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第954話 予想外の魔物
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今は33階を進んでいる。出発して約4時間。この階の7割位の行程は突破できていると思っていいだろう。上の階と特に変化があるわけでもなく、思ったより早く進めている。
食事などに関しては、歩きながらお腹がすく前に軽食をちょこちょこ食べているが、シルキーたちはピクニック気分なのか、従魔たちの背中の上で景色を楽しみながら、お茶をしたりサンドイッチなどをつまんで色々話しているようだ。
それはまだ放っておいていいだろう。気になるのはダマなのだが、魔導具の効果が切れているわけでもないのに、調子悪そうなのだ。少し熱っぽいと言って冷たいニコを抱き枕にして、小さいサイズのダマがリアカーみたいなもので運ばれているのだ。
引いているのは、背中にシルキーを乗せていないギンが引っ張っている。ダマの近くにはハクがいるが……お前はただ飛ぶのに疲れただけだろうな。看病していると見せかけて一緒に寝ているあたり、ハクらしいと言えばらしいのだが。
ダマには一応、万能薬や回復薬、回復魔法を使ってもあまり効果が見られなかった。無理して連れて行くのもどうかと思ったが、戻ったとしても1匹で置いておくわけにはいかないので、連れていく事を決めたのだ。
ただ、周りを涼しくすると楽だという事で、リアカーの中だけかなり温度が下げられるような魔導具を作成した。
原理は簡単、Bランクの魔石を3つ魔核にして、1つは箱な中に氷を雪状に作る魔核、1つは箱の中に風を送り込む魔核、1つは断熱結界のような効果のある魔核の3つをあわせた魔導具だ。風の強さは調節できるので冷やすのには問題なかった。
マグマから飛び出てくる魚は叩き落として仕留め、天井から襲ってくるコウモリは弓で落としていく。ドロップ品がもったいないと思うが、ダメージが少ないとはいえ危険を冒すリスクは無いので、倒せる時に倒す! 方針で進んでいる。
34階に到着すると少しだけ状況が変わっていた。何というか、重力を無視したマグマの流れが目の前を流れているんだよね。見えない筒の中を流れている感じかな? しかもそのマグマの流れから、タコの足やサメのヒレのようなものが見えている……
サメのヒレ!? どうやら新しい魔物が追加されたようだ。みえている部分から推測すると、ってサメのヒレをみてサイズが分かる程サメの事詳しくないし! 魔物だから当てはまるかもわからないしな。ただ思うのは、それなりに大きなサイズなんじゃないか? という事だ。
ヒレが見えているのだから、マグマの表面に近いはずだ。弓を構えて撃つ! ヒレの近くに着弾して、矢が激しく動き出した。物の数秒で矢は焼け落ちてしまったが、サメの姿を確認する事が出来た。
凶悪な歯をガチガチさせながら現れたサメは、体長5メートルはあろうかというかなり大きなサメだった。出てきている所がマグマじゃなければ、海のパニック映画に出てきそうな人食いザメのような見た目である。海で見かけたらトラウマになるレベルだな。
俺たちまでまだ距離があるため、攻撃に転じれないサメがマグマの中で暴れているのが分かる。あのまま放っておくのも危険なので、魔法で追撃してもらい倒す事に成功した。
やはりこのフロアの特性なのか、氷系の魔法で簡単に死んだ。楽に倒せるのは良いけど、いちいち魔物以外での殺意が高いダンジョンだと思った。
何とか34階を踏破し35階へ突入して30分位経った頃に、
「ご主人様! よくわからない気配を感じました。何かかなり大きなものが動いているような気配がします。遠ざかったり近付いたりしている気がするのですが、どうも上手くつかめない感じです」
斥候役のマリーとソフィーが、何やら話した後に俺に報告してきた。
俺も変な感じがするな~とぼんやり感じてはいたが、マグマの所為だろ? みたいな感じでスルーしていた。いや、スルーとは違うな。正体がつかめない物の詮索をするより、防御に備えておく方がいいと判断して、いつでも結界を張れるようにはしていた。
「みなさん、少し固まって進みましょう。集まっている所を狙われるかもしれませんが、結界や魔法、フォートレス等をいつでも発動できるようにしておいてください」
隊列を少し詰めて守る範囲を狭くしながら進んでいく。相変わらず散発的にマグマの中から魚やタコが攻撃してきたり、コウモリが飛んできたりするがしっかりと迎撃していく。
35階も半ばまで進んできた所で、少し遠くからも見えていたのだが、不自然に広い地面のある空間があったのだ。
「怪しさ満点だな」
思わずこぼしてしまった言葉にみんなが頷いていた。
「マグマの近くを陣取るより、中央で円陣を組んだ方がいいですね。入る前に立ち位置を決めましょう」
そういってピーチはシュリやアリス、ライムと相談しながら、全員の配置を役割別に割り振っていった。
調子の悪そうなダマも、さすがに休んでいるわけにはいかなかったようで、顔に水をかけてもらい気合を入れていた。
一気に中央まで進み円陣を組んだ。その3秒後に四方のマグマから赤黒いヘビとは違うな。何が一番近いかと言えば、一狩り行こうぜの2Gに出てくる、マグマの中から攻撃してくるヤツを少しスリムにした感じだろうか?
