ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第1063話 色々あった

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 銅線が納品されてから1週間が過ぎた。慌ただしくいろんな作業をしていたためか、時間が過ぎるのが早かった。

 まず1つ目は、電動ドリルの完成だ。手で持てるサイズのドリルにすると、力不足を少し感じたが少し大きくする事で力不足を補っている。こっちに来てからレベルのおかげで力が強くなったことが、いい方向に影響してくれた形だ。

 初めは、電流を強くする事で対応してみようとしたが、すぐに熱を持ってしまってあまりいい結果にならなかったのだ。溶けるほどの熱では無かったが、使いすぎると溶ける可能性が高い。銅線の中にレッドドラゴンの耐火能力付与で、何とかならないか?

 まぁそこまでして強い電流を流さなくても、少し大きくすれば力の方は問題なくなったので問題は無かった。

 この電動ドリルが完成した事で、木材加工の時間短縮になった。それに正確に穴をあけられるので、組み立てやすかった。ちなみに初めに作った物は、追加注文の来ていた織機を作っている。

 モーターがしっかりと造れることが分かったので、今度は準備していた電動丸鋸等、木材加工に便利な物をどんどん作っていった。

 もともと、モーター以外の部分は作っていたので、後はモーターのサイズを決めて設置する事ですぐに作れるようにしていたのだ。モーターの部分を作る方が大変だった。全部手で綺麗に巻いていかなきゃいけないからね。

 苦労しただけあって、最低限の事ができるくらいの物に仕上がった。手作業で行うより数倍も早いのだから文句は言わない。

 後は、丸太から加工する際の大型の物や、電動鉋みたいな。木材を通すだけで、ミリ単位に削ってくれるあれもあると便利だよな。ただ、設計図を見てもよく理解できないので、今回は触れていない。

 他にも、トリマーやサンダーも欲しかったが、さすがに作る程余裕がなかったので今回は作っていない。ドリルが作れたので、工夫をすれば問題なく作れると思うが、急いでほしいのは、木材の表面を綺麗にするトリマーかな?

 そんなこんなで、俺たちの工房の設備が一段進化している。まぁほとんど趣味みたいになっているので、いい時間つぶしになっている。


 2つ目は、娘たちの行動に変化が出たというか、奇妙な事を猫とし始めたのだ。

 いつもはキャッキャと手足をバタつかせているのだが、最近はバタつかせないで手の平や足の裏を天井に綺麗に向けている姿をよく見る。

 その態勢をとっていると決まって、猫の1匹が器用に跳び乗って手足の上に着地をするのだ。娘たちも猫たちも器用である。それが面白いのか、乗ってこないと拗ねる姿も見られる。訳が分かっていないが、ムスッとしている顔も可愛い。

 手足を上げている娘たちの方が不利だが、いつも耐久レースみたいにどっちが早く音を上げるか!? みたいな事をしている。なんか通じ合っている猫が羨ましいぞ!


 3つ目は、拾ってきた子亀のシールドが実は魔物だった。

 猫とのやり取りで魔法を使えることが分かったので、何となくマップ先生で覗いてみた所、シェルタートルという種類の魔物らしい。シールドの位置を表す光点が、動物ではなく従魔を示す色になっていて気付いたのだ。

 おそらくシールドを従魔にした事によって、シェルタートルが召喚できるようになっていたので、繁殖相手に困ったら召喚してやろうと思った。

 で、このシェルタートルの行動範囲が予想以上に広かったのだ。初めは、池の中とその周辺位だと思っていたが、ダンジョン農園の中にも入っているようで、ドリアードたちに可愛がられているそうだ。そこでもぎたての野菜を美味そうに食べてる姿を、シェリルたちが見たようだ。

 最後に亀だから甲羅干しをするため様に池の中央に登りやすい岩を置いてやったのだが、そこでひっくり返っていたのにはビックリした。慌てて戻しに行こうとしたら、器用にひっくり返って何事も無かったかのように池に戻り泳いだのだ。

 上面だけでなく、お腹面の甲羅も干すとかどういう亀やねん!


 4つ目は、織機を作った事によって、ディストピアの衣服関係の仕事が増えてしまい、機織の人数を減らしたのに結局人手不足になってしまった。その報告を聞いた時は、頭を抱えたが、これによって作りかけだった足踏みミシンを作る流れができたので、良かったと思おう。


 最後に、綾乃がまた倒れた。原因は、分かりやすい物だった。

 電動ドリルを作った事により、モーターを作成できるようになった綾乃が、前から欲しい欲しいと言っていた、歯医者で使うような削り器を不眠で作った事で、気絶するように倒れたらしい。

 起きた後にモーターを小さくする時の苦労や、作った研磨機の先に付ける素材についてあれこれ言ってきたのだ。この様子に俺は呆れたが、綾乃を担当しているブラウニーが、烈火の如く怒り出したため、今は反省の意味を込めて家で大人しくしている。

 いわゆる自宅待機を命じられたのだ。やっぱり、シルキーやブラウニーに逆らってはいけない。いつも美味しいご飯と家事仕事ありがとうございます。

 俺は拝む勢いで、こっそりと感謝をする事にした。目の前でやると、鬱陶しがられるのでしない方がいいぞ!

 だから、今週は工房に俺とバザールしかいない。しかも骨タイプのバザールなので、いきなり現れるとビクッとするから、こっそり近付くのは止めれ!

「今日はどうするでござるか?」

「足踏みミシンの計画が再度動き出したのは良いけど、回る部分に関しては蒸気機関の部分を参考にして、スムーズにできたんだけど、機械のパーツは俺らには作れないからする事がないんだよな。かといって、工具づくりをするわけにもいかないからな」

「手詰まりでござるな。今日は遊ぶでござるか?」

「でも、工房から出るわけにはいかないけど、何して遊ぶんだ?」

 ふっふっふと、怪しい笑い方をしながら、工房の一角を掃除し始めた。綺麗な壁とそっちに向かっておかれているソファーが2脚。何がしたいんだ?

 様子を見ていると工房の戸締りを始めて、光が一切入ってこないような状態になった。机も用意され飲み物までしっかりと置いてある。

 そこに誕生したのは、壁をスクリーン代わりにした巨大なテレビだった。そこでP〇4で出た新作の一狩り行こうぜ! のフレーズで有名になったゲームをやる事になったのだ。俺が右側、バザールが左側の画面でゲームをする形だ。

 ちょうど角なので俺の背中側にバザールがいる形だ。音声は無駄に同期していて、臨場感のあるモノだった。そしてデカい画面だと思っている以上にゲームがしにくかったけど、迫力があって楽しんでしまった。

 どの位楽しんだかと言うと、ブラウニーが怒るくらいには集中しすぎた。工房から出れないとはいえ、遊び過ぎた事を反省した。
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