1,190 / 2,518
第1190話 もうすぐ……
しおりを挟む
聖国の軍がもう間もなくここへ到着する。明日の昼過ぎには、俺たちが作った壁が見える位置に来るだろう。
壁から5キロメートル先がちょっとした丘になっていて、その丘の頂上に来ないと壁が見えないだろう。まぁ、斥候が来ているので壁の存在はすでに知っているだろうけどな。
明日の昼に到着する聖国の軍は、丘の上か丘の向こう側に拠点でも作ると思われる。早ければ、明後日には戦争が始まるだろう。
援軍が来るまで動かない可能性もあるが、こちらの戦力を把握するためにも小規模な戦いは起きると踏んでいる。
特に問題になるのが、ダブルの冒険者が率いているクランの存在だろう。あいつは、軍と違って基本的に魔物を相手にする冒険者だ。どんな事をしてくるかわからない……少数精鋭でヒットアンドアウェイをされたら面倒である。
その対策のために、俺たちは壁の上から戦場になる場所をながめている。
攻めにくいように塹壕や土嚢を積み上げたりしているが、これに関してはこっちの軍にも多少なりと影響が出る。ただ、物量で押し込みにくいという状況は、軍の数が少ないこちらとしては有利になってくれるのではないだろうか?
問題の冒険者たちにも有利に働く可能性があるので、そこら辺はレイリーの采配に期待しよう。
レイリーの部下にもマップ先生を使えるタブレットを渡しているので、監視状況は問題ないだろう。いかに適切な戦力を割り振る事ができるかと言った所か。
「なぁ、レイリー。今回の戦争ってルールは無いんだよな?」
「そうですな。今回は、ウォーゲームとシュウ様が呼んでいる戦争ではなく、侵略・略奪戦争になりますので、ルールはあってないような物ですな」
「ん? 一応あるのか?」
「王国・聖国・帝国の三大国がやり過ぎないように定めたルールがありますが、基本的に小国同士の争いを抑制するためですね。ルールを破れば自分たちが国を切り取る……と言った感じですかね。その大国の1つが攻めて来てるのです。相手取れる国がなければ、大国の行動は制限される事もありませんからね」
それに聖国では、中立地域は国ではないとの事でルールは適用されないと言っているそうです……と付け加えられた。
まぁルールがあっても聖国が守るとも思えないしな。嫌な思い出ではあるが、聖国と小国の戦いに介入した際の事を思い出す。聖国の振る舞いも、手助けした国の振る舞いもどっちも気に入らなかった……あの忌々しい戦争だ。
それを考えたらイライラしてきた。そこで俺は、レイリーに提案をしてみる。
「夜襲ですか? 確かに効果的だと思いますが、夜襲を仕掛けるメンバーはかなり危険です。リスクにあうリターンがあるのでしょうか?」
「夜襲でも、相手に人的被害を出すのが目的ではないんだよ。確かヴローツマインでは最近、爆薬による鉱石の発掘をしていると聞いている。その爆薬を使って、嫌がらせをすると考えたらいい。1時間おき位に安全な位置から投げ込めばいい。そうすればそれだけで睡眠がとれずに半数の兵士が質の良い睡眠がとれなくなるさ」
それを聞いたレイリーは、何やら考え始めたようだ。
レイリーは思考の海に沈んでいるみたいなので、俺は戦場になる場所に目を戻す。
一番目立つのは、いくつも作られた橋だろう。これも間に合わせで作っているため、大した物ではない。橋としての機能があるので問題はないのだが、落とす事を視野に入れているので簡素な造りとなっている。
戦争が終われば、今俺たちの立っている壁の下にある門しか使われなくなるだろう。複数の門があると管理が大変だからな。終わったらしっかりと塞いでおく話になっている。なのに何故複数の門があるかと言えば、撤退する時のためだ。
逃げ道の無い場所で戦い続けろ! 何て事をするわけはないので、逃げやすいようにしている。
そういえば、俺たちが掘った溝には水が流れている。近くに川も無く水を流せる状況では無かったので諦めていたが、俺の様子を見に来てくれた母親に連れられた娘たちが連れて来た、リヴァイアサンが水の通り道を作ってくれたのだ。
