糖を使っているって事か? 食品ロスは大丈夫なのか?
「ご主人様の考えている事は、気にしすぎです。洋菓子や和菓子は、高級品ですので受注生産を行っています。基本的には前日までに注文をしていただき、その分と少ししか作りません」
少し多めに作るのは、急な対応ができるようにとの事だ。残る事の方が多いのだが、それに関しては生産者の特権で分けてもらえるとの事だ。女の子がなりたい職業の上位にパティシエがくるのだとか。平和な証拠だよな。
おい! 娘たち! 差し出されたピーナッツバターが美味しいからって舐めすぎるなよ! 後ろで母親が怖い顔してるぞ!
言わんこっちゃない。今日はもうおやつ無しだってさ。そんな目で見られても俺にはどうする権利も無いんだよ。こうなった時のミリーたちは怖いからな。しかもシルキーたちまで無しと言っているから、絶対にくつがえらないぞ、諦めるんだ!
力の無いとーちゃんを責めないでくれ娘たちよ!
さすがにお腹のいっぱいになった俺たちは、ここで何かを食べる事は無く次の場所へ移動する事になった。
娘たちはいろんな所に行けて喜んでいるので、初めの話が長かったこと以外飽きていないようだ。
「畑エリアに、こんな所があったのか?」
一見すると気付けないのだが、城壁を拡張して幅を広くしていたらしい。その城壁の中に加工場を作っていたのだ。
これを作ったのは、ノーマンだな。さすがに魔法で加工したにしては、無理がある作りだと感じたのでDPでそこら辺を何とかしたのだろう。まぁ、有り余っているDPなので、妻たちが多少使った所で文句はない。
でも、ただ自分のためだけにというのは、衣服以外は許可していない。美容品とかも召喚できるようにしてほしいと言われているが、そう言った物は一度俺に話をしてもらい俺が召喚している。
基本的にはダメだとは言わない。妻たちには綺麗でいてほしいしな!
それはそれとして、
「ここで何をするんだ? 何かちょっと甘い匂いがしてる気がするんだが」
「ここでは、甘味料を作っています!」
「甘味料? 砂糖とかではなく?」
「ディストピアでは、砂糖の代わりにこれを甘味料として使っているのです」
砂糖も作っているのだが、砂糖は高級品なので普段使いはされていないらしい。さすがにこの畑を使ってもサトウキビから砂糖を作るのは、手間暇がかかって大変らしい。
それに対して紹介してくれるのは、この世界で一般的に出回っている甘味料だ。
「材料はこれになります!」
色々と説明をしてくれた上で、材料となる物を見せてくれた。
「麦と白い粉? 麦は、芽みたいなのが出てるな。白い粉は、片栗粉?」
「麦芽とジャガイモから取ったデンプンです!」
「?? 甘味料だよな? なのに麦芽とデンプン? なんで?」
俺は混乱していた。甘味料と言われ、砂糖の代わりとして使っている物なのに、麦芽とデンプンが出てきたので仕方が無いと思う。
「ご主人様、お米をずっと噛んでいると甘く感じた事はありませんか? 口の中を再現したのがこの方法です」
そう言うと熱したお湯のある場所に連れていかれた。多少湯気は出ているが、沸騰しているわけでは無い。
「この釜の温度は、大体60度程になります。この中に麦芽とデンプンを入れて良く溶かします! それを一晩保温したものがこれになります」
また何かの番組みたいに、一晩置いた物が出て来た。
「ん~まだシャバシャバだね。このまま使うの?」
まだ少しとろみのある液体に見える。
「いえ違います。この桶の上澄みだけをさらに煮詰める必要があります。この中の上澄みだけなのは、沈殿した物は、甘くならなかった物や、甘くした後の残りかすのような物ですので、上澄みだけを使います。それを漉しながら高温の釜に入れていきます」
熱気の強い釜の前に連れていかれる。そこでは動力を使った木のヘラが焦げないように釜の中で回転している。
動力がどこから来ているのかと思ったが、城壁の上から水が湧きだすように水精霊達が調整したようで、城壁から畑エリアに水が落ちる時の力を利用して水車を回してその力を動力に使っているのだとか。
「煮詰めていくとこうなります」
木のヘラの止まった場所に連れていかれ、中の液体を柄杓を使いトロトロ具合を見せてくれた。
「これが麦芽糖と呼ばれている物です。ディストピア以外では甘味料とだけ言われていますね」
その後もしばらく説明が続き、動力を使った練り機という物で空気を含むように少し固まった麦芽糖……水飴を練る場所へ連れていかれる。
「この練った物を平たくして、適当な大きさに切った物がこれです」
そう言われて差し出されたのが、飴の様な物だった。
「何だろう、とっても懐かしい味がする」
「これがディストピアの子どもに人気の飴ですよ」
そう教えてくれた。
「でもさ、これだったらサトウキビから砂糖を作っても、面倒さは大して変わらないんじゃないか?」
そう思ったのだが、砂糖を作るよりこっちの方が楽だと言われてしまった。まぁ、これで問題なく成り立っているのであれば気にする事じゃないか?
娘たちは説明を聞いても分からないので、半分寝ているような状況だったが、飴と聞いた瞬間に覚醒して食べたい! と騒ぎ出した。可愛いな~とか思いながら小さめの飴を口に入れてあげる。指までくわえようとしてきたのにはビックリしたな。
次に連れていかれたのは、あまり丈の高くない作物のある場所だ。
「何だろ? 初めて見るタイプの植物だけど、これも調味料になるのか?」
「調味料と言えば調味料にもなりますが、これはちょっと違うかな? とりあえず、これを抜いてもらってもいいですか?」
そう言われて、畝から生えているよく分からない植物を引っこ抜く。
「なんだこれ? 根の所に……あっ! これって、落花生か?」
「正解です! 根の所にとご主人様が言われていましたが、実はこの部分は根では無いのです! 落花生の名の通り花が落ちて生る実と言っていいのですかね? 花が落ちた後に茎みたいなのが地面に伸びて、突き刺さった後に生る実なのです!」
レミーが説明してくれたように、茎から伸びている何かの先に実がなっているのだ。それが根の近くにあったので根の所と思ってしまったようだ。
「でもこれって調味料とかではなく、普通に食べたりするんじゃない?」
これまでの流れで、調味料として使えるような物ばかりを紹介されていたので、そう聞いてしまった。
「そうですね。ピーナッツはディストピアの居酒屋でも人気のおつまみになっています。ですが、これをピーナッツバターにしてトーストに塗っても美味しいですが、これを味噌に合わせて味噌煮にしても美味しいんですよ?」
なるほど! 調味料としても使えるのか?
「あれ? でもピーナッツだけじゃ甘くないよな?」
「そうですね。ですからサトウキビから取れた砂糖はこう言った物に使われたりしますね。砂糖は他にも、高級な物に使われている事がありますね。ケーキみたいな洋菓子だったり、前に作った和三盆にして和菓子にしたり、そう言った用途にほとんど使われます!」
砂糖は基本的に嗜好品に使われているって事か? でも洋菓子も和菓子も長持ちしないぞ。そんな事に高級な砂糖を使っているって事か? 食品ロスは大丈夫なのか?
「ご主人様の考えている事は、気にしすぎです。洋菓子や和菓子は、高級品ですので受注生産を行っています。基本的には前日までに注文をしていただき、その分と少ししか作りません」
少し多めに作るのは、急な対応ができるようにとの事だ。残る事の方が多いのだが、それに関しては生産者の特権で分けてもらえるとの事だ。女の子がなりたい職業の上位にパティシエがくるのだとか。平和な証拠だよな。
おい! 娘たち! 差し出されたピーナッツバターが美味しいからって舐めすぎるなよ! 後ろで母親が怖い顔してるぞ!
言わんこっちゃない。今日はもうおやつ無しだってさ。そんな目で見られても俺にはどうする権利も無いんだよ。こうなった時のミリーたちは怖いからな。しかもシルキーたちまで無しと言っているから、絶対にくつがえらないぞ、諦めるんだ!
力の無いとーちゃんを責めないでくれ娘たちよ!
さすがにお腹のいっぱいになった俺たちは、ここで何かを食べる事は無く次の場所へ移動する事になった。
娘たちはいろんな所に行けて喜んでいるので、初めの話が長かったこと以外飽きていないようだ。
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