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第1112話 やはりケモミミの洗髪は難しい
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獣人のためのブラシを量産軌道に乗せてから、1週間が経過した。
「思ったより評判がいいみたいね。もともと、シュウの領地の街の人は全員健康的には問題なかったけど、獣人達はブラッシングし始めて明らかに調子が良くなっているって話だよ」
まだ1週間しか経ってないのにすでに調子がいいのか? ゴーストタウンの獣人なら1週間、購入の順番待ちもあるから、それを考えると2~3日しか経ってないのに、獣人たちの調子が良くなっているなんて分かる物なのかな?
体調が悪くなっているってわけじゃないから、気にする必要もないか。
「他の種族について何か情報は入ってきたでござるか?」
「一応入ってきたのはあるけど、大体が流通をいじれば問題ないみたいだって言ってたかな」
そう言いながら、ゼニスからあげられてくるレポートの束をペラペラめくっていく。
「わかりやすい所で言えば、ドワーフの少ない街に自分の指にあった道具が少なくて、自作しているために余計な手間がかかっているっていうのに対して、ヴローツマインやゴーストタウンから運んでるみたいだな」
「あ~確かに、ロリショタじゃないずんぐりむっくりなドワーフって、指もゴッツイもんね。手の大きさが同じなのに、指が太いからね、道具も普通の人と同じじゃ厳しいよね」
「他には、爪の手入れ道具とかかな? 獣人の爪って、俺たちとは違うんだよね。指は同じ感じなのに爪だけ尖ってるんだよね。その爪を手入れするための専用の道具を作って販売しているみたいだね」
「専用の道具でござるか?」
「ん~簡単に言えば今までは、適当なナイフで適当に整えてたみたいだけど、木工用の硬い木なんかを削るようなやすりから、ドンドン目を細かくしていく感じかな? あれだ、荒砥・中砥・仕上砥見たいな感じだな」
「後半の奴の方が分からないから、やすりの説明だけでわかるわよ。でも何本もあると面倒じゃないの?」
「そこら辺を危惧したゼニスが、表と裏で目の違うやすりを2種類用意したみたいだな。ただ、一番荒いのと一番細かいのが一緒になってるみたいだから、それ1本があれば問題ないらしいね」
「なる程でござる。でござるが、爪切りの様なものではだめなのでござるか?」
「あれは人の爪に合わせて作られたものだから、獣人の爪には合わないんだよね。ニッパーみたいな奴で切ったって、最終的にはやすりで削らないと大変な事になるからね」
そんなものなのか? と首をかしげながら答えてきたバザールは、ひとまず納得したらしい。
人間を止めてからどれだけ経っているか分からないが、骨だけの存在になっているのだからバザールがしっくりこないのも、しょうがないだろう。
他にも細々したものは色々あったが、説明するのが面倒だったのでレポートを渡した。
2人はレポートに釘付けになっているが、俺はミーシャの事を考えていた。
スミレとブルムは、ずんぐりむっくりなドワーフでは無いので、人間の赤ちゃんとそんなに変わらない。しいて言うなら、ちょっと小柄かもしれない。ミーシャの成長が早いからそう見えるだけかもしれないが。
なので、2人のお風呂は問題ないのだが、やはり猫耳であるミーシャのお風呂、特に洗髪に関しては苦労が多いのだ。それを解決できる様なアイテムがないか考えてはいるがなかなか思いつかないのである。
首がもっと座ってきて、俺たちのいう事が分かるようになってくれば、顔を下に向けてもらって洗う事ができるが今はそうでは無いので、どうしたものだか……
参考までに獣人に赤ちゃんの洗髪について聞いてみたが、元々お風呂に入れるような環境では無かったため、濡らしたタオルで拭くくらいの事しかしていなかったのだ。
ディストピアの一般家庭でもお風呂には入れるのだが、基本的に公衆浴場にお風呂に入りに行くのが当たり前となっており、ゴーストタウンも同じような感じである。なので、赤ちゃんを連れて入りに行く親はおらず、タオルで拭くくらいしかしていないとか。
一緒に入りに行けるようになったら、同性の親が子供に教えるらしい。日本みたいにお風呂文化が無いから、これが普通なのだろう。貴族でも、毎日湯船につかれるのは極一部だとか。
それで思い出したけど、どこかの国のバカが他人に裸を見られるのが嫌だから、公衆浴場を貸し切りにしようとして、ゴーストタウンから追い出される事が度々あるとか。そんなことするくらいなら、多少高くても宿の風呂を使えよ!
