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第1132話 報酬は……?
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ダンジョンバトルが終わってから1週間……ダラダラしながらも、ゴーストタウンの工房へ足を運び仕事はしている。
新しい物を作ろうと頑張ろうとすると、
「現状、新しい物は作らないでください!」
と、工房のドワーフにお願いされてしまった。理由は簡単だ。今でも俺たちが作った物でてんてこ舞いなのに、これ以上仕事を増やしてくれるな! という事だ。
だから、だらだらが続いているという感じだ。ダンジョンバトルでも不完全燃焼で、グダグダな感じなので周りから見たら、
「もう少しシャキッとしたらどうですか?」
と言われてしまうレベルには、だらけているように見えているらしいが、やる気が出ないのも確かなので、目をつぶってもらっている。
綾乃は、新しい物を作らないのであれば、異形型人造ゴーレムの調整をしたいと、自分の家の工房にこもっている。
バザールは、する事が無いのであれば、牧場や農場の手入れをする! と言って、最近配下の骨たちに任せっきりになっていた自分の牧場や農園に入り浸っているようだ。
俺は……家にいると娘たちの所に入り浸るため、追い出されて工房に来ている形だ。
ドワーフたちの手伝いをする事もあるが、やはりクリエイトゴーレムを使わない物では、ドワーフたちの邪魔にしかならないので、自分に割り当てた工房で大人しくしている。
『あんた! 報酬が決まったわよ!』
突然、チビ神の大きな声が頭に鳴り響いて、心臓が止まるかと思う程ビビった。結構察知できるようになったと思っていたのに、まったくの不意打ちだった。
『いくつかパターンがあるんだけど、今話してもいいかしら?』
と言って話し始めた。いいかしら?と聞いているが、こっちの意見などお構いなしに話し出した。
前提として『DPは必要ないよね?』と言う所から始まった。
1、召喚できる魔物の増加
2、Sランクの魔物1匹の召喚
3、神器に届かないが、高性能な武器の召喚(ポイント制にしてその範囲内で複数召喚可)
4、完全な奉仕
と、簡単に言えば4つの選択肢が準備された。
4番は絶対にありえないので、1~3番のどれかから選ぶことになった。
3番の武器は、現状で困っていないのでどうかと思うのだが、シューティングスターの様な特別な武器という事を考えると、あると便利かもしれないけど必須ではないかな? 特殊機能が付いているような感じだからな。
1番の召喚できる魔物の増加は、正直何が増えるか分からないので、慌てて増やす程の物でもないかな?と思わなくもない。
となると、有力なのは2番のSランクの魔物の召喚だが、召喚できるSランクの魔物を聞いて苦笑せざるを得なかった。
【フェンリル】
こいつ1匹だけだったのだ。せめて違う種類のSランクを! と思ったもんだ。
でも、性別を選べるようにはなっているので、ガロウの嫁さんとして召喚してやるのも悪くないかな?
30分程悩んで、2番のSランクの魔物の召喚を選んだ。
ガロウが何処にいるのかを調べると、レベリング用のダンジョンで元気に頑張っているようだ。いつの間にかLvが400台に乗っている。どれだけ頑張ってあげたのやら。今日中に戻ってきてもらう様に指示しておこう。
次の日、久しぶりにガロウにあった。
「デカくなりすぎじゃね?」
小さなダマをちょっと大きくしたサイズ位だったのが、今ではどう例えればいいんだろうな。大人のトラ位の大きさになっていたのだ。
体は大きいのにまだまだ子供なガロウは、久しぶりに俺にあったためか、圧し掛かってきて顔をぺろぺろと舐め始めたのだ。デカいから、顔がデロデロになってしまった。
最終的に俺たちが倒した、あのフェンリルと同じサイズになるという事を考えれば、この位の大きさなら不思議はないかな?
「わかったから、落ち着けって!」
何とかガロウを引き剥がして立ち上がる。
「今から、お前の妹分……違うな、嫁候補を召喚するから、そこに座ってくれ」
俺が召喚した魔物であるため、俺の指示に従ってお座りをした。それを見て俺は、フェンリルを召喚する。
ガロウを召喚した時と同じくらいの体のサイズのフェンリルが召喚された。うむ、可愛いな。このままサイズが変わらなければいいんだけど、そうはいかないよな。
「ガロウ。お前は先輩としてこいつの面倒を見るんだぞ!」
俺にじゃれついてきた雌のフェンリルを抱き上げてガロウの前に突き出す。雌フェンリルは、よくわかっていないが尻尾を振ってキャンキャン鳴いている。見た感じは喜んでいるので大丈夫だろう。
ガロウがにおいを確認した後、体を擦り付けるような仕草をしていた。何で同族に臭いを付けるんだ? まぁいい、雌フェンリルもガロウのにおいを確認して、同じように体を擦り付けていた。フェンリルの習性なのかな?
「っと、雌フェンリルって呼ぶのはあれだから名前をつけないとな。ガロウに似ている様なのがいいかな? ん~桜花……オウカってどうかな?」
雌フェンリルを抱き上げて聞いてみると、尻尾を振って喜んでくれたので【オウカ】という名前に決定した。
「よし、ガロウ! オウカの面倒をしっかり見るんだぞ!」
ガロウもまだまだ子供なので、ガロウの面倒を見ているミリーの従魔たちが頑張ってくれるだろう。ガロウは最初違うやつに任せていたと思うのだが、いつの間にかミリーの従魔たちが教育していたので、そのまま面倒を見てもらう事にしている。
ミリーも子供を産んでから基本的に、ディストピアにいるからな。ミリーの従魔たちも暇なのだろう。同じオオカミ、というくくりで頑張ってくれ!
なんだろう、心なしかガロウが大人っぽく見える。守る対象ができたから、少し先輩の自覚でも発生したのかな?
しばらく友好を深めるのかと思ったら、そのままレベリング用のダンジョンにオウカを連れて行ってしまった。お前らスパルタすぎねえか? 怪我無く帰ってきてくれよな。
新しい物を作ろうと頑張ろうとすると、
「現状、新しい物は作らないでください!」
と、工房のドワーフにお願いされてしまった。理由は簡単だ。今でも俺たちが作った物でてんてこ舞いなのに、これ以上仕事を増やしてくれるな! という事だ。
だから、だらだらが続いているという感じだ。ダンジョンバトルでも不完全燃焼で、グダグダな感じなので周りから見たら、
「もう少しシャキッとしたらどうですか?」
と言われてしまうレベルには、だらけているように見えているらしいが、やる気が出ないのも確かなので、目をつぶってもらっている。
綾乃は、新しい物を作らないのであれば、異形型人造ゴーレムの調整をしたいと、自分の家の工房にこもっている。
バザールは、する事が無いのであれば、牧場や農場の手入れをする! と言って、最近配下の骨たちに任せっきりになっていた自分の牧場や農園に入り浸っているようだ。
俺は……家にいると娘たちの所に入り浸るため、追い出されて工房に来ている形だ。
ドワーフたちの手伝いをする事もあるが、やはりクリエイトゴーレムを使わない物では、ドワーフたちの邪魔にしかならないので、自分に割り当てた工房で大人しくしている。
『あんた! 報酬が決まったわよ!』
突然、チビ神の大きな声が頭に鳴り響いて、心臓が止まるかと思う程ビビった。結構察知できるようになったと思っていたのに、まったくの不意打ちだった。
『いくつかパターンがあるんだけど、今話してもいいかしら?』
と言って話し始めた。いいかしら?と聞いているが、こっちの意見などお構いなしに話し出した。
前提として『DPは必要ないよね?』と言う所から始まった。
1、召喚できる魔物の増加
2、Sランクの魔物1匹の召喚
3、神器に届かないが、高性能な武器の召喚(ポイント制にしてその範囲内で複数召喚可)
4、完全な奉仕
と、簡単に言えば4つの選択肢が準備された。
4番は絶対にありえないので、1~3番のどれかから選ぶことになった。
3番の武器は、現状で困っていないのでどうかと思うのだが、シューティングスターの様な特別な武器という事を考えると、あると便利かもしれないけど必須ではないかな? 特殊機能が付いているような感じだからな。
1番の召喚できる魔物の増加は、正直何が増えるか分からないので、慌てて増やす程の物でもないかな?と思わなくもない。
となると、有力なのは2番のSランクの魔物の召喚だが、召喚できるSランクの魔物を聞いて苦笑せざるを得なかった。
【フェンリル】
こいつ1匹だけだったのだ。せめて違う種類のSランクを! と思ったもんだ。
でも、性別を選べるようにはなっているので、ガロウの嫁さんとして召喚してやるのも悪くないかな?
30分程悩んで、2番のSランクの魔物の召喚を選んだ。
ガロウが何処にいるのかを調べると、レベリング用のダンジョンで元気に頑張っているようだ。いつの間にかLvが400台に乗っている。どれだけ頑張ってあげたのやら。今日中に戻ってきてもらう様に指示しておこう。
次の日、久しぶりにガロウにあった。
「デカくなりすぎじゃね?」
小さなダマをちょっと大きくしたサイズ位だったのが、今ではどう例えればいいんだろうな。大人のトラ位の大きさになっていたのだ。
体は大きいのにまだまだ子供なガロウは、久しぶりに俺にあったためか、圧し掛かってきて顔をぺろぺろと舐め始めたのだ。デカいから、顔がデロデロになってしまった。
最終的に俺たちが倒した、あのフェンリルと同じサイズになるという事を考えれば、この位の大きさなら不思議はないかな?
「わかったから、落ち着けって!」
何とかガロウを引き剥がして立ち上がる。
「今から、お前の妹分……違うな、嫁候補を召喚するから、そこに座ってくれ」
俺が召喚した魔物であるため、俺の指示に従ってお座りをした。それを見て俺は、フェンリルを召喚する。
ガロウを召喚した時と同じくらいの体のサイズのフェンリルが召喚された。うむ、可愛いな。このままサイズが変わらなければいいんだけど、そうはいかないよな。
「ガロウ。お前は先輩としてこいつの面倒を見るんだぞ!」
俺にじゃれついてきた雌のフェンリルを抱き上げてガロウの前に突き出す。雌フェンリルは、よくわかっていないが尻尾を振ってキャンキャン鳴いている。見た感じは喜んでいるので大丈夫だろう。
ガロウがにおいを確認した後、体を擦り付けるような仕草をしていた。何で同族に臭いを付けるんだ? まぁいい、雌フェンリルもガロウのにおいを確認して、同じように体を擦り付けていた。フェンリルの習性なのかな?
「っと、雌フェンリルって呼ぶのはあれだから名前をつけないとな。ガロウに似ている様なのがいいかな? ん~桜花……オウカってどうかな?」
雌フェンリルを抱き上げて聞いてみると、尻尾を振って喜んでくれたので【オウカ】という名前に決定した。
「よし、ガロウ! オウカの面倒をしっかり見るんだぞ!」
ガロウもまだまだ子供なので、ガロウの面倒を見ているミリーの従魔たちが頑張ってくれるだろう。ガロウは最初違うやつに任せていたと思うのだが、いつの間にかミリーの従魔たちが教育していたので、そのまま面倒を見てもらう事にしている。
ミリーも子供を産んでから基本的に、ディストピアにいるからな。ミリーの従魔たちも暇なのだろう。同じオオカミ、というくくりで頑張ってくれ!
なんだろう、心なしかガロウが大人っぽく見える。守る対象ができたから、少し先輩の自覚でも発生したのかな?
しばらく友好を深めるのかと思ったら、そのままレベリング用のダンジョンにオウカを連れて行ってしまった。お前らスパルタすぎねえか? 怪我無く帰ってきてくれよな。
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