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第707話 気が緩み始めた?
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目が覚めると、何か重たかった。みんなと一緒に寝たから、誰かが俺の上にいるのかと思い目を開けると、スライムたちが俺の体の上に乗っており、妻たちはみんな起きてこの部屋の中にはいなかった。
「お前たちは、なんで俺の体の上で寝てるんだ? おれもお前たちをベッドにして寝る事があるから、お前たちのこと言えないけどな。お前たちも起きろ!」
鷲掴みにして入口の方に放り投げる。そうするともそもそと動き出して、部屋を出ていく。おれも服を着替えて食事を食べるために、スライムたちの後を追ってい食堂に向かう。
いつもと変わらない朝食を食べてから、みんなでこの先の階段を進むか進まないかの相談を始める。正直俺がケガしたから引き返すかなと思ってたけど、相談するまでもなくイケイケな妻たちは、昨日は失敗したけどそれを含め、余裕があると判断して先に進む事になった。
他にも、人造ゴーレムが追加されたので、道中の余裕が出るとの事だった。元から道中は大して戦闘してない気がするんだけどな。大半はスケルトンたちが活躍したくて、めっちゃ頑張ってるからな。
「みんなはまだ大丈夫と判断してるんだね。確かにボスには多少苦戦したけど、今回は俺のミスでもあるからね。ただ危険を感じたらすぐに引き返そうか」
進む事が決定したので出発の準備を始め、野営地を片付けていく。といってもブラウニーたちが【メイドの嗜み】を使ってしまっていくだけなんだけどね。
「準備もできたし76階に出発しようか」
準備もできたのでみんなで76階へ進んでいく。ウィスプの情報収集で76階以降も1階からあったようにフロア内で、エリアが入れ替わるタイプのダンジョンだった。75階だけが1フロアぶち抜きの特殊なフロアだったな。
76階に突入し雰囲気が再度変わった事に気付いた。瘴気が少し濃くなっている感じがして、何より魔物の種類が変わっていたのだ。いや、これは変わったと言っていいのだろうか?
76階から出てきた魔物は、74階より上と同じで悪魔系が出てきた。
出てきたのはインプではなくその上位種と思われるアークインプ、レッサーデーモンやミニデビル、ミニバフォメットではなく、デーモン、デビル、ミドルバフォメットと呼べばいいのだろうか? そんな感じの上位種っぽい魔物に変わっていた。
他のインキュバス、サキュバス、エキドナ、ケルベロス等は、変わらずデフォルメしたような感じででてきていた。
やはりと言っていいのか強くなっているので、戦闘時間が少しずつ伸びてきているが、問題はなく進めていた。
特にスケルトン10匹以外にも人造ゴーレムが20匹追加になったので、時間は長くなってきていても余裕をもって倒せている。1つのエリアに多くても15匹ほどしか魔物がいないので、そこまで大変ではないようだ。
ブラウニーたちは相変わらず暇なようで、馬車の中で遊んでたり寝てたりしている。ブラウニーたちは全員じゃないが夜中に交代しながら、俺たちの食事を準備してくれているんだから文句を誰も言わないが、ダンジョンに突入した時の元気はなくなってるな。
料理を作っている時は、本当に楽しそうにしているのが救いだけど。
それにしても本当に変わり映えのしないダンジョンだよな。見た目がというか瘴気みたいなのが出てきたり、魔物が少し変わるくらいの変化しかない、本当に暇なダンジョンだ。
これならまだ王国のダンジョンの方が面白かったな。飽きるというか精神をすり減らされる感じだ。この感じ覚えがあるな……オンラインゲームで単調なレベル上げを、やっている時の感じに近い気がする。
そう考えるとこの世界の人間って、我慢強いと考えていいのかな? 生きるためにダンジョンに潜ってる人と、ゲームのレベル上げを同一に考えちゃいけないな。変な顔でもしていたのか、隣にいたカエデに眉間を突かれて我に返る。
「シュウ、何か考えてたのかな? 眉間にしわがよってたわよ」
「上の階でも言ってたけど、代わり映えがしないから飽きてきたなって思ってたんだよ。みんなに聞かれたら、バカなこと言ってるんじゃないとか言われそうだけどね。
俺たちが……いや違うな。俺がダンジョンに潜ってる理由って、娯楽っていうと語弊があるけど、チビ神に言われて報酬が出るから潜ってるだけじゃん? 生きる糧のために潜ってる人とは違うから、なんていえばいいんだろうね」
「いつか忘れたけど、そんなこと言ってたね。シュウは元々この世界に来たこと自体が自分の意思じゃなくて、ゲームを実際に体験しているような感じだもんね。
何かの小説にあったけど、現実だけど現実じゃない? みたいな感じかな。でもね、シュウ。間違っちゃいけないのは、これはゲームじゃなくて自分の命がかかってるんだよ。気は抜いちゃいけない。特にあの空飛び蛇の時は、みんな油断してた。私も含めてだけどね」
「確かにあれは油断してるつもりはなかったけど、油断してたね。返す言葉も無いよ」
「これからはみんなで気をつければいいんだから。気負わないでね。ただ一つだけ、あなたはこのパーティーのトップだから、決断する時は絶対に迷っちゃだめだよ」
カエデに注意されたことを考える。確かにトップが迷ったらそれだけで、ピンチになりかねない状況って確かにあるよな。
「カエデ、ありがと。気は緩めるけど油断はしないよ!」
カエデは俺の返事に満足したのか、俺の頭をなでてくる。俺がこの世界に来てこうやって頭なでられるのって初めてかな? 何か落ち着くな……やっぱり年上が好きなのかな? 他のみんなが嫌いなわけじゃないんだよな。そんな事考えてもしょうがないか。油断しないようにしないとな!
「ちょっと引き締めなおしておかないとな。ちょっと前で戦闘に参加してくる」
今いる階層は、ボスを倒してから14階下の89階だ。魔物は強くなっているが相変わらず、俺たちの敵ではないが気を引き締めるのにはいいと思い、1人で5匹の相手をしてみた。
複数相手にスキルリンクは隙がおおきすぎるので、1匹ずつ確実に仕留めていく形になった。2~3発では死なないので、周りから襲ってくるターゲット以外の魔物の攻撃をさばきながら、着実にダメージを与えていき、最後の1匹はスキルリンクで仕留めた。
「何か気を引き締めるのとは違うけど、油断しないようにみんなもやっていこうか」
妻たちも2~3人で組んで10匹前後の魔物を相手にして、訓練を兼ねた戦闘をしている。
「お前たちは、なんで俺の体の上で寝てるんだ? おれもお前たちをベッドにして寝る事があるから、お前たちのこと言えないけどな。お前たちも起きろ!」
鷲掴みにして入口の方に放り投げる。そうするともそもそと動き出して、部屋を出ていく。おれも服を着替えて食事を食べるために、スライムたちの後を追ってい食堂に向かう。
いつもと変わらない朝食を食べてから、みんなでこの先の階段を進むか進まないかの相談を始める。正直俺がケガしたから引き返すかなと思ってたけど、相談するまでもなくイケイケな妻たちは、昨日は失敗したけどそれを含め、余裕があると判断して先に進む事になった。
他にも、人造ゴーレムが追加されたので、道中の余裕が出るとの事だった。元から道中は大して戦闘してない気がするんだけどな。大半はスケルトンたちが活躍したくて、めっちゃ頑張ってるからな。
「みんなはまだ大丈夫と判断してるんだね。確かにボスには多少苦戦したけど、今回は俺のミスでもあるからね。ただ危険を感じたらすぐに引き返そうか」
進む事が決定したので出発の準備を始め、野営地を片付けていく。といってもブラウニーたちが【メイドの嗜み】を使ってしまっていくだけなんだけどね。
「準備もできたし76階に出発しようか」
準備もできたのでみんなで76階へ進んでいく。ウィスプの情報収集で76階以降も1階からあったようにフロア内で、エリアが入れ替わるタイプのダンジョンだった。75階だけが1フロアぶち抜きの特殊なフロアだったな。
76階に突入し雰囲気が再度変わった事に気付いた。瘴気が少し濃くなっている感じがして、何より魔物の種類が変わっていたのだ。いや、これは変わったと言っていいのだろうか?
