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第737話 150階にいたもの
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部屋に入ってからは苦戦する事もなく、時間だけがかかったが問題なく倒すことができた。
「体が大きいとやっぱりタフだな。職業というか装備している武器か? それによって硬さが違うとは思わなかったな。盾持ちはタンク扱いという事もあり硬いし、魔法使いの立ち位置の杖は他の2匹に比べて柔らかかったな。誤差の範囲内だと思うけどな」
俺たちと同じで、シュリを除く他のメンバーは、打たれ強さなどを考えると大して変わらないのである。それでも差が出るのは、専門にしている立ち位置のせいだろう。立ち位置によって身に着けている技術が違うので、その部分で多少の差が出る感じだ。今回の大きい堕天使もそんな感じだろう。
「それにしても、いっぺんに魔力を絞り出すのってきついな。なんていうか、体の芯まで重くなって、動きたくなくなるあの感じは、何度経験しても慣れるもんじゃないな。ライムにイリアも付き合わせてごめんな」
ライムの頭をなでるのは躊躇われたが、イリアはなでてほしそうな顔をしていたので、なでてあげると『もっと強く!』と訴えるように頭を手に押し付けるように、背伸びをしてグリグリ押し付けてきた。
こういう仕草を見ると本当に可愛く思えるよな。もし娘だったら、嫁に出さん! とか言ってしまうのだろうか? って俺の妻の一人だけどな。将来、妻たちとの間に子供がもし2人ずつできたとしたら75人を超す大大大家族になるな。
年長組と姉御組の夜の積極的な様子を見ると、3~4人は軽く産みそうなんだよな。そんなに子供ができたとして、俺はみんなの名前と顔を覚えれるのかな?
「……ん様! 御……様! ご主人様ってば!」
「んぁ? どうしたイリア?」
「さすがに長いの! 頭がはげちゃう!」
「え? そんなに長い時間なでてた?」
「かれこれ5分は経ってると思う……」
どうやら、色々考えていてトリップしてしまっていたらしい。
「ごめんごめん、ちょっと明後日の方向に考えが飛んでたみたい。さて、大きいのが3体とイレギュラーがあったから、1階に1組ずつじゃないという可能性も……ここまで強いのがゴロゴロいるのも困る。
何より次の階が150階という、嫌な階という事もあるからな。この階で何もあってほしくない! ウィスプを先行させて様子を見ながら進んでいこう」
今まで以上に慎重になりながら、通路をゆっくりと進んでいく。それにしてもウィスプって、戦闘力がほとんどないからかコスパがいいんだよな。
壁を通り抜けられる、霊体系魔物ってどこに魔石があるんだろうな? もし解体できても確実に魔石は取れないから、倒してドロップ品に変わるというのは便利だな。レイスみたいな奴にはまだあった事なかったっけ?
通路をゆっくりと進んでいくが、俺が考えていたような最悪な事態もなく、階段までたどり着く事が出来た。そこで今、昼食をとっている。早めだったが、このダンジョンの特性と、王国にあった神のダンジョンの事を考えると、150階、151階と連戦になる可能性が高いのだ。
150階はダメージフロアなので休む事ができないから、そのまま151階に行かなくてはいけない可能性が高い。
「150階なんだけど、まったく情報が手に入れられていない。ウィスプの侵入を防ぐ何かが張ってあって、先行させても部屋にたどり着く前に消滅しちゃうから情報が手に入れれてない。だから今から、人造ゴーレムにカメラをつけて先行してもらう」
リンドと一緒に作業をして、5体の人造ゴーレムの準備をしていた。無線では何かに阻害される可能性を考慮して、有線で情報のやり取りができるようにした。人造ゴーレムの力をもってすれば、200~300メートルのコードでも、簡単に引っ張る事が可能だ。むしろコードが耐えられるかが心配だ。
「通路は今までと変わった様子は無いな。今までの階ならそろそろ部屋があっても、おかしくないんだけどな……通路が長いな。他と違うと怖いなっと、通路が途切れたな。そろそろ部屋かな。まじか! 今までエリアが入れ替わるタイプだったのに、ここに来て巨大な大部屋……モンスターハウス?」
モンスターハウスといえば、国民的RPGの龍の探索の4作品目の商人が、ダンジョンに潜ってお金稼ぐゲームに出てくる、モンスターがたくさんいる部屋の事だ。
モンスターハウスと呼んだ部屋の中には、ゲーム中で語られる鬼畜仕様の、大量にモンスターがいたわけでは無いが、普通のSランクのパーティーなら生存を諦める大戦力がそこにいた。堕天使3体組が3組、合計9体もいたのだ。
「うげぇ……ダメージフロアで、この数の大きな堕天使か……ちょっと作戦を立てないとダメだな。さすがに、今までのような微妙な作戦はなしだな。気になるのは、撤退が可能な部屋なのかどうかだな。前の神のダンジョンみたいなトラップがあると困るしな。どうするか?」
「ご主人様! このダンジョンって穴開けられるの?」
「ん? 王国の神のダンジョンと同じなら、壁自体は壊せると思う。だけど、一番外側にある壁からちょっと先にある、謎の物質は壊せないかな」
「じゃぁさじゃぁさ! 階段付近から穴を掘って、今さっきの部屋とつなげる事はできるって事?」
ネルがそんな事を言ってきた。
「穴は掘れると思うけど、ダンジョンだからしばらくしたら、修復するんじゃないかな? 俺のダンジョンになったわけじゃないから、修復機能が働くはず」
「穴を掘って、金属や何かで補強しても穴が塞がっちゃうかな?」
「んん? それって今まで試した事なかったな。今日はそれを試してみようか。比較しやすいように4つにチーム分けしようか」
4つ? と首をかしげる妻たちに説明していく。俺もぱっと思いついただけだから、きちんとした理由があるわけじゃないんだけどな。
1つ目は階段に穴をあけ金属で補強しながら進む班。2つ目はこの階で普通に穴をあけて放置する班。3つ目は150階で穴を掘って通路だけ補強して、穴の先は蓋をしないで放置をする班。最後はこの階で掘った穴を全部金属で補強して放置する班。
2は全く補強しない時の修復スピードを見るため、3は穴を通路の先だけ塞がないで、どれだけ修復するのか、4は全面を塞いでいても修復するのかを調べるために、穴を掘ってもらう形だ。
ダンジョンの最下層付近で、まさか鉱員みたいなことをするはめになるとはね……
「体が大きいとやっぱりタフだな。職業というか装備している武器か? それによって硬さが違うとは思わなかったな。盾持ちはタンク扱いという事もあり硬いし、魔法使いの立ち位置の杖は他の2匹に比べて柔らかかったな。誤差の範囲内だと思うけどな」
俺たちと同じで、シュリを除く他のメンバーは、打たれ強さなどを考えると大して変わらないのである。それでも差が出るのは、専門にしている立ち位置のせいだろう。立ち位置によって身に着けている技術が違うので、その部分で多少の差が出る感じだ。今回の大きい堕天使もそんな感じだろう。
「それにしても、いっぺんに魔力を絞り出すのってきついな。なんていうか、体の芯まで重くなって、動きたくなくなるあの感じは、何度経験しても慣れるもんじゃないな。ライムにイリアも付き合わせてごめんな」
ライムの頭をなでるのは躊躇われたが、イリアはなでてほしそうな顔をしていたので、なでてあげると『もっと強く!』と訴えるように頭を手に押し付けるように、背伸びをしてグリグリ押し付けてきた。
こういう仕草を見ると本当に可愛く思えるよな。もし娘だったら、嫁に出さん! とか言ってしまうのだろうか? って俺の妻の一人だけどな。将来、妻たちとの間に子供がもし2人ずつできたとしたら75人を超す大大大家族になるな。
年長組と姉御組の夜の積極的な様子を見ると、3~4人は軽く産みそうなんだよな。そんなに子供ができたとして、俺はみんなの名前と顔を覚えれるのかな?
「……ん様! 御……様! ご主人様ってば!」
「んぁ? どうしたイリア?」
「さすがに長いの! 頭がはげちゃう!」
「え? そんなに長い時間なでてた?」
「かれこれ5分は経ってると思う……」
どうやら、色々考えていてトリップしてしまっていたらしい。
「ごめんごめん、ちょっと明後日の方向に考えが飛んでたみたい。さて、大きいのが3体とイレギュラーがあったから、1階に1組ずつじゃないという可能性も……ここまで強いのがゴロゴロいるのも困る。
何より次の階が150階という、嫌な階という事もあるからな。この階で何もあってほしくない! ウィスプを先行させて様子を見ながら進んでいこう」
今まで以上に慎重になりながら、通路をゆっくりと進んでいく。それにしてもウィスプって、戦闘力がほとんどないからかコスパがいいんだよな。
壁を通り抜けられる、霊体系魔物ってどこに魔石があるんだろうな? もし解体できても確実に魔石は取れないから、倒してドロップ品に変わるというのは便利だな。レイスみたいな奴にはまだあった事なかったっけ?
通路をゆっくりと進んでいくが、俺が考えていたような最悪な事態もなく、階段までたどり着く事が出来た。そこで今、昼食をとっている。早めだったが、このダンジョンの特性と、王国にあった神のダンジョンの事を考えると、150階、151階と連戦になる可能性が高いのだ。
150階はダメージフロアなので休む事ができないから、そのまま151階に行かなくてはいけない可能性が高い。
「150階なんだけど、まったく情報が手に入れられていない。ウィスプの侵入を防ぐ何かが張ってあって、先行させても部屋にたどり着く前に消滅しちゃうから情報が手に入れれてない。だから今から、人造ゴーレムにカメラをつけて先行してもらう」
リンドと一緒に作業をして、5体の人造ゴーレムの準備をしていた。無線では何かに阻害される可能性を考慮して、有線で情報のやり取りができるようにした。人造ゴーレムの力をもってすれば、200~300メートルのコードでも、簡単に引っ張る事が可能だ。むしろコードが耐えられるかが心配だ。
「通路は今までと変わった様子は無いな。今までの階ならそろそろ部屋があっても、おかしくないんだけどな……通路が長いな。他と違うと怖いなっと、通路が途切れたな。そろそろ部屋かな。まじか! 今までエリアが入れ替わるタイプだったのに、ここに来て巨大な大部屋……モンスターハウス?」
モンスターハウスといえば、国民的RPGの龍の探索の4作品目の商人が、ダンジョンに潜ってお金稼ぐゲームに出てくる、モンスターがたくさんいる部屋の事だ。
モンスターハウスと呼んだ部屋の中には、ゲーム中で語られる鬼畜仕様の、大量にモンスターがいたわけでは無いが、普通のSランクのパーティーなら生存を諦める大戦力がそこにいた。堕天使3体組が3組、合計9体もいたのだ。
「うげぇ……ダメージフロアで、この数の大きな堕天使か……ちょっと作戦を立てないとダメだな。さすがに、今までのような微妙な作戦はなしだな。気になるのは、撤退が可能な部屋なのかどうかだな。前の神のダンジョンみたいなトラップがあると困るしな。どうするか?」
「ご主人様! このダンジョンって穴開けられるの?」
「ん? 王国の神のダンジョンと同じなら、壁自体は壊せると思う。だけど、一番外側にある壁からちょっと先にある、謎の物質は壊せないかな」
「じゃぁさじゃぁさ! 階段付近から穴を掘って、今さっきの部屋とつなげる事はできるって事?」
ネルがそんな事を言ってきた。
「穴は掘れると思うけど、ダンジョンだからしばらくしたら、修復するんじゃないかな? 俺のダンジョンになったわけじゃないから、修復機能が働くはず」
「穴を掘って、金属や何かで補強しても穴が塞がっちゃうかな?」
「んん? それって今まで試した事なかったな。今日はそれを試してみようか。比較しやすいように4つにチーム分けしようか」
4つ? と首をかしげる妻たちに説明していく。俺もぱっと思いついただけだから、きちんとした理由があるわけじゃないんだけどな。
1つ目は階段に穴をあけ金属で補強しながら進む班。2つ目はこの階で普通に穴をあけて放置する班。3つ目は150階で穴を掘って通路だけ補強して、穴の先は蓋をしないで放置をする班。最後はこの階で掘った穴を全部金属で補強して放置する班。
2は全く補強しない時の修復スピードを見るため、3は穴を通路の先だけ塞がないで、どれだけ修復するのか、4は全面を塞いでいても修復するのかを調べるために、穴を掘ってもらう形だ。
ダンジョンの最下層付近で、まさか鉱員みたいなことをするはめになるとはね……
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