695 / 2,518
第695話 ゴーストタウンの変化
しおりを挟む
ゴーストタウンにダンジョンを作成した翌日、この計画は俺の手を離れガリアの手に渡った。後は俺が不用意にかかわるより、放置して見守る方がいい結果になるのは、目に見えているので手を出さない事にしている。
「ちょっと忙しかったけど、また暇になったな」
昼下がり、俺の定位置となっている、庭の世界樹の木陰にあるソファーに座って、独り言をつぶやいている。俺のお腹の上には、ハクが丸くなって寝ている。ニコは今日は頭の上でなく、俺の枕代わりとしてそこに鎮座してくれていた。ただ時々、高速で揺れるためビックリすることがある。
「しばらく頑張ってたから、のんびりするのも悪くないんだけどな。この状態で一週間も過ぎると、これでいいのかと体がムズムズしてくるんだよな。働いている時は、休みたいとか思うけど、実際に長い休みになると、ムズムズしてくる。面倒な人間だな。夏休みに一日中ゲームをやっていた時が懐かしい」
どうでもいい独り言を言って黄昏ていると、眠気が襲ってきて眠ってしまった。
どれくらいの時間が経ったか分からないが、ニコが高速で振動した事によって目が覚めた。大分日が傾き寝ていた場所に、光が差し込んできていた。
「まぶしっ!!」
体を起こすと太陽の光が直接当たっていて、今の言葉が出てしまった。
こわばった体を伸ばしながら目を覚ましていく。お腹で寝ていたハクは、体勢を変えられてちょっとご立腹な感じで、キュイッと鳴くが本気で怒っているわけではないので、無視して体を伸ばしていく。
「あっ! ご主人様。目が覚めたんですね。ここしばらく忙しかったみたいですし、今日は気持ちよさそうに寝ていたので、起こさずにいたんです。そろそろお食事になるので様子を見に来ました。起きていてよかったです」
そういったのメルフィだった。もうそんな時間だったんだな。もう少し体を動かしたら、食堂に向かう事を伝えて、先に戻ってもらう。
屈伸や軽い体操などをして、体を伸ばしてから食堂へ向かった。特に何があるわけでもなく、夕食も終わり1日が過ぎていく。昼間に寝たのに夜もぐっすり寝れた……けど、次の日は体が重かった。寝すぎたのかな?
次の日になったところでする事は無いので、従魔たちと一緒にダラダラして過ごしていた。1週間くらい自堕落に過ごしていたら、こんな生活でもいいかな? と思い始めた頃にハッと思った。
このままじゃ、不労収入のある引きこもりになりかねない! そう考えたらする事は一つ、体を動かす事にした。朝やっていたストレッチや戦闘の訓練も、行わなくなってしまっていたので、そこから修正する。
朝食の後にもしっかりと体を動かし、鈍った体をほぐしていく。ほぐしていると、緊急連絡が入った。何故緊急連絡で来たかは分からないが、ガリアから『ゴーストタウンでダンジョンの入り口が発見されました!』との事だ。
後でわざわざ連絡したのは、俺に連絡が無いは後々、不自然に思われるかもしれないので、報告だけしてこっちで指示を出しました、と言う事にしたとの事だ。
一週間動かなかったせいか、本調子に戻るまでに2週間もかかってしまった。休んだ倍の時間もかかって、本調子に戻すなんて時間の無駄だったな。せめて身体だけは動かしておくべきだった。
それにしても俺がダラダラしてても、妻たちは何も言わなかったな……結婚した相手がこんな奴では嫌だと思うが、どうなんだろうか? 刷り込みに近い物もあるから、何も思わなかったりするのだろうか? 怖くて一生聞く事は無いだろう。
ダンジョンを作ってから3週間が経過した。昨日あった報告では、ダンジョンの中の探索が始まっているとの事だ。一層にあたる部分には、危険な要素は全く入れていないので、問題になるのは魔物の出る所からだろう。
どこまで調べるかにもよるだろうが、ゴーストタウンの冒険者の能力で、どこまで出来るかは不明だ。俺の知った事ではないので問題は無いのだが、無駄に死ぬのだけはやめてほしい所だ。
報告を受けても、次の日には頭の隅に追いやられてしまっているため、思い出される事もなく日が過ぎていった。次に思い出されたのは、1週間後の食糧庫に使われていたという、ゴーストタウンの冒険者ギルドから出された報告が、俺にあがって来た事によるものだった。
農民の誘致も始まったが、ゴーストタウンに元々住んでいる人間が優先的に、農地を与えられることになっており、次に中立地帯に住んでいる住人が選ばれる事になり、最後に他の国からの移住者を受け入れる形になる予定らしい。
ゴーストタウンと中立地帯の話は、その日の内に街中に流れ申込者が殺到していた。家は少し整備すれば、問題なく使えるレベルで建てておいたので、すぐに畑仕事が出来るようになっている。
至れり尽くせりでいいのかなとも考えたが、ゴーストタウンが表面上独立するための方策なので、しょうがないのかな? こんな事を考えていても、これ以上俺に出来る事は無いので、すぐに忘れられることになる。
問題は、また仕事が増えた! とスプリガンの皆様がブーブー言っていたので、シルキーのお手製お菓子を、定期的に差し入れをする事にした。お菓子が大好きなスプリガンの女性陣は、それだけで笑顔で仕事をしてくれるようになった。
でも、あのニヤニヤとした顔を見ると、はめられた感が否めなかったが、気持ちよく働いてもらえるならそれでもいいかな? と考えている。
ゴーストタウンの地下に、ダンジョンを新しく作ってから1ヵ月半後には、農業を始めたり、ダンジョンの入り口に冒険者ギルドの支部が作られたりして、食糧庫ダンジョンと名付けられた、ダンジョンに入る冒険者も訪れ始めていた。
「ちょっと忙しかったけど、また暇になったな」
昼下がり、俺の定位置となっている、庭の世界樹の木陰にあるソファーに座って、独り言をつぶやいている。俺のお腹の上には、ハクが丸くなって寝ている。ニコは今日は頭の上でなく、俺の枕代わりとしてそこに鎮座してくれていた。ただ時々、高速で揺れるためビックリすることがある。
「しばらく頑張ってたから、のんびりするのも悪くないんだけどな。この状態で一週間も過ぎると、これでいいのかと体がムズムズしてくるんだよな。働いている時は、休みたいとか思うけど、実際に長い休みになると、ムズムズしてくる。面倒な人間だな。夏休みに一日中ゲームをやっていた時が懐かしい」
どうでもいい独り言を言って黄昏ていると、眠気が襲ってきて眠ってしまった。
どれくらいの時間が経ったか分からないが、ニコが高速で振動した事によって目が覚めた。大分日が傾き寝ていた場所に、光が差し込んできていた。
「まぶしっ!!」
体を起こすと太陽の光が直接当たっていて、今の言葉が出てしまった。
こわばった体を伸ばしながら目を覚ましていく。お腹で寝ていたハクは、体勢を変えられてちょっとご立腹な感じで、キュイッと鳴くが本気で怒っているわけではないので、無視して体を伸ばしていく。
「あっ! ご主人様。目が覚めたんですね。ここしばらく忙しかったみたいですし、今日は気持ちよさそうに寝ていたので、起こさずにいたんです。そろそろお食事になるので様子を見に来ました。起きていてよかったです」
そういったのメルフィだった。もうそんな時間だったんだな。もう少し体を動かしたら、食堂に向かう事を伝えて、先に戻ってもらう。
屈伸や軽い体操などをして、体を伸ばしてから食堂へ向かった。特に何があるわけでもなく、夕食も終わり1日が過ぎていく。昼間に寝たのに夜もぐっすり寝れた……けど、次の日は体が重かった。寝すぎたのかな?