川に繋がっていないのに水が流れる原理がよくわからんが、水を司るモノとして何とかしてくれたのだ。ただ、作ってくれた理由が、ミーシャの「みじゅは?」の一言だったのには、苦笑せざるを得なかった。
上から見ていると分かるが、自分たちが戦いやすいように工夫されてるよな。本来はこういう造りだと槍は使い辛いのだが、訓練風景を見ているとその感想も出てこない。大盾持ちを前面に後ろから大斧持ちが盾の隙間に振り下ろす連携をとっていた。
大斧……突き刺す事もできる形状なので、ポールアックスという方が正しいだろうか? 振り下ろしで相手の盾を倒し、盾を持っていない相手にはファランクスの様な戦術で使える形のようだ。攻め込むだけではなく、撤退をしながらの事も考えているようだ。
所々に崩しやすくなっている場所があり、要石を爆破させれば道が崩れる造りになっているとの事だ。
訓練風景を眺めていると、レイリーが思考の海からあがってきたようだ。そして、
「確認したい事がありますので、一緒にヴローツマインから来た兵士の所へ来てくださいませんか?」
俺が話した、爆弾の事について聞きに行くようだ。
壁を降りて、軍が駐屯している場所まで移動する。中立地域から合計で10000人近い兵士が集まり、後方支援として5000人規模の補給隊が形成されている。
前線の兵士たちに美味い食事を食べさせるために、有志の肝っ玉母ちゃんが料理を作り続けてくれているのだ。ブラウニーが監修して、大量に美味しい料理を作るためのコツも教えているようで、連日大盛況だ。
食材については、ディストピアで大量に生産を続けているので、不足の心配はない。それにミューズまでは魔導列車で運んでこれるし、俺たちの収納の箱付き馬車も使っているので輸送の面でも問題はない。
特にジョッキに1杯だけだが、お酒を用意しているので兵士の士気はうなぎ上りだ。
竜騎士たちがいる場所に到着した。ヴローツマインからは、少数精鋭の竜騎士が100騎程来ている。
竜騎士の隊長から、最近使われている爆弾の事について話を聞き始めた。殺傷能力は魔法程高くはないが、限定した空間で使われている事、爆発する際に大きな音を建てる事等を聞いている。レイリーはDPで出した爆弾を知っているので、それとの差異について確認しているようだ。
話を聞き終わった後に、竜騎士の騎竜であるワイバーンは夜に跳ぶ事ができるのか確認していた。
「そうですね、ただ飛ぶだけでしたら問題はないです。着地する場所に明かりがあれば、降りる際の問題もないかと思います」
ワイバーンは、夜目が効かないようだ。山に住んでいるワイバーン一家は、夜にも普通に飛んでいるのだが、育ちによって違ったりするのだろうか?
飛行高度は人間の攻撃で届かない位置まで余裕で上がれるので、そこから爆弾を落とす事になった。ただ、爆発するタイミングの調整が必要になるようで、ヴローツマインから爆破技師が急遽駆けつける事になった。
爆弾が、地球みたいにボタンを押すだけで爆発するのではなく、導火線に火をつけてタイミングを計るのだとか。これなら、昼夜問わず爆弾を落とし続けられるな。爆弾の生産が間に合わないなら、DPで取り寄せるか? 多分、現物を見れば似たような物を召喚できるはずだしな。
壁から5キロメートル先がちょっとした丘になっていて、その丘の頂上に来ないと壁が見えないだろう。まぁ、斥候が来ているので壁の存在はすでに知っているだろうけどな。
明日の昼に到着する聖国の軍は、丘の上か丘の向こう側に拠点でも作ると思われる。早ければ、明後日には戦争が始まるだろう。
援軍が来るまで動かない可能性もあるが、こちらの戦力を把握するためにも小規模な戦いは起きると踏んでいる。
特に問題になるのが、ダブルの冒険者が率いているクランの存在だろう。あいつは、軍と違って基本的に魔物を相手にする冒険者だ。どんな事をしてくるかわからない……少数精鋭でヒットアンドアウェイをされたら面倒である。
その対策のために、俺たちは壁の上から戦場になる場所をながめている。
攻めにくいように塹壕や土嚢を積み上げたりしているが、これに関してはこっちの軍にも多少なりと影響が出る。ただ、物量で押し込みにくいという状況は、軍の数が少ないこちらとしては有利になってくれるのではないだろうか?
問題の冒険者たちにも有利に働く可能性があるので、そこら辺はレイリーの采配に期待しよう。
レイリーの部下にもマップ先生を使えるタブレットを渡しているので、監視状況は問題ないだろう。いかに適切な戦力を割り振る事ができるかと言った所か。
「なぁ、レイリー。今回の戦争ってルールは無いんだよな?」
「そうですな。今回は、ウォーゲームとシュウ様が呼んでいる戦争ではなく、侵略・略奪戦争になりますので、ルールはあってないような物ですな」
「ん? 一応あるのか?」
「王国・聖国・帝国の三大国がやり過ぎないように定めたルールがありますが、基本的に小国同士の争いを抑制するためですね。ルールを破れば自分たちが国を切り取る……と言った感じですかね。その大国の1つが攻めて来てるのです。相手取れる国がなければ、大国の行動は制限される事もありませんからね」
それに聖国では、中立地域は国ではないとの事でルールは適用されないと言っているそうです……と付け加えられた。
まぁルールがあっても聖国が守るとも思えないしな。嫌な思い出ではあるが、聖国と小国の戦いに介入した際の事を思い出す。聖国の振る舞いも、手助けした国の振る舞いもどっちも気に入らなかった……あの忌々しい戦争だ。
それを考えたらイライラしてきた。そこで俺は、レイリーに提案をしてみる。
「夜襲ですか? 確かに効果的だと思いますが、夜襲を仕掛けるメンバーはかなり危険です。リスクにあうリターンがあるのでしょうか?」
「夜襲でも、相手に人的被害を出すのが目的ではないんだよ。確かヴローツマインでは最近、爆薬による鉱石の発掘をしていると聞いている。その爆薬を使って、嫌がらせをすると考えたらいい。1時間おき位に安全な位置から投げ込めばいい。そうすればそれだけで睡眠がとれずに半数の兵士が質の良い睡眠がとれなくなるさ」
それを聞いたレイリーは、何やら考え始めたようだ。
レイリーは思考の海に沈んでいるみたいなので、俺は戦場になる場所に目を戻す。
一番目立つのは、いくつも作られた橋だろう。これも間に合わせで作っているため、大した物ではない。橋としての機能があるので問題はないのだが、落とす事を視野に入れているので簡素な造りとなっている。
戦争が終われば、今俺たちの立っている壁の下にある門しか使われなくなるだろう。複数の門があると管理が大変だからな。終わったらしっかりと塞いでおく話になっている。なのに何故複数の門があるかと言えば、撤退する時のためだ。
逃げ道の無い場所で戦い続けろ! 何て事をするわけはないので、逃げやすいようにしている。
そういえば、俺たちが掘った溝には水が流れている。近くに川も無く水を流せる状況では無かったので諦めていたが、俺の様子を見に来てくれた母親に連れられた娘たちが連れて来た、リヴァイアサンが水の通り道を作ってくれたのだ。
川に繋がっていないのに水が流れる原理がよくわからんが、水を司るモノとして何とかしてくれたのだ。ただ、作ってくれた理由が、ミーシャの「みじゅは?」の一言だったのには、苦笑せざるを得なかった。
上から見ていると分かるが、自分たちが戦いやすいように工夫されてるよな。本来はこういう造りだと槍は使い辛いのだが、訓練風景を見ているとその感想も出てこない。大盾持ちを前面に後ろから大斧持ちが盾の隙間に振り下ろす連携をとっていた。
大斧……突き刺す事もできる形状なので、ポールアックスという方が正しいだろうか? 振り下ろしで相手の盾を倒し、盾を持っていない相手にはファランクスの様な戦術で使える形のようだ。攻め込むだけではなく、撤退をしながらの事も考えているようだ。
所々に崩しやすくなっている場所があり、要石を爆破させれば道が崩れる造りになっているとの事だ。
訓練風景を眺めていると、レイリーが思考の海からあがってきたようだ。そして、
「確認したい事がありますので、一緒にヴローツマインから来た兵士の所へ来てくださいませんか?」
俺が話した、爆弾の事について聞きに行くようだ。
壁を降りて、軍が駐屯している場所まで移動する。中立地域から合計で10000人近い兵士が集まり、後方支援として5000人規模の補給隊が形成されている。
前線の兵士たちに美味い食事を食べさせるために、有志の肝っ玉母ちゃんが料理を作り続けてくれているのだ。ブラウニーが監修して、大量に美味しい料理を作るためのコツも教えているようで、連日大盛況だ。
食材については、ディストピアで大量に生産を続けているので、不足の心配はない。それにミューズまでは魔導列車で運んでこれるし、俺たちの収納の箱付き馬車も使っているので輸送の面でも問題はない。
特にジョッキに1杯だけだが、お酒を用意しているので兵士の士気はうなぎ上りだ。
竜騎士たちがいる場所に到着した。ヴローツマインからは、少数精鋭の竜騎士が100騎程来ている。
竜騎士の隊長から、最近使われている爆弾の事について話を聞き始めた。殺傷能力は魔法程高くはないが、限定した空間で使われている事、爆発する際に大きな音を建てる事等を聞いている。レイリーはDPで出した爆弾を知っているので、それとの差異について確認しているようだ。
話を聞き終わった後に、竜騎士の騎竜であるワイバーンは夜に跳ぶ事ができるのか確認していた。
「そうですね、ただ飛ぶだけでしたら問題はないです。着地する場所に明かりがあれば、降りる際の問題もないかと思います」
ワイバーンは、夜目が効かないようだ。山に住んでいるワイバーン一家は、夜にも普通に飛んでいるのだが、育ちによって違ったりするのだろうか?
飛行高度は人間の攻撃で届かない位置まで余裕で上がれるので、そこから爆弾を落とす事になった。ただ、爆発するタイミングの調整が必要になるようで、ヴローツマインから爆破技師が急遽駆けつける事になった。
爆弾が、地球みたいにボタンを押すだけで爆発するのではなく、導火線に火をつけてタイミングを計るのだとか。これなら、昼夜問わず爆弾を落とし続けられるな。爆弾の生産が間に合わないなら、DPで取り寄せるか? 多分、現物を見れば似たような物を召喚できるはずだしな。
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
救国の大聖女は生まれ変わって【薬剤師】になりました ~聖女の力には限界があるけど、万能薬ならもっとたくさんの人を救えますよね?~
日之影ソラ
恋愛
千年前、大聖女として多くの人々を救った一人の女性がいた。国を蝕む病と一人で戦った彼女は、僅かニ十歳でその生涯を終えてしまう。その原因は、聖女の力を使い過ぎたこと。聖女の力には、使うことで自身の命を削るというリスクがあった。それを知ってからも、彼女は聖女としての使命を果たすべく、人々のために祈り続けた。そして、命が終わる瞬間、彼女は後悔した。もっと多くの人を救えたはずなのに……と。
そんな彼女は、ユリアとして千年後の世界で新たな生を受ける。今度こそ、より多くの人を救いたい。その一心で、彼女は薬剤師になった。万能薬を作ることで、かつて救えなかった人たちの笑顔を守ろうとした。
優しい王子に、元気で真面目な後輩。宮廷での環境にも恵まれ、一歩ずつ万能薬という目標に進んでいく。
しかし、新たな聖女が誕生してしまったことで、彼女の人生は大きく変化する。
鮮明な月
碧
BL
鮮明な月のようなあの人のことを、幼い頃からひたすらに思い続けていた。叶わないと知りながら、それでもただひたすらに密やかに思い続ける源川仁聖。叶わないのは当然だ、鮮明な月のようなあの人は、自分と同じ男性なのだから。
彼を思いながら、他の人間で代用し続ける矛盾に耐えきれなくなっていく。そんな時ふと鮮明な月のような彼に、手が届きそうな気がした。
第九章以降は鮮明な月の後日談
月のような彼に源川仁聖の手が届いてからの物語。
基本的にはエッチ多目だと思われます。
読む際にはご注意下さい。第九章以降は主人公達以外の他キャラ主体が元気なため誰が主人公やねんなところもあります。すみません。
転移魔法に失敗したら大変な事に巻き込まれたようです。
ミカヅキグマ
ファンタジー
魔導師のヴァージニアは転移魔法に失敗して見知らぬ島に来てしまった。
地図にも載っていないその島には何やら怪しげな遺跡がポツンと建っていた。ヴァージニアはただでさえ転移魔法の失敗で落ち込んでいるのに、うっかりその遺跡に閉じ込められてしまう。彼女が出口を探すために仕方なく遺跡の奥に進んで行くと、なんとそこには一人の幼い少年がいた。何故こんな所に少年が? 彼は一体何者なのだろうか?
ヴァージニアは少年の正体が世界を揺るがす出来事に発展するとは露程も思っていなかったのだった……。
※台詞が多めです。現在(2021年11月)投稿している辺りだと地の文が増えてきています。
※最終話の後に登場人物紹介がありますので、少しのネタバレならOKという方はどうぞご覧下さい。
ネタバレ
※ヴァージニア(主人公)が抱く疑問は地竜とキャサリンが登場すると解けていきます。(伏線回収)
さらにネタバレ
※何度もループしている世界の話ですが、主人公達は前の世界の記憶を持っていません。しかし違和感などは覚えています。(あんまりループ要素はないです)
さらにさらにネタバレ?
※少年の正体は早い段階で出てるじゃないかと思っている方……、それじゃないんです。別にあるんです。
没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!
日之影ソラ
ファンタジー
かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。
しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。
ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。
そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。
こちらの作品の連載版です。
https://ncode.syosetu.com/n8177jc/
悪魔だと呼ばれる強面騎士団長様に勢いで結婚を申し込んでしまった私の結婚生活
束原ミヤコ
恋愛
ラーチェル・クリスタニアは、男運がない。
初恋の幼馴染みは、もう一人の幼馴染みと結婚をしてしまい、傷心のまま婚約をした相手は、結婚間近に浮気が発覚して破談になってしまった。
ある日の舞踏会で、ラーチェルは幼馴染みのナターシャに小馬鹿にされて、酒を飲み、ふらついてぶつかった相手に、勢いで結婚を申し込んだ。
それは悪魔の騎士団長と呼ばれる、オルフェレウス・レノクスだった。
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします
ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、
王太子からは拒絶されてしまった。
欲情しない?
ならば白い結婚で。
同伴公務も拒否します。
だけど王太子が何故か付き纏い出す。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる