845 / 2,518
第845話 どうしたもんか?
しおりを挟む
一緒に来ていた妻たちが、怪我をしていた女性の体をきれいにしてから、すぐに移動を開始した。馬車は3台連結しての移動である。行きは1台、帰りは3台……普通の馬なら動かすのに苦労する重量でも、さすがウォーホースというべきだろう、これだけ連結しても問題なく引いてしまう力があるのだ。
馬車の順番は前から、俺たち、怪我をしていた女性たち、屑共の順につなげている。
妻たちに屑共の監視をさせるつもりはなかったので、俺が監視している。怪我をしていた女性たちの乗っている馬車の上から、中を覗ける位置に座っている。お供としてニコが俺の頭の上に鎮座している。動きがあったら教えるようにお願いしておいたので、のんびりとブッ君で読書をしている。
ウォーホースが引いているので15分もかからずに到着した。その間に誰も起きる事はなかった。まぁ、個人差はあるにせよ、薬の効果が出てから最低でも4時間は昏睡状態になるので、問題は起きなかった。
「ただいま~、ツィード君いるのは分かっている! すぐに出てきなさい! すぐに出てきたら、アクアに俺からもできるだけ怒らないように言っておくからさ」
「ほんと!? 本当にアクアの姉御に怒らないように言ってくれるの!?」
「今回、ツィード君が何をやらかしたか知らないけど、口添えはしてやるよ。でも、しでかしてしまった事が余りにも酷かった場合は、俺じゃあ庇いきれない事は分かってるよね?」
「それでもいい! だからお願い! 口添えして!」
「じゃぁ、連れてきたこっちの馬車の中の人たちを起こして、尋問できるようにコントロールしてくれ」
「そんなの朝飯前だぜ! おいらに任しときな!」
そう言って、昏睡状態にある10人を起こして、闇魔法を使い洗脳に近い状態にしてくれた。催眠でもいいんじゃないかな? って思ったが、個人差があるしこっちの方が簡単で、魔法を解けば影響がほぼないからという事でこの方式になった。
それにしても、魔法薬の効果を打ち消すことはできないのに、睡眠・昏睡状態にある人間は、起こせるって言うんだから不思議だよな。睡眠っていう1つの状態だから、起こす事ができるんかな? 何かのゲームにもこういった感じの話し有ったもんな。
10人を起こして聞いてみた所、2人がケガをしていない4人の仲間だという事が判明した。ひどい事をされていたが、まだ誰も死んでいないとの事だった。
不幸中の幸いとでも言うべきだろうか、あいつらが来て3日目だったのだ。後1日遅ければこの中から死人が出ていたかもしれない。心のケアをしてあげないとな。スライムやモフモフたちに頑張ってもらおうか?
「元仲間の2人以外は問題なさそうだから、いったん……ジャルジャンかゴーストタウンに連れていこうか?」
「ご主人様、この人たちの話を聞かずにつれていくのは問題があると思うので、いったんカレリアの治療院に預けてみてはどうですか? もしそれで、信用できないと言って治療院を飛び出すのであれば、縁が無かったという事でしょう」
なるほど、この人たちの意見を聞かずに連れていけば拉致したような物か……尋問の際に、望んであそこにいたわけじゃない事は分かっているが、心の中までは分からんもんな。
「よし、そうしよう。ツィード君、俺がいない所で魔法を解除してくれ。そしたら、妻たちに後は任せる。そだ、シルキーには体に優しい物を準備するように言ってくれ。俺は……この屑共の対処かな」
俺の指示に従ってみんなが行動を開始する。怪我をしていた女性達に話をするメンバー、シルキーに伝言に行くメンバー、夜番のために早めに就寝するメンバー、カレリアに連絡を取るメンバーと、みんなが分かれて行動を開始する。
俺は、残った汚い屑共を見て、
「どうするのがベターかな? 起こしてから連れてく? 連れてってから起こす? と言っても、カレリアに高ランク犯罪者の拘留できる場所が無かった気がするな。預ければいいかって適当に考えてたけど、あんまりよくないよな……どうしたものか?」
「兄貴! 解除してきました! あいたっ!!」
俺の事を兄貴と呼んできたので、頭に拳骨を落とした。ツィード君はすぐに調子に乗るから、ちょこちょこシメておかないとな。
「俺を兄貴と呼ぶな! 何度言えばわかるんだ。だからアクアにも怒られるんだよ。学習しろよ」
涙目になって俺の事を見てくるが、無視だ。問題はこいつらをどうするかだな、装備は全部取ったからな。指輪やイヤリング等は全部外したし、耐性なんかを上げられる物は何もないんだけど……
ツィード君と比べて、トリプルの冒険者パーティーの人間は、レベルが高いんだよな。これだとレジストされる可能性がな。
「とりあえず、この首輪つけたらどうっすか?」
「そうだな、ツィード君謹製の奴隷の首輪をつけるか。ツィード君は女の方につけてくれ、俺は男の方につけるから、よろしく」
手分けをしてトリプル冒険者5人、怪我をしていなかった女4人、もともと仲間だったが怪我をしていた2人に奴隷の首輪をつけていく。
「さて、起こすべきか起こさぬべきか……」
「あ、どっちにしても、こっちの2人魔法の効果が切れたら起きちゃいますよ?」
「そっか、起きちまうか。どうせならまとめて起こすか。でもその前に、綾乃の新作、人造ゴーレム重戦士バージョンを使うか」
綾乃が暇な時間を使って、人造ゴーレムを改造していたのは知っていたので、新作を出してもらったら、戦隊モノの重戦士が出てきてビビったわ。しかも機能違いかと思ったら、単なる色違いで5体作ってみたとか言われてズッコケたな。
トリプルの冒険者パティーはちょうど5人だからいいだろう。女の方は、普通の人造ゴーレムでいっか、微妙にレベルは高いけど強いわけじゃないしな。
「ツィード君起こしてくれ」
そういうと、隣でムンムン言い始めて、ピカッと光ったと思ったら11人が目を覚ました。昏睡状態と洗脳状態を同時に解いたのか。さすが闇精霊というべきだろうか?
「「「「「「ん……ん?」」」」」」
馬車の順番は前から、俺たち、怪我をしていた女性たち、屑共の順につなげている。
妻たちに屑共の監視をさせるつもりはなかったので、俺が監視している。怪我をしていた女性たちの乗っている馬車の上から、中を覗ける位置に座っている。お供としてニコが俺の頭の上に鎮座している。動きがあったら教えるようにお願いしておいたので、のんびりとブッ君で読書をしている。
ウォーホースが引いているので15分もかからずに到着した。その間に誰も起きる事はなかった。まぁ、個人差はあるにせよ、薬の効果が出てから最低でも4時間は昏睡状態になるので、問題は起きなかった。
「ただいま~、ツィード君いるのは分かっている! すぐに出てきなさい! すぐに出てきたら、アクアに俺からもできるだけ怒らないように言っておくからさ」
「ほんと!? 本当にアクアの姉御に怒らないように言ってくれるの!?」
「今回、ツィード君が何をやらかしたか知らないけど、口添えはしてやるよ。でも、しでかしてしまった事が余りにも酷かった場合は、俺じゃあ庇いきれない事は分かってるよね?」
「それでもいい! だからお願い! 口添えして!」
「じゃぁ、連れてきたこっちの馬車の中の人たちを起こして、尋問できるようにコントロールしてくれ」
「そんなの朝飯前だぜ! おいらに任しときな!」
そう言って、昏睡状態にある10人を起こして、闇魔法を使い洗脳に近い状態にしてくれた。催眠でもいいんじゃないかな? って思ったが、個人差があるしこっちの方が簡単で、魔法を解けば影響がほぼないからという事でこの方式になった。
それにしても、魔法薬の効果を打ち消すことはできないのに、睡眠・昏睡状態にある人間は、起こせるって言うんだから不思議だよな。睡眠っていう1つの状態だから、起こす事ができるんかな? 何かのゲームにもこういった感じの話し有ったもんな。
10人を起こして聞いてみた所、2人がケガをしていない4人の仲間だという事が判明した。ひどい事をされていたが、まだ誰も死んでいないとの事だった。
不幸中の幸いとでも言うべきだろうか、あいつらが来て3日目だったのだ。後1日遅ければこの中から死人が出ていたかもしれない。心のケアをしてあげないとな。スライムやモフモフたちに頑張ってもらおうか?
「元仲間の2人以外は問題なさそうだから、いったん……ジャルジャンかゴーストタウンに連れていこうか?」
「ご主人様、この人たちの話を聞かずにつれていくのは問題があると思うので、いったんカレリアの治療院に預けてみてはどうですか? もしそれで、信用できないと言って治療院を飛び出すのであれば、縁が無かったという事でしょう」
なるほど、この人たちの意見を聞かずに連れていけば拉致したような物か……尋問の際に、望んであそこにいたわけじゃない事は分かっているが、心の中までは分からんもんな。
「よし、そうしよう。ツィード君、俺がいない所で魔法を解除してくれ。そしたら、妻たちに後は任せる。そだ、シルキーには体に優しい物を準備するように言ってくれ。俺は……この屑共の対処かな」
俺の指示に従ってみんなが行動を開始する。怪我をしていた女性達に話をするメンバー、シルキーに伝言に行くメンバー、夜番のために早めに就寝するメンバー、カレリアに連絡を取るメンバーと、みんなが分かれて行動を開始する。
俺は、残った汚い屑共を見て、
「どうするのがベターかな? 起こしてから連れてく? 連れてってから起こす? と言っても、カレリアに高ランク犯罪者の拘留できる場所が無かった気がするな。預ければいいかって適当に考えてたけど、あんまりよくないよな……どうしたものか?」
「兄貴! 解除してきました! あいたっ!!」
俺の事を兄貴と呼んできたので、頭に拳骨を落とした。ツィード君はすぐに調子に乗るから、ちょこちょこシメておかないとな。
「俺を兄貴と呼ぶな! 何度言えばわかるんだ。だからアクアにも怒られるんだよ。学習しろよ」
涙目になって俺の事を見てくるが、無視だ。問題はこいつらをどうするかだな、装備は全部取ったからな。指輪やイヤリング等は全部外したし、耐性なんかを上げられる物は何もないんだけど……
ツィード君と比べて、トリプルの冒険者パーティーの人間は、レベルが高いんだよな。これだとレジストされる可能性がな。
「とりあえず、この首輪つけたらどうっすか?」
「そうだな、ツィード君謹製の奴隷の首輪をつけるか。ツィード君は女の方につけてくれ、俺は男の方につけるから、よろしく」
手分けをしてトリプル冒険者5人、怪我をしていなかった女4人、もともと仲間だったが怪我をしていた2人に奴隷の首輪をつけていく。
「さて、起こすべきか起こさぬべきか……」
「あ、どっちにしても、こっちの2人魔法の効果が切れたら起きちゃいますよ?」
「そっか、起きちまうか。どうせならまとめて起こすか。でもその前に、綾乃の新作、人造ゴーレム重戦士バージョンを使うか」
綾乃が暇な時間を使って、人造ゴーレムを改造していたのは知っていたので、新作を出してもらったら、戦隊モノの重戦士が出てきてビビったわ。しかも機能違いかと思ったら、単なる色違いで5体作ってみたとか言われてズッコケたな。
トリプルの冒険者パティーはちょうど5人だからいいだろう。女の方は、普通の人造ゴーレムでいっか、微妙にレベルは高いけど強いわけじゃないしな。
「ツィード君起こしてくれ」
そういうと、隣でムンムン言い始めて、ピカッと光ったと思ったら11人が目を覚ました。昏睡状態と洗脳状態を同時に解いたのか。さすが闇精霊というべきだろうか?
「「「「「「ん……ん?」」」」」」
0
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
救国の大聖女は生まれ変わって【薬剤師】になりました ~聖女の力には限界があるけど、万能薬ならもっとたくさんの人を救えますよね?~
日之影ソラ
恋愛
千年前、大聖女として多くの人々を救った一人の女性がいた。国を蝕む病と一人で戦った彼女は、僅かニ十歳でその生涯を終えてしまう。その原因は、聖女の力を使い過ぎたこと。聖女の力には、使うことで自身の命を削るというリスクがあった。それを知ってからも、彼女は聖女としての使命を果たすべく、人々のために祈り続けた。そして、命が終わる瞬間、彼女は後悔した。もっと多くの人を救えたはずなのに……と。
そんな彼女は、ユリアとして千年後の世界で新たな生を受ける。今度こそ、より多くの人を救いたい。その一心で、彼女は薬剤師になった。万能薬を作ることで、かつて救えなかった人たちの笑顔を守ろうとした。
優しい王子に、元気で真面目な後輩。宮廷での環境にも恵まれ、一歩ずつ万能薬という目標に進んでいく。
しかし、新たな聖女が誕生してしまったことで、彼女の人生は大きく変化する。
鮮明な月
碧
BL
鮮明な月のようなあの人のことを、幼い頃からひたすらに思い続けていた。叶わないと知りながら、それでもただひたすらに密やかに思い続ける源川仁聖。叶わないのは当然だ、鮮明な月のようなあの人は、自分と同じ男性なのだから。
彼を思いながら、他の人間で代用し続ける矛盾に耐えきれなくなっていく。そんな時ふと鮮明な月のような彼に、手が届きそうな気がした。
第九章以降は鮮明な月の後日談
月のような彼に源川仁聖の手が届いてからの物語。
基本的にはエッチ多目だと思われます。
読む際にはご注意下さい。第九章以降は主人公達以外の他キャラ主体が元気なため誰が主人公やねんなところもあります。すみません。
転移魔法に失敗したら大変な事に巻き込まれたようです。
ミカヅキグマ
ファンタジー
魔導師のヴァージニアは転移魔法に失敗して見知らぬ島に来てしまった。
地図にも載っていないその島には何やら怪しげな遺跡がポツンと建っていた。ヴァージニアはただでさえ転移魔法の失敗で落ち込んでいるのに、うっかりその遺跡に閉じ込められてしまう。彼女が出口を探すために仕方なく遺跡の奥に進んで行くと、なんとそこには一人の幼い少年がいた。何故こんな所に少年が? 彼は一体何者なのだろうか?
ヴァージニアは少年の正体が世界を揺るがす出来事に発展するとは露程も思っていなかったのだった……。
※台詞が多めです。現在(2021年11月)投稿している辺りだと地の文が増えてきています。
※最終話の後に登場人物紹介がありますので、少しのネタバレならOKという方はどうぞご覧下さい。
ネタバレ
※ヴァージニア(主人公)が抱く疑問は地竜とキャサリンが登場すると解けていきます。(伏線回収)
さらにネタバレ
※何度もループしている世界の話ですが、主人公達は前の世界の記憶を持っていません。しかし違和感などは覚えています。(あんまりループ要素はないです)
さらにさらにネタバレ?
※少年の正体は早い段階で出てるじゃないかと思っている方……、それじゃないんです。別にあるんです。
没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!
日之影ソラ
ファンタジー
かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。
しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。
ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。
そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。
こちらの作品の連載版です。
https://ncode.syosetu.com/n8177jc/
悪魔だと呼ばれる強面騎士団長様に勢いで結婚を申し込んでしまった私の結婚生活
束原ミヤコ
恋愛
ラーチェル・クリスタニアは、男運がない。
初恋の幼馴染みは、もう一人の幼馴染みと結婚をしてしまい、傷心のまま婚約をした相手は、結婚間近に浮気が発覚して破談になってしまった。
ある日の舞踏会で、ラーチェルは幼馴染みのナターシャに小馬鹿にされて、酒を飲み、ふらついてぶつかった相手に、勢いで結婚を申し込んだ。
それは悪魔の騎士団長と呼ばれる、オルフェレウス・レノクスだった。
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします
ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、
王太子からは拒絶されてしまった。
欲情しない?
ならば白い結婚で。
同伴公務も拒否します。
だけど王太子が何故か付き纏い出す。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる