ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第946話 危険な奴ら?

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 15階の途中で今日は野営をする事になった。食事も終わり、くつろいでいる最中に俺は通ってきた11階から14階までの事を思い出していた。

 11階の魔物は、ゴブリンやコボルト、獣系の魔物がいなくなり、オークの上位種とオーガが出てきた。Lvは今までと同じで4~5程上がっている。9階より魔物は強くなっているが、亜人だけなので9階より戦闘がしやすい気もする。

 12階は11階と同じ、オークの上位種とオーガで、Lvが11階より4~5程上がっている。

 13階に入ると、狼系の上位種シャドーウルフやホワイトウルフといった、何とかウルフというのがいろんな種類出てくるようになった。他にもクマ系の魔物も出始めた。この階には亜人系の魔物は存在せずに獣系の魔物だけだったな。

 14階は13階と同じで、Lvだけが上がっていた。

 そして今いる15階は、全く敵が出てこないのだ。ボスがいるわけでもなく1階のようにただただ通路と部屋があるだけの迷路だった。なので階段のある1つ手前の部屋で野営をしているのだ。

 1階から14階まで順調に通路が広くなっていたのに、ここに来てまた1階と同じくらいの広さになっていたので、困惑している。このダンジョンは本当に意味が分からない。規則性があるようで全くない……いや、下に進むにつれてLvが4~5あがってるな。それくらいだろうか?

「シュウ、分からない事を考えても答えは出ないわよ。そんな事に使う時間があったら休みなさい」

 俺が難しい顔をしていると、リンドからそう声をかけられた。俺の考えている事はバレバレだな。まぁリンドの言う通りだし、悩むのは止めて気分転換にサウナにでも入ってこよう。

 リラックスした状態でベッドに潜り込み日が明ける。

「さて、今日は16階からだな。1階毎に大分広くなっているから、最短距離が分かっても時間がかかるようになってくるな。無理をしないように進んでいこう」

 16階に降りると、通路の広さが14階よりちょっと広い位になっていた。この階はどんな魔物が出てくるんだろうな? 魔物の気配はするんだけど、

「みんな! 昆虫系の魔物がでてきたよ! Lvは……65!」

 ソフィーからの報告が入る。ここにきて昆虫系、ファーストコンタクトは、カマキリ系の魔物のようだ。2メートル程のカマキリが通路の向こうから現れたのだ。デカい、そしてデカすぎてキモイ。

 弓を撃ったメアリーが、

「矢は角度によっては弾かれますね。そして胸にあたる部分は、矢では少し刺さるのが精いっぱいだと思います」

 何か一気に魔物が硬くなったようだ。昆虫系は、人間サイズ変換するとかなりヤバいっていうからな。実際にそこまで大きくなれる昆虫は、今は存在しないんだけどね。

 もともと硬い皮を持っているカブトムシが、もし人間のサイズで存在したら、装甲車なんて目じゃない存在になるという説があるらしい。

 実際にそこまで大きかったら、自重で動けなくなるという話だ。実際はどうなんだろう? そこまで大きくなるように進化したのなら、動けるんじゃないかとも思う。ただ、普通のサイズの性能そのままに大きくなれるのだとしたら、人類が絶滅しそうだ。

 っと、いかんいかん。目の前には実際に動く人間よりでかいサイズの昆虫が、魔物として存在しているのに現実逃避をしている場合じゃない!

 シュリがカマキリの前に立ち攻撃を防いでいる。カマキリの鎌は腕を伸ばしてから、折りたたむ際に引っ掛けるので、今までの魔物と大きく違う攻撃である。そのせいか、シュリが受け止め辛そうにしている。

 それにしても、あの鎌……刃物みたいに鋭くねえか? あれは危険だぞ。16階から下は樹海で戦うより大変かもしれないな。樹海はAランクでも、奥まで進もうと思わないレベルの魔物の強さなのに、それより厄介となると、これ以上は潜れる冒険者がほとんどいなくなるな。

 順調にレベルを上げていても、こいつには同レベルで人間が勝てるとは思わんな。集団でボコれば何とかなるかもしれないが……

 俺がそんな事を考えている間にも、色々攻撃を試しているようだ。

 斬撃系は効果が薄いようだ。と言っても、武器の性能とレベル差によって、簡単に切り裂いているように見えるのだが、実際はそうでもないらしい。

 刺突系に関しては、矢のように弾かれる事はないけど、思うように体に突き刺さらないらしい。でも普通に突き刺さってるけどな! あれでもうまく刺さっていないようだ。

 ジャイアントセンチピート……デカいムカデはこんなに硬くなかった気がするけど、カマキリはどうしてこんなに硬いんだ? あいつはデカいだけあって、予想以上にタフだったけどな。

 色々実験が終わったのか、ピーチがライムに指示をして魔法で攻撃を始めた。土や風魔法の効果は薄いようだ。氷に関しては、動きが遅くなるが決定打とは言い辛い。それに対して、火魔法は効果絶大で予想通りといった感じだ。

 昆虫系には火魔法が効くようなので、魔法組を中心に攻撃をしていくようだ。

 次に出てきたのは、クモ系の魔物でサイズは1メートル位なのだが、数が多かった。20匹くらい一気に襲ってきて、自由自在に通路を飛び回り尻から糸を出していた。正直、地球〇衛軍に出てくるクモの化け物を彷彿とさせる動きだった。

 そんなクモも火で焼き払われたけどな。って、そういえばクモって昆虫じゃないけど、この世界の大雑把なくくりでは一緒だったりするのかな?

 その後に出てきたのは、クモであのゲームを思い出したら出てくると思った。アリ系の魔物だ。サイズはクモよりちょっと大きかったが、動きが早いうえに強靭なあご……噛みつかれたらヤバいな。そんな危険な奴らも、火魔法の前には敵では無かった。

 あれ? この階から来れる冒険者が減るとか言ってたけど、そこそこの火魔法を使える魔法使いが2~3と壁役や斥候役、ヒーラーがいれば……結構美味い狩場になるんじゃないか? 昆虫系の素材って防具としては、結構優秀って話も聞くしな。

 16階には、カマキリ・クモ・アリの3種類の魔物がいて、17階はその3種類のLvが上がっただけだった。

 18階にはいると、カマキリ・クモ・アリの3種類に加え、ハニービーとテントウムシが追加された。どっちも火魔法に弱く、簡単に進めるがハニービーは俺も飼っているので、あいつ等とは違うと分かっていても、少しだけ心が痛む。

 19階は、18階の5種類に加え、怖れていたカブトムシが現れた。カブトムシもいろんな種類のものが出てきた。カブトムシマニアだったら、よだれを垂らして喜んだかもしれないな。

 特にやばかったのは、ヘラクレスオオカブトだな。角がランスみたいに尖っててビビったよ。おまけにかなり硬くて、アリスでも折るのに苦労していた。でも、やっぱり火魔法に弱かった。

 何かゲームみたいだな。
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