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第690話 戦闘直前
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打ち上げられたトドは放置されており、女性騎士とアリスやライムたち年長組のメンバーが、楽しそうに会話をしている。
歳的には五つ程離れていると思うが、特に何かがあると言った様子は無く、楽しそうにしている。そんな楽しそうに会話をしていると突然、女性騎士二人が『うそっ!?』と大きな声をあげた。
何事かと思い確認をすると、こういった任務では三日に一度体を拭くことが出来れば十分で、近くに川があれば水浴びをできれて最高なのだが、こういった野営でも毎日お風呂に入ってると聞いたためだった。
やっぱり、身体を毎日ふけるだけでも、異常なのだろう。それなのにお風呂に入ってると言えば、こんなリアクションになって当たり前か。
どうやら話し合いが終わり、女性陣がお風呂に入る事になったようだ。と言っても無防備になるので、それなりの対策をしておかないといけないと、俺の所へ来た。
初めは結界でいいんじゃないか? と思ったが、俺たちの特殊性をこれ以上教えるのも、面白くないとの事で、バッハに頼んで女性陣がお風呂の天幕に入ったら、守ってやるように伝えると、バッハがさらにワイバーンに命令をして、ワイバーン五匹がお風呂の天幕の周りに配置された。
俺は空いた時間で、夜の守りをどうしようか考えていると、バザールから魔導無線機で連絡が入った。
『主殿、心配ないと思うでござるが、夜の守りはどうするつもりでござるか?』
「ナイスタイミング。俺もその事で頭を悩ましてた。俺たちが使う道具やなんかは、王国の騎士団と一緒にいると、大っぴらに色々する事も出来ない物も多いからな。ワイバーンやバッハは、元々大きいし空を飛ぶことが前提だから、感知能力が高くないからな。何かいい案はないかな?」
『それはちょうどよかったと言うべきでござろうか? 主殿に置いてかれたと言って、クロとギンが拗ねているでござる。今から送り出してもいいでござるか?』
「そうなのか……だったら、コウとソウ、ミリーの従魔たちも一緒に来させてくれ」
『了解でござる! 今から……あっと、ちょっと待つでござる! これはとっちゃいけないでござるよ!』
バザールが何者かの襲撃を受けているようだ。時々バザールを襲撃している者たちの声が聞こえて、この声の持ち主であれば問題ないと思い、しばらく様子を見る事にした。
襲撃していた者たちは、土木組の子の様で、落ち込んだと聞いてクロとギンの様子を見に来たら、バザール(土木組では骨おじちゃん)が、魔導無線機を使って誰かと会話をしており、その相手が俺だと分かって変わるように訴え、襲撃していたようだ。
『シュウ様! 何で私たちも連れてってくれないんですか! 綾乃さんと骨おじちゃんから、工兵についてしっかりと習って勉強してるのに!』
プンスカ怒っている土木組の子たちの様子が、目に浮かんでしまった……これはどうするべきか?
「早く移動しなきゃいけなかったから、声をかけれなかったんだよ。ごめんね。でも、今からなら間に合うから来るかい?」
少し考えた結果、呼びだすことにした。単なる戦闘なら足手まといにもならないし、いてもいなくても変わらないのだが、今回は出来るだけ一般兵に被害を与えない事を考えると、工兵として使える土魔法のエキスパート、土木組は戦力になるからな。
「バザール、ダンジョン農園にある専用の魔導列車を使わせてやってくれ。それと、リミット解除してリブロフまで走らせていいから、なるはやでお願い」
『了解でござる。みんな聞いたでござるな。今から十五分後にダンジョン農園から、魔導列車を出すでござるから、各自準備して集合でござる。遅れた人間は待たないでござるから、時間厳守でござる!』
バザールがそう宣言する。一緒にギンやクロたちも来るようだ。
二時間後には、土木組が到着していた。到着するまでの時間に、風呂から上がって来た妻たちに状況を説明して、土木組が来ることを伝えた。
ちなみに、王国軍は俺たちがここで野営をしていることが分かったのか、五キロメートル程先で野営をしていた。ワイバーンやバッハたちを見て、ひかない事はすごいなと思うが、テイムされた奴らなのでそう強くはないと、高をくくってるのではないか? というのが女性騎士たちの見解だ。
いくら弱かったとしても、バッハはドラゴン……ワイバーンとは格が違うのに、その対応ができる敵軍は、安全な所にいすぎて感覚がずれているのだろう。
土木組の子たちは、お風呂に入ってから寝るように指示した。工兵としての仕事は、明日の朝にするようにお願いしたので、みんな大人しく天幕を張って寝ている。夜の守りはクロとギンを中心に、土木組の従魔のオオカミたちがしてくれることになった。
次の朝、太陽が昇り始めた頃に、俺たちは起き出した。向こうは……遠すぎてわからないな。
「みんな、今回は防衛陣を簡単に作って、防衛陣と敵軍の間に落とし穴や、迷路のような妨害系の罠を設置してくれ。あまり殺傷能力の高いのはダメだからね。
一応設置した場所には、何を設置したか分かる様に地図に書き込む事! 土木組は準備開始。こっちは朝食の準備を始めようか。一応昼食を簡単に取れるような物もお願い」
土木組と妻たちに指示をして、俺は土木組の作業しているエリアから、王国軍側に移動している。マップ先生で確認して、大体相手から二キロメートル離れた所でとまる。そこで一つの魔法を使用する。
【アースウォール】
境界線のように高さ五センチメートル、幅三十センチメートル、長さ一キロメートル程の壁……と言っていいのだろうか……を設置する。ついでに立て看板をしておく。昨日のうちに
『これから先、リブロフの街の管理区域。許可のない者は排除します。自己責任ですので、注意してください』
と木の板に書いたものを、複数設置した。これを超えてきたのなら、遠慮する必要はないな。そもそも許可のあるないなんて、どうでもいいのだ。だって許可なんて誰にも出していないし、今回だけの文言だしな。
俺の準備も終了して、罠地帯を抜けようとして止まった。このまま行ったら、俺が罠の餌食になると思ったので、バッハをわざわざ呼んで天幕に戻った。
みんなで朝食を食べていた時に、バッハが『キュオーン』と鳴いた。どうやら王国軍に動きがあったようだ。食い過ぎそうな男性騎士たちには、おかわりは無しにした。戦闘前には食べ過ぎないだろうが、念のためだ。
俺らも準備を始める。
歳的には五つ程離れていると思うが、特に何かがあると言った様子は無く、楽しそうにしている。そんな楽しそうに会話をしていると突然、女性騎士二人が『うそっ!?』と大きな声をあげた。
何事かと思い確認をすると、こういった任務では三日に一度体を拭くことが出来れば十分で、近くに川があれば水浴びをできれて最高なのだが、こういった野営でも毎日お風呂に入ってると聞いたためだった。
やっぱり、身体を毎日ふけるだけでも、異常なのだろう。それなのにお風呂に入ってると言えば、こんなリアクションになって当たり前か。
どうやら話し合いが終わり、女性陣がお風呂に入る事になったようだ。と言っても無防備になるので、それなりの対策をしておかないといけないと、俺の所へ来た。
初めは結界でいいんじゃないか? と思ったが、俺たちの特殊性をこれ以上教えるのも、面白くないとの事で、バッハに頼んで女性陣がお風呂の天幕に入ったら、守ってやるように伝えると、バッハがさらにワイバーンに命令をして、ワイバーン五匹がお風呂の天幕の周りに配置された。
俺は空いた時間で、夜の守りをどうしようか考えていると、バザールから魔導無線機で連絡が入った。
『主殿、心配ないと思うでござるが、夜の守りはどうするつもりでござるか?』
「ナイスタイミング。俺もその事で頭を悩ましてた。俺たちが使う道具やなんかは、王国の騎士団と一緒にいると、大っぴらに色々する事も出来ない物も多いからな。ワイバーンやバッハは、元々大きいし空を飛ぶことが前提だから、感知能力が高くないからな。何かいい案はないかな?」
『それはちょうどよかったと言うべきでござろうか? 主殿に置いてかれたと言って、クロとギンが拗ねているでござる。今から送り出してもいいでござるか?』
「そうなのか……だったら、コウとソウ、ミリーの従魔たちも一緒に来させてくれ」
『了解でござる! 今から……あっと、ちょっと待つでござる! これはとっちゃいけないでござるよ!』
バザールが何者かの襲撃を受けているようだ。時々バザールを襲撃している者たちの声が聞こえて、この声の持ち主であれば問題ないと思い、しばらく様子を見る事にした。
襲撃していた者たちは、土木組の子の様で、落ち込んだと聞いてクロとギンの様子を見に来たら、バザール(土木組では骨おじちゃん)が、魔導無線機を使って誰かと会話をしており、その相手が俺だと分かって変わるように訴え、襲撃していたようだ。
『シュウ様! 何で私たちも連れてってくれないんですか! 綾乃さんと骨おじちゃんから、工兵についてしっかりと習って勉強してるのに!』
プンスカ怒っている土木組の子たちの様子が、目に浮かんでしまった……これはどうするべきか?
