1,042 / 2,518
第1042話 意外な情報
しおりを挟む
他の工房に銅線を依頼して4日が経過した。明日と明後日は休みを強制されているので、供しておかなければならない事をこなしている。と言っても、している事は進行状況の確認だけなんだけどね。
合計5つの工房に仕事を依頼したが今の所、希望の細さまでたどり着いた工房は無かった。それでもかなり細く出来ているようだ。技術的な問題よりも機材的な問題が大きいと言われた。それでも、成功すれば大きな黒字になるのでどこも必死に頑張っているようだ。
これで、技術も機材面でも上がってくれればいいな。
どう調べていいのか分からなかった銅線の作り方は、宴会の時にドワーフの爺共に聞いて判明している。
「金属の線の作り方だぁ? そんなもんも知らねえのか基本中の基本だぞ? 決まってるだろうが! 圧延だよ圧延! ある程度細く伸ばした金属を、圧延して細くしていくんだよ。そのためにはしっかりとした機材が無いとできないから、そこら辺の工房では難しいかもな! ハッハッハ!」
工房で雇ったドワーフの爺さんはそう言っていた。それを聞いて、一緒に飲んでいたディストピアから来ていた老ドワーフを見る。
吹けもしない口笛を吹いている振りをして、明後日の方向を向いている。この爺共、知っていながら俺には金属の線を作らせなかったのか! なんて奴らだ!
ディストピアの老ドワーフを担当しているブラウニーにこっそり通信して、しばらく……俺が許可するまで食事のレベルを下げてほしいと言ったが、家事に全力を注ぐ彼女たちを説得できなかったので、食事のランクを下げる事を諦めて、酒を出さないようにお願いした。
お酒に関しては、特に文句を言う事も無く「了解しました!」と返事が返ってきた。これで少しは懲りてくれるだろう。
やっぱり、ドワーフたち……それも爺共じゃないと、あの金属は加工できないんだろうな。長く生きているだけあって、スキル以上に経験とそれに伴う技術が半端ねえんだな。人って、何百年も同じ事を続けられればあそこまで到達できるんだろうか?
とうとう、恐怖の休みが来てしまった。ワーカホリックみたいな事を言っている気がするが、ってワーカホリックってそういう意味じゃなかったか? 確か、強迫観念に使い感じで働かなきゃいけないと感じている……みたいな?
そう考えると、俺の今の状況はワーカホリックじゃなくて、休みの日にお父さんが家族に煙たがられる。あれに近いか? ん~それとも違うか。妻たちも俺の事を嫌ってるわけじゃないからな。
うん、自分を何かに分類するのは止めよう!
でも、娘にあまり会えなくて、する事もないから休みって困るな。今までどんなことうしてたんだっけ?
基本的には、ゲームや小説を読んで過ごしてたっけ? 久しぶりにゲームや小説の新作チェックしようか?
結構新作出てるんだな。前にチェックしたのっていつだっけな? 継続して読んでいる本も新しく出た本も購入しておく。
『ちょっとあんた! 子供が生まれたからって、私をないがしろにしすぎじゃない? そろそろ私に何か貢ぎなさいよ!』
チビ神がたかりに来たな。相手にするのも面倒なので、とりあえず色々吟味するのも面倒なので、有り余るDPを使って端からすべて購入してデータを送り付けた。
『なんか対応がおざなりね。あんたの奥さんたちに加護をあげた私に、そんな態度をとるの? ねぇこの意味わかってるの?』
待て待て、お前ってさ、信仰してくれる人がほとんどいなかったせいで、俺の妻たちからの何かがすごいとか言ってただろ? それなのに加護を人質? 物質? って漢字で書いたら『ぶっしつ』じゃねえか!
『くっ……痛いところ付いてくるわね。まぁこんな私の加護でも、体調が良くなったり、安産だったり、色々効果はあるのよ!』
ん? 体調が良くなる? それって、病気になりにくいって事か?
『えっ? そうね、体調が良くなる、と言うより、悪くならないって言った方がいいかもしれないわね』
それって、子供にもかけたりできるのか? 正確には俺の娘たちだけど。
『問題なくできるけど、そうすると子供の親からの信仰や貢物がって、あんたの子供なら何も問題ないわね。あなたの奥さんたちは信仰心で加護をあげれたけど、もし信仰心が無かったら他の神たちに文句を言われたわね』
何たるアバウトな判断。授けるだけならだれにでも出来るって事か。ただ渡すのに一定の条件を満たしてないと神同士でバカな事をしてるんだな。とりあえず、娘たちが健康でいられるなら、悪くならないっていう加護をくれ!
『ん~それなら限定的加護で問題ないかな?』
よくわからんが、娘たちのために……甘い物も貢ぐから頼む!
『むほっ! 甘い物! じゃぁじゃぁ、私ケーキが食べたいわ! あのショートケーキっていうのが食べたいわ!』
ショートケーキだけじゃなくて、色々貢いでやるよ。とりあえず10種類くらいシルキーたちに注文しておくわ。シルキーの作る物は何でもおいしいからな。ついでに、他の料理も付けちゃう!
『しょ……しょうがないわね! 特別なんだからね!』
小鼻を膨らませてドヤ顔をしている姿を幻想した。それでも娘達のためだ、気にしたら負けだろう。おっと、シルキーたちにお願いしてこなくては!
事情を話して、最高の素材で最高の料理と芸術作品を作ってもらおう。
事情を知ったシルキーたちは、娘たちのためという事もあり、いつも以上に張り切っていた。一時、娘たちの世話をブラウニーに一任する程、料理に力を入れていたのだ。
休みの2日は、年少組と映画を見たりゲームをしたりして過ごした。
もともとこの世界に無い物なのに、みんな楽しんでるよな。正直アクション映画も顔負けなアクションもできるし、ド派手な爆発だって、それなのに、映像を楽しんでいるのだ。何でこういった映像を作るかは理解していないが、楽しいから問題ない! 的なノリだ。
さて、明日からまた頑張るぞ!
合計5つの工房に仕事を依頼したが今の所、希望の細さまでたどり着いた工房は無かった。それでもかなり細く出来ているようだ。技術的な問題よりも機材的な問題が大きいと言われた。それでも、成功すれば大きな黒字になるのでどこも必死に頑張っているようだ。
これで、技術も機材面でも上がってくれればいいな。
どう調べていいのか分からなかった銅線の作り方は、宴会の時にドワーフの爺共に聞いて判明している。
「金属の線の作り方だぁ? そんなもんも知らねえのか基本中の基本だぞ? 決まってるだろうが! 圧延だよ圧延! ある程度細く伸ばした金属を、圧延して細くしていくんだよ。そのためにはしっかりとした機材が無いとできないから、そこら辺の工房では難しいかもな! ハッハッハ!」
工房で雇ったドワーフの爺さんはそう言っていた。それを聞いて、一緒に飲んでいたディストピアから来ていた老ドワーフを見る。
吹けもしない口笛を吹いている振りをして、明後日の方向を向いている。この爺共、知っていながら俺には金属の線を作らせなかったのか! なんて奴らだ!
ディストピアの老ドワーフを担当しているブラウニーにこっそり通信して、しばらく……俺が許可するまで食事のレベルを下げてほしいと言ったが、家事に全力を注ぐ彼女たちを説得できなかったので、食事のランクを下げる事を諦めて、酒を出さないようにお願いした。
お酒に関しては、特に文句を言う事も無く「了解しました!」と返事が返ってきた。これで少しは懲りてくれるだろう。
やっぱり、ドワーフたち……それも爺共じゃないと、あの金属は加工できないんだろうな。長く生きているだけあって、スキル以上に経験とそれに伴う技術が半端ねえんだな。人って、何百年も同じ事を続けられればあそこまで到達できるんだろうか?
とうとう、恐怖の休みが来てしまった。ワーカホリックみたいな事を言っている気がするが、ってワーカホリックってそういう意味じゃなかったか? 確か、強迫観念に使い感じで働かなきゃいけないと感じている……みたいな?
そう考えると、俺の今の状況はワーカホリックじゃなくて、休みの日にお父さんが家族に煙たがられる。あれに近いか? ん~それとも違うか。妻たちも俺の事を嫌ってるわけじゃないからな。
うん、自分を何かに分類するのは止めよう!
でも、娘にあまり会えなくて、する事もないから休みって困るな。今までどんなことうしてたんだっけ?
基本的には、ゲームや小説を読んで過ごしてたっけ? 久しぶりにゲームや小説の新作チェックしようか?
結構新作出てるんだな。前にチェックしたのっていつだっけな? 継続して読んでいる本も新しく出た本も購入しておく。
『ちょっとあんた! 子供が生まれたからって、私をないがしろにしすぎじゃない? そろそろ私に何か貢ぎなさいよ!』
チビ神がたかりに来たな。相手にするのも面倒なので、とりあえず色々吟味するのも面倒なので、有り余るDPを使って端からすべて購入してデータを送り付けた。
『なんか対応がおざなりね。あんたの奥さんたちに加護をあげた私に、そんな態度をとるの? ねぇこの意味わかってるの?』
待て待て、お前ってさ、信仰してくれる人がほとんどいなかったせいで、俺の妻たちからの何かがすごいとか言ってただろ? それなのに加護を人質? 物質? って漢字で書いたら『ぶっしつ』じゃねえか!
『くっ……痛いところ付いてくるわね。まぁこんな私の加護でも、体調が良くなったり、安産だったり、色々効果はあるのよ!』
ん? 体調が良くなる? それって、病気になりにくいって事か?
『えっ? そうね、体調が良くなる、と言うより、悪くならないって言った方がいいかもしれないわね』
それって、子供にもかけたりできるのか? 正確には俺の娘たちだけど。
『問題なくできるけど、そうすると子供の親からの信仰や貢物がって、あんたの子供なら何も問題ないわね。あなたの奥さんたちは信仰心で加護をあげれたけど、もし信仰心が無かったら他の神たちに文句を言われたわね』
何たるアバウトな判断。授けるだけならだれにでも出来るって事か。ただ渡すのに一定の条件を満たしてないと神同士でバカな事をしてるんだな。とりあえず、娘たちが健康でいられるなら、悪くならないっていう加護をくれ!
『ん~それなら限定的加護で問題ないかな?』
よくわからんが、娘たちのために……甘い物も貢ぐから頼む!
『むほっ! 甘い物! じゃぁじゃぁ、私ケーキが食べたいわ! あのショートケーキっていうのが食べたいわ!』
ショートケーキだけじゃなくて、色々貢いでやるよ。とりあえず10種類くらいシルキーたちに注文しておくわ。シルキーの作る物は何でもおいしいからな。ついでに、他の料理も付けちゃう!
『しょ……しょうがないわね! 特別なんだからね!』
小鼻を膨らませてドヤ顔をしている姿を幻想した。それでも娘達のためだ、気にしたら負けだろう。おっと、シルキーたちにお願いしてこなくては!
事情を話して、最高の素材で最高の料理と芸術作品を作ってもらおう。
事情を知ったシルキーたちは、娘たちのためという事もあり、いつも以上に張り切っていた。一時、娘たちの世話をブラウニーに一任する程、料理に力を入れていたのだ。
休みの2日は、年少組と映画を見たりゲームをしたりして過ごした。
もともとこの世界に無い物なのに、みんな楽しんでるよな。正直アクション映画も顔負けなアクションもできるし、ド派手な爆発だって、それなのに、映像を楽しんでいるのだ。何でこういった映像を作るかは理解していないが、楽しいから問題ない! 的なノリだ。
さて、明日からまた頑張るぞ!
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
救国の大聖女は生まれ変わって【薬剤師】になりました ~聖女の力には限界があるけど、万能薬ならもっとたくさんの人を救えますよね?~
日之影ソラ
恋愛
千年前、大聖女として多くの人々を救った一人の女性がいた。国を蝕む病と一人で戦った彼女は、僅かニ十歳でその生涯を終えてしまう。その原因は、聖女の力を使い過ぎたこと。聖女の力には、使うことで自身の命を削るというリスクがあった。それを知ってからも、彼女は聖女としての使命を果たすべく、人々のために祈り続けた。そして、命が終わる瞬間、彼女は後悔した。もっと多くの人を救えたはずなのに……と。
そんな彼女は、ユリアとして千年後の世界で新たな生を受ける。今度こそ、より多くの人を救いたい。その一心で、彼女は薬剤師になった。万能薬を作ることで、かつて救えなかった人たちの笑顔を守ろうとした。
優しい王子に、元気で真面目な後輩。宮廷での環境にも恵まれ、一歩ずつ万能薬という目標に進んでいく。
しかし、新たな聖女が誕生してしまったことで、彼女の人生は大きく変化する。
鮮明な月
碧
BL
鮮明な月のようなあの人のことを、幼い頃からひたすらに思い続けていた。叶わないと知りながら、それでもただひたすらに密やかに思い続ける源川仁聖。叶わないのは当然だ、鮮明な月のようなあの人は、自分と同じ男性なのだから。
彼を思いながら、他の人間で代用し続ける矛盾に耐えきれなくなっていく。そんな時ふと鮮明な月のような彼に、手が届きそうな気がした。
第九章以降は鮮明な月の後日談
月のような彼に源川仁聖の手が届いてからの物語。
基本的にはエッチ多目だと思われます。
読む際にはご注意下さい。第九章以降は主人公達以外の他キャラ主体が元気なため誰が主人公やねんなところもあります。すみません。
転移魔法に失敗したら大変な事に巻き込まれたようです。
ミカヅキグマ
ファンタジー
魔導師のヴァージニアは転移魔法に失敗して見知らぬ島に来てしまった。
地図にも載っていないその島には何やら怪しげな遺跡がポツンと建っていた。ヴァージニアはただでさえ転移魔法の失敗で落ち込んでいるのに、うっかりその遺跡に閉じ込められてしまう。彼女が出口を探すために仕方なく遺跡の奥に進んで行くと、なんとそこには一人の幼い少年がいた。何故こんな所に少年が? 彼は一体何者なのだろうか?
ヴァージニアは少年の正体が世界を揺るがす出来事に発展するとは露程も思っていなかったのだった……。
※台詞が多めです。現在(2021年11月)投稿している辺りだと地の文が増えてきています。
※最終話の後に登場人物紹介がありますので、少しのネタバレならOKという方はどうぞご覧下さい。
ネタバレ
※ヴァージニア(主人公)が抱く疑問は地竜とキャサリンが登場すると解けていきます。(伏線回収)
さらにネタバレ
※何度もループしている世界の話ですが、主人公達は前の世界の記憶を持っていません。しかし違和感などは覚えています。(あんまりループ要素はないです)
さらにさらにネタバレ?
※少年の正体は早い段階で出てるじゃないかと思っている方……、それじゃないんです。別にあるんです。
没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!
日之影ソラ
ファンタジー
かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。
しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。
ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。
そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。
こちらの作品の連載版です。
https://ncode.syosetu.com/n8177jc/
悪魔だと呼ばれる強面騎士団長様に勢いで結婚を申し込んでしまった私の結婚生活
束原ミヤコ
恋愛
ラーチェル・クリスタニアは、男運がない。
初恋の幼馴染みは、もう一人の幼馴染みと結婚をしてしまい、傷心のまま婚約をした相手は、結婚間近に浮気が発覚して破談になってしまった。
ある日の舞踏会で、ラーチェルは幼馴染みのナターシャに小馬鹿にされて、酒を飲み、ふらついてぶつかった相手に、勢いで結婚を申し込んだ。
それは悪魔の騎士団長と呼ばれる、オルフェレウス・レノクスだった。
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします
ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、
王太子からは拒絶されてしまった。
欲情しない?
ならば白い結婚で。
同伴公務も拒否します。
だけど王太子が何故か付き纏い出す。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる