ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1167話 フラグは回収される

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 思っていた以上に面倒な、裏の事情がありそうな戦争に辟易する。

 何が起きてもいいように、俺は宿に戻ってみんなを集める。もちろん、魔導無線で簡易シェルター型ダンジョンにいるメンバーも呼び出して会議を始める。

 会議を始める前に、向こうに残ったメンバーがミーシャ・スミレ・ブルムと遊んでいた様子が見えたため……悔しい思いをしている。俺も娘たちと遊びたい! でも、この街には連れてこれないな。比較的綺麗な方ではあると思うが、糞尿の臭いが結構しているので、衛生面に問題がある。

 おっと、思考がそれてしまったな。

 真紅の騎士団で聞いた内容をかいつまんでみんなに説明する。

「で、俺たちの目的は、ミリーの家族をディストピアに連れて帰る事だよね。なので、今のうちに優先順位をつけていこうと思って、みんなに話をしているんだ」

 集めてわざわざ話す事か? と思っていた年少組のメンバーだったが、納得したのか相槌を打ってなるほど! と言っていた。現状把握も大切だからな!

 優先順位1位は、もちろん俺たちとミリーの家族の安全だ。もしこれが脅かされるようなら、全力で危険を排除する事に決まった。

 優先順位2位は、特になかった。

 無いというか、邪魔をするなら排除という方向になったのだ。無理に戦争に介入する事は無いので、助言位はしてあげてもいいのでは? という事に落ち着いた。

 話し合った結果だけを見ると、何か微妙な感じがするが、明確な目的があるので芯が揺らぐ事は無いだろうと思う。

 状況はミリーにも伝えている。だからと言って準備が早くなるわけでもないので、無理に早く準備しなくても大丈夫だと伝えている。

 そして2日が経った。ミリーも準備が終わり、いつでも移動を開始できる状態だ。

 ミリーの家の前に到着しており、馬車も3台並べている。12人も人が増えたので、さすがに全員が乗ると狭く感じるな。もう1台持ってくるべきだったか? まぁすぐに簡易シェルター型ダンジョンにいるメンバーと合流できるし問題ないか。

 と思ったが、そうは問屋が卸さなかった……

 俺たちが出発する段階になって、捕らえられていた勇者たちが脱走したようだ。もう街から出て行ったようだが、なぜこのタイミングで抜け出したのだろうか? と思い、マップ先生を見ると、

 戦争でこの街の援軍に来ていた軍団と合流していたのだ。やはり、この戦争には王国の貴族が何らかの形でかかわっている事が確定したな。脱走も誰かの手引きだろうな。捕らえられていた場所の様子を見ていたので、自分たちでは抜け出せないと考えている。

 しかも、あいつらがいる所がサラディルと簡易シェルター型ダンジョンの中間。まぁ少し方向外れているのだが、このままいけば確実に絡まれるだろう。この前は国境側にいたのに、何で今はその真逆の位置にいるんだよ!

 迷惑な奴らだな。

 こちらの打てる手としては、真紅の騎士団に出向いてらうか。あいつらなら、俺のいう事を無下にする事もないし、戦力的にも問題ない。任せれば間違いなく解決しないか。あっちには俺に捕らえられたとはいえ、勇者でSランク冒険者がいるんだもんな。

 となると共同作業がベターか?

 個人的にはこの戦争は負けても勝ってもどっちでもいいのだが、真紅の騎士団が無暗に殺されるのは避けたい所なんだよな。

「ご主人様。何をお悩みですか?」

 ピーチにそう尋ねられて、俺は頭の中で考えていた事をみんなに説明する。第一にミリーの家族の安全を上げているので、下手に戦闘を行うわけにもいかないし、どうしたものやら?

「別に、正直にまっすぐみんなの所へ戻る必要はないのでは? 違う門からでて、勇者たちを迂回するようにダンジョンへ向かうのはどうですか?」

 そっか、迂回していけば合流するには、何の問題もないな。そこで一旦、ミリーの家族を預けてそう戦力で勇者を壊滅させればいいか? 妻たちも、真紅の騎士団は好ましい相手のようで、こんな罠みたいなもので死ぬのは惜しいと思っているようなので、ついでに手助けを! という事になった。

 でも、行動する前に団長さんに話を聞きに行こう。

 真紅の騎士団が集まっている場所は、慌ただしかった。勇者に逃げられたんだから、それは当たり前か。近くに来た団員を捕まえて団長に話を通してもらう。

「シュウ殿、すまない。勇者に逃げられてしまって、少しバタバタしている。何か用事があってこちらに来たという事だが、何だろうか?」

「その勇者なんだけど、国境とは反対側のあっちに、援軍で来ていたこの国のどっかの貴族の軍隊と合流して何かしているぞ。それと勇者が脱走する前に、あんたたいを排除したい一派の貴族の兵士か何かが、ここに来てないか?」

「貴族の兵士……そういえば、情報が欲しいと言って、勇者たちに会いに来たやつらがいたな。あいつらが脱出の手引きをしたのか? シュウ殿の言っている事は、半信半疑だったがここまで状況証拠を突き付けられると……信じざるを得ないですね」

 騎士団の戦力だけでは、勇者たちを捕らえる事は出来て、もかなりの被害を受ける事になるかもしれないので、協力要請を受けた。素直に頭を下げて、願い出てくるところは好感が持てる。こちらも助ける方向で話がまとまっているので、タイミングを合わせての襲撃となった。

 もちろん俺は、街の外に妻たちを待機させているので、そっちと合流してからの参戦となる事を伝えている。

 そうすると、初めは真紅の騎士団がやられないように戦闘を開始するので、そこに助ける形で援軍に入っていただきたいとお願いされた。

 理由としては、一応王国の貴族の兵士なので、俺から手を出すと面倒な事になるので、援軍という形であれば、その貴族がどんなに権力があろうと問題ないとの事だった。

 面倒事というのは、俺たちがまた暴れて街の1つや1つを得てしまう事だと、遠回しに言われた。わざわざ街が欲しいわけでもないし、アホな貴族を相手にするのはこっちも面倒なので、その作戦に乗る事にした。

 騎士団は、準備ができ次第討伐に向かうようで、戦闘を開始する前に大きな花火を上げるので、それを合図に近付いて来てもらえれば、との事だった。

 さっさと合流して、向こうのメンバーに状況を説明しないとな。
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