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第763話 予定が……
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目が覚めると、俺は柔らかい感触を頭の後ろに感じた。ここで妻たちの膝枕と勘違いする程、俺の意識は朦朧としていない。この感触は、スライム枕だ。なんというか、俺らしいと言えばらしいか。
色を確認して、ニコであることを確認する。いつ起きるか分からない俺に、枕をできるスライムって何なんだろうな? 思考していないようで、自己主張が激しい。
「ニコありがとな! どれ位寝てたんだろうな?」
ニコにお礼をして、体を起こす。そうすると高速でプルプルしだした。人間の言葉が通じるんだから不思議だよな。俺以外の言葉もわかるから、眷属の力ってわけじゃないと思うけどな。
「そういえば、痛みで意識がとんだんだっけな? どれくらい寝ていたんだろうな? 体は、特に何も感じないし、腕をはやすのにも成功しているから、そんなに時間が経ってるわけでもないだろうな。
時間は、明るいから、朝のっていうには遅い気もするが10時か。確か腕をはやしたのが、夕食の後だったから、短ければ14時間くらい? 可能性とすればあれから、2~3日って所か?」
そんな事を考えていたら、扉から何やら音が聞こえてきた。猫が扉に爪を当てて、カチャカチャいっているような音だ。しばらくすると扉が開いて、ダマが入ってきたのは良いんだが、後ろに連れた……違うな、家の猫に連れられてきたダマって感じだろうか?
その猫たちがダマを飛び越えたり、踏んづけたりして俺のいる部屋に入ってきた。そのまま一目散に俺のベッドの上に乗って、俺に密着するかたちで落ち着いたようだ。
「ダマ……お前、猫たちにも下っ端みたいな事させられてるんだな、ドンマイ」
俺がそういうと、そろりそろりとベッドの上に乗って来て丸くなった。そんなダマの様子を見ていると、走ってくる複数の足音が聞こえてきた。次第に近付いてくるのが分かり、トットット、という音から、ドッドッド、という音に変わってきた。
「「「あーー!! ご主人様が起きてる!」」」
三幼女が騒がしく寝ていた部屋に入ってきた。そういえば、この部屋って俺の部屋じゃないな。どこだっけ? 3人が飛び込んできたので受け止めてあげる。近くにいた猫は、慣れた様子で素早い動きで回避してまた近寄ってきて、くっついてから丸くなっている。
俺の想像以上にこの家の猫は図太い神経をしていて、そんな猫たちに俺は好かれているようだ。家にいる時はこうやって、俺の近くで寝る事が多いのは、単に俺の使っているベッドの寝心地がいいのだろう。そこまで好かれる理由が他に思い浮かばないからな。
「やっぱり、ご主人様が起きてたの! ニャンコちゃんが騒ぎ出したから、そうじゃないかと思って見に来て正解だったの!」
どうやら、猫たちが騒ぎ出したのを察知して、俺が寝てる部屋に行ったんじゃないかと推測して、シェリルが2人を連れてきたようだった。
「おはよう、でいいのかな? どれくらい寝てた?」
「昨日の夜倒れてからだから、14時間くらい? かな?」
やはり1日で目が覚めたようだ。
「急に悲鳴を上げて、倒れたからビックリしたんです! でも、シルキーさんが、手足をはやす時には想像を絶する痛みがはしるって言ってたので、その内目が覚めるとは思っていましたが、やはりあの絶叫を聞いたので心配でした!」
最近、口調が変わってきたのは、ネルだ。ちょっとずつ成長している感じがするな。それに比べて、シェリルは幼さが抜けないというよりは、甘えられなかった期間が長かったから、今甘えているという感じだろうか?
「なくした物を、魔法の力を借りて作り出すんだから、そういう副作用があってもおかしくないよな。骨や筋肉だけじゃなく、神経やその他色々も再生されるんだから、痛いんだろうね。お腹空いたから食事にしたいところだけど、準備ができてるか分かるかな?」
「目が覚めるのは分かってたから、シルキーのみんなが食事の準備をしています。一緒に行きましょう」
そういうと、イリアに手をひかれる形で食堂に向かう事になった。
「あー! イリアちゃんずるい! 私も私も!!」
イリアに対抗して反対の手をシェリルがひいてくれた。後ろからは、今さっきまでベッドの上で丸まっていた猫たちが、並んで着いてきている。その後ろにはネルが見守るように着いてきている。
食堂には、すでに俺の食事が準備されていた。鶏料理が中心に準備されている……と思ったら、最近繁殖に成功したラージラビットを調理したとの事だった。肉の味がいい感じに出ており、鶏とは別の意味で美味いな。
ラージラビットは、たまたま農園で一緒に過ごしていた、普通のウサギの雄と魔物であるホーンラビットが子をなして産まれてきた新種の生物だ。
子をなしたというのは事実なのだが、雄ウサギの魔物が雌ウサギに襲われたという表現が正しい状況だったが、産まれてきた子たちは大きく育って食用になる事が分かり、繁殖させたとの事だ。
葉野菜の収穫の際に捨ててしまう部分を食べて大きく育つようで、農家の人たちが副業みたいな形で、畑エリアで育てられているらしい。実っている野菜を食べる事はないようで、放し飼いにされているとの事だ。
しかも、売り物にならないような野菜を間引いてくれるようで、立派な農家の戦力になっている。そのウサギを食べるのか、逞しいな。
食事が準備され、ささみのような部分をほぐしてサラダに入れ、青じそドレッシングをかけた物や、唐揚げやカツにしてサンドイッチに入っているもの、手羽先に焼き鳥等々、色々な物が準備されていた。俺の好物を用意してくれているが、しっかりと栄養バランスを考えた品々も準備されている。
食事を始めて、不思議な感覚におそわれた。食べても食べてもお腹が膨れないのだ。首をかしげていると、アマレロが「体の一部を再生した人は、痛みで意識失って起きた時の食事量が、平均で4~5倍を平気で平らげてしまう」との事だ。
いつもの数倍食事が準備されていたのは、そのためだったようだ。しかし、自分でも思うが、どこにこんだけの量が体の中に入ってるんだろうな。
食事をもりもり食べている途中で、ピーチが食堂に現れて、今後の予定を告げてきた。あれ? 俺の予定が決まってる? 今までそんな事なかったのに、スケジュール管理までされてしまった。これでは突発的に色々できないじゃないか! って、これを防ぐために俺に暇を与えない作戦か!?
色を確認して、ニコであることを確認する。いつ起きるか分からない俺に、枕をできるスライムって何なんだろうな? 思考していないようで、自己主張が激しい。
「ニコありがとな! どれ位寝てたんだろうな?」
ニコにお礼をして、体を起こす。そうすると高速でプルプルしだした。人間の言葉が通じるんだから不思議だよな。俺以外の言葉もわかるから、眷属の力ってわけじゃないと思うけどな。
「そういえば、痛みで意識がとんだんだっけな? どれくらい寝ていたんだろうな? 体は、特に何も感じないし、腕をはやすのにも成功しているから、そんなに時間が経ってるわけでもないだろうな。
時間は、明るいから、朝のっていうには遅い気もするが10時か。確か腕をはやしたのが、夕食の後だったから、短ければ14時間くらい? 可能性とすればあれから、2~3日って所か?」
そんな事を考えていたら、扉から何やら音が聞こえてきた。猫が扉に爪を当てて、カチャカチャいっているような音だ。しばらくすると扉が開いて、ダマが入ってきたのは良いんだが、後ろに連れた……違うな、家の猫に連れられてきたダマって感じだろうか?
その猫たちがダマを飛び越えたり、踏んづけたりして俺のいる部屋に入ってきた。そのまま一目散に俺のベッドの上に乗って、俺に密着するかたちで落ち着いたようだ。
「ダマ……お前、猫たちにも下っ端みたいな事させられてるんだな、ドンマイ」
俺がそういうと、そろりそろりとベッドの上に乗って来て丸くなった。そんなダマの様子を見ていると、走ってくる複数の足音が聞こえてきた。次第に近付いてくるのが分かり、トットット、という音から、ドッドッド、という音に変わってきた。
「「「あーー!! ご主人様が起きてる!」」」
三幼女が騒がしく寝ていた部屋に入ってきた。そういえば、この部屋って俺の部屋じゃないな。どこだっけ? 3人が飛び込んできたので受け止めてあげる。近くにいた猫は、慣れた様子で素早い動きで回避してまた近寄ってきて、くっついてから丸くなっている。
俺の想像以上にこの家の猫は図太い神経をしていて、そんな猫たちに俺は好かれているようだ。家にいる時はこうやって、俺の近くで寝る事が多いのは、単に俺の使っているベッドの寝心地がいいのだろう。そこまで好かれる理由が他に思い浮かばないからな。
「やっぱり、ご主人様が起きてたの! ニャンコちゃんが騒ぎ出したから、そうじゃないかと思って見に来て正解だったの!」
どうやら、猫たちが騒ぎ出したのを察知して、俺が寝てる部屋に行ったんじゃないかと推測して、シェリルが2人を連れてきたようだった。
「おはよう、でいいのかな? どれくらい寝てた?」
「昨日の夜倒れてからだから、14時間くらい? かな?」
やはり1日で目が覚めたようだ。
「急に悲鳴を上げて、倒れたからビックリしたんです! でも、シルキーさんが、手足をはやす時には想像を絶する痛みがはしるって言ってたので、その内目が覚めるとは思っていましたが、やはりあの絶叫を聞いたので心配でした!」
最近、口調が変わってきたのは、ネルだ。ちょっとずつ成長している感じがするな。それに比べて、シェリルは幼さが抜けないというよりは、甘えられなかった期間が長かったから、今甘えているという感じだろうか?
「なくした物を、魔法の力を借りて作り出すんだから、そういう副作用があってもおかしくないよな。骨や筋肉だけじゃなく、神経やその他色々も再生されるんだから、痛いんだろうね。お腹空いたから食事にしたいところだけど、準備ができてるか分かるかな?」
「目が覚めるのは分かってたから、シルキーのみんなが食事の準備をしています。一緒に行きましょう」
そういうと、イリアに手をひかれる形で食堂に向かう事になった。
「あー! イリアちゃんずるい! 私も私も!!」
イリアに対抗して反対の手をシェリルがひいてくれた。後ろからは、今さっきまでベッドの上で丸まっていた猫たちが、並んで着いてきている。その後ろにはネルが見守るように着いてきている。
食堂には、すでに俺の食事が準備されていた。鶏料理が中心に準備されている……と思ったら、最近繁殖に成功したラージラビットを調理したとの事だった。肉の味がいい感じに出ており、鶏とは別の意味で美味いな。
ラージラビットは、たまたま農園で一緒に過ごしていた、普通のウサギの雄と魔物であるホーンラビットが子をなして産まれてきた新種の生物だ。
子をなしたというのは事実なのだが、雄ウサギの魔物が雌ウサギに襲われたという表現が正しい状況だったが、産まれてきた子たちは大きく育って食用になる事が分かり、繁殖させたとの事だ。
葉野菜の収穫の際に捨ててしまう部分を食べて大きく育つようで、農家の人たちが副業みたいな形で、畑エリアで育てられているらしい。実っている野菜を食べる事はないようで、放し飼いにされているとの事だ。
しかも、売り物にならないような野菜を間引いてくれるようで、立派な農家の戦力になっている。そのウサギを食べるのか、逞しいな。
食事が準備され、ささみのような部分をほぐしてサラダに入れ、青じそドレッシングをかけた物や、唐揚げやカツにしてサンドイッチに入っているもの、手羽先に焼き鳥等々、色々な物が準備されていた。俺の好物を用意してくれているが、しっかりと栄養バランスを考えた品々も準備されている。
食事を始めて、不思議な感覚におそわれた。食べても食べてもお腹が膨れないのだ。首をかしげていると、アマレロが「体の一部を再生した人は、痛みで意識失って起きた時の食事量が、平均で4~5倍を平気で平らげてしまう」との事だ。
いつもの数倍食事が準備されていたのは、そのためだったようだ。しかし、自分でも思うが、どこにこんだけの量が体の中に入ってるんだろうな。
食事をもりもり食べている途中で、ピーチが食堂に現れて、今後の予定を告げてきた。あれ? 俺の予定が決まってる? 今までそんな事なかったのに、スケジュール管理までされてしまった。これでは突発的に色々できないじゃないか! って、これを防ぐために俺に暇を与えない作戦か!?
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