ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
1,156 / 2,518

第1156話 発見した物は!?

しおりを挟む
 昨日は、昼を挟んで違う場所にも潜りに行った。

 お昼の前に年少組の皆が、バザールや綾乃が作った街だと思うと言ったところ、クリアの報告! と言って真珠を掲げて通信室に入っていった。

 出てきた時に、入っていった時より良い笑顔で出てきた時に予感はしていたのだが、しっかりと話を聞いてみると大正解!

「バザールと綾乃お姉ちゃんが、他にも海中都市を作ったんだって!」

 と。そんな予感はしていたけど、何処にあるかまでは教えてもらえなかったらしい。それにしても、バザールって呼び捨てにされてるんだな。何かあったのかな?

 ヒントがあの街。真珠を見つけた街に隠してあるから、皆で探してみると良いよ、だってさ。

  やる気になった年少組を止めることは出来ないし、自分たちでやりたいと言っているのに、止める必要も無いと思い好きにさせている。

 それでも。長い時間、湖だけど塩水と言う事で海水に浸かっていたので、しっかりと休憩はとらせている。

 ブーブー文句を言っていたが、昼食後に少し横になるように言うと、すぐにみんな寝入ってしまった。

 運動して疲れていたとはいえ、長い時間眠ってしまうと夜に眠れなくなってしまうので、1時間程で起こしている。

 寝起きがすこぶる良く、起きてすぐに状況を理解して、全員が海中都市探索モードに移行していた。

 年少組は元気だな。

 そんな感じで昼が早めの11時30分で、今が13時30分。2時間ほどは休んでいるから問題ないか? 念の為、出発前のジュースにエリクサーを少量混ぜている。

 ブラウニーにこっそりとお願いして混ぜているので、多分バレていないだろう。エリクサーは効能が高いので、少量でも体調を整えてくれるだけの効果はあるのだ。

 元気良く年少組の先頭を走っているシェリルが、

「各々方、討ち入りでござる!」

 と言って、甲板からダイナミックに飛び込んだ。

 身体能力が高いから怪我はしないだろうが、危ないので後で続いて飛び込んだ全員、説教だ!

 そしてシェリルよ、何処に戦……喧嘩を仕掛けに行くんだ? 目の前は、水中の都市でしかも無人だぞ? シエルのおかげで水生生物も近くにほとんどいないんだぞ!

 そして、2時間程かかってやっとヒントを見つけた。ヒントのあった場所は、真珠を見つけた謁見の間のような所だ。

 真珠を見つけた時には気付けなかったが、広間から出る扉の上の壁にデカデカと地図が描いてあり、この水中都市の位置ともう一つの水中都市の位置がマークされていた。

 そして最終日の今日、その水中都市の近くまで船を移動させている。もちろん昨日の夜は、甲板の上から飛び込んだ事に対する説教を行っている。

「さて、ここはどんな都市なんだろうな? 向こうには真珠があったけど、こっちには何があるのやら」

 宝がある! と年少組全員が臨戦態勢に入っていた。甲板で準備すると飛び込みたくなってしまうようなので、今回は釣りに使った通路を出してそこから飛び込んでいる。

 ん~見た感じは、似た街並みか? 姉妹都市みたいな? あれ? 姉妹都市ってそういう意味じゃなかったな。

 あ~でも所々でなんか違うな。この朽ちかけた都市をどうやって作ったんだろうか?

 しばらく外周にそって泳いでいると、みんなが騒ぎ出し指をさしていたのでそっちの方を向く。

 おぉ……ジーザス……

 まさか滅びた都市で、このネタをやってくるとは思わなかったわ。樹海にある滅びた都市……確かに字面だけみれば結構近い物があるもんな。それにあの2人ならこの位はやってもおかしくないな。

 巨大な蟲の形をした何かが、何匹も都市に突き刺さるような形で、都市を破壊した後にそこで死んだ風な感じになっている。

 そりゃもう、風の谷のなんちゃらかよ! って突っ込みたくなる風景なのだ。都市の3分の1位が、巨大な蟲の形をした何かに壊されている。でも、怒ったあいつ等なら都市の1つや2つは軽く壊してしまうよな。

 年少組が興味津々に蟲に近付いていく。あの映画を見て、覚えている娘は「あれって……」と、俺と同じような反応をしている。俺も近付いてみた。

 それにしてもよくできてんな、本当にこういった蟲型の魔物がいるんじゃないかと、思うようなクオリティーで作り込まれていたのだ。まぁ魔物だったらドロップ品になってしまうので、死体は残らないんだけどね。

 長年放置されて外の殻だけが残り、中はスッカスカという設定だろう……いくつか眼の部分が外れていたため、中に入る事ができたのだ。しかも、中まで細かく作り込まれてる事に恐怖を感じる……

 それにしても口っぽい所と、側面についている足みたいなのが気持ち悪いな。大きかったら大きかったで怖いだろうけど、小さければ小さいで怖そうだな。ムカデより強烈かも。

 年少組が、これ持って帰る! とか言っているのだが、全力で却下した。

 それで興味を失ったのか探索に戻った。街並みは似ているのだが、若干建築方式が違うのかな? 家の中とかに入ってみると、前の水中都市との違いを感じる。

 ある程度街の中を探してみたが、宝物のような物は無かったので本命の中心にあるお城へ向かう。

 この城もでかいな。よくここまで作り込んだもんだな。アニメとかマンガで見るような、入口の正面にある壁に真っ直ぐ続いている階段で、踊り場のある所にはこの城の主の姿絵みたいなのがあるし、踊り場から壁にそって左右に2階へ上る階段が伸びている。

 この造りってどんな意味があるんだろうな? 見た目がいいとかそんな感じだろうか?

 本命の謁見の間のような所に着いたのだが、宝物は見つからなかった。でも、綾乃たちが何かあるみたいな事を言っていたみたいなので、何かしらはあるのだろう。

 2人1組になって城の中を探索する。

 俺とペアになったのはレミーで、一番上に行きたいというので、迷路のような通路を進んでいく。

 何か雰囲気が変わったな? これはあれか? 王族のプライベート的な感じか? 通路の先に豪華な扉が見えたので、入ってみると……

 10人位なら軽く寝れるような、王様のベッドがあった。しかもその上には、向こうの水中都市にいたようなアコヤガイが居座っている。

 みんなを呼んで、貝を開く!

 出てきたのはやっぱり真珠だった。だけどただの真珠ではなく黒い真珠だ。あっちの白い真珠と同じくらいのサイズのブラックパールだ!

 年少組は、お宝が見つかった事自体に喜んでおり、中身はあまり気にしていない様子だったな。

 ふと天井を見ると、デカデカと地図が書かれており、向こうと同じようにチェックが入っていた。

 こうして年少組と俺たちのプチ冒険は終了する。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。  応援していただけたら執筆の励みになります。 《俺、貸します!》 これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ) ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非! 「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」 この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。 しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。 レベル35と見せかけているが、本当は350。 水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。 あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。 それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。 リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。 その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。 あえなく、追放されてしまう。 しかし、それにより制限の消えたヨシュア。 一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。 その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。 まさに、ヨシュアにとっての天職であった。 自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。 生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。 目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。 元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。 そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。 一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。 ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。 そのときには、もう遅いのであった。

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

処理中です...