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第893話 変な所に罠が……
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「なんで、こんな所にあるんだ」
俺たちがバザールの話していた魔導具を発見したのは、謎タブではなく何故か鍛冶の項目にあったのだ。
3人でおやつを食べながら話し合った結果。昔のドワーフたちが鍛冶をする時に、炉の温度を上げるためにふいごのような手動式ではなく、この魔道具を作ったのではないかという事になった。
「この2日間、無駄に疲れたな~。なんつうかあきれちまったな。まさか鍛冶の中の魔導具だったなんてな~バザールが見た時はすでに使用用途が分からなくて、扇風機みたいに使われてたんだろうな」
俺のセリフでウンウンと綾乃とバザールが頷いている。
「でもさ、これってどういう原理で動いてるの? 本当に筒から風が出てるんだけど、全く意味が分からないんですけど!」
綾乃は、原理が全く分からない魔導具に、ガンガンと八つ当たりをしていた。
「壊れるからやめろって。まぁ大したDPじゃないからいいんだけど、あっ! 本当に壊しやがった。ったく、ってどうした?」
「えっ! 壊しちゃったからくっつかないか調べてたら、この間に何かあるのを見つけて何だろうと思ってね」
綾乃が壊した風を送り出す魔導具を見ると、何やら青紫みたいな色をしたものが金属の間から見えていたのだ。
風を送る魔導具は全体が金属でできていて、綾乃がガンガン叩いて風を送る部分の筒がひしゃげて壊れてしまったのだ。で、よく見ると、そのひしゃげて壊れた部分の所々に青紫色の何かが点々と見えていたのだ。場所によっては1センチメートル程の線にもなっていた。
「その青紫色した物は何だろな? 魔導具の根幹をなすものだと思うけど、意味が分からんな。もう1個新しく出して、クリエイトゴーレムで分解してみるか?」
そう言って、自分もやりたいと綾乃が言い出したので、ついでにバザールの分も出して3人で分解して、風を送る魔導具を解析し始めた。
すぐに青紫色をしていた物を取り出す事に成功した。
「何か変な模様でござるな。それにこれは、思ったより硬いでござる。これがこの魔導具の根幹をなすような気がするでござるが、意味不明でござるな」
「ん~私はこの形を何かで見た事ある気がするんだけど……なんだったっけな? しかもよく見ている物なんだけど、何か思い出せない! イライラする!」
「少し落ち着け、カルシウムが足りてないぞ」
「シュウ、人ってカルシウムが足りてないからって怒りっぽくなるわけじゃないんだよ、知らないの?」
「無論知ってるよ。慣用句的な言い回しだから気にするな。ちょっとは落ち着いただろ? それに、俺もこの模様みたいな物をよく見ている気がするんだよな。なんだっけな?」
どうやらバザールも見た事あるようで、喉まで出かかっているのに答えが出ないもどかしさで、3人がウンウンうなっていると、
「シュウ様、せっかくおやつを食べて頭に糖分を送ってるのに、そんなに考えこんだら意味なくなるよ! え? 見た事ある模様がどこで見たか分からなくて悩んでるんですか?」
そういって、土木組のメンバーが気になったようで全員その模様を見て、
「あれ? 確かに見覚えがある模様な気がしますね。でも私の記憶にあるのは、もっと小さな模様だった気がするのですが、それにこの色にも見覚えが……」
俺、綾乃、バザールに加え土木組のメンバーも、見た事あるのに思い出せないとうなり始めた。
「ご主人様! それにみんなどうしたの? あれ? その変な模様って、魔石みたいな色してるね! こんなの見てみんなでうなってたの?」
ネルが土木組の後ろから、青紫色の物体を見てそう答えた。
「確かに、魔石の色に似てるな。あれ? 何かがここまで出てきてるのに、分からんな。ネルはこの模様に見覚えがないか?」
「ん~、ない!」
ネルには見覚えがないようだ。
「あっ! シュウ様! この模様って魔核の模様に似てませんか?」
土木組のメンバーの1人にそう言われて、慌てて魔石を取り出し適当なプログラムを書き込み魔核にする。
「本当だ。魔核の中にある模様と一緒だな。だから見覚えがあったのか。よく思い出してくれた!」
思い出してくれた土木組のメンバーの子の頭をなでくりまわす。その様子をネルが羨ましそうな表情で見ていたのには誰も気付かなかった。
おやつの後の作業が開始されると、俺たちはまた頭を悩ます事になる。
「ん~これが魔核の中にある模様と同じだって事はよくわかったけど、だからと言ってどうすればいいんだ? あの模様につかわれてるのが魔石だったとして、どうやって加工されたモノなんだ? それにこの魔導具の出力ってどうやって決まるんだ? 分からないことだらけなんだが」
これについて誰か知ってるやつでもいればいいんだけどな……もしくは、これにつかわれてる技術についての本とかないかな? 何か知らねえかバカ神!!
