ダンマス(異端者)

AN@RCHY

文字の大きさ
上 下
779 / 2,518

第779話 久々の!

しおりを挟む
「ん~何か体が重いな。節々が痛い気がする……って、体が重く感じた理由はこれか」

 打ち上げ花火大会の後、旅館風の大部屋で雑魚寝をしてたんだったな。そして気付いたら三幼女が俺の体を抱き枕にしていたようで、俺は身動きが取れずに、体の節々が痛くなっていたようだ。さすがにこの状態からこの3人を起こさずに、俺は体を動かせるのだろうか?

 難解なパズルを解くように、慎重に体を動かしていく。しばらくすると、

「ご主人様、何をしてるんですか?」

 四苦八苦していると、様子を見に来たクシュリナが俺に声をかけてきた。

「見て分からないか? この3人を起こさずに、起きれないかと頑張っている所だよ」

 小声で答えを返した。その答えを聞いたクシュリナが苦笑している。この娘たちは普段は早起きなんだが、昨日は夜更かし、と言うか思う存分楽しんで寝るのが遅くなったせいで、今も夢の中なのだ。そもそも、この3人はなんで俺にくっついているんだろうか?

「睡眠時間は問題ないと思いますので、起こしたほうがいいと思いますよ」

 どうやら、結構時間が経っているようだ。時計で時間を確認すると、すでに9時になっていた。

「もうこんな時間か……朝風呂に入ろうと思ったのに、いやまだ間に合うな。食事はどうなってる?」

「いつでも食べれるようにしてあります。本日の朝食は、パンになっていますので、トーストが良ければ食べる前に焼きますよ。

 卵はリクエストに応じて、スクランブルエッグや目玉焼きにする事も出来ますので、先にお風呂へ入ってきてはいかがでしょうか? 朝食が10時頃になるのであれば、昼食は軽めの物を13時半頃でよろしいでしょうか?」

「そこらへんはまかせるよ。じゃぁ3人を起こして、俺は風呂行ってくるよ。出てきたら食事をお願い」

「わかりました」

 結婚しているのだから、もう少し楽に話してほしいけど、仕事と言うかスイッチが入ってる時はみんなこんな感じなんだよね。俺に引っ付いている3人を起こして、俺も体を起こす。

「お兄ちゃん、もう朝ですか?」

 ネルが眠そうな目をこすって俺に聞いてきた。こういった寝ぼけている時には、普通に呼んでくれるんだけどな。

「もう9時だぞ! 起きろ~俺はこれから風呂に行ってくるよ」

 3人は9時と聞いて慌てて準備をしようとし始めたが、クシュリナが、今日は休みだからゆっくりしてても大丈夫と優しく声をかけていた。それに安心したのか、慌てていた様子も無くなりぺたりと座り込んだ。シェリルが声をかけてきた。

「私たちも、一緒にお風呂に入ってもいい?」

「一緒に行こうか。着替えは……腕輪の中に入ってるかな?」

「「「はい!」」」

 3人を連れて、朝風呂に向かう。この旅館風の建物は、地元にあった温泉に泊まる場所をアレンジしてつけたようなものだ。もちろん、男風呂と女風呂があるが、基本的に片方の風呂……温泉しか使われていない。

 自宅でもそうだが、俺が妻たちに一緒に連れ込まれるか、俺が入っている所に全員が入り込んでくる形で入浴になるので、最近では1つしかお風呂を使っていない。

 一緒に服を脱いで温泉に向かう。まずは体を洗ってっと、三幼女は一緒に入ると俺に洗ってもらいたがるので、泡泡にしてやって流してやる。その後に俺も温泉に浸かる。3人はすでに浸かっており、ゆっくりしていた。

 あ、ロリコンとかいうなよ? 嫁だからセーフだ! って誰に言い訳してるんだかな……

 30分程、サウナと水風呂、お風呂を堪能して温泉を後にする。食堂へ向かうと焼きたてのパンのいい匂いがした。ここでパンを焼いてるのだろうか? そういえば妻たちが最近パン作りに凝っていて、朝食にパンが出る事が増えたのだ。

 とうとう食パンまで自分達で焼き始めたか? 準備しているのが、ふわふわの焼きたて食パンなのだ。DPで何でも出せるのに、手作りするのはこだわりがあるのだろう。

 かなりお腹が空いていたので、1枚目はトーストをしてもらい、トーストをした食パンにマヨネーズをぬっている間にスクランブルエッグを焼いてもらい乗せてかぶりつく。美味いな……DPで出した食パンより数倍美味い。

 日本で流行っていた食パン専門店の特集を思い出すな。わざわざ専門店で買う理由が分からなかったけど、お金と時間に余裕がある今なら、その気持ちがよくわかる気がする。これは確かに美味いな。

 2枚目は、シンプルにトーストしてバター……シンプルだけに味がいいね。それにバターがいつもと違う気がする。聞いてみたら、バターはシルキーが最近開発したバターを使っているようだ。

 食パンがあまりに美味しかったので、もう1枚食べようと思ったら、シェリル・イリア・ネルがサンドイッチを作ってくれていたので、それをモシャモシャと食べる。ハム・レタス・半熟の目玉焼きを挟んだ特製のサンドイッチを……気付いたら3個も食べていた。

 3枚分のパンを食べた事になる。全部で5枚も食べてしまった。って、普段の朝食は、もっと食べてないっけ? パンだと量が少なくなるのはなんでだろうな?

 3人にサンドイッチのお礼をして、くつろぐことにした。何やかんやで1ヶ月ちょっと忙しかったからな。いや、ダンジョンの事も考えれば、かなり長い時間忙しく動き回ってた事になるもんな。

 ニコとハクとダマを呼んで中庭で遊ぶことにした。ニコをボールにしてダマに投げると、頭で器用にポンポンとリフティングをして、器用に前足で蹴り上げると、飛んでいたハクがキャッチして俺の所に運んできた。こんな感じで、魔獣と戯れてのんびりとした時間を楽しんだ。
しおりを挟む
感想 316

あなたにおすすめの小説

サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道

コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。  主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。  こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。  そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。  修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。    それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。  不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。  記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。     メサメサメサ   メサ      メサ メサ          メサ メサ          メサ   メサメサメサメサメサ  メ サ  メ  サ  サ  メ サ  メ  サ  サ  サ メ  サ  メ   サ  ササ  他サイトにも掲載しています。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

処理中です...