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第980話 悪魔の魔法薬再び……
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馬車で移動しながら、マップ先生を見て作戦会議を行う。
「6万人も連れているのに、兵士が1万か……6人対して1人? いや、レベルの事を考えれば、それでもいいのか?」
「そうですね。兵士の数が少なく感じるのは、ここに追加の部隊がいるからではないですか?」
ピーチがマップ先生の表示範囲を広げて、最寄りの街から軍が移動しているのが表示されている。
「2万くらいいるかな? それにしても、1万人でよく6万も連れ去る事が出来たもんだな。1万もいれば街を落とすのに苦労はしないか?」
「ご主人様、そんな事を考えても意味ないですよ。援軍が2日後には合流できる距離にいるので、早めに仕掛けないとまずいですよ」
「冒険者は2日って言ってたけど、軍だと3日はかかるかな。となると、先に援軍の方を叩いておかないと拙いか?」
「そうですね。先に援軍の方を何とかしておかないとですね。先に助けると、連れ去られた人たちを護りながら、援軍を迎え撃たないといけなくなりますね」
確かにアリスの言っている通りの事が起こりえる。護りながらの戦闘なんて無理だな。俺たちの数ではさすがにどうにもならない。皆殺しでいいなら問題ないのだが……先に援軍を潰しておくのは賛成だな。
「さすがに国境にいる軍を大回りしていくと、今日中には援軍の所にはたどり着けないよな? 今回はダンジョンで地下通路を作って移動しよう。どうせ俺の安全エリアを作らなきゃいけないからちょうどいい。そうすれば、この距離位なら夜には十分つけるだろ?」
「そうですね、この距離であれば余裕をもって到着できます。入口と出口はどうしますか?」
「あ、ゼニスには連絡してくれた? なら、まずはジェノサイドキャラバンのいた街まで地下通路をひこう。そこから伸ばして、ここら辺まで地下通路をつくれば、援軍の方も襲いやすいだろ? ゼニスにもこの通路を使って問題ない事を伝えておいて、ばれないように出口は森の中に作っておけばいいか?」
ダンマスのスキルでサクッと地下通路を作ってしまう。そのまま俺たちは地下通路に入り移動を開始する。もちろん入口はあったと分からないように塞いでいる。
「ご主人様、どうやって2万人を倒しますか? さすがに皆殺しは無いですよね?」
「そうだな。そもそも皆殺しなら、みんなに生身で来てもらった意味ないからな。やっぱり、毒で攻めるのが一番かな?」
外道な方法ではあるが、確実に行動不能にさせられるからな。
外道Sランク冒険者に使ったあの毒は、改良をして気体でも長時間効果が発揮される毒になっている。
「やはり、毒に頼るしか無いですか」
ピーチは、毒には頼りたくない様子だが、死者数を減らすのには有効な方法だと分かっているので、とても苦い顔をしている。
厳密に言えば、あれは毒薬じゃなくて負の効果の出る魔法薬なのだ。
中和薬も準備してあり、自分たちに効かないが効果があった際のあの惨事。絶対に自分はああはなりたくないと思わせる程なのだ。
それを使う決断をしてしまうのを躊躇っている。戦闘指揮は、ピーチに任せているが今回は俺が指示するか。
「ピーチ、こっから先は俺がやるよ。俺の責任でさ。こう言うのは俺の仕事だ」
ピーチに有無をいわすタイミングを与えずに、話を続ける。
「今回の作戦は、戦闘じゃない。攻めてこられなくする事だから、誰からの攻撃か分からなければ問題無い。だから、俺がドッペルで行ってくるよ。みんなはここでみててくれ」
「ご主人様! お姉ちゃんに言いつけるよ! 1人で行くなんて言わないの! 私たちが付いてくんだから!」
そう言って、プンプンと効果音が聞こえてきそうな雰囲気で、シェリルが俺に跳び付いてきた。それを追うようにイリアとネルが跳び付いてきた。
おうふ! 3人を受け止めて油断したところに、ガロウが顔に貼り付くような形で俺の頭を抱え込んだ。
「ゴメンゴメン、残ってるカエデたちに心配をかけちゃいけないよな。じゃぁ、3人共付いて来てくれるかな? イタッ! あぁ~ゴメン、ガロウ、お前も一緒に来てくれるか?」
ガロウを含めた3人と1匹が元気に返事をしてくれた。
危険物をまとめて入れている腕輪から、悪魔の魔法薬『クダスンデス改』を取り出した。一緒に中和薬を取り出す。
この『クダスンデス改』の質の悪い所は、効果を発揮するのが魔法薬なので、毒に耐性があっても防げないのだ。もちろん万能薬の効果もない。
もう一つの効果として、気体の状態で30分程効果を発揮する事が出来るのだ。本当に悪魔の魔法薬だよ。2万人規模の夜営か、かなり広範囲に広がってるな。
でも、イリアに手伝ってもらえれば問題ないかな?
「イリア、これ見てくれ。ここからここまでの範囲を空気の壁でドーム状に囲みたいんだけど、協力してやれば出来るかな?」
眉間にしわを作って、首をコテンと横に倒して、
「ん~、このくらいなら私一人で空気の壁を作れるよ!」
ふぁっ!? イリアの魔法制御能力が、すでに俺より高いようだ。なので、してもらいたいことを説明して、問題ないか再度確認するが「大丈夫!」と、最近膨らみかけてきた胸を張っている。
そういえば、エルフって前に会ったときは、ツルペタスットンじゃなかったっけ? って、俺はなんて事を考えているんだ!
準備が整ったので、イリアに魔法を発動してもらう。俺たち、4人と1匹は中和薬を飲み、悪魔の魔法薬『クダスンデス改』をシェリルとネルには、風の壁の中に霧吹きで一生懸命シュッシュしてもらう。
俺は、DPで魔改造した加湿器……違うな、霧発生装置を召喚して、動力の魔核をセットする。
起動すると、もの凄い勢いで『クダスンデス改』が減っていく。その勢いは、1分で魔法薬の瓶5本分て100ミリリットルの瓶がなので、500ミリリットルが1分間で消費している。
この『クダスンデス改』は、大量生産しなければ何故か作れないので、大量にあるのはたすかるな。何気に1000本以上あるからな。
「ご主人様、どのくらい撒くの?」
「そうだな……100本くらいかな」
「「了解!!」」
『クダスンデス改』を撒き終えて、ダンジョン地下通路に逃げ込む。
次の日、敵軍の野営地は……阿鼻叫喚地獄の一歩手前の様な状況だった。
「6万人も連れているのに、兵士が1万か……6人対して1人? いや、レベルの事を考えれば、それでもいいのか?」
「そうですね。兵士の数が少なく感じるのは、ここに追加の部隊がいるからではないですか?」
ピーチがマップ先生の表示範囲を広げて、最寄りの街から軍が移動しているのが表示されている。
「2万くらいいるかな? それにしても、1万人でよく6万も連れ去る事が出来たもんだな。1万もいれば街を落とすのに苦労はしないか?」
「ご主人様、そんな事を考えても意味ないですよ。援軍が2日後には合流できる距離にいるので、早めに仕掛けないとまずいですよ」
「冒険者は2日って言ってたけど、軍だと3日はかかるかな。となると、先に援軍の方を叩いておかないと拙いか?」
「そうですね。先に援軍の方を何とかしておかないとですね。先に助けると、連れ去られた人たちを護りながら、援軍を迎え撃たないといけなくなりますね」
確かにアリスの言っている通りの事が起こりえる。護りながらの戦闘なんて無理だな。俺たちの数ではさすがにどうにもならない。皆殺しでいいなら問題ないのだが……先に援軍を潰しておくのは賛成だな。
「さすがに国境にいる軍を大回りしていくと、今日中には援軍の所にはたどり着けないよな? 今回はダンジョンで地下通路を作って移動しよう。どうせ俺の安全エリアを作らなきゃいけないからちょうどいい。そうすれば、この距離位なら夜には十分つけるだろ?」
「そうですね、この距離であれば余裕をもって到着できます。入口と出口はどうしますか?」
「あ、ゼニスには連絡してくれた? なら、まずはジェノサイドキャラバンのいた街まで地下通路をひこう。そこから伸ばして、ここら辺まで地下通路をつくれば、援軍の方も襲いやすいだろ? ゼニスにもこの通路を使って問題ない事を伝えておいて、ばれないように出口は森の中に作っておけばいいか?」
ダンマスのスキルでサクッと地下通路を作ってしまう。そのまま俺たちは地下通路に入り移動を開始する。もちろん入口はあったと分からないように塞いでいる。
「ご主人様、どうやって2万人を倒しますか? さすがに皆殺しは無いですよね?」
「そうだな。そもそも皆殺しなら、みんなに生身で来てもらった意味ないからな。やっぱり、毒で攻めるのが一番かな?」
外道な方法ではあるが、確実に行動不能にさせられるからな。
外道Sランク冒険者に使ったあの毒は、改良をして気体でも長時間効果が発揮される毒になっている。
「やはり、毒に頼るしか無いですか」
ピーチは、毒には頼りたくない様子だが、死者数を減らすのには有効な方法だと分かっているので、とても苦い顔をしている。
厳密に言えば、あれは毒薬じゃなくて負の効果の出る魔法薬なのだ。
中和薬も準備してあり、自分たちに効かないが効果があった際のあの惨事。絶対に自分はああはなりたくないと思わせる程なのだ。
それを使う決断をしてしまうのを躊躇っている。戦闘指揮は、ピーチに任せているが今回は俺が指示するか。
「ピーチ、こっから先は俺がやるよ。俺の責任でさ。こう言うのは俺の仕事だ」
ピーチに有無をいわすタイミングを与えずに、話を続ける。
「今回の作戦は、戦闘じゃない。攻めてこられなくする事だから、誰からの攻撃か分からなければ問題無い。だから、俺がドッペルで行ってくるよ。みんなはここでみててくれ」
「ご主人様! お姉ちゃんに言いつけるよ! 1人で行くなんて言わないの! 私たちが付いてくんだから!」
そう言って、プンプンと効果音が聞こえてきそうな雰囲気で、シェリルが俺に跳び付いてきた。それを追うようにイリアとネルが跳び付いてきた。
おうふ! 3人を受け止めて油断したところに、ガロウが顔に貼り付くような形で俺の頭を抱え込んだ。
「ゴメンゴメン、残ってるカエデたちに心配をかけちゃいけないよな。じゃぁ、3人共付いて来てくれるかな? イタッ! あぁ~ゴメン、ガロウ、お前も一緒に来てくれるか?」
ガロウを含めた3人と1匹が元気に返事をしてくれた。
危険物をまとめて入れている腕輪から、悪魔の魔法薬『クダスンデス改』を取り出した。一緒に中和薬を取り出す。
この『クダスンデス改』の質の悪い所は、効果を発揮するのが魔法薬なので、毒に耐性があっても防げないのだ。もちろん万能薬の効果もない。
もう一つの効果として、気体の状態で30分程効果を発揮する事が出来るのだ。本当に悪魔の魔法薬だよ。2万人規模の夜営か、かなり広範囲に広がってるな。
でも、イリアに手伝ってもらえれば問題ないかな?
「イリア、これ見てくれ。ここからここまでの範囲を空気の壁でドーム状に囲みたいんだけど、協力してやれば出来るかな?」
眉間にしわを作って、首をコテンと横に倒して、
「ん~、このくらいなら私一人で空気の壁を作れるよ!」
ふぁっ!? イリアの魔法制御能力が、すでに俺より高いようだ。なので、してもらいたいことを説明して、問題ないか再度確認するが「大丈夫!」と、最近膨らみかけてきた胸を張っている。
そういえば、エルフって前に会ったときは、ツルペタスットンじゃなかったっけ? って、俺はなんて事を考えているんだ!
準備が整ったので、イリアに魔法を発動してもらう。俺たち、4人と1匹は中和薬を飲み、悪魔の魔法薬『クダスンデス改』をシェリルとネルには、風の壁の中に霧吹きで一生懸命シュッシュしてもらう。
俺は、DPで魔改造した加湿器……違うな、霧発生装置を召喚して、動力の魔核をセットする。
起動すると、もの凄い勢いで『クダスンデス改』が減っていく。その勢いは、1分で魔法薬の瓶5本分て100ミリリットルの瓶がなので、500ミリリットルが1分間で消費している。
この『クダスンデス改』は、大量生産しなければ何故か作れないので、大量にあるのはたすかるな。何気に1000本以上あるからな。
「ご主人様、どのくらい撒くの?」
「そうだな……100本くらいかな」
「「了解!!」」
『クダスンデス改』を撒き終えて、ダンジョン地下通路に逃げ込む。
次の日、敵軍の野営地は……阿鼻叫喚地獄の一歩手前の様な状況だった。
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