それが4匹も同時に現れたのだ。大きさはサメの倍くらい、10メートル程だろうか? だから一狩り行こうぜのヤツみたいな迫力は無いが、それなりの迫力はあった。
そいつが急にマグマに潜ったと思ったら、尾びれでマグマを叩いて波を起こして攻撃してきた。
「あぶねぇ!」
俺たちは同時に結界や魔法で防御をした。次の瞬間には大質量の物がぶつかったような音を立てた。
危うくマグマで身を焼かれるところだったぜ。魔法を解いてもらい周囲を確認すると、そこら中にマグマが固まりこびりついていた。中にはまだ赤く熱い部分もあった。
この状態じゃ戦闘もできないので、周囲を冷やす魔法を使い地面の熱をとっていく。
「1つ分かりましたね。あの魔物は私たちを捕食の対象としているわけでは無く、狩りの対象にしているのでしょう」
食われたり苗床にされるという事はあるが、ただ単に狩りの対象とする魔物は多くない。もし捕食をするのであれば、あのような攻撃は使ってこないだろう。そう言う意味では、かなり厄介な相手かもしれないな。
食事などに関しては、歩きながらお腹がすく前に軽食をちょこちょこ食べているが、シルキーたちはピクニック気分なのか、従魔たちの背中の上で景色を楽しみながら、お茶をしたりサンドイッチなどをつまんで色々話しているようだ。
それはまだ放っておいていいだろう。気になるのはダマなのだが、魔導具の効果が切れているわけでもないのに、調子悪そうなのだ。少し熱っぽいと言って冷たいニコを抱き枕にして、小さいサイズのダマがリアカーみたいなもので運ばれているのだ。
引いているのは、背中にシルキーを乗せていないギンが引っ張っている。ダマの近くにはハクがいるが……お前はただ飛ぶのに疲れただけだろうな。看病していると見せかけて一緒に寝ているあたり、ハクらしいと言えばらしいのだが。
ダマには一応、万能薬や回復薬、回復魔法を使ってもあまり効果が見られなかった。無理して連れて行くのもどうかと思ったが、戻ったとしても1匹で置いておくわけにはいかないので、連れていく事を決めたのだ。
ただ、周りを涼しくすると楽だという事で、リアカーの中だけかなり温度が下げられるような魔導具を作成した。
原理は簡単、Bランクの魔石を3つ魔核にして、1つは箱な中に氷を雪状に作る魔核、1つは箱の中に風を送り込む魔核、1つは断熱結界のような効果のある魔核の3つをあわせた魔導具だ。風の強さは調節できるので冷やすのには問題なかった。
マグマから飛び出てくる魚は叩き落として仕留め、天井から襲ってくるコウモリは弓で落としていく。ドロップ品がもったいないと思うが、ダメージが少ないとはいえ危険を冒すリスクは無いので、倒せる時に倒す! 方針で進んでいる。
34階に到着すると少しだけ状況が変わっていた。何というか、重力を無視したマグマの流れが目の前を流れているんだよね。見えない筒の中を流れている感じかな? しかもそのマグマの流れから、タコの足やサメのヒレのようなものが見えている……
サメのヒレ!? どうやら新しい魔物が追加されたようだ。みえている部分から推測すると、ってサメのヒレをみてサイズが分かる程サメの事詳しくないし! 魔物だから当てはまるかもわからないしな。ただ思うのは、それなりに大きなサイズなんじゃないか? という事だ。
ヒレが見えているのだから、マグマの表面に近いはずだ。弓を構えて撃つ! ヒレの近くに着弾して、矢が激しく動き出した。物の数秒で矢は焼け落ちてしまったが、サメの姿を確認する事が出来た。
