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第727話 終盤戦
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武器を持って攻撃を試みてみたが、予想以上に効きが悪かった。小さい堕天使を攻撃している時には気付かなかったが、堕天使達の体を包んでいるのが鎧だったのだ。
それが体の一部だと思い込んでいたため、武器での攻撃の効果が薄かったようだ。なので、みんながまた武器をしまって拳で殴りつけている。
普通に考えて亜人系の魔物は鎧とかを装備するのだから、堕天使が鎧を装備しているのを考えに入れておくべきだった。
「みんな、武器の効果が薄いのは確認できたから、小さい堕天使と同じように戦っていくぞ。それと、タンクのメンバーは盾を持つように。大きいだけあって攻撃が重い! スキルの威力も桁違いだ。タンクは守りに徹するように動いてくれ。俺も防御のために前に出る!」
俺は左手に盾、右手は素手というか手甲の状態だ。初めてのスタイルで左右のバランスが良くないが、やるしかないだろう。攻撃よりは防御を中心に行うのだから問題ない。
最後の堕天使は体が大きいので、攻撃が仕掛けやすいのだが、大きすぎるため足元中心の攻撃になってしまっている。ジャンプして攻撃をしようものなら、スキルの餌食になりかねないからだ。
何かリアルで一狩りしている気分になるな。2足歩行のため足にしか攻撃ができないとなると、シェン〇オレンと戦ってる気分だ。
それに亜人系だからといって、人間と同じ生体構造をしているわけでは無かった。素手で攻撃する前に、行動力を削ぐために人間でいうところの、アキレス腱にあたる部分をシュリが攻撃して、ある程度切り裂いたのだが回復する前に、普通に移動していたのである。
堕天使って、ゴーレムに近いのかな? やはり武器による攻撃は、あまり有効打にならないようだ。
足だけに攻撃をしているこの状態どうなんだろうな。魔力に限界がないのか、攻撃するたびに回復されているので、とにかく倒れる気がしないな。そろそろたたみかけないと、こっちがもたない……
「みんな、ちょっと無理するからサポートお願い。俺が強引に後ろに回って部屋の中心に押し出すから、逃がさないように包囲してくれ」
普通に考えて6メートルもの巨体を、人間が動かす事なんてできないと思うが、妻たちは誰もできないと思っておらず、頷いて準備を開始してくれる。この世界でも普通なら不可能だが、この世界でも非常識と呼ばれる俺なら、その不可能を可能にしてしまう。
みんなの準備が終わり、俺が堕天使の裏に回り込むために、シュリが注意を引いてくれている。大分前に素手による体術の訓練をしてる時に、たまたまスキルを発見したと言えばいいのだろうか、上級スキルに分類される【龍神烈火】というスキルを習得している。
この世界で体術は覚える人間がほとんどいない。でも、何百年か前か分からないが、体術を極めて伝説になった人間の伝記がDPで呼び出せたので、面白半分に召喚して読んでみたら、いろんなスキルが乗っていたのだ。
その中で【浸透勁】は、伝説の体術使いも愛用していたスキルだと紹介があった。【浸透勁】を使って、自分の家族を守るために1000人からなる軍隊を、素手で壊滅させたとの事だ。
そんな事はさておき、俺はベストポジションをとるために、少し無理をする事にした。
シュリが左側で注意を引いていたので、俺は右側から回り込むように移動して、まず手始めに神歩を使った【シールドバッシュ】をお腹付近に向かってぶちかます。ステータスとスキルの威力を十全に使って、大きな堕天使の体勢を崩した。そのまま堕天使の体を蹴って部屋の隅に移動する。
今俺がいる場所は、部屋の隅の地上から4m程の位置する壁だ。そこで力をためるようにして瞬歩の要領で壁を蹴り、左手に持っていた盾を収納の腕輪にしまい堕天使に接近する。近付かせまいと堕天使が火魔法をブレスのようにして、杖の先から噴き出して俺を迎撃しようとしている。
俺はそのまま火だるまになりながら、堕天使の懐へ移動する。それと同時に、
【龍神烈火】
一撃一撃が非常に重たい攻撃で、俺のステータスで防御力が無ければ、それだけで木端微塵になってもおかしくないレベルの攻撃だ。
打撃系も大して効果の無い堕天使であれば、容易に耐えてしまうのだが、このスキルの大きな特徴として、一撃が重たいためノックバックが一撃毎に発生する点なのだ。神歩を使ってからの【龍神烈火】は、そのノックバック距離が長くなる。
15メートル程部屋の中心に押し込む事が出来た。隅に戻らせないように俺は、盾を取り出して防御態勢に入る。俺をサポートするように数名が俺の後ろに陣取って、堕天使は周囲を囲まれる形になった。こうなれば、攻撃に参加できるメンバーも増えダメージ蓄積のペースも上がっていく。
背中からの攻撃も可能になり、俺以外は神歩を使えないので、全力の跳躍で背中や横腹に攻撃を仕掛けていく。隙をついて【浸透勁】で殴りつけているため、淡々と作業をこなしているような状況になってしまった。
戦闘開始から約2時間。大きい堕天使のみになってから20分ちょっと……最後の悪足掻きという名の、攻撃パターンが変わる。
今まで装備していた武器を捨てて、何処から出したのか両手剣。6メートルの堕天使が持って、大剣に見える。という事は、剣身は4~5メートルはあり、剣幅のある大剣だ。あの重量級の武器でスキルを使われたら……
「タンク以外下がれ! タンク全力防御! ヒーラーは回復準備!【フォートレス】」
俺、シュリ、リリーが全力で防御をした。次の瞬間、堕天使が武器をかまえ、長物のスキルである【大車輪】を使用した。回転しながら武器を振り回して、周囲に攻撃するスキルだ。
普通のサイズの人間であれば、半径3メートルもいけばいいスキルなのだが、大きい堕天使が行うと威力も範囲も桁違いだった。7~8メートルは攻撃が届いており、その範囲内にいた俺たちタンクは、踏ん張りきれずに壁まで吹っ飛ばされてしまった。
シュリや俺が吹っ飛ばされたことによる戸惑いがあったが、すぐに他のメンバーで持ち直すことができるので、何の問題もなかった。
一番早く立て直したのはアリスだった。俺らが吹っ飛ばされて前線を受け持つメンバーがいなくなったとわかると、すぐに前に出て自分の大剣を使いながら堕天使の攻撃を受け流し始めたのだ。
それが体の一部だと思い込んでいたため、武器での攻撃の効果が薄かったようだ。なので、みんながまた武器をしまって拳で殴りつけている。
普通に考えて亜人系の魔物は鎧とかを装備するのだから、堕天使が鎧を装備しているのを考えに入れておくべきだった。
「みんな、武器の効果が薄いのは確認できたから、小さい堕天使と同じように戦っていくぞ。それと、タンクのメンバーは盾を持つように。大きいだけあって攻撃が重い! スキルの威力も桁違いだ。タンクは守りに徹するように動いてくれ。俺も防御のために前に出る!」
俺は左手に盾、右手は素手というか手甲の状態だ。初めてのスタイルで左右のバランスが良くないが、やるしかないだろう。攻撃よりは防御を中心に行うのだから問題ない。
最後の堕天使は体が大きいので、攻撃が仕掛けやすいのだが、大きすぎるため足元中心の攻撃になってしまっている。ジャンプして攻撃をしようものなら、スキルの餌食になりかねないからだ。
何かリアルで一狩りしている気分になるな。2足歩行のため足にしか攻撃ができないとなると、シェン〇オレンと戦ってる気分だ。
それに亜人系だからといって、人間と同じ生体構造をしているわけでは無かった。素手で攻撃する前に、行動力を削ぐために人間でいうところの、アキレス腱にあたる部分をシュリが攻撃して、ある程度切り裂いたのだが回復する前に、普通に移動していたのである。
堕天使って、ゴーレムに近いのかな? やはり武器による攻撃は、あまり有効打にならないようだ。
足だけに攻撃をしているこの状態どうなんだろうな。魔力に限界がないのか、攻撃するたびに回復されているので、とにかく倒れる気がしないな。そろそろたたみかけないと、こっちがもたない……
「みんな、ちょっと無理するからサポートお願い。俺が強引に後ろに回って部屋の中心に押し出すから、逃がさないように包囲してくれ」