ゴーストタウンの公衆浴場は、その街で税金を払っている人間はタダで、他所から来た人たちでもかなり安い値段で入れるからって、安い値段の公衆浴場を貸し切りにしようとするとかマジであほだろ。公衆浴場なんだぞ! 貸しきったら公衆じゃなくなるやんけ!
ちなみに、ディストピアにも公衆浴場はあるけど、そこは本当に汗を流しに来る位の感じでタダであるが、それとは別にスーパー銭湯が存在しているのだ。
スーパー銭湯はある一定の金額を払って、お風呂やサウナなどを使えるのだが、それとは別にサービスとしてジュース等をタダで提供している。入場料にすべて含まれているような形だ。一応お酒も販売しているが、飲むのはドワーフ位なものだ。
彼らは基本的に酒を飲んでも陽気になるだけで、トラブルを起こさないので問題ないらしい。ただただうるさい時があるので、そういう時は尻を蹴飛ばされ追い出されるらしいけどね。
話はそれたが、どうしたものだか?
やっぱり耳にタオルを挟んで、抑える以外に方法は無いのかな? シャワーキャップみたいなのを考えてみたが、どうやって耳を塞げばいいのか全く分からなかったのですぐに断念している。
それに完全に耳を塞ぐとミーシャは不安になって泣いてしまうので、耳を完全にふさがないで耳に水が入らないようにするという、かなり高度な技術が要求される物が必要になるのだ。
それに猫耳用に作ったとしても、他のケモミミには使えないとなると、種族に合わせて作る必要が出てくる。しかも特に犬獣人はいろんな種類がいるので、一律に同じもので対応できないのだ。
「やっぱりそれを考えると、水をはじいたり吸収するスポンジのような物を耳に入れて、タオル代わりに使える物だったらいいかな。そんな便利な素材ってあるのだろうか?」
俺はその素材を探すために、ゴーストタウンの冒険者ギルドへ足を運んだ。
「思ったより評判がいいみたいね。もともと、シュウの領地の街の人は全員健康的には問題なかったけど、獣人達はブラッシングし始めて明らかに調子が良くなっているって話だよ」
まだ1週間しか経ってないのにすでに調子がいいのか? ゴーストタウンの獣人なら1週間、購入の順番待ちもあるから、それを考えると2~3日しか経ってないのに、獣人たちの調子が良くなっているなんて分かる物なのかな?
体調が悪くなっているってわけじゃないから、気にする必要もないか。
「他の種族について何か情報は入ってきたでござるか?」
「一応入ってきたのはあるけど、大体が流通をいじれば問題ないみたいだって言ってたかな」
そう言いながら、ゼニスからあげられてくるレポートの束をペラペラめくっていく。
「わかりやすい所で言えば、ドワーフの少ない街に自分の指にあった道具が少なくて、自作しているために余計な手間がかかっているっていうのに対して、ヴローツマインやゴーストタウンから運んでるみたいだな」
「あ~確かに、ロリショタじゃないずんぐりむっくりなドワーフって、指もゴッツイもんね。手の大きさが同じなのに、指が太いからね、道具も普通の人と同じじゃ厳しいよね」
「他には、爪の手入れ道具とかかな? 獣人の爪って、俺たちとは違うんだよね。指は同じ感じなのに爪だけ尖ってるんだよね。その爪を手入れするための専用の道具を作って販売しているみたいだね」
「専用の道具でござるか?」
「ん~簡単に言えば今までは、適当なナイフで適当に整えてたみたいだけど、木工用の硬い木なんかを削るようなやすりから、ドンドン目を細かくしていく感じかな? あれだ、荒砥・中砥・仕上砥見たいな感じだな」
「後半の奴の方が分からないから、やすりの説明だけでわかるわよ。でも何本もあると面倒じゃないの?」
「そこら辺を危惧したゼニスが、表と裏で目の違うやすりを2種類用意したみたいだな。ただ、一番荒いのと一番細かいのが一緒になってるみたいだから、それ1本があれば問題ないらしいね」
「なる程でござる。でござるが、爪切りの様なものではだめなのでござるか?」
「あれは人の爪に合わせて作られたものだから、獣人の爪には合わないんだよね。ニッパーみたいな奴で切ったって、最終的にはやすりで削らないと大変な事になるからね」
そんなものなのか? と首をかしげながら答えてきたバザールは、ひとまず納得したらしい。
人間を止めてからどれだけ経っているか分からないが、骨だけの存在になっているのだからバザールがしっくりこないのも、しょうがないだろう。
他にも細々したものは色々あったが、説明するのが面倒だったのでレポートを渡した。
2人はレポートに釘付けになっているが、俺はミーシャの事を考えていた。
スミレとブルムは、ずんぐりむっくりなドワーフでは無いので、人間の赤ちゃんとそんなに変わらない。しいて言うなら、ちょっと小柄かもしれない。ミーシャの成長が早いからそう見えるだけかもしれないが。
なので、2人のお風呂は問題ないのだが、やはり猫耳であるミーシャのお風呂、特に洗髪に関しては苦労が多いのだ。それを解決できる様なアイテムがないか考えてはいるがなかなか思いつかないのである。
首がもっと座ってきて、俺たちのいう事が分かるようになってくれば、顔を下に向けてもらって洗う事ができるが今はそうでは無いので、どうしたものだか……
参考までに獣人に赤ちゃんの洗髪について聞いてみたが、元々お風呂に入れるような環境では無かったため、濡らしたタオルで拭くくらいの事しかしていなかったのだ。
ディストピアの一般家庭でもお風呂には入れるのだが、基本的に公衆浴場にお風呂に入りに行くのが当たり前となっており、ゴーストタウンも同じような感じである。なので、赤ちゃんを連れて入りに行く親はおらず、タオルで拭くくらいしかしていないとか。
一緒に入りに行けるようになったら、同性の親が子供に教えるらしい。日本みたいにお風呂文化が無いから、これが普通なのだろう。貴族でも、毎日湯船につかれるのは極一部だとか。
それで思い出したけど、どこかの国のバカが他人に裸を見られるのが嫌だから、公衆浴場を貸し切りにしようとして、ゴーストタウンから追い出される事が度々あるとか。そんなことするくらいなら、多少高くても宿の風呂を使えよ!
ゴーストタウンの公衆浴場は、その街で税金を払っている人間はタダで、他所から来た人たちでもかなり安い値段で入れるからって、安い値段の公衆浴場を貸し切りにしようとするとかマジであほだろ。公衆浴場なんだぞ! 貸しきったら公衆じゃなくなるやんけ!
ちなみに、ディストピアにも公衆浴場はあるけど、そこは本当に汗を流しに来る位の感じでタダであるが、それとは別にスーパー銭湯が存在しているのだ。
スーパー銭湯はある一定の金額を払って、お風呂やサウナなどを使えるのだが、それとは別にサービスとしてジュース等をタダで提供している。入場料にすべて含まれているような形だ。一応お酒も販売しているが、飲むのはドワーフ位なものだ。
彼らは基本的に酒を飲んでも陽気になるだけで、トラブルを起こさないので問題ないらしい。ただただうるさい時があるので、そういう時は尻を蹴飛ばされ追い出されるらしいけどね。
話はそれたが、どうしたものだか?
やっぱり耳にタオルを挟んで、抑える以外に方法は無いのかな? シャワーキャップみたいなのを考えてみたが、どうやって耳を塞げばいいのか全く分からなかったのですぐに断念している。
それに完全に耳を塞ぐとミーシャは不安になって泣いてしまうので、耳を完全にふさがないで耳に水が入らないようにするという、かなり高度な技術が要求される物が必要になるのだ。
それに猫耳用に作ったとしても、他のケモミミには使えないとなると、種族に合わせて作る必要が出てくる。しかも特に犬獣人はいろんな種類がいるので、一律に同じもので対応できないのだ。
「やっぱりそれを考えると、水をはじいたり吸収するスポンジのような物を耳に入れて、タオル代わりに使える物だったらいいかな。そんな便利な素材ってあるのだろうか?」
俺はその素材を探すために、ゴーストタウンの冒険者ギルドへ足を運んだ。
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