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第979話 懐かしい人物と再会
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「シュウ殿、重ねて申し訳ない。御身の前で武器を抜いた事も許していただきたい」
「実害が無かったからいいよ。それより早く話をすすめた方がいいのでは? 時間は有限だよ」
「助かる。ではさっそく仕事の話をさせていただきます。簡単に現状の説明から。不意を突いて聖国に攻められ一時、我が国の都市の5つが占領されました。それを取り返したのですが、住民の半数、6万人程が連れ去られてしまいました。あなた方には、その住人を取り返してきていただきたい」
「その住民たちがどこら辺にいるか分かる?」
取り返したとは言っても、奴隷として捕まえるための戦争だから、奪えるものだけ奪って軍を引かせた感じだろうな、でも何で半数なんだろうな?
「大体の位置は、国境あたりにいます。住民を連れての移動なので急げないと思われますが、相手の国の中に入れば入る程不利になるので、出来る限り早く、出来る限り多くの国民を助けていただきたい」
「了解。えっと、助けた後の国民の移動はどうしたらいい?」
「そちらは私たち、軍の人間で行います。住人を助けた後は可能であれば、義勇軍の方を連れて危険のない街を襲っていただきたいと思います。こちらに攻めてくる余力を、削っていただきたいと考えています」
「いいけど、義勇軍に指揮官みたいな人間はいるのか? 話では義勇軍とは言ってるけど、冒険者の寄せ集めだろ?」
「そこは、統率のためにSランク冒険者のチームに統率を依頼しています」
ほほ~Sランク冒険者のパーティーがいるのか、帝国に逃げて王国を襲ったような奴らじゃなければいいけどな。と言っても、あいつらが特殊ってだけなはずだから問題ないよな?
「じゃぁ、そのSランク冒険者に話を通しておけばいいのかな?」
「そうですね。可能なら連携をとってもらいたいと思っている」
「了解した。そのSランク冒険者にあってくる。何処にいるか分かるかな? 出来るだけ早く出発したいので、話をしておきたい」
「街の外のテントにいると思うが……お前、ちょっと案内してやれ。後、ここの掃除を誰かに、軍人にはこの方たちに手出ししないように、私からの命令と言って周知させておけ! 違反者は裁判なしの死刑だと」
「将軍! それではあまりにもやり過ぎかと!」
「お前たちは、シュウ殿の話を聞いていないのか? 下手をすれば殺気を飛ばした時点で、殺されてもおかしくなかったんだ! 分かったな? 全軍に通達しろ!」
それでも何かを言おうとした部下に向かって剣を抜いている……こわ!
「了解……いたしました」
苦渋の判断だと言わんばかりの顔をして、俺の方を一睨みしてから天幕の外へ出て行った。
「シュウ殿! 私が案内させていただきます!」
そう言って、将軍に案内を任された軍人が俺たちを案内してくれた。テントに案内され紹介された。
「ん? どこかで見た顔だな。確か、数年前にフェンリルの討伐で一緒になったパーティーじゃなかったか?」
テントの中には、フェンリル討伐の時にリーダーをしていた女3人パーティーがいた。名前なんだっけ?
「あ~あの時の子たちね。あの時は本当に助かったわ。フェンリルがあそこまで強かったなんて思いもよらなかったからね。結構長く生きてたんだろうね。
そんな事はどうでもいいね、まさかあの時の子たちが援軍だったとは、よろしく! 私はマーニャよ。覚えてないだろうから自己紹介しておくわ。私もあなたたちの名前覚えてないからね」
「そうね。私はリリス。あっちがアントよ」
「あっ、シュウです。よろしく、こっちから……」
そう言って、俺はみんなの紹介をしていく。
「……って、全員ここで紹介する必要なかったか? まぁいいか。で、リーダーはリリスさんでいいのかな?」
「一応、義勇軍と名はついてるけど、冒険者をまとめているのは私ね」
「さっそく話を始めよう。俺らが依頼されたのは、連れ去られたこの国の国民を奪還する事。その一団が今いるのは、だいたい国境あたりとの事。
奪還したら、そのまま無理をしない程度に聖国の街を襲ってほしいとの事だけど、そっちの出発っていつ頃できそうかな? 俺たちは、このまますぐに国境に向かおうと思っているんだけど」
「はぁ? さっき着いたばかりなのにもう出発するの? さすがにそれは無理がない?」
「連れ去られた人たちが聖国の街に入ったら面倒になるから、出来る限り早く奪還しておきたいんだよ。食料に関しては、聖国の軍からもらうつもりだし。で、そっちの準備はいつ頃出来るんだ? 多少遅くても問題ないけど、軍にはすぐに出てもらう予定だ」
「意見は変わらないようね。私たちは、アント! どの位で出発できそう?」
「そうですね。物資の調達ができないと動けませんね。ここら辺の物は全部持ってかれてしまいましたし、街に残った人の物資も全く足りてません。商人たちが稼ぎ時と頑張ってはいるみたいですが」
「あ~、物資なら俺の商会から多少はもってきているから、ジェノサイドキャラバンって呼ばれてる商隊に話をしてみてくれ。1週間以内には商会の商隊がくると思うから、この街にはその分があれば大丈夫だと思う」
「あの商隊って、あなたの所のなんだね。アント、ちょっとどの位あるのか聞いてきて」
リリスがアントに指示を出している時に、俺はピーチにこっそりゼニスに連絡を取るように指示をする。ゼニス、頼むぞ!
「リーダー! 物資の確認してきました! 街の方に回しても義勇軍の4日分は、食料はありそうです。2日行った国境付近に魔物の住む森があるので、そこで1日狩りをすれば食料は何とでもなると思います」
「じゃぁ、義勇軍の冒険者たちに、明日の朝に出発するから準備をしておくように通達しておいて。食糧に関しては、ジェノサイドキャラバンに行くように言っておいて」
「じゃぁ、俺たちは先に行って連れ去られた人たちを解放してくるよ」
「無理はするんじゃないよ」
リリスたちのいるテントを後にする。そのまま将軍の元へ戻り、出発する事を伝え、軍を動かしてもらう確約をしてから、国境へ向けて移動を開始する。
「実害が無かったからいいよ。それより早く話をすすめた方がいいのでは? 時間は有限だよ」
「助かる。ではさっそく仕事の話をさせていただきます。簡単に現状の説明から。不意を突いて聖国に攻められ一時、我が国の都市の5つが占領されました。それを取り返したのですが、住民の半数、6万人程が連れ去られてしまいました。あなた方には、その住人を取り返してきていただきたい」
「その住民たちがどこら辺にいるか分かる?」
取り返したとは言っても、奴隷として捕まえるための戦争だから、奪えるものだけ奪って軍を引かせた感じだろうな、でも何で半数なんだろうな?
「大体の位置は、国境あたりにいます。住民を連れての移動なので急げないと思われますが、相手の国の中に入れば入る程不利になるので、出来る限り早く、出来る限り多くの国民を助けていただきたい」
「了解。えっと、助けた後の国民の移動はどうしたらいい?」
「そちらは私たち、軍の人間で行います。住人を助けた後は可能であれば、義勇軍の方を連れて危険のない街を襲っていただきたいと思います。こちらに攻めてくる余力を、削っていただきたいと考えています」
「いいけど、義勇軍に指揮官みたいな人間はいるのか? 話では義勇軍とは言ってるけど、冒険者の寄せ集めだろ?」
「そこは、統率のためにSランク冒険者のチームに統率を依頼しています」
ほほ~Sランク冒険者のパーティーがいるのか、帝国に逃げて王国を襲ったような奴らじゃなければいいけどな。と言っても、あいつらが特殊ってだけなはずだから問題ないよな?
「じゃぁ、そのSランク冒険者に話を通しておけばいいのかな?」
「そうですね。可能なら連携をとってもらいたいと思っている」
「了解した。そのSランク冒険者にあってくる。何処にいるか分かるかな? 出来るだけ早く出発したいので、話をしておきたい」
「街の外のテントにいると思うが……お前、ちょっと案内してやれ。後、ここの掃除を誰かに、軍人にはこの方たちに手出ししないように、私からの命令と言って周知させておけ! 違反者は裁判なしの死刑だと」
「将軍! それではあまりにもやり過ぎかと!」
「お前たちは、シュウ殿の話を聞いていないのか? 下手をすれば殺気を飛ばした時点で、殺されてもおかしくなかったんだ! 分かったな? 全軍に通達しろ!」
それでも何かを言おうとした部下に向かって剣を抜いている……こわ!
「了解……いたしました」
苦渋の判断だと言わんばかりの顔をして、俺の方を一睨みしてから天幕の外へ出て行った。
「シュウ殿! 私が案内させていただきます!」
そう言って、将軍に案内を任された軍人が俺たちを案内してくれた。テントに案内され紹介された。
「ん? どこかで見た顔だな。確か、数年前にフェンリルの討伐で一緒になったパーティーじゃなかったか?」
テントの中には、フェンリル討伐の時にリーダーをしていた女3人パーティーがいた。名前なんだっけ?
「あ~あの時の子たちね。あの時は本当に助かったわ。フェンリルがあそこまで強かったなんて思いもよらなかったからね。結構長く生きてたんだろうね。
そんな事はどうでもいいね、まさかあの時の子たちが援軍だったとは、よろしく! 私はマーニャよ。覚えてないだろうから自己紹介しておくわ。私もあなたたちの名前覚えてないからね」
「そうね。私はリリス。あっちがアントよ」
「あっ、シュウです。よろしく、こっちから……」
そう言って、俺はみんなの紹介をしていく。
「……って、全員ここで紹介する必要なかったか? まぁいいか。で、リーダーはリリスさんでいいのかな?」
「一応、義勇軍と名はついてるけど、冒険者をまとめているのは私ね」
「さっそく話を始めよう。俺らが依頼されたのは、連れ去られたこの国の国民を奪還する事。その一団が今いるのは、だいたい国境あたりとの事。
奪還したら、そのまま無理をしない程度に聖国の街を襲ってほしいとの事だけど、そっちの出発っていつ頃できそうかな? 俺たちは、このまますぐに国境に向かおうと思っているんだけど」
「はぁ? さっき着いたばかりなのにもう出発するの? さすがにそれは無理がない?」
「連れ去られた人たちが聖国の街に入ったら面倒になるから、出来る限り早く奪還しておきたいんだよ。食料に関しては、聖国の軍からもらうつもりだし。で、そっちの準備はいつ頃出来るんだ? 多少遅くても問題ないけど、軍にはすぐに出てもらう予定だ」
「意見は変わらないようね。私たちは、アント! どの位で出発できそう?」
「そうですね。物資の調達ができないと動けませんね。ここら辺の物は全部持ってかれてしまいましたし、街に残った人の物資も全く足りてません。商人たちが稼ぎ時と頑張ってはいるみたいですが」
「あ~、物資なら俺の商会から多少はもってきているから、ジェノサイドキャラバンって呼ばれてる商隊に話をしてみてくれ。1週間以内には商会の商隊がくると思うから、この街にはその分があれば大丈夫だと思う」
「あの商隊って、あなたの所のなんだね。アント、ちょっとどの位あるのか聞いてきて」
リリスがアントに指示を出している時に、俺はピーチにこっそりゼニスに連絡を取るように指示をする。ゼニス、頼むぞ!
「リーダー! 物資の確認してきました! 街の方に回しても義勇軍の4日分は、食料はありそうです。2日行った国境付近に魔物の住む森があるので、そこで1日狩りをすれば食料は何とでもなると思います」
「じゃぁ、義勇軍の冒険者たちに、明日の朝に出発するから準備をしておくように通達しておいて。食糧に関しては、ジェノサイドキャラバンに行くように言っておいて」
「じゃぁ、俺たちは先に行って連れ去られた人たちを解放してくるよ」
「無理はするんじゃないよ」
リリスたちのいるテントを後にする。そのまま将軍の元へ戻り、出発する事を伝え、軍を動かしてもらう確約をしてから、国境へ向けて移動を開始する。
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