「早く移動しなきゃいけなかったから、声をかけれなかったんだよ。ごめんね。でも、今からなら間に合うから来るかい?」
少し考えた結果、呼びだすことにした。単なる戦闘なら足手まといにもならないし、いてもいなくても変わらないのだが、今回は出来るだけ一般兵に被害を与えない事を考えると、工兵として使える土魔法のエキスパート、土木組は戦力になるからな。
「バザール、ダンジョン農園にある専用の魔導列車を使わせてやってくれ。それと、リミット解除してリブロフまで走らせていいから、なるはやでお願い」
『了解でござる。みんな聞いたでござるな。今から十五分後にダンジョン農園から、魔導列車を出すでござるから、各自準備して集合でござる。遅れた人間は待たないでござるから、時間厳守でござる!』
バザールがそう宣言する。一緒にギンやクロたちも来るようだ。
二時間後には、土木組が到着していた。到着するまでの時間に、風呂から上がって来た妻たちに状況を説明して、土木組が来ることを伝えた。
ちなみに、王国軍は俺たちがここで野営をしていることが分かったのか、五キロメートル程先で野営をしていた。ワイバーンやバッハたちを見て、ひかない事はすごいなと思うが、テイムされた奴らなのでそう強くはないと、高をくくってるのではないか? というのが女性騎士たちの見解だ。
いくら弱かったとしても、バッハはドラゴン……ワイバーンとは格が違うのに、その対応ができる敵軍は、安全な所にいすぎて感覚がずれているのだろう。
土木組の子たちは、お風呂に入ってから寝るように指示した。工兵としての仕事は、明日の朝にするようにお願いしたので、みんな大人しく天幕を張って寝ている。夜の守りはクロとギンを中心に、土木組の従魔のオオカミたちがしてくれることになった。
次の朝、太陽が昇り始めた頃に、俺たちは起き出した。向こうは……遠すぎてわからないな。
「みんな、今回は防衛陣を簡単に作って、防衛陣と敵軍の間に落とし穴や、迷路のような妨害系の罠を設置してくれ。あまり殺傷能力の高いのはダメだからね。
一応設置した場所には、何を設置したか分かる様に地図に書き込む事! 土木組は準備開始。こっちは朝食の準備を始めようか。一応昼食を簡単に取れるような物もお願い」
土木組と妻たちに指示をして、俺は土木組の作業しているエリアから、王国軍側に移動している。マップ先生で確認して、大体相手から二キロメートル離れた所でとまる。そこで一つの魔法を使用する。
【アースウォール】
境界線のように高さ五センチメートル、幅三十センチメートル、長さ一キロメートル程の壁……と言っていいのだろうか……を設置する。ついでに立て看板をしておく。昨日のうちに
『これから先、リブロフの街の管理区域。許可のない者は排除します。自己責任ですので、注意してください』
と木の板に書いたものを、複数設置した。これを超えてきたのなら、遠慮する必要はないな。そもそも許可のあるないなんて、どうでもいいのだ。だって許可なんて誰にも出していないし、今回だけの文言だしな。
俺の準備も終了して、罠地帯を抜けようとして止まった。このまま行ったら、俺が罠の餌食になると思ったので、バッハをわざわざ呼んで天幕に戻った。
みんなで朝食を食べていた時に、バッハが『キュオーン』と鳴いた。どうやら王国軍に動きがあったようだ。食い過ぎそうな男性騎士たちには、おかわりは無しにした。戦闘前には食べ過ぎないだろうが、念のためだ。
俺らも準備を始める。
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