877 / 2,518
第877話 オーク豚の活躍
しおりを挟む
シルキーの実験の結果生まれた家畜の試食会が終わった。概ね美味しかったが、豚とオークの掛け合わせには、何も言えなくなったが……
そこはまぁいい、この豚の有用性を実験するために、今フェピーの所へ来ている。
「久しぶり! 元気してたみたいだな。今日は、フェピーに実験してもらいたい物があって持ってきたんだけど、お願いしていいか?」
「……さっきまでは元気だったが、急に元気が無くなったよ」
「まじか? 大丈夫か? また出直してきた方がいい?」
「いや、また来られるなら結果は変わらんよ。というか、分かってて言ってるよね?」
「もちろん! でもさ、そんなやな顔しなくてもよくね? 面倒事を持ってきてる自覚はあるけど、全部俺の所為じゃないし! これまでの面倒事は、ほとんど巻き込まれただけだし」
「確かにその通りなんだけど、それに私を巻き込まないでほしいのさ。で、どうせろくでもない事だと思うけど、何を実験してほしいって言うんだい?」
「納得いかないが、今日はその話で来たんだしな。家で品種改良して繁殖させた豚を育ててみないかという相談だ」
「豚ね。ディストピアやゴーストタウンのおかげで、この街は潤っていると言っても、家畜を育てる余裕はそこまでないんだがね」
「俺だってそんな事は分かってるわ。それなのに話を持ってきた事を考えれば、少しは興味がわかないか?」
フェピーが眉間に深いしわを作り悩む。
「一応、話だけは聞かせてもらおうか」
「初めにこっちからも聞くけど、どうしても廃棄される食材ってあるよな?」
「もちろんだが、それが何か?」
「俺が持ってきた豚は、廃棄される食材、腐った食材でも問題なく食べてくれるスーパーな豚だ。しかも、普通の家畜みたいに餌で味が変わることが、ほとんどない優れものだぞ! しかも美味い!」
俺の話を聞いて、吟味しているのか呆気にとられているのか分からないが、意味が理解できると目の色が変わった。
「その話本当か? 別に腐った食材だけでなく、草とかでも問題はないんだよな? 繁殖は難しいのか?」
「いっぺんに聞くな! こっちも混乱するだろうが! とりあえず、これを食べてみろ」
そういって、昨日食べたカツサンドをフェピーに差し出す。近くにいた騎士が毒見をしようとして、フェピーに止められた。
「お主、何をしようとしているのだ? これは私に出されたものだぞ?」
「何をおっしゃいます。フェピー様の口に入るモノですから、毒見をしないわけにはいきますまい」
何やら醜い争いが始まった。俺が持ってくる食事が美味しいのを理解している2人は、自分が食べると主張しているのだ。騎士は毒見という名で、カツサンドを狙っているという事だ。
2分程醜い争いをしていると、横でお茶を持ってきたメイド長が、しれっとカツサンドを食べた。
「まぁ、シュウ様! これは美味しいですわね。このお肉がシュウ様の言っていた豚ですか?」
「あっ! メイド長! 勝手に私のカツサンドを食べるな! それはシュウが私に持ってきてくれたものだぞ!」
「いえ、2人共食事を前に言い争いをしていたので、嫌いな食べ物だと思いまして。それにシュウ様がせっかく持ってきてくださったのに、残すのは失礼という物です! それなら私が食べるべきではないでしょうか?」
2人共、メイド長の勝手な言い訳に絶句している。
「醜く言い争ってる2人は放っておいて、その豚の感想を聞かせてくれないか?」
「そうですね。見た目は脂身がほとんどないのに、肉汁からは脂身の味が感じられます。オーク肉でもここまでの味は、出ないのではないでしょうか? 気になったのですが、この豚は脂身が少ないのでしょうか?」
「さすがメイド長! いい舌をしてるね。この豚は、普通の豚より1割程餌が少なくて済みますが、繁殖も成長も普通の豚より容易です。それなのに普通の豚の3割程大きく育ちます。ですが、可食部は普通の豚と大差がありません」
「……もしかして! 脂身が多いという事ですか?」
「その通りです」
「ということは、その脂身から油がたくさんとれるという事ですね? そうなると、食事に油を使う事ができるという事ですね! このカツやゴーストタウンで食べた、揚げ物が作りやすくなるのですね!」