『んぁ? 私寝てないわよ?』
誰もそんなこと言ってねえし、何でこっちの事注視してるわけじゃない睡眠時に俺の声がお前に届くんだよ! 意味不明だろうが!
『だから! 寝てないって言ってるでしょ!』
今回の問題点はそこじゃねえよ。久々にお前と話してイラッとしたわ。
『失礼ね! で、今日は何の用なの?』
やっぱり寝てて人の話聞いてないだろ。
『だから! 寝てないって言ってるでしょ!』
一言一句違わない言い訳きた。まぁ寝てた事はどうでもいいとして、今手元に魔導具があるんだけど、これの製法について何か知らない? それかこの製法について書いてある書物とかない?
『寝てないってばって、また昔の魔導具を引っ張り出してきたのね。昔だからと言って、今より劣ってたわけじゃないからね。どのくらい前か忘れたけど、あなたと同じ世界から来た勇者が作った魔導具ね。
それよりもっと昔にクリエイトゴーレムで作られた魔導具をいくつも研究して、クリエイトゴーレムが無くても、魔力補給のいらない魔導具を作り出したのよ』
へ~昔の人が研究して作った魔導具なのか。まぁそれはいいとして! 作成方法を知ってるのか?
『知るわけないじゃない! 私はそんなものが無くても、イメージするだけで魔導具なんて作れちゃうからね! 原理なんて分からなくても大丈夫なのよ! どうだ! まいったか!』
無い胸を張って、ドヤ顔してるチビ神が目に浮かぶぜ。
『無いって言うな! まだ成長期なのよ! それにチビじゃないってば! 本当に失礼なやつね!』
ってかさ、魔導具の作り方を知らんのなら、用はないんだが。
『まぁちょっと待ってなさい、確か勇者関連の情報はここら辺に……あったあった。あの時は珍しかったからよく覚えてるんだよ。あいつが書き残した書物がいくつもあるから、DPのラインナップに入れておいてあげるわ! ありがたく思いなさい!』
おぉ! 珍しくチビ神が仕事しただと!? 明日雪が降るかもしれないな! とりあえずサンキュー、もう用無いからまたな!
『ちょ! あなたまt……』
「2人共、今チビ神からヒントになる書物を召喚できるようにしてもらったから出すぞ!」
チビ神が召喚のラインナップに入れた、勇者の書いた書物を召喚した。
「っと、ちょっと数多すぎねえか? 100冊以上あんぞ! 1つ読んでみるか……✕✕年◇◇月△△日、今日はこの世界に来てちょうど2年が経った。勇者としていろんな街へ行ったが、街の状況はどこも良くない……
って、日記じゃねえか! こんなもんいらんわ! あのチビ神、もしかしてどれがその書物か分からないから、その勇者が書いた書物を全部召喚できるようにしやがったな! 肝心なとこで使えん!」
夕食の時間までかかって、やっと目的の書物を発見した。
俺たちがバザールの話していた魔導具を発見したのは、謎タブではなく何故か鍛冶の項目にあったのだ。
3人でおやつを食べながら話し合った結果。昔のドワーフたちが鍛冶をする時に、炉の温度を上げるためにふいごのような手動式ではなく、この魔道具を作ったのではないかという事になった。
「この2日間、無駄に疲れたな~。なんつうかあきれちまったな。まさか鍛冶の中の魔導具だったなんてな~バザールが見た時はすでに使用用途が分からなくて、扇風機みたいに使われてたんだろうな」
俺のセリフでウンウンと綾乃とバザールが頷いている。
「でもさ、これってどういう原理で動いてるの? 本当に筒から風が出てるんだけど、全く意味が分からないんですけど!」
綾乃は、原理が全く分からない魔導具に、ガンガンと八つ当たりをしていた。
「壊れるからやめろって。まぁ大したDPじゃないからいいんだけど、あっ! 本当に壊しやがった。ったく、ってどうした?」
「えっ! 壊しちゃったからくっつかないか調べてたら、この間に何かあるのを見つけて何だろうと思ってね」
綾乃が壊した風を送り出す魔導具を見ると、何やら青紫みたいな色をしたものが金属の間から見えていたのだ。
風を送る魔導具は全体が金属でできていて、綾乃がガンガン叩いて風を送る部分の筒がひしゃげて壊れてしまったのだ。で、よく見ると、そのひしゃげて壊れた部分の所々に青紫色の何かが点々と見えていたのだ。場所によっては1センチメートル程の線にもなっていた。
「その青紫色した物は何だろな? 魔導具の根幹をなすものだと思うけど、意味が分からんな。もう1個新しく出して、クリエイトゴーレムで分解してみるか?」
そう言って、自分もやりたいと綾乃が言い出したので、ついでにバザールの分も出して3人で分解して、風を送る魔導具を解析し始めた。
すぐに青紫色をしていた物を取り出す事に成功した。
「何か変な模様でござるな。それにこれは、思ったより硬いでござる。これがこの魔導具の根幹をなすような気がするでござるが、意味不明でござるな」
「ん~私はこの形を何かで見た事ある気がするんだけど……なんだったっけな? しかもよく見ている物なんだけど、何か思い出せない! イライラする!」
「少し落ち着け、カルシウムが足りてないぞ」
「シュウ、人ってカルシウムが足りてないからって怒りっぽくなるわけじゃないんだよ、知らないの?」
「無論知ってるよ。慣用句的な言い回しだから気にするな。ちょっとは落ち着いただろ? それに、俺もこの模様みたいな物をよく見ている気がするんだよな。なんだっけな?」
どうやらバザールも見た事あるようで、喉まで出かかっているのに答えが出ないもどかしさで、3人がウンウンうなっていると、
「シュウ様、せっかくおやつを食べて頭に糖分を送ってるのに、そんなに考えこんだら意味なくなるよ! え? 見た事ある模様がどこで見たか分からなくて悩んでるんですか?」
そういって、土木組のメンバーが気になったようで全員その模様を見て、
「あれ? 確かに見覚えがある模様な気がしますね。でも私の記憶にあるのは、もっと小さな模様だった気がするのですが、それにこの色にも見覚えが……」
俺、綾乃、バザールに加え土木組のメンバーも、見た事あるのに思い出せないとうなり始めた。
「ご主人様! それにみんなどうしたの? あれ? その変な模様って、魔石みたいな色してるね! こんなの見てみんなでうなってたの?」
ネルが土木組の後ろから、青紫色の物体を見てそう答えた。
「確かに、魔石の色に似てるな。あれ? 何かがここまで出てきてるのに、分からんな。ネルはこの模様に見覚えがないか?」
「ん~、ない!」
ネルには見覚えがないようだ。
「あっ! シュウ様! この模様って魔核の模様に似てませんか?」
土木組のメンバーの1人にそう言われて、慌てて魔石を取り出し適当なプログラムを書き込み魔核にする。
「本当だ。魔核の中にある模様と一緒だな。だから見覚えがあったのか。よく思い出してくれた!」
思い出してくれた土木組のメンバーの子の頭をなでくりまわす。その様子をネルが羨ましそうな表情で見ていたのには誰も気付かなかった。
おやつの後の作業が開始されると、俺たちはまた頭を悩ます事になる。
「ん~これが魔核の中にある模様と同じだって事はよくわかったけど、だからと言ってどうすればいいんだ? あの模様につかわれてるのが魔石だったとして、どうやって加工されたモノなんだ? それにこの魔導具の出力ってどうやって決まるんだ? 分からないことだらけなんだが」
これについて誰か知ってるやつでもいればいいんだけどな……もしくは、これにつかわれてる技術についての本とかないかな? 何か知らねえかバカ神!!
『んぁ? 私寝てないわよ?』
誰もそんなこと言ってねえし、何でこっちの事注視してるわけじゃない睡眠時に俺の声がお前に届くんだよ! 意味不明だろうが!
『だから! 寝てないって言ってるでしょ!』
今回の問題点はそこじゃねえよ。久々にお前と話してイラッとしたわ。
『失礼ね! で、今日は何の用なの?』
やっぱり寝てて人の話聞いてないだろ。
『だから! 寝てないって言ってるでしょ!』
一言一句違わない言い訳きた。まぁ寝てた事はどうでもいいとして、今手元に魔導具があるんだけど、これの製法について何か知らない? それかこの製法について書いてある書物とかない?
『寝てないってばって、また昔の魔導具を引っ張り出してきたのね。昔だからと言って、今より劣ってたわけじゃないからね。どのくらい前か忘れたけど、あなたと同じ世界から来た勇者が作った魔導具ね。
それよりもっと昔にクリエイトゴーレムで作られた魔導具をいくつも研究して、クリエイトゴーレムが無くても、魔力補給のいらない魔導具を作り出したのよ』
へ~昔の人が研究して作った魔導具なのか。まぁそれはいいとして! 作成方法を知ってるのか?
『知るわけないじゃない! 私はそんなものが無くても、イメージするだけで魔導具なんて作れちゃうからね! 原理なんて分からなくても大丈夫なのよ! どうだ! まいったか!』
無い胸を張って、ドヤ顔してるチビ神が目に浮かぶぜ。
『無いって言うな! まだ成長期なのよ! それにチビじゃないってば! 本当に失礼なやつね!』
ってかさ、魔導具の作り方を知らんのなら、用はないんだが。
『まぁちょっと待ってなさい、確か勇者関連の情報はここら辺に……あったあった。あの時は珍しかったからよく覚えてるんだよ。あいつが書き残した書物がいくつもあるから、DPのラインナップに入れておいてあげるわ! ありがたく思いなさい!』
おぉ! 珍しくチビ神が仕事しただと!? 明日雪が降るかもしれないな! とりあえずサンキュー、もう用無いからまたな!
『ちょ! あなたまt……』
「2人共、今チビ神からヒントになる書物を召喚できるようにしてもらったから出すぞ!」
チビ神が召喚のラインナップに入れた、勇者の書いた書物を召喚した。
「っと、ちょっと数多すぎねえか? 100冊以上あんぞ! 1つ読んでみるか……✕✕年◇◇月△△日、今日はこの世界に来てちょうど2年が経った。勇者としていろんな街へ行ったが、街の状況はどこも良くない……
って、日記じゃねえか! こんなもんいらんわ! あのチビ神、もしかしてどれがその書物か分からないから、その勇者が書いた書物を全部召喚できるようにしやがったな! 肝心なとこで使えん!」
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