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第1154話 驚きの一品
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初日にして負けたダマは……ひどく落ち込んでいた。
初めは何で負けたのか理解できていなかったのだが、俺が聞いた事をまとめてからわかりやすく説明してやることで負けた理由を正確に理解したようだ。
あそこで、自分も水のシールドを張っていれば問題なかったと理解したのだが、初見ではどうにもできなかっただろう。俺だって普通にもらい事故したしな。
あれはおそらく、水が衝撃を伝播させ、俺やダマの三半規管を揺さぶったのだろう。そして、偶然にも年少組の起こした重低音、殴った時の衝撃のいくつかが、俺とダマの位置で三角波のようになって、ダメージを増大させたのだと思う。
年少組も大きな音をたてたら、ダマが止まるんじゃないかな? 位の認識で、みんなで水の壁を叩いていたのだから、運もあるんだぞダマ。そんなに落ち込むなって。
ひどく落ち込んでしまったダマを慰めるために、シャワーも毛が綺麗になる様に専用シャンプーも、毛を乾かしながらブラッシングも丁寧にしてやった。ついでに、全身のマッサージまでしてやると、落ち込んでいたのがウソのようにスヤスヤと眠ってしまったのだ。
後30分もすれば食事の時間になってしまうのだが、さすがにダマを放置して食事をしたら拗ねるだろうと考えて、1時間程したら起こして食事にする事にした。
年少組は暇な時間を使って、シエルたちと遊んでいたな。
普通の亀がどれだけの速さで泳ぐか知らないけど、シエルとシールドは、めっちゃ泳ぐのが早いな。
流れるプールをコースに見立てて、2匹が年少組のメンバーを乗せ、レースしていたのには笑ったな。
制限が無ければレベルの差でシエルの方が早いのだが、強くなったシールドはシエルと同じ大きさであれば、同等のスペックを持っている様だったのだ。
聖獣たちは、小さくなるとある程度スペックが下がるので、仕方がない事だろうと思う。それにしてもシールドも強くなった。今度ガロウもきちんと見てみないとな。ずいぶん大きく強くなっていたみたいだからな。
さて、亀レースをのんびりとみている場合では無かったな。ブラウニーがそろそろ食事にすると、ブリッジの上のバーベキュースペースから声をかけてきたので、ダマをゆすって起こす。
まだ眠気眼のダマは、歩くのにふらふらしていたため、抱っこして移動する事にした。
バーベキュースペースに到着すると、自分の好物のお肉が焼けるにおいがしたためか、カッと目を見開いて覚醒してくれた。
定位置に到着すると、涎を垂らさんばかりの表情をして食事の挨拶をして食べようよ! という視線を送って来た。
しょうがない奴だな、とみんなで笑いながら席について食事の挨拶をする。
いただきます!
普段より30分遅れで食事が始まった。
メニューは特に代わり映えはしなかったが、1つだけ久しぶりに見た料理があったので、思わず食いついてしまった。
普通家庭では作らない一品なので他の皆も食いついている。見た目が派手なんだよね。だからひかれてしまうのはしょうがないと思う。
ケバブはケバブでも、肉を香辛料などで味付けをして、棒に突き刺して積層するように肉を重ねていき、回しながら火を通していく見た目も味もかなりの物なのだ。
本場の物は食べた事が無いのであれなのだが、日本人……俺に会う様に味付けされたドネルケバブは、本当に美味いんだよな。
しかも今回は、ピタパン、小麦粉に水・塩・砂糖・イーストを加えて、一時間ほど発酵させ、高温のオーブンで一気に焼上げた物。中が空洞のポケット状になっているところから、ポケットパンと呼ばれる事もある食べ物だ。
俺は最初に見た時は、インドカレーに付けて食べるナンみたいな物かなと思っていたが、ちょっと違った。
少し小さめに作ったピタパンを半分に切って、中の空洞のポケットを開いてその中に新鮮な野菜を敷き詰めそこへドネルケバブを削ぎ落しながら入れてくれる……
見た目が派手だけに、ドネルケバブの期待値が天井知らずで上がっていく。ただよう香りも最高なんだよね、ダマも早く寄越せ! と言わんばかりの表情をしながら、他の肉を食っている。待つか食うかどっちかだけに出来なかったのかお前は……
初めの1つは俺に手渡された。
湯気の出ているアツアツのケバブを頬張る!
スパイシーで美味しい! でも、ただスパイシーなだけではなく、計算された俺の口に合うケバブだった。
でも、前に食べた時より何か美味しく感じるんだよな。見た目も香りも大きく変わったわけではないと思うのだが、ピリリとした辛みと酸味が、ケバブの脂っぽい部分をうま味に変えてくれているような気がするんだよな。マジでなんだろ?
年少組の皆も前より美味しくなっている気がする! と騒いでいるので、俺の評価は間違っていないのだと思うが……
そうすると、ドネルケバブを担当していたブラウニーが、味の秘密について話してくれた。
どうやら、多少味付けは変えているが、ケバブにもピタパンにも挟んだ野菜も前回と同じだが、食欲を強くする、美味しく食べられるように今回工夫したのは、ピクルスらしい。
ピクルスって、ハンバーガーとかに挟む、酸っぱいあれだよな? あれを入れただけでこんなものになるのか? と首をひねっていると、
一般的なピクルスではなく、インド周辺でピクルスとして使われているアチャール……野菜や果実をマスタードオイルに漬け込んだ保存食の一種だとの事。
まぁアチャールに色々な香辛料やら何やらを加えて、味を調えているがドネルケバブに合わせる付け合わせとして、何度も試作した中で一番よかった物を提供してくれたそうだ。
初めは、酢の種類や香辛料、ピクルスに使う食材などを変えて作っていたのだが、色々試してみたがしっくりとこず、ピクルスの種類について調べている内にアチャールというピクルスに使われている物があると知ったそうだ。
ただ、味は良くなったのだが、どの野菜を使うかは微妙に意見が分かれているらしい。今回はパプリカとプチトマトをアチャールに付けた物を少し刻んで、ケバブを切り落とす時に一緒に入れていたらしい。
だから、ピリリとした辛みに酸味があったのだろう。とてもおいしかった! 他にも美味しいものは沢山あったのだが、今回のトップはケバブだった。
色々な物を食べれるように、小さめに提供されていたので、最初と最後の2回も食べてしまった。付け合わせだけでここまで印象が変わるんだな~と俺は驚いたけどな。
初めは何で負けたのか理解できていなかったのだが、俺が聞いた事をまとめてからわかりやすく説明してやることで負けた理由を正確に理解したようだ。
あそこで、自分も水のシールドを張っていれば問題なかったと理解したのだが、初見ではどうにもできなかっただろう。俺だって普通にもらい事故したしな。
あれはおそらく、水が衝撃を伝播させ、俺やダマの三半規管を揺さぶったのだろう。そして、偶然にも年少組の起こした重低音、殴った時の衝撃のいくつかが、俺とダマの位置で三角波のようになって、ダメージを増大させたのだと思う。
年少組も大きな音をたてたら、ダマが止まるんじゃないかな? 位の認識で、みんなで水の壁を叩いていたのだから、運もあるんだぞダマ。そんなに落ち込むなって。
ひどく落ち込んでしまったダマを慰めるために、シャワーも毛が綺麗になる様に専用シャンプーも、毛を乾かしながらブラッシングも丁寧にしてやった。ついでに、全身のマッサージまでしてやると、落ち込んでいたのがウソのようにスヤスヤと眠ってしまったのだ。
後30分もすれば食事の時間になってしまうのだが、さすがにダマを放置して食事をしたら拗ねるだろうと考えて、1時間程したら起こして食事にする事にした。
年少組は暇な時間を使って、シエルたちと遊んでいたな。
普通の亀がどれだけの速さで泳ぐか知らないけど、シエルとシールドは、めっちゃ泳ぐのが早いな。
流れるプールをコースに見立てて、2匹が年少組のメンバーを乗せ、レースしていたのには笑ったな。
制限が無ければレベルの差でシエルの方が早いのだが、強くなったシールドはシエルと同じ大きさであれば、同等のスペックを持っている様だったのだ。
聖獣たちは、小さくなるとある程度スペックが下がるので、仕方がない事だろうと思う。それにしてもシールドも強くなった。今度ガロウもきちんと見てみないとな。ずいぶん大きく強くなっていたみたいだからな。
さて、亀レースをのんびりとみている場合では無かったな。ブラウニーがそろそろ食事にすると、ブリッジの上のバーベキュースペースから声をかけてきたので、ダマをゆすって起こす。
まだ眠気眼のダマは、歩くのにふらふらしていたため、抱っこして移動する事にした。
バーベキュースペースに到着すると、自分の好物のお肉が焼けるにおいがしたためか、カッと目を見開いて覚醒してくれた。
定位置に到着すると、涎を垂らさんばかりの表情をして食事の挨拶をして食べようよ! という視線を送って来た。
しょうがない奴だな、とみんなで笑いながら席について食事の挨拶をする。
いただきます!
普段より30分遅れで食事が始まった。
メニューは特に代わり映えはしなかったが、1つだけ久しぶりに見た料理があったので、思わず食いついてしまった。
普通家庭では作らない一品なので他の皆も食いついている。見た目が派手なんだよね。だからひかれてしまうのはしょうがないと思う。
ケバブはケバブでも、肉を香辛料などで味付けをして、棒に突き刺して積層するように肉を重ねていき、回しながら火を通していく見た目も味もかなりの物なのだ。
本場の物は食べた事が無いのであれなのだが、日本人……俺に会う様に味付けされたドネルケバブは、本当に美味いんだよな。
しかも今回は、ピタパン、小麦粉に水・塩・砂糖・イーストを加えて、一時間ほど発酵させ、高温のオーブンで一気に焼上げた物。中が空洞のポケット状になっているところから、ポケットパンと呼ばれる事もある食べ物だ。
俺は最初に見た時は、インドカレーに付けて食べるナンみたいな物かなと思っていたが、ちょっと違った。
少し小さめに作ったピタパンを半分に切って、中の空洞のポケットを開いてその中に新鮮な野菜を敷き詰めそこへドネルケバブを削ぎ落しながら入れてくれる……
見た目が派手だけに、ドネルケバブの期待値が天井知らずで上がっていく。ただよう香りも最高なんだよね、ダマも早く寄越せ! と言わんばかりの表情をしながら、他の肉を食っている。待つか食うかどっちかだけに出来なかったのかお前は……
初めの1つは俺に手渡された。
湯気の出ているアツアツのケバブを頬張る!
スパイシーで美味しい! でも、ただスパイシーなだけではなく、計算された俺の口に合うケバブだった。
でも、前に食べた時より何か美味しく感じるんだよな。見た目も香りも大きく変わったわけではないと思うのだが、ピリリとした辛みと酸味が、ケバブの脂っぽい部分をうま味に変えてくれているような気がするんだよな。マジでなんだろ?
年少組の皆も前より美味しくなっている気がする! と騒いでいるので、俺の評価は間違っていないのだと思うが……
そうすると、ドネルケバブを担当していたブラウニーが、味の秘密について話してくれた。
どうやら、多少味付けは変えているが、ケバブにもピタパンにも挟んだ野菜も前回と同じだが、食欲を強くする、美味しく食べられるように今回工夫したのは、ピクルスらしい。
ピクルスって、ハンバーガーとかに挟む、酸っぱいあれだよな? あれを入れただけでこんなものになるのか? と首をひねっていると、
一般的なピクルスではなく、インド周辺でピクルスとして使われているアチャール……野菜や果実をマスタードオイルに漬け込んだ保存食の一種だとの事。
まぁアチャールに色々な香辛料やら何やらを加えて、味を調えているがドネルケバブに合わせる付け合わせとして、何度も試作した中で一番よかった物を提供してくれたそうだ。
初めは、酢の種類や香辛料、ピクルスに使う食材などを変えて作っていたのだが、色々試してみたがしっくりとこず、ピクルスの種類について調べている内にアチャールというピクルスに使われている物があると知ったそうだ。
ただ、味は良くなったのだが、どの野菜を使うかは微妙に意見が分かれているらしい。今回はパプリカとプチトマトをアチャールに付けた物を少し刻んで、ケバブを切り落とす時に一緒に入れていたらしい。
だから、ピリリとした辛みに酸味があったのだろう。とてもおいしかった! 他にも美味しいものは沢山あったのだが、今回のトップはケバブだった。
色々な物を食べれるように、小さめに提供されていたので、最初と最後の2回も食べてしまった。付け合わせだけでここまで印象が変わるんだな~と俺は驚いたけどな。
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