凶悪な歯をガチガチさせながら現れたサメは、体長5メートルはあろうかというかなり大きなサメだった。出てきている所がマグマじゃなければ、海のパニック映画に出てきそうな人食いザメのような見た目である。海で見かけたらトラウマになるレベルだな。
俺たちまでまだ距離があるため、攻撃に転じれないサメがマグマの中で暴れているのが分かる。あのまま放っておくのも危険なので、魔法で追撃してもらい倒す事に成功した。
やはりこのフロアの特性なのか、氷系の魔法で簡単に死んだ。楽に倒せるのは良いけど、いちいち魔物以外での殺意が高いダンジョンだと思った。
何とか34階を踏破し35階へ突入して30分位経った頃に、
「ご主人様! よくわからない気配を感じました。何かかなり大きなものが動いているような気配がします。遠ざかったり近付いたりしている気がするのですが、どうも上手くつかめない感じです」
斥候役のマリーとソフィーが、何やら話した後に俺に報告してきた。
俺も変な感じがするな~とぼんやり感じてはいたが、マグマの所為だろ? みたいな感じでスルーしていた。いや、スルーとは違うな。正体がつかめない物の詮索をするより、防御に備えておく方がいいと判断して、いつでも結界を張れるようにはしていた。
「みなさん、少し固まって進みましょう。集まっている所を狙われるかもしれませんが、結界や魔法、フォートレス等をいつでも発動できるようにしておいてください」
隊列を少し詰めて守る範囲を狭くしながら進んでいく。相変わらず散発的にマグマの中から魚やタコが攻撃してきたり、コウモリが飛んできたりするがしっかりと迎撃していく。
35階も半ばまで進んできた所で、少し遠くからも見えていたのだが、不自然に広い地面のある空間があったのだ。
「怪しさ満点だな」
思わずこぼしてしまった言葉にみんなが頷いていた。
「マグマの近くを陣取るより、中央で円陣を組んだ方がいいですね。入る前に立ち位置を決めましょう」
そういってピーチはシュリやアリス、ライムと相談しながら、全員の配置を役割別に割り振っていった。
調子の悪そうなダマも、さすがに休んでいるわけにはいかなかったようで、顔に水をかけてもらい気合を入れていた。
一気に中央まで進み円陣を組んだ。その3秒後に四方のマグマから赤黒いヘビとは違うな。何が一番近いかと言えば、一狩り行こうぜの2Gに出てくる、マグマの中から攻撃してくるヤツを少しスリムにした感じだろうか?
それが4匹も同時に現れたのだ。大きさはサメの倍くらい、10メートル程だろうか? だから一狩り行こうぜのヤツみたいな迫力は無いが、それなりの迫力はあった。
そいつが急にマグマに潜ったと思ったら、尾びれでマグマを叩いて波を起こして攻撃してきた。
「あぶねぇ!」
俺たちは同時に結界や魔法で防御をした。次の瞬間には大質量の物がぶつかったような音を立てた。
危うくマグマで身を焼かれるところだったぜ。魔法を解いてもらい周囲を確認すると、そこら中にマグマが固まりこびりついていた。中にはまだ赤く熱い部分もあった。
この状態じゃ戦闘もできないので、周囲を冷やす魔法を使い地面の熱をとっていく。
「1つ分かりましたね。あの魔物は私たちを捕食の対象としているわけでは無く、狩りの対象にしているのでしょう」
食われたり苗床にされるという事はあるが、ただ単に狩りの対象とする魔物は多くない。もし捕食をするのであれば、あのような攻撃は使ってこないだろう。そう言う意味では、かなり厄介な相手かもしれないな。
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