普通に考えて6メートルもの巨体を、人間が動かす事なんてできないと思うが、妻たちは誰もできないと思っておらず、頷いて準備を開始してくれる。この世界でも普通なら不可能だが、この世界でも非常識と呼ばれる俺なら、その不可能を可能にしてしまう。
みんなの準備が終わり、俺が堕天使の裏に回り込むために、シュリが注意を引いてくれている。大分前に素手による体術の訓練をしてる時に、たまたまスキルを発見したと言えばいいのだろうか、上級スキルに分類される【龍神烈火】というスキルを習得している。
この世界で体術は覚える人間がほとんどいない。でも、何百年か前か分からないが、体術を極めて伝説になった人間の伝記がDPで呼び出せたので、面白半分に召喚して読んでみたら、いろんなスキルが乗っていたのだ。
その中で【浸透勁】は、伝説の体術使いも愛用していたスキルだと紹介があった。【浸透勁】を使って、自分の家族を守るために1000人からなる軍隊を、素手で壊滅させたとの事だ。
そんな事はさておき、俺はベストポジションをとるために、少し無理をする事にした。
シュリが左側で注意を引いていたので、俺は右側から回り込むように移動して、まず手始めに神歩を使った【シールドバッシュ】をお腹付近に向かってぶちかます。ステータスとスキルの威力を十全に使って、大きな堕天使の体勢を崩した。そのまま堕天使の体を蹴って部屋の隅に移動する。
今俺がいる場所は、部屋の隅の地上から4m程の位置する壁だ。そこで力をためるようにして瞬歩の要領で壁を蹴り、左手に持っていた盾を収納の腕輪にしまい堕天使に接近する。近付かせまいと堕天使が火魔法をブレスのようにして、杖の先から噴き出して俺を迎撃しようとしている。
俺はそのまま火だるまになりながら、堕天使の懐へ移動する。それと同時に、
【龍神烈火】
一撃一撃が非常に重たい攻撃で、俺のステータスで防御力が無ければ、それだけで木端微塵になってもおかしくないレベルの攻撃だ。
打撃系も大して効果の無い堕天使であれば、容易に耐えてしまうのだが、このスキルの大きな特徴として、一撃が重たいためノックバックが一撃毎に発生する点なのだ。神歩を使ってからの【龍神烈火】は、そのノックバック距離が長くなる。
15メートル程部屋の中心に押し込む事が出来た。隅に戻らせないように俺は、盾を取り出して防御態勢に入る。俺をサポートするように数名が俺の後ろに陣取って、堕天使は周囲を囲まれる形になった。こうなれば、攻撃に参加できるメンバーも増えダメージ蓄積のペースも上がっていく。
背中からの攻撃も可能になり、俺以外は神歩を使えないので、全力の跳躍で背中や横腹に攻撃を仕掛けていく。隙をついて【浸透勁】で殴りつけているため、淡々と作業をこなしているような状況になってしまった。
戦闘開始から約2時間。大きい堕天使のみになってから20分ちょっと……最後の悪足掻きという名の、攻撃パターンが変わる。
今まで装備していた武器を捨てて、何処から出したのか両手剣。6メートルの堕天使が持って、大剣に見える。という事は、剣身は4~5メートルはあり、剣幅のある大剣だ。あの重量級の武器でスキルを使われたら……
「タンク以外下がれ! タンク全力防御! ヒーラーは回復準備!【フォートレス】」
俺、シュリ、リリーが全力で防御をした。次の瞬間、堕天使が武器をかまえ、長物のスキルである【大車輪】を使用した。回転しながら武器を振り回して、周囲に攻撃するスキルだ。
普通のサイズの人間であれば、半径3メートルもいけばいいスキルなのだが、大きい堕天使が行うと威力も範囲も桁違いだった。7~8メートルは攻撃が届いており、その範囲内にいた俺たちタンクは、踏ん張りきれずに壁まで吹っ飛ばされてしまった。
シュリや俺が吹っ飛ばされたことによる戸惑いがあったが、すぐに他のメンバーで持ち直すことができるので、何の問題もなかった。
一番早く立て直したのはアリスだった。俺らが吹っ飛ばされて前線を受け持つメンバーがいなくなったとわかると、すぐに前に出て自分の大剣を使いながら堕天使の攻撃を受け流し始めたのだ。
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