ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1072話 吉報

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 牧場エリアの壁を作って、施設を整え終えた次の日は、休みの日だったので、娘たちとスキンシップを楽しんだ。スミレとブルムも首が座ってきたので、抱っこする許可が下りたのだ! 3人共だが、ぐずらない程度にだが、抱っこできて満足だ。

 でも、俺の抱き方が嫌なのか、娘たちは俺より土木組の子たちの抱っこの方がはしゃいでいる気がする。これは、隣の芝生は青く見えるという奴なのだろうか?

 そう、娘たちも多少落ち着いてきたという事で、近しい人たちとふれ合う事の許可が出たようだ。それで真っ先に来たのが近くに住んでいる土木組だ。

 食事は食堂で一緒にしているけど、娘たちとふれ合う許可は出ていなかったので、写真などでしか会えていなかったのだ。それが今日解禁になったので、休みと言う事もあり時間が許す限り娘たちと遊んでいた。

 娘たちよ、同世代はお前たちしかいないけど、お姉ちゃんは本当にたくさんいるな。お母さんも沢山いるしな。と言うか、姉御組の3人以外は、お母さんと呼ぶよりお姉ちゃんと呼ばせるべきだろうか? 土木組と年少組なんてほとんど同じ世代だもんな。

 わりとどうでもいい事を考えながらミーシャを抱いていたせいか、ミーシャのアッパーカットを顎にもろにくらってしまった。そんなに痛くはないのだが、抱いているんだから自分の事だけを見ろって事なのか?

 ミーシャがそんな事を考えるわけもなく、ただ偶然に伸ばした腕が顎にあたっただけで、俺はそんな事を考えていた。

 続いてドワーフの爺ちゃんも、ドワーフに子どもが生まれたと楽しみにしていたので、合いに来ている。おそらく、俺たち以外で一番娘たちに会いたがってたのではないだろうか? 普段は物作りばかりしていて、身嗜みも適当なのに……

 今日は全員そろって、小綺麗にしてきている。いつもしている、汗の酸っぱい匂いも漂わせてなく、酒の臭いもしていない。自主的にしたとは思えないが、会うためにここまでするんだな、なんて思ったりもした。

 長い時間生きているから、気付いたら成長していた。みたいな事を言ってたけど、実際はこうやってかわいがってるけど、時間間隔が微妙ですぐ育ったように感じているのかもしれないな。

 3人の娘たちの中で、ドワーフを気に入ったというかなんというか、ミーシャは髭に興味を持って引っ張っていた。やめさせようかと思ったのだが、いかつい顔をしたドワーフの爺ちゃんが、分け隔てなく可愛がっていて、髭を引っ張られた事を自慢しているので、止めるのはやめた。

 3人が眠ってしまうと、ドワーフたちは帰っていった。去り際の話の内容を聞いていると、どうやら酒盛りを始めるようだ。爺さんたちからしたら、孫? いや、なんて言っていいか分からないが、家族みたいな付き合いをしているリンドやカエデの子どもは、自分の孫みたいに感じてるのかな?

 そういえば、俺ってほとんど髭が生えないから、ちょっと伸ばすだけでも何か汚く見えるんだよな。上唇と鼻の下の間と下唇の下、顎に密度が低くちょっと髭が生えるだけなんだよな。

 だからあまり伸ばせないんだよね。密度が低いからとにかく汚く見える。ちょっと髭に憧れがあるのは、自分に生えないからかな?

 娘たちはすやすや眠っているので、とりあえず追い出された。その内、授乳か排便で起きるだろうが、俺が世話をする許可は下りないので、出ていくしかないのだ。俺も世話をしてあげたいが、シルキーやブラウニーに仕事をとらないでと、土下座をされるのでさすがにね。

 今日はのんびりとゲームでもしよう。最近はあまりできていない。そういえば、新作ゲームとか出てるのかな? って、ちょっと前に一狩り行こうぜの新作を召喚したんだったな。サーバーを置いてほしいって言われて、設置したの忘れてた。

 今日は休みだし、誰かやってるかもしれないし一緒に遊ぶか。

 2時間くらい遊んでいると、人数が中途半端になってしまったので、俺は小説を読む事にした。新作のビーズクッションで優雅な読書だ。

 このビーズクッションってすごくて、椅子みたいにもなるし、ベッドみたいにもなるし、自在に形が変わってすごいんだよね。あまりにも気持ちよくて寝ちゃうくらいには。

 夕食の時間だとブラウニーが呼びに来るまでぐっすり寝てしまった。今日も夕食ありがとうございます。とてもおいしいです!

 ちょっと思い付きで明日の夕食を庭で食べる事にした。バーベキューもするが明日のメインは、にする予定だ。みんなで好きにトッピングできるように、準備してもらう予定だけどね。必要になるあれを、いくつも準備する必要があるけど、そこはDPでごりおす予定だ。

 土木組もドワーフの皆もグリエルやガリアやその家族も、ネルの両親も呼ぶ予定だ。

 午後5時頃、天気は晴天だな。あまり強い光を使うと目が痛くなるので、光の優しいタイプのランタンを使う予定だ。机も調理場所も完璧に準備が終わっている。

 手伝ってくれた土木組や年少組の子たちは、庭で横になっていた従魔たちに跳び付いて、モフモフして癒されているようだ。ダマは危険を察知したのか、さっきまで俺の近くにいたのにどこかに消えていた。シエルやグレンはまだまだ慣れてないので、みんなに捕まっている。

 あっ、ダマがニコに捕まって連れてこられたみたいだ。ダマを抱き上げたのは、ネルだ。珍しいな。あまり抱っことかしないのに、今日は積極的抱き着いている印象だ。

 人も集まったので開始しますか!

「みなさん、お集まりいただきありがとうございます。今日は突然ですが、ピザをみんなで焼きながら食べようと思います! 好きな具材を乗せて焼きます! 待っている間はバーベキューなどで肉や野菜を食べながらお待ちください! では、開始します!」

 急にどうしたの? とか質問されたが、ノリと勢いだ! と言っておいた。実際に食べたいと思ったからやってるだけだしな。

 ネルの両親が少し恐縮しているな。

「お義父さん、お義母さん、今日は来てくださりありがとうございます。って、かたい挨拶は良くないですね。最近は、あまり顔を合わせる事が無かったですが、お元気ですか? ネルは時々帰っているみたいですが大丈夫ですか?」

 そう言って話し始めると、ネルの様子を話し始めてくれた。色々あるみたいだけど、ネルも元気にしているみたいで嬉しいとの事。稼ぎではネルの方が上で、いろんな物を両親に買って帰っているみたいで申し訳ない気持ちでいっぱいらしい。

 妻たちのお金は全部自分や家族のために使ってほしい事を伝えているので、遠慮しないでほしい事を伝えている。俺も何かをプレゼントしたいが基本受け取ってもらえないので、こっそりとネルを通して渡してもらったりしているんだけどね。

 ネルの両親は、もう俺の奴隷では無いので、ディストピアに家を持っている。しかもかなり大きい家だ。畑エリアの古参でいろんな人のまとめ役をしているので、それなりのお金をもらっているおかげだ。ネルの両親が畑エリアの代表でないのは、折衝が苦手だという事で、得意な人が代表になっている。

 そういえば、ネルに妹か弟が出来るらしい。めでたい! お義父さんもその話をし始めたあたりで、お酒がすすみ硬さが取れてきた。お義母さんはちょっとヤキモキしているが、全然問題ないので気楽にするように伝えた。

 そして、酔いつぶれてしまったので、お義母さんと共にゲストルームへ案内してもらった。

 ピザ大会は、日付が変わる頃まで続いていた。残っていたのはドワーフたちだけだけどね。
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