ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
780 / 2,518

第780話 お休み

しおりを挟む
 休日の土日をのんびり過ごして、月曜日になったので何かをしようとしたが、妻たちに全力で止められた。何故かと思えば、神のダンジョン攻略からずっと働き詰めだと言われたのだ。

 そう考えると、妻たちもみんな同じじゃないかと思ったが、みんなが俺は全体を気にして行動してきたから負担が違う! それに街のためにも一生懸命だったのだから、もっとゆっくりすべきだ! と言われてしまった。

 俺以上にみんなの方が大変だったんじゃないかと思うんだけどな。こうなったら、梃子でも動かないからみんなのいう事を聞いておこう。基本的に俺がする事なんて無いから、休みにされても問題はないんだけどな。そうなると、何をしようかと考えてしまうのも事実で……

 そんな事で悩んでいると、三幼女から学校へ行こう、とのお誘いがあった。土木組の子たちも仕事が無いから、今日は学校に来るんだよ! と言っていたのだ……あれ? あの子たちは別に勉強をしてるんじゃなかったっけ? って、思ったら勉強が学校の子たちに追いついたので、今は一緒に勉強をしているらしい。

 あの子たちの方が勉強進んでたと思ってたのは間違いで、あの子たちは土木に関して先に勉強しており、学校のような勉強は後回しだったらしい。なんというブラックな環境なんだろうか……

 それにしても、学校か……自分が作ったとはいえ、学校に行くのは久しぶりだな。学校にはあんまり思い出がないか? 最近、望郷の念にかられることがたまにあるのに、昔の事を思い出せない事もあるんだよな。この世界になじんできたのかな?

 色々考えても仕方がないので、学校へ行くか。

「3人は、学校へ行くのは楽しいか?」

「うん! 楽しいよ! 友達もいっぱいいるし、いろんなことを教えてくれるからおもしろいよ!」

 そう言ったのはネルだ。シェリルとイリアも一緒のようで、ウンウンと頷いている。この世界では勉強ができるのは、裕福な商人の子どもや貴族の子弟だけなのだ。街の中に住んでいるとはいえ、子供たちは親について仕事をする事が多いのだ。他にも兄弟の面倒を見たりと、勉強する余裕などない家庭も多いそうだ。

 ディストピアでは、学校に行かせるのが親の義務なのだ。それにディストピアでは、子供を働かせなくても問題ないので、親たちは勉強をさせるようになったのだ。

 親たちも夜を使って勉強をする人が増えており、認字率が高くなっている。なので、新聞のような物も作って街の情報や、他の街の情報を記事にして読めるようにしている。

「そっか、他の子たちも楽しんでると思うか?」

「みんな毎日楽しそうにしてるよ? 給食もおいしいから、お昼の時間は戦争みたいに、残りの給食を争ってるね。ああいうのも楽しそうだよ!」

 イリアがそんな事を言っている。俺も中学校の時とか、焼きそばやカレーの時は余る事が多かったから、よくおかわりしてたな。牛乳は嫌いな子がいて余ったりするからもらってたな。昼休みにバスケとかして遊んだ後に、給食室のおばちゃんに余った牛乳を友達ともらいに行ってたっけな?

「給食に牛乳はついてるか?」

 俺は給食の内容をある程度把握しているが、一応3人に聞いてみる。

「もちろんついてるよ! 牛乳瓶に入ったやつ! みんなも好きで、特に男の子は余った牛乳があるとじゃんけんして争奪戦するんだよ! 一気飲み大会みたいな事もするから、よく先生に注意されるんだけどね!」

 給食の時は、日本もこの世界も変わらないな。というか、俺が日本人だから俺の影響が大きくてこうなってる気がするな。

 3人と色々な話をしながら学校まで歩いていく。1階が冒険者ギルドになっているが、子供たちが登校してくる時には、大体落ち着いており静かな物だ。

「あ、シュウ様。おはようございます!」

「「「「おはようございます!」」」」

 ギルド職員の1人が俺の事に気付いて挨拶すると、対応していない職員が全員で挨拶をしてくる。

「みんな、公務でもないのに、いちいち俺に挨拶しなくてもいいよ」

 これも恒例のやり取りなんだけど、冒険者ギルドの職員に聞き入れてもらえる様子は無いんだけどね。ミリーが何かしてたりしないよな?

 俺は、3人に連れられるように学校のある上の階に移動していると、グリエルと遭遇した。

「シュウ様、良い所に。ちょっとお話があるのですがいいですか?」

「ダメなの! 今日はお仕事はしない日だって、お姉ちゃんたちが言ってたから、シェリルたちと一緒に学校へ来てるんだからね!」

 おっと、俺が答える前にシェリルが答えてしまった……今すぐじゃないとまずいなら、シェリルを落ち着かせないとな。

「グリエル、急ぎか?」

「いえ、緊急の用事ではないので、後でも問題ありません。シェリル様、申し訳ありませんでした。後日改めてうかがわせていただきます」

「わかればいいの!」

 なにやらシェリルは、グリエルに上位の人間と認識されているようだ。俺の妻って意味では、領主の配偶者なので、確かに上位の人間ではあるのか?

  といってもシェリルは、姉たちの言いつけを守っているだけだから、グリエルに命令してるわけじゃないし、グリエルもそれが分かっているから、こういう対応なのだろう。

 あまりにも度が過ぎると、シェリルたちが怒るかもしれないからな。怒りだしたら、自分ではおさえきれないのも理解してるからの対応だと思うけどね。

「じゃぁ、報告したい事があったらまとめておいてくれ。時間が空いた時に確認するからよろしく。もし急ぎの用事があるなら、家の方に回しておいてくれ」

 グリエルにそういって俺は、シェリルたちと一緒に教室へ向かう。

 教室に入ると、俺の事を知っている子供たちは、ビンゴ大会や花火大会のお礼を言ってくる。楽しんでくれて何よりだな。教師がくるまで俺はみんなにもみくちゃにされた。学校の勉強は、基本的に国語と算数と理科が中心だ。

 国語は、認字率のためだ。算数は、お金の計算などに苦労しないように勉強させている。理科に関しては、覚えておくと便利な事が多いので勉強させている。他の内容については、子どもたちに任せている。義務なのは昼食までで、昼食後は自由となるが9割以上の子供たちが勉強をしている。勉強熱心だな。

 夕方まで一緒に勉強をして、三幼女と一緒に家に帰った。こんな日もあってもいいよな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

勇者に幼馴染で婚約者の彼女を寝取られたら、勇者のパーティーが仲間になった。~ただの村人だった青年は、魔術師、聖女、剣聖を仲間にして旅に出る~

霜月雹花
ファンタジー
田舎で住む少年ロイドには、幼馴染で婚約者のルネが居た。しかし、いつもの様に農作業をしていると、ルネから呼び出しを受けて付いて行くとルネの両親と勇者が居て、ルネは勇者と一緒になると告げられた。村人達もルネが勇者と一緒になれば村が有名になると思い上がり、ロイドを村から追い出した。。  ロイドはそんなルネや村人達の行動に心が折れ、村から近い湖で一人泣いていると、勇者の仲間である3人の女性がロイドの所へとやって来て、ロイドに向かって「一緒に旅に出ないか」と持ち掛けられた。  これは、勇者に幼馴染で婚約者を寝取られた少年が、勇者の仲間から誘われ、時に人助けをしたり、時に冒険をする。そんなお話である

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

転生したら倉庫キャラ♀でした。

ともQ
ファンタジー
最高に楽しいオフ会をしよう。 ゲーム内いつものギルドメンバーとの会話中、そんな僕の一言からオフ会の開催が決定された。 どうしても気になってしまうのは中の人、出会う相手は男性?女性? ドキドキしながら迎えたオフ会の当日、そのささやかな夢は未曾有の大天災、隕石の落下により地球が消滅したため無念にも中止となる。 死んで目を覚ますと、僕はMMORPG "オンリー・テイル" の世界に転生していた。   「なんでメインキャラじゃなくて倉庫キャラなの?!」 鍛え上げたキャラクターとは《性別すらも正反対》完全な初期状態からのスタート。 加えて、オンリー・テイルでは不人気と名高い《ユニーク職》、パーティーには完全不向き最凶最悪ジョブ《触術師》であった。 ギルドメンバーも転生していることを祈り、倉庫に貯めまくったレアアイテムとお金、最強ゲーム知識をフルバーストしこの世界を旅することを決意する。 道中、同じプレイヤーの猫耳魔法少女を仲間に入れて冒険ライフ、その旅路はのちに《英雄の軌跡》と称される。 今、オフ会のリベンジを果たすため "オンリー・テイル" の攻略が始まった。

処理中です...