ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第759話 デジャヴュ

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 三幼女の危なっかしい介護に、ひやひやしながらもほっこりとしていた俺は、ただいま入浴中。今度は三幼女以外の年少組が、体の隅々まで洗ってくれている。まだ俺の大事な所を触るのは、早いと思うんだ! だから自分で洗おうとしたが、泣きそうな顔で見られたら……どうにもならん。

 俺はサウナや風呂にも長く入るタイプなので、年少組はついてこれず、途中から年中組に変わった。

 年少組と年中組の大きな違い……俺が出会った時は、食事もいいものを食べていなかったのか、やせ細ってたけど、今は良い食事に適度な運動……体がね、メリハリのあるボディーと言っても過言じゃないから、目のやりどころに困るんだよ!

 後、年長組は成長期に良い栄養をとれなかったのかスリム(胸がな!)だけど、年中組は成長期に栄養摂取が間に合ったのか、巨乳と言ってもおかしくないレベルに達している娘が多い。

 個人的な好みだけで言えば、小さめの方が好きなんだが、普通に大きい分には何の問題も無い。ただ、デカすぎるのは勘弁なので、そうならないでほしいと願うばかりだ。

 救いなのは、サウナとかは水着を着て入る事にしているので、抑えられていると思う。ディストピアのスーパー銭湯でも、今はそうなっている。男女が一緒に入りたいという事で、水着着用がスタンダードだ。

 一緒に入りたいっていうのは、決してスケベ心とかではなく、家族団らんとして一緒にのんびり入りたいってことだ。ディストピアのデートスポットナンバー1が、スーパー銭湯なのだ! 人が集まるからシルキーの実験食堂があったりするのも、人気に拍車をかける理由だ。

 混浴? という名の監視をされながら、お風呂を楽しんだ。

 2日間寝てたせいか、やはり体の動きがあまり良くなかった。筋肉が衰えたのだろうか? 体が重たく感じる。お風呂上りに、手伝ってもらって体のストレッチを開始する。右腕がはえてきたら、筋力がおちた状態なんだろうか? 鍛えなおさないといけないかな?

 と、今まで真剣に鍛えた事はなかったのに、そんな事を俺は考えていた。

 お風呂に2時間ほど入っていた。食事を食べてから1時間休憩して、2時間経ったから3時間は経っていることになるな。お風呂から上がると、ミドリがきな粉牛乳をシェイクしていてくれた。

 俺には種類の違いがよく分からなかったが、最高の牛乳に、最高品質のドリアードが作ってくれた大豆から作ったきな粉、クイーンハニービーから献上される王蜜で作られた、きな粉牛乳は格別に美味かった。

 これから何をするのかと思ったら、また食事が準備されていた。俺がさっきたべたお粥には、胃腸系を整える魔法薬が入っており、もう食事を食べても平気になっているはずだからと、シルキーたちが腕によりをかけて食事を作ってくれていた。

 俺の好きな鶏料理が色々準備されていた。鶏のから揚げから始まり、チキン南蛮、フライドチキン、とり天、油淋鶏等々、俺の好物が並んでいた。丼物で最強の一角だと思っている、親子丼も準備されていた。色々食べれるように、一口が小さく作られている。シルキーたちの心遣いが身に染みる。

 これからの予定を聞いてみると、ダンジョンを進むという話になっていた。ここがダンジョンだという事をすっかり忘れて、くつろぎ過ぎていたな。

 いくら魔物が出ない状況だと言っても、油断しすぎなのではないだろうか? 敵が出ないと言っても、人造ゴーレムとスケルトンが警戒してくれているので、特に気にする必要も無かったりするのだが、少し無防備ではないだろうか?

 野営コンテナもしまい、152階への階段へ向かって歩いていく。そこで気付いたのだが、右手が無いだけで、まっすぐに歩行できなくなっていた……と言うと語弊があるが、まっすぐにひかれた線の上を歩くと、ちょっとずつ左側にそれていってしまうという感じだ。

 人間の体って思っている以上に、繊細なバランスでできているんだなと、そう思った。

 152階に降りていくと、そこは王国の神のダンジョンみたいに扉は無かったが、通路の先にはコアルームらしきものがあり、同じようにダンジョンコアがたたずんでいた。それに近付き掌握しようとして、右手を伸ばした。

「…………」

 今は右手が無いのをすっかりと忘れて、ちょっと気まずい空気になった。改めて左手を出して、ダンジョンコアに触れ掌握する。

『ちょっとあんた! やるじゃない! あんた、そのダンジョンで2個目よ! 後1個! それにしても、今回も時間かかったわね。心配してたのよ! パスがつながってるから、死んでないとは思ったけど心配したわ!』

「みんな、ちょっとチビ神から連絡が入ったから、ちょっとたんま」

『だ~か~ら~、チビ神じゃないって!』

 すまんすまん、俺の中でお前はチビ神って名前になってるからあきらめてくれ。

『私にはアリスって名前があるのよ!』

 妻の名前と被るからその名前で呼ぶ事は無い! だからドンマイ!

『あんたに何言っても無駄なようね……なんか物凄くデジャヴュを感じたわ。それにしても良く2個も神のダンジョンを攻略できたわね! 私は鼻が高いわ!』

 あれ? お前どっちかと言うとアジア系の顔の作りで、鼻低くなかったっけ?

『あんた! 分かって言ってるでしょ! 物理的な意味じゃないわよ! っといけないわ。このままだとあなたのペースに巻き込まれるわね。で、どうだったの?』

 見て分かる通りって、まだ見えないんだっけか? 151階のボスに右腕食われた。

『ん? そんなのエリクサーでも使えば、すぐに直るじゃない?』

 倒す際に無茶をしたから、妻たちに罰としてし、ばらく右腕が無い状態での生活を強いられてる。出来る事はあるのにほとんど介助してもらってる状態だ。

『あんたも大変なんだね。で、どうだったの?』

 どうと言われても、面倒だった、の一言に尽きるな。ダンジョンマスターならではの攻略法もしたし、これでもかなり早くクリアできた方だと思うぞ。

『これだけ時間がかかって、それでも早い方って事ね。あなたにそんなこと言わせるなんて、恐ろしいダンジョンね。あっちのダンジョンみたいに、中を見れるようにしてくれるんでしょ?』

 そうだな。馬鹿正直に来た道を帰るとかありえんからな。

『やった! これでまた、あの年増共に自慢できるわ! あなたよくやった!』

 年増って、俺から見れば五十歩百歩なんだけどな。

『だまらっしゃい! 女性にはいっていい事と悪い事があるのよ! わかったら反省する!』

 そう言う事にしておいて、攻略後の処理を始めますか。
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