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第1197話 現状把握
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俺が考え始めてから2時間程が経っていたようだ。妻たちは俺の顔を見て、何かを決めた事を悟り話し出すのを待っている様子だ。
「俺は、ここに残る。でもこれ以上、俺から戦争に関わるつもりはない。レイリーにお願いされなければ動かない。俺には、レイリーに任せた責任がある。兵士の死が俺に責任がないとは言わせない。俺がレイリーやグリエルたちに全部任せたから生まれた犠牲だ。戦争の行く末を見守る」
ピーチ、シュリ、アリスは苦い顔をしている。暴走したら止めてほしいと言われていると感じているのだろう。暴走はしないと思う。絶対とは言い切れないが、妻たち……特に俺を物理的に止めてくれる3人には、絶対に迷惑をかけたくない。だから俺は、
「ダマ、シエル、グレン、命令だ。暴走しないように気を付けるけど、いざという時にはお前たちが俺の事を止めてくれ、死ななければ何をしてもいい。お前たちならできるよな? 頼んだぞ」
そう言うと、ピーチたち3人は、しまった! という表情をしたことが分かった。でも、ピーチたちの所為じゃない、俺の所為なんだからな。そう言ってみんなを安心させた。
安心させたつもりだったが、死ななければ、という部分にかなり不安を抱かせてしまったようだ。言葉のあやだと言って、こいつらの実力なら止める事は問題ないと言い聞かせた。でも3匹には、手加減はするなと言ってある。
正直、1対3だったら俺に勝ち目はない。負けないかもしれないが、勝つことは不可能だと思う。シエルの守りが堅いんだよ……結界も覚えさせたせいで、本当に文字通りの意味で鉄壁と化したのだ。
あれ? この世界で鉄壁って言っても、大した事ないな。俺でも自分が作った刀で、地球で売られてる量産品のフライパンなら簡単に切れるからな。これも言葉のあやだな。
まぁ、心配はしていない。あの3匹にかかれば、俺を止めてくれるだろう。一時止めてくれれば俺の頭も冷めるだろうし、特にシエルの能力は向いている。そして動きの速いダマとグレンが俺の牽制をして、その間に2匹ごと俺を結界の中に閉じ込めればいいからな。
もし本気の戦闘になれば、この野戦病院では狭すぎて廃屋のように所々が壊れる気がする。主に俺の攻撃の被害にあってだろうけどな。ダマは爪と牙が主な攻撃方法で、グレンはくちばしと爪だ。あの2匹は魔法も使うが、基本的には攻撃に使わないから壊すとすれば俺だな。
まぁそんな事にはならないはずだから大丈夫だ。妻たちが悲しまないように、俺は暴走しないようにしないとな。
レイリーにも話をして、みんなは俺の所為ではないと言っていたが、俺には任せた責任がある! と言い切り戦場に留まる事にした。レイリーは軍人らしく、俺の決定に何も言う事も無く頷いて、自分の仕事に戻っていった。
4日目の今日は、敵軍に動きは無かったようですぐにレイリーが来れたのだ。3日目……手足を1本ずつ欠損してしまった兵士を見て、暴走しかけて意識を落とした後の話を聞いた。
ダブルの冒険者の攻撃によって亡くなってしまった兵士の話は聞いていたが、その内容は聞いていなかった。
話を聞いて、聖国が今日攻めてこない理由が何となく理解できた。
俺が意識を落とした後の話だ。
手足を失った兵士を連れ出す際に、レイリーが前線に出てダブルの冒険者を止めたらしい。ただその際に周囲への被害が酷かったらしい。
バトル漫画のワンシーンみたいに、巨大な斧を盾で防ぐと足が地面にめり込み、周囲がその圧力に負け盛り上がる……といった光景が見れたらしい。
その攻防でレイリーがケガを負う事は無かったが、周囲の兵士が巻き込まれて3人が亡くなってしまったとの事だ。
それを見越してダブルの冒険者は、あそこを戦場に選んだのだろう。自分だけなら逃げ切る自信があるって事なんだろうな。
だけど前線にのこのこ出てきたせいで、誤算が生じた。レイリーが耐えている間に、元シングルの冒険者のケモミミ3人娘が到着して、レイリーを援護してその場を引き継いだそうだ。
その後は、残りのスカルズが戦闘に介入させないように周りをけん制して、その周辺の戦場を支配して自分たちに有利に戦闘を運んだらしい。
一人ひとりでは、かなり際どい戦闘になる程の力量だったらしいが、3人で連携して撃退したらしい。本当は、そこで殺す予定だったと言っていたが、自分たちのクランメンバー以外にも冒険者が集まり、重傷をあたえたが逃げられてしまったとか。
そのおかげで他の戦場が有利に運び、かなりの被害をあたえられたそうだ。他の戦場では、深い傷を負った兵士や冒険者がいたが、死ぬほどのケガをした者はいなかった。後方に下がり、治療師の魔法で問題ないレベルに治せるものだったと。
エリクサーを使う必要があったのは、レイリーとダブルの冒険者の戦闘に巻き込まれた兵士数名だ。回復魔法で治療していたら間に合わないと判断して、エリクサーを使ったのだとか。
手足を無くしてしまった兵士の治療はまだ始まっていない。切断された部分の処置だけして安静にしているのだ。
無くした手足を元通りにするだけならすぐにできるのだが、腕は肩のちょっと下から無く、足は太ももの半分位まで無くしているのだ。この状態で手足を元に戻すと、栄養が足りずに死んでしまう可能性があるのだ。
ディストピアに戻ってから、万全の状態で治療に入るのだとか。せっかく生き延びたのに、傷を治すエリクサーを飲んで反対に死ぬとか洒落にならないからな。完璧な状態に治せるように手配しておこう。
そんなこんなで3日目は、両サイドは自由になった副官とその部隊でかなりの被害をあたえ、中央は巻き込まれた以外は拮抗していたので、総合的には勝ったとの事。
今日攻めて来てない理由は、聖国のダブルの冒険者の中でも一番レベルの高い奴が重傷を負ったので、今すぐ攻めても重傷をあたえた相手がフリーになっているため、現状では手を出せない状況なのだと思う。
明日には聖国側に援軍が到着して、明後日にはまた攻勢を仕掛けてくるのでは? との事。なので、レイリーは対策会議をしているようだ。
戦況次第だけど、兵士たちの中には死ぬ者も出てくるんだろうな。だけど、それは受け入れなければならない被害だ。納得できない部分はあるけど、しょうがないのだ。
「俺は、ここに残る。でもこれ以上、俺から戦争に関わるつもりはない。レイリーにお願いされなければ動かない。俺には、レイリーに任せた責任がある。兵士の死が俺に責任がないとは言わせない。俺がレイリーやグリエルたちに全部任せたから生まれた犠牲だ。戦争の行く末を見守る」
ピーチ、シュリ、アリスは苦い顔をしている。暴走したら止めてほしいと言われていると感じているのだろう。暴走はしないと思う。絶対とは言い切れないが、妻たち……特に俺を物理的に止めてくれる3人には、絶対に迷惑をかけたくない。だから俺は、
「ダマ、シエル、グレン、命令だ。暴走しないように気を付けるけど、いざという時にはお前たちが俺の事を止めてくれ、死ななければ何をしてもいい。お前たちならできるよな? 頼んだぞ」
そう言うと、ピーチたち3人は、しまった! という表情をしたことが分かった。でも、ピーチたちの所為じゃない、俺の所為なんだからな。そう言ってみんなを安心させた。
安心させたつもりだったが、死ななければ、という部分にかなり不安を抱かせてしまったようだ。言葉のあやだと言って、こいつらの実力なら止める事は問題ないと言い聞かせた。でも3匹には、手加減はするなと言ってある。
正直、1対3だったら俺に勝ち目はない。負けないかもしれないが、勝つことは不可能だと思う。シエルの守りが堅いんだよ……結界も覚えさせたせいで、本当に文字通りの意味で鉄壁と化したのだ。
あれ? この世界で鉄壁って言っても、大した事ないな。俺でも自分が作った刀で、地球で売られてる量産品のフライパンなら簡単に切れるからな。これも言葉のあやだな。
まぁ、心配はしていない。あの3匹にかかれば、俺を止めてくれるだろう。一時止めてくれれば俺の頭も冷めるだろうし、特にシエルの能力は向いている。そして動きの速いダマとグレンが俺の牽制をして、その間に2匹ごと俺を結界の中に閉じ込めればいいからな。
もし本気の戦闘になれば、この野戦病院では狭すぎて廃屋のように所々が壊れる気がする。主に俺の攻撃の被害にあってだろうけどな。ダマは爪と牙が主な攻撃方法で、グレンはくちばしと爪だ。あの2匹は魔法も使うが、基本的には攻撃に使わないから壊すとすれば俺だな。
まぁそんな事にはならないはずだから大丈夫だ。妻たちが悲しまないように、俺は暴走しないようにしないとな。
レイリーにも話をして、みんなは俺の所為ではないと言っていたが、俺には任せた責任がある! と言い切り戦場に留まる事にした。レイリーは軍人らしく、俺の決定に何も言う事も無く頷いて、自分の仕事に戻っていった。
4日目の今日は、敵軍に動きは無かったようですぐにレイリーが来れたのだ。3日目……手足を1本ずつ欠損してしまった兵士を見て、暴走しかけて意識を落とした後の話を聞いた。
ダブルの冒険者の攻撃によって亡くなってしまった兵士の話は聞いていたが、その内容は聞いていなかった。
話を聞いて、聖国が今日攻めてこない理由が何となく理解できた。
俺が意識を落とした後の話だ。
手足を失った兵士を連れ出す際に、レイリーが前線に出てダブルの冒険者を止めたらしい。ただその際に周囲への被害が酷かったらしい。
バトル漫画のワンシーンみたいに、巨大な斧を盾で防ぐと足が地面にめり込み、周囲がその圧力に負け盛り上がる……といった光景が見れたらしい。
その攻防でレイリーがケガを負う事は無かったが、周囲の兵士が巻き込まれて3人が亡くなってしまったとの事だ。
それを見越してダブルの冒険者は、あそこを戦場に選んだのだろう。自分だけなら逃げ切る自信があるって事なんだろうな。
だけど前線にのこのこ出てきたせいで、誤算が生じた。レイリーが耐えている間に、元シングルの冒険者のケモミミ3人娘が到着して、レイリーを援護してその場を引き継いだそうだ。
その後は、残りのスカルズが戦闘に介入させないように周りをけん制して、その周辺の戦場を支配して自分たちに有利に戦闘を運んだらしい。
一人ひとりでは、かなり際どい戦闘になる程の力量だったらしいが、3人で連携して撃退したらしい。本当は、そこで殺す予定だったと言っていたが、自分たちのクランメンバー以外にも冒険者が集まり、重傷をあたえたが逃げられてしまったとか。
そのおかげで他の戦場が有利に運び、かなりの被害をあたえられたそうだ。他の戦場では、深い傷を負った兵士や冒険者がいたが、死ぬほどのケガをした者はいなかった。後方に下がり、治療師の魔法で問題ないレベルに治せるものだったと。
エリクサーを使う必要があったのは、レイリーとダブルの冒険者の戦闘に巻き込まれた兵士数名だ。回復魔法で治療していたら間に合わないと判断して、エリクサーを使ったのだとか。
手足を無くしてしまった兵士の治療はまだ始まっていない。切断された部分の処置だけして安静にしているのだ。
無くした手足を元通りにするだけならすぐにできるのだが、腕は肩のちょっと下から無く、足は太ももの半分位まで無くしているのだ。この状態で手足を元に戻すと、栄養が足りずに死んでしまう可能性があるのだ。
ディストピアに戻ってから、万全の状態で治療に入るのだとか。せっかく生き延びたのに、傷を治すエリクサーを飲んで反対に死ぬとか洒落にならないからな。完璧な状態に治せるように手配しておこう。
そんなこんなで3日目は、両サイドは自由になった副官とその部隊でかなりの被害をあたえ、中央は巻き込まれた以外は拮抗していたので、総合的には勝ったとの事。
今日攻めて来てない理由は、聖国のダブルの冒険者の中でも一番レベルの高い奴が重傷を負ったので、今すぐ攻めても重傷をあたえた相手がフリーになっているため、現状では手を出せない状況なのだと思う。
明日には聖国側に援軍が到着して、明後日にはまた攻勢を仕掛けてくるのでは? との事。なので、レイリーは対策会議をしているようだ。
戦況次第だけど、兵士たちの中には死ぬ者も出てくるんだろうな。だけど、それは受け入れなければならない被害だ。納得できない部分はあるけど、しょうがないのだ。
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