76階から出てきた魔物は、74階より上と同じで悪魔系が出てきた。
出てきたのはインプではなくその上位種と思われるアークインプ、レッサーデーモンやミニデビル、ミニバフォメットではなく、デーモン、デビル、ミドルバフォメットと呼べばいいのだろうか? そんな感じの上位種っぽい魔物に変わっていた。
他のインキュバス、サキュバス、エキドナ、ケルベロス等は、変わらずデフォルメしたような感じででてきていた。
やはりと言っていいのか強くなっているので、戦闘時間が少しずつ伸びてきているが、問題はなく進めていた。
特にスケルトン10匹以外にも人造ゴーレムが20匹追加になったので、時間は長くなってきていても余裕をもって倒せている。1つのエリアに多くても15匹ほどしか魔物がいないので、そこまで大変ではないようだ。
ブラウニーたちは相変わらず暇なようで、馬車の中で遊んでたり寝てたりしている。ブラウニーたちは全員じゃないが夜中に交代しながら、俺たちの食事を準備してくれているんだから文句を誰も言わないが、ダンジョンに突入した時の元気はなくなってるな。
料理を作っている時は、本当に楽しそうにしているのが救いだけど。
それにしても本当に変わり映えのしないダンジョンだよな。見た目がというか瘴気みたいなのが出てきたり、魔物が少し変わるくらいの変化しかない、本当に暇なダンジョンだ。
これならまだ王国のダンジョンの方が面白かったな。飽きるというか精神をすり減らされる感じだ。この感じ覚えがあるな……オンラインゲームで単調なレベル上げを、やっている時の感じに近い気がする。
そう考えるとこの世界の人間って、我慢強いと考えていいのかな? 生きるためにダンジョンに潜ってる人と、ゲームのレベル上げを同一に考えちゃいけないな。変な顔でもしていたのか、隣にいたカエデに眉間を突かれて我に返る。
「シュウ、何か考えてたのかな? 眉間にしわがよってたわよ」
「上の階でも言ってたけど、代わり映えがしないから飽きてきたなって思ってたんだよ。みんなに聞かれたら、バカなこと言ってるんじゃないとか言われそうだけどね。
俺たちが……いや違うな。俺がダンジョンに潜ってる理由って、娯楽っていうと語弊があるけど、チビ神に言われて報酬が出るから潜ってるだけじゃん? 生きる糧のために潜ってる人とは違うから、なんていえばいいんだろうね」
「いつか忘れたけど、そんなこと言ってたね。シュウは元々この世界に来たこと自体が自分の意思じゃなくて、ゲームを実際に体験しているような感じだもんね。
何かの小説にあったけど、現実だけど現実じゃない? みたいな感じかな。でもね、シュウ。間違っちゃいけないのは、これはゲームじゃなくて自分の命がかかってるんだよ。気は抜いちゃいけない。特にあの空飛び蛇の時は、みんな油断してた。私も含めてだけどね」
「確かにあれは油断してるつもりはなかったけど、油断してたね。返す言葉も無いよ」
「これからはみんなで気をつければいいんだから。気負わないでね。ただ一つだけ、あなたはこのパーティーのトップだから、決断する時は絶対に迷っちゃだめだよ」
カエデに注意されたことを考える。確かにトップが迷ったらそれだけで、ピンチになりかねない状況って確かにあるよな。
「カエデ、ありがと。気は緩めるけど油断はしないよ!」
カエデは俺の返事に満足したのか、俺の頭をなでてくる。俺がこの世界に来てこうやって頭なでられるのって初めてかな? 何か落ち着くな……やっぱり年上が好きなのかな? 他のみんなが嫌いなわけじゃないんだよな。そんな事考えてもしょうがないか。油断しないようにしないとな!
「ちょっと引き締めなおしておかないとな。ちょっと前で戦闘に参加してくる」
今いる階層は、ボスを倒してから14階下の89階だ。魔物は強くなっているが相変わらず、俺たちの敵ではないが気を引き締めるのにはいいと思い、1人で5匹の相手をしてみた。
複数相手にスキルリンクは隙がおおきすぎるので、1匹ずつ確実に仕留めていく形になった。2~3発では死なないので、周りから襲ってくるターゲット以外の魔物の攻撃をさばきながら、着実にダメージを与えていき、最後の1匹はスキルリンクで仕留めた。
「何か気を引き締めるのとは違うけど、油断しないようにみんなもやっていこうか」
妻たちも2~3人で組んで10匹前後の魔物を相手にして、訓練を兼ねた戦闘をしている。
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