次の日になったところでする事は無いので、従魔たちと一緒にダラダラして過ごしていた。1週間くらい自堕落に過ごしていたら、こんな生活でもいいかな? と思い始めた頃にハッと思った。
このままじゃ、不労収入のある引きこもりになりかねない! そう考えたらする事は一つ、体を動かす事にした。朝やっていたストレッチや戦闘の訓練も、行わなくなってしまっていたので、そこから修正する。
朝食の後にもしっかりと体を動かし、鈍った体をほぐしていく。ほぐしていると、緊急連絡が入った。何故緊急連絡で来たかは分からないが、ガリアから『ゴーストタウンでダンジョンの入り口が発見されました!』との事だ。
後でわざわざ連絡したのは、俺に連絡が無いは後々、不自然に思われるかもしれないので、報告だけしてこっちで指示を出しました、と言う事にしたとの事だ。
一週間動かなかったせいか、本調子に戻るまでに2週間もかかってしまった。休んだ倍の時間もかかって、本調子に戻すなんて時間の無駄だったな。せめて身体だけは動かしておくべきだった。
それにしても俺がダラダラしてても、妻たちは何も言わなかったな……結婚した相手がこんな奴では嫌だと思うが、どうなんだろうか? 刷り込みに近い物もあるから、何も思わなかったりするのだろうか? 怖くて一生聞く事は無いだろう。
ダンジョンを作ってから3週間が経過した。昨日あった報告では、ダンジョンの中の探索が始まっているとの事だ。一層にあたる部分には、危険な要素は全く入れていないので、問題になるのは魔物の出る所からだろう。
どこまで調べるかにもよるだろうが、ゴーストタウンの冒険者の能力で、どこまで出来るかは不明だ。俺の知った事ではないので問題は無いのだが、無駄に死ぬのだけはやめてほしい所だ。
報告を受けても、次の日には頭の隅に追いやられてしまっているため、思い出される事もなく日が過ぎていった。次に思い出されたのは、1週間後の食糧庫に使われていたという、ゴーストタウンの冒険者ギルドから出された報告が、俺にあがって来た事によるものだった。
農民の誘致も始まったが、ゴーストタウンに元々住んでいる人間が優先的に、農地を与えられることになっており、次に中立地帯に住んでいる住人が選ばれる事になり、最後に他の国からの移住者を受け入れる形になる予定らしい。
ゴーストタウンと中立地帯の話は、その日の内に街中に流れ申込者が殺到していた。家は少し整備すれば、問題なく使えるレベルで建てておいたので、すぐに畑仕事が出来るようになっている。
至れり尽くせりでいいのかなとも考えたが、ゴーストタウンが表面上独立するための方策なので、しょうがないのかな? こんな事を考えていても、これ以上俺に出来る事は無いので、すぐに忘れられることになる。
問題は、また仕事が増えた! とスプリガンの皆様がブーブー言っていたので、シルキーのお手製お菓子を、定期的に差し入れをする事にした。お菓子が大好きなスプリガンの女性陣は、それだけで笑顔で仕事をしてくれるようになった。
でも、あのニヤニヤとした顔を見ると、はめられた感が否めなかったが、気持ちよく働いてもらえるならそれでもいいかな? と考えている。
ゴーストタウンの地下に、ダンジョンを新しく作ってから1ヵ月半後には、農業を始めたり、ダンジョンの入り口に冒険者ギルドの支部が作られたりして、食糧庫ダンジョンと名付けられた、ダンジョンに入る冒険者も訪れ始めていた。
0
お気に入りに追加
459
あなたにおすすめの小説
サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道
コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。
主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。
こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。
そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。
修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。
それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。
不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。
記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。
メサメサメサ
メサ メサ
メサ メサ
メサ メサ
メサメサメサメサメサ
メ サ メ サ サ
メ サ メ サ サ サ
メ サ メ サ ササ
他サイトにも掲載しています。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした
御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。
異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。
女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。
――しかし、彼は知らなかった。
転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる