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第1204話 意外な事実
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夕方まで戦場をマップ先生と塔の上から見ながら、対応策を考えていた。
でも、徹夜して考えた事もあり、追加で策を考える事は出来なかった。さすがに策士でない俺が、そう簡単にポンポンといい案を出せるわけも無く、時間だけが経ってしまっている。
夜、夕食後にレイリーから報告を受けている。今いる場所は野戦病院という名の城では無く、戦争が始まる前から整備されていた門と一体化する形で作られた、場所で報告を受けている。原形を作ったのは、建物の建築にも慣れてきた土木組だ。
戦争の始まる前に原形を作ってから、ディストピアに帰っている。戦争に巻き込まれれば、戦い事は出来るだろうが、戦うために魔法を覚えたりレベルを上げたのではない。
レイリーもそこら辺は分かっているので、戦争に参加したいという土木組を説得するために、俺を話し合いの場に呼んで俺からも話している。
それで今日の報告は、
「聖国は、暗くなるまで断続的に攻めて来ています。1回の戦闘で動員されていたのは、大体6000人程でした。付かず離れずの距離で牽制攻撃の様に遠距離でチクチクとやられました。塹壕に入ってこないため、打って出るわけにもいかず塹壕に隠れながら弓で反撃しています」
予想通り6000人程で攻めてきているようだな。それに対して、塹壕に入ってきていないため2000人程で対応して、残りの4000人は待機休憩をしていたのだとか。こちらも休みをとれてはいるが、聖国程質の良い物ではなさそうだ。
聖国の休みの質が爆弾によって低いにもかかわらず、それ以下になっているのは、いつ戦闘になるか分からない緊張感の所為だろう。
夜になって攻勢が止んだかと思ったら、先程からまた攻めてきているのだとか。暗いのにどうやって攻めてきているのかと思ったら、こちらが敵の侵入を許すまいと準備した篝火を目安にして、そこから奥に矢を撃ち込んでいるのだとか。
「今はまだいいですが、疲労が抜けきらなくなる明後日頃には、準備してもらったポーションが必要になりそうです。準備してくださりありがとうございます」
「そこは気にしなくていいよ。可能な限り犠牲を減らして、負担を増やさない様にするのも俺の仕事だからね。もっといい作戦が思いつけばいいんだけど、俺の頭では限界があるからね。可能な限り協力させてもらうよ。それが俺の覚悟だ」
気になる事があったので、聞いてみる事にした。
「相手の矢って何処から調達しているか調べてるか?」
「詳しくは調べていないですが、放たれた矢を回収したところ、矢と呼ぶには拙い物でした。形だけ整えた即席の物だと思われます。狙って撃っているわけではなく、こちらを妨害するために撃たれている物だと思います。撃たれた矢には羽根がありませんでしたからね」
その後に、よくあんな矢が飛んでくるもんだ……と苦笑していた。後で見せてもらったが、矢と呼んでいいのか? ただの先がとがった棒だった。鏃の部分に石が括りつけられている。この重さで飛ばしたのだろう。正確に狙うのでなければこれで問題ないのだろう。
夜の対応についても今日の昼間から考えていたようで、問題なく対応は出来ているのだとか。
話が終わった後レイリーは、最前線に近い塹壕内に作られた休憩所兼指令室に戻っていった。俺的には、レイリーが過労で倒れないか心配になって来た。
俺への報告も嫌な顔をせずにしてくれる。その上、前線では指揮をとり、作戦を考え、後方の確認まで行っている。大丈夫なのだろうか? この前は自軍の被害を減らすために前に出て、ダブルの冒険者と攻防を繰り広げてただろ……心配だ。
まだ寝る時間になっていないので、孫のリリーに話を聞きに行った。
「お爺ちゃんなら大丈夫だよ。ご主人様は知らないかもしれないですが、ドラゴニュートの特徴だと思うのですが、3日位であれば睡眠が必要ないんです」
リリーからもたらされた情報を聞いて、どこかで聞いた覚えがあるような気がしたが……全く思い出せないので気のせいだと思う事にした。
それにしても寿命以外で違いが無いと思っていたが、寿命が違うのであれば体のつくりが違うのは当たり前か? そのおかげで睡眠については、人間よりは短くてもいいらしい。でも心配だ。
なので、リリーにはレイリーの監視というわけでは無いが、無理していないかを判断してもらうために、戦闘に巻き込まれない様に近くにいる様にお願いした。
ディストピアの兵士も大切ではあるけど、妻たちの方が大切なので護衛も付けている。元々は、バザールが召喚する事ができた、シャドウという闇に属する魔物を召喚して護衛に着けている。
シャドウは最近存在を知って、早く教えろよ! といってバザールを何度か蹴飛ばす程有能だった。
ダンジョンでは、影の中に隠れてただ奇襲するだけの弱い魔物なのだが、俺にかかればDPによるドーピングで影の中に潜む強力な魔物になる。影の中に隠れているという事は、見つかる事がないという事である。
俺の索敵でも発見できない、予想以上にステルス特化の魔物のようだ。Lvは600まで爆上げしたシャドウを5匹つけているので、逃げ出すのには十分な時間を稼いでくれるだろう。
というか、こいつらを100匹くらい同じレベルで準備すれば、聖国の軍を皆殺しにできるけどな。提案した所で、俺の力であって街の力ではないと言った内容で断られるだろうな。
意味の無い事に時間をかける訳にはいかないので、その考えを放棄する。
レイリーの予想では、しばらくは持久戦の様な状況が続くだろうとの事だ。そういう風に予想はしているが、不測の事態のために準備もしているあたり、レイリーの有能さがうかがえる。こんな有能な人間だから、元いた貴族や部下の人間にはめられて奴隷落ちしたのだろうか?
シュウはこれからも気付く事は無いが、レイリーは確かに有能だった。でも、今のレイリーと比べると別人と思う程に能力の差がある。レイリーは俺に買われてから、地球の知識をため込んで自らも訓練して鍛え直した事により、2回りも3回りも成長しているのだ。
それから1週間は、レイリーの予想通り遠距離からの牽制程度の衝突しかなかった。両軍の疲労度は、対峙を始めて2週間経たない内に限界に近付いていた。
でも、徹夜して考えた事もあり、追加で策を考える事は出来なかった。さすがに策士でない俺が、そう簡単にポンポンといい案を出せるわけも無く、時間だけが経ってしまっている。
夜、夕食後にレイリーから報告を受けている。今いる場所は野戦病院という名の城では無く、戦争が始まる前から整備されていた門と一体化する形で作られた、場所で報告を受けている。原形を作ったのは、建物の建築にも慣れてきた土木組だ。
戦争の始まる前に原形を作ってから、ディストピアに帰っている。戦争に巻き込まれれば、戦い事は出来るだろうが、戦うために魔法を覚えたりレベルを上げたのではない。
レイリーもそこら辺は分かっているので、戦争に参加したいという土木組を説得するために、俺を話し合いの場に呼んで俺からも話している。
それで今日の報告は、
「聖国は、暗くなるまで断続的に攻めて来ています。1回の戦闘で動員されていたのは、大体6000人程でした。付かず離れずの距離で牽制攻撃の様に遠距離でチクチクとやられました。塹壕に入ってこないため、打って出るわけにもいかず塹壕に隠れながら弓で反撃しています」
予想通り6000人程で攻めてきているようだな。それに対して、塹壕に入ってきていないため2000人程で対応して、残りの4000人は待機休憩をしていたのだとか。こちらも休みをとれてはいるが、聖国程質の良い物ではなさそうだ。
聖国の休みの質が爆弾によって低いにもかかわらず、それ以下になっているのは、いつ戦闘になるか分からない緊張感の所為だろう。
夜になって攻勢が止んだかと思ったら、先程からまた攻めてきているのだとか。暗いのにどうやって攻めてきているのかと思ったら、こちらが敵の侵入を許すまいと準備した篝火を目安にして、そこから奥に矢を撃ち込んでいるのだとか。
「今はまだいいですが、疲労が抜けきらなくなる明後日頃には、準備してもらったポーションが必要になりそうです。準備してくださりありがとうございます」
「そこは気にしなくていいよ。可能な限り犠牲を減らして、負担を増やさない様にするのも俺の仕事だからね。もっといい作戦が思いつけばいいんだけど、俺の頭では限界があるからね。可能な限り協力させてもらうよ。それが俺の覚悟だ」
気になる事があったので、聞いてみる事にした。
「相手の矢って何処から調達しているか調べてるか?」
「詳しくは調べていないですが、放たれた矢を回収したところ、矢と呼ぶには拙い物でした。形だけ整えた即席の物だと思われます。狙って撃っているわけではなく、こちらを妨害するために撃たれている物だと思います。撃たれた矢には羽根がありませんでしたからね」
その後に、よくあんな矢が飛んでくるもんだ……と苦笑していた。後で見せてもらったが、矢と呼んでいいのか? ただの先がとがった棒だった。鏃の部分に石が括りつけられている。この重さで飛ばしたのだろう。正確に狙うのでなければこれで問題ないのだろう。
夜の対応についても今日の昼間から考えていたようで、問題なく対応は出来ているのだとか。
話が終わった後レイリーは、最前線に近い塹壕内に作られた休憩所兼指令室に戻っていった。俺的には、レイリーが過労で倒れないか心配になって来た。
俺への報告も嫌な顔をせずにしてくれる。その上、前線では指揮をとり、作戦を考え、後方の確認まで行っている。大丈夫なのだろうか? この前は自軍の被害を減らすために前に出て、ダブルの冒険者と攻防を繰り広げてただろ……心配だ。
まだ寝る時間になっていないので、孫のリリーに話を聞きに行った。
「お爺ちゃんなら大丈夫だよ。ご主人様は知らないかもしれないですが、ドラゴニュートの特徴だと思うのですが、3日位であれば睡眠が必要ないんです」
リリーからもたらされた情報を聞いて、どこかで聞いた覚えがあるような気がしたが……全く思い出せないので気のせいだと思う事にした。
それにしても寿命以外で違いが無いと思っていたが、寿命が違うのであれば体のつくりが違うのは当たり前か? そのおかげで睡眠については、人間よりは短くてもいいらしい。でも心配だ。
なので、リリーにはレイリーの監視というわけでは無いが、無理していないかを判断してもらうために、戦闘に巻き込まれない様に近くにいる様にお願いした。
ディストピアの兵士も大切ではあるけど、妻たちの方が大切なので護衛も付けている。元々は、バザールが召喚する事ができた、シャドウという闇に属する魔物を召喚して護衛に着けている。
シャドウは最近存在を知って、早く教えろよ! といってバザールを何度か蹴飛ばす程有能だった。
ダンジョンでは、影の中に隠れてただ奇襲するだけの弱い魔物なのだが、俺にかかればDPによるドーピングで影の中に潜む強力な魔物になる。影の中に隠れているという事は、見つかる事がないという事である。
俺の索敵でも発見できない、予想以上にステルス特化の魔物のようだ。Lvは600まで爆上げしたシャドウを5匹つけているので、逃げ出すのには十分な時間を稼いでくれるだろう。
というか、こいつらを100匹くらい同じレベルで準備すれば、聖国の軍を皆殺しにできるけどな。提案した所で、俺の力であって街の力ではないと言った内容で断られるだろうな。
意味の無い事に時間をかける訳にはいかないので、その考えを放棄する。
レイリーの予想では、しばらくは持久戦の様な状況が続くだろうとの事だ。そういう風に予想はしているが、不測の事態のために準備もしているあたり、レイリーの有能さがうかがえる。こんな有能な人間だから、元いた貴族や部下の人間にはめられて奴隷落ちしたのだろうか?
シュウはこれからも気付く事は無いが、レイリーは確かに有能だった。でも、今のレイリーと比べると別人と思う程に能力の差がある。レイリーは俺に買われてから、地球の知識をため込んで自らも訓練して鍛え直した事により、2回りも3回りも成長しているのだ。
それから1週間は、レイリーの予想通り遠距離からの牽制程度の衝突しかなかった。両軍の疲労度は、対峙を始めて2週間経たない内に限界に近付いていた。
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