「そういうこと。でフェピー、一応俺たちの方でも実験して持ち込んでるんだけど、他の街で育つと味が変わるのか分からないから、実験してもらいたいってことだ。実験してもらうんだから、多少の融通はきかせるぞ?」
「分かりました! このフェピー、シュウ様のお力になるため実験に協力いたしましょう! ですが1つ聞いておきたい事が、見返りは何をお求めで?」
「実験してくれるなら何も無いよ。しいて言うなら、生きている豚をフェピーの管理していない街に売るのだけは避けてほしいな。売るとしても、雄だけとか広まらないようにしてほしい事くらいかな」
「加工品は売ってもいいという事ですよね? 生きたまま輸送するのはリスクが高いので、あまりしないと思いますが、何故ですか?」
「俺の商会がいろんな街に出店してるのは知ってるよな? そこで孤児院を作ったりしてるのも知ってると思う。で、出店したほとんどの街では、廃棄される食材の処理が追いついてなくて、スラムの人間なんかが食べて死んでしまい、腐敗して病原菌をまき散らすケースも少なくない。
そんな食材でも育つ豚がいるのなら……後は分かるだろ?」
「なるほど、廃棄される食材を回収して、豚に食べさせる。衛生面も良くなり、廃棄される食材の処理に人手がとられなくなる。そして、そう言った食材であれば、孤児院の子どもたちでも回収は容易、自分の食い扶持を自分で稼げるようになる。よく考えられていますが、運べる量に限界があるのでは?」
「そこは、しっかりと考えてある。リアカーに蓋のできるバケツをたくさん積みこんで、運んでいる最中に臭いができるだけ外に出ないように工夫するし、そのリアカーなら子どもが3人もいれば、何十人分の重量を運べるようになるんだよ。
別に子供の仕事じゃなくて、人を雇って回収する専門の人手があってもいい。だって、餌代はほぼタダになるわけだし。ちなみに、糞はしっかりと処理すれば肥料になるぞ」
「そういう事でしたら、さすがに生きたまま出荷するのは避けてほしいと思いますね。分かりました。売り物になるかは、実験の結果次第だとは思いますが、廃棄される食材の処理が容易になるだけですからね。それはそれで便利だと思います」
それから少し雑談をしてから豚を雄雌5頭ずつ受け渡して、サービスで外壁の外に養豚ができるサイズの壁を作ってあげた。
次の日には、フレデリクとリーファスに豚を持って行った。
あの街は地下にスライムがいるので、一般家庭から出た残飯はトイレに流されるため、回収する事はないが、飲食店や宿なんかには専用のバケツを用意して、そこに入れておくと大体の重さで税金が安くなるという風にして、まとまって廃棄されるところから回収する事になった。
豚の住む場所は、実験農園の一画に豚舎をつくり、朝畑を休ませている場所に連れていき雑草などを食べてもらい、夕方に豚舎へ連れていく形になった。子どもたちの仕事として、廃棄される食材の回収は人気となり、家計の助けになると一生懸命働いてくれている。
俺が管理している街でも、子どもたちが1日中勉強しているわけじゃないからな。朝夕に回収して、その間に勉強といった感じだ。子どもたちは、自分たちも何かできると率先して働くため、下手な大人よりしっかりと仕事をしてくれるしな。
でも、清潔面に問題が出てくるから、仕事の後にはしっかりと体を洗えるように、豚舎の近くにダンマスのスキルで温泉を準備しておいた。手袋や専用の服なんかも準備してある。
後々、女の子たちが服の洗濯や豚たちの健康管理、男の子が廃棄食材の回収という役割分担になったとか。
これをモデルケースとして、近い将来俺の商会のある街では、豚肉やラードが一般家庭でも、少し高級だが食べれるようになった。
そこはまぁいい、この豚の有用性を実験するために、今フェピーの所へ来ている。
「久しぶり! 元気してたみたいだな。今日は、フェピーに実験してもらいたい物があって持ってきたんだけど、お願いしていいか?」
「……さっきまでは元気だったが、急に元気が無くなったよ」
「まじか? 大丈夫か? また出直してきた方がいい?」
「いや、また来られるなら結果は変わらんよ。というか、分かってて言ってるよね?」
「もちろん! でもさ、そんなやな顔しなくてもよくね? 面倒事を持ってきてる自覚はあるけど、全部俺の所為じゃないし! これまでの面倒事は、ほとんど巻き込まれただけだし」
「確かにその通りなんだけど、それに私を巻き込まないでほしいのさ。で、どうせろくでもない事だと思うけど、何を実験してほしいって言うんだい?」
「納得いかないが、今日はその話で来たんだしな。家で品種改良して繁殖させた豚を育ててみないかという相談だ」
「豚ね。ディストピアやゴーストタウンのおかげで、この街は潤っていると言っても、家畜を育てる余裕はそこまでないんだがね」
「俺だってそんな事は分かってるわ。それなのに話を持ってきた事を考えれば、少しは興味がわかないか?」
フェピーが眉間に深いしわを作り悩む。
「一応、話だけは聞かせてもらおうか」
「初めにこっちからも聞くけど、どうしても廃棄される食材ってあるよな?」
「もちろんだが、それが何か?」
「俺が持ってきた豚は、廃棄される食材、腐った食材でも問題なく食べてくれるスーパーな豚だ。しかも、普通の家畜みたいに餌で味が変わることが、ほとんどない優れものだぞ! しかも美味い!」
俺の話を聞いて、吟味しているのか呆気にとられているのか分からないが、意味が理解できると目の色が変わった。
「その話本当か? 別に腐った食材だけでなく、草とかでも問題はないんだよな? 繁殖は難しいのか?」
「いっぺんに聞くな! こっちも混乱するだろうが! とりあえず、これを食べてみろ」
そういって、昨日食べたカツサンドをフェピーに差し出す。近くにいた騎士が毒見をしようとして、フェピーに止められた。
「お主、何をしようとしているのだ? これは私に出されたものだぞ?」
「何をおっしゃいます。フェピー様の口に入るモノですから、毒見をしないわけにはいきますまい」
何やら醜い争いが始まった。俺が持ってくる食事が美味しいのを理解している2人は、自分が食べると主張しているのだ。騎士は毒見という名で、カツサンドを狙っているという事だ。
2分程醜い争いをしていると、横でお茶を持ってきたメイド長が、しれっとカツサンドを食べた。
「まぁ、シュウ様! これは美味しいですわね。このお肉がシュウ様の言っていた豚ですか?」
「あっ! メイド長! 勝手に私のカツサンドを食べるな! それはシュウが私に持ってきてくれたものだぞ!」
「いえ、2人共食事を前に言い争いをしていたので、嫌いな食べ物だと思いまして。それにシュウ様がせっかく持ってきてくださったのに、残すのは失礼という物です! それなら私が食べるべきではないでしょうか?」
2人共、メイド長の勝手な言い訳に絶句している。
「醜く言い争ってる2人は放っておいて、その豚の感想を聞かせてくれないか?」
「そうですね。見た目は脂身がほとんどないのに、肉汁からは脂身の味が感じられます。オーク肉でもここまでの味は、出ないのではないでしょうか? 気になったのですが、この豚は脂身が少ないのでしょうか?」
「さすがメイド長! いい舌をしてるね。この豚は、普通の豚より1割程餌が少なくて済みますが、繁殖も成長も普通の豚より容易です。それなのに普通の豚の3割程大きく育ちます。ですが、可食部は普通の豚と大差がありません」
「……もしかして! 脂身が多いという事ですか?」
「その通りです」
「ということは、その脂身から油がたくさんとれるという事ですね? そうなると、食事に油を使う事ができるという事ですね! このカツやゴーストタウンで食べた、揚げ物が作りやすくなるのですね!」
「そういうこと。でフェピー、一応俺たちの方でも実験して持ち込んでるんだけど、他の街で育つと味が変わるのか分からないから、実験してもらいたいってことだ。実験してもらうんだから、多少の融通はきかせるぞ?」
「分かりました! このフェピー、シュウ様のお力になるため実験に協力いたしましょう! ですが1つ聞いておきたい事が、見返りは何をお求めで?」
「実験してくれるなら何も無いよ。しいて言うなら、生きている豚をフェピーの管理していない街に売るのだけは避けてほしいな。売るとしても、雄だけとか広まらないようにしてほしい事くらいかな」
「加工品は売ってもいいという事ですよね? 生きたまま輸送するのはリスクが高いので、あまりしないと思いますが、何故ですか?」
「俺の商会がいろんな街に出店してるのは知ってるよな? そこで孤児院を作ったりしてるのも知ってると思う。で、出店したほとんどの街では、廃棄される食材の処理が追いついてなくて、スラムの人間なんかが食べて死んでしまい、腐敗して病原菌をまき散らすケースも少なくない。
そんな食材でも育つ豚がいるのなら……後は分かるだろ?」
「なるほど、廃棄される食材を回収して、豚に食べさせる。衛生面も良くなり、廃棄される食材の処理に人手がとられなくなる。そして、そう言った食材であれば、孤児院の子どもたちでも回収は容易、自分の食い扶持を自分で稼げるようになる。よく考えられていますが、運べる量に限界があるのでは?」
「そこは、しっかりと考えてある。リアカーに蓋のできるバケツをたくさん積みこんで、運んでいる最中に臭いができるだけ外に出ないように工夫するし、そのリアカーなら子どもが3人もいれば、何十人分の重量を運べるようになるんだよ。
別に子供の仕事じゃなくて、人を雇って回収する専門の人手があってもいい。だって、餌代はほぼタダになるわけだし。ちなみに、糞はしっかりと処理すれば肥料になるぞ」
「そういう事でしたら、さすがに生きたまま出荷するのは避けてほしいと思いますね。分かりました。売り物になるかは、実験の結果次第だとは思いますが、廃棄される食材の処理が容易になるだけですからね。それはそれで便利だと思います」
それから少し雑談をしてから豚を雄雌5頭ずつ受け渡して、サービスで外壁の外に養豚ができるサイズの壁を作ってあげた。
次の日には、フレデリクとリーファスに豚を持って行った。
あの街は地下にスライムがいるので、一般家庭から出た残飯はトイレに流されるため、回収する事はないが、飲食店や宿なんかには専用のバケツを用意して、そこに入れておくと大体の重さで税金が安くなるという風にして、まとまって廃棄されるところから回収する事になった。
豚の住む場所は、実験農園の一画に豚舎をつくり、朝畑を休ませている場所に連れていき雑草などを食べてもらい、夕方に豚舎へ連れていく形になった。子どもたちの仕事として、廃棄される食材の回収は人気となり、家計の助けになると一生懸命働いてくれている。
俺が管理している街でも、子どもたちが1日中勉強しているわけじゃないからな。朝夕に回収して、その間に勉強といった感じだ。子どもたちは、自分たちも何かできると率先して働くため、下手な大人よりしっかりと仕事をしてくれるしな。
でも、清潔面に問題が出てくるから、仕事の後にはしっかりと体を洗えるように、豚舎の近くにダンマスのスキルで温泉を準備しておいた。手袋や専用の服なんかも準備してある。
後々、女の子たちが服の洗濯や豚たちの健康管理、男の子が廃棄食材の回収という役割分担になったとか。
これをモデルケースとして、近い将来俺の商会のある街では、豚肉やラードが一般家庭でも、少し高級だが食べれるようになった。
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
救国の大聖女は生まれ変わって【薬剤師】になりました ~聖女の力には限界があるけど、万能薬ならもっとたくさんの人を救えますよね?~
日之影ソラ
恋愛
千年前、大聖女として多くの人々を救った一人の女性がいた。国を蝕む病と一人で戦った彼女は、僅かニ十歳でその生涯を終えてしまう。その原因は、聖女の力を使い過ぎたこと。聖女の力には、使うことで自身の命を削るというリスクがあった。それを知ってからも、彼女は聖女としての使命を果たすべく、人々のために祈り続けた。そして、命が終わる瞬間、彼女は後悔した。もっと多くの人を救えたはずなのに……と。
そんな彼女は、ユリアとして千年後の世界で新たな生を受ける。今度こそ、より多くの人を救いたい。その一心で、彼女は薬剤師になった。万能薬を作ることで、かつて救えなかった人たちの笑顔を守ろうとした。
優しい王子に、元気で真面目な後輩。宮廷での環境にも恵まれ、一歩ずつ万能薬という目標に進んでいく。
しかし、新たな聖女が誕生してしまったことで、彼女の人生は大きく変化する。
鮮明な月
碧
BL
鮮明な月のようなあの人のことを、幼い頃からひたすらに思い続けていた。叶わないと知りながら、それでもただひたすらに密やかに思い続ける源川仁聖。叶わないのは当然だ、鮮明な月のようなあの人は、自分と同じ男性なのだから。
彼を思いながら、他の人間で代用し続ける矛盾に耐えきれなくなっていく。そんな時ふと鮮明な月のような彼に、手が届きそうな気がした。
第九章以降は鮮明な月の後日談
月のような彼に源川仁聖の手が届いてからの物語。
基本的にはエッチ多目だと思われます。
読む際にはご注意下さい。第九章以降は主人公達以外の他キャラ主体が元気なため誰が主人公やねんなところもあります。すみません。
転移魔法に失敗したら大変な事に巻き込まれたようです。
ミカヅキグマ
ファンタジー
魔導師のヴァージニアは転移魔法に失敗して見知らぬ島に来てしまった。
地図にも載っていないその島には何やら怪しげな遺跡がポツンと建っていた。ヴァージニアはただでさえ転移魔法の失敗で落ち込んでいるのに、うっかりその遺跡に閉じ込められてしまう。彼女が出口を探すために仕方なく遺跡の奥に進んで行くと、なんとそこには一人の幼い少年がいた。何故こんな所に少年が? 彼は一体何者なのだろうか?
ヴァージニアは少年の正体が世界を揺るがす出来事に発展するとは露程も思っていなかったのだった……。
※台詞が多めです。現在(2021年11月)投稿している辺りだと地の文が増えてきています。
※最終話の後に登場人物紹介がありますので、少しのネタバレならOKという方はどうぞご覧下さい。
ネタバレ
※ヴァージニア(主人公)が抱く疑問は地竜とキャサリンが登場すると解けていきます。(伏線回収)
さらにネタバレ
※何度もループしている世界の話ですが、主人公達は前の世界の記憶を持っていません。しかし違和感などは覚えています。(あんまりループ要素はないです)
さらにさらにネタバレ?
※少年の正体は早い段階で出てるじゃないかと思っている方……、それじゃないんです。別にあるんです。
没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!
日之影ソラ
ファンタジー
かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。
しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。
ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。
そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。
こちらの作品の連載版です。
https://ncode.syosetu.com/n8177jc/
悪魔だと呼ばれる強面騎士団長様に勢いで結婚を申し込んでしまった私の結婚生活
束原ミヤコ
恋愛
ラーチェル・クリスタニアは、男運がない。
初恋の幼馴染みは、もう一人の幼馴染みと結婚をしてしまい、傷心のまま婚約をした相手は、結婚間近に浮気が発覚して破談になってしまった。
ある日の舞踏会で、ラーチェルは幼馴染みのナターシャに小馬鹿にされて、酒を飲み、ふらついてぶつかった相手に、勢いで結婚を申し込んだ。
それは悪魔の騎士団長と呼ばれる、オルフェレウス・レノクスだった。
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします
ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、
王太子からは拒絶されてしまった。
欲情しない?
ならば白い結婚で。
同伴公務も拒否します。
だけど王太子が何故か付き纏い出す。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる