ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第682話 穏便に終わったみたい

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 バッハが住むにあたって希望を出してきたので、それに合わせて周辺をDPで魔改造をしていく。色々してもらえるとわかったのか、ワイバーンたちも色々意見を出してくれた。何も言われないより、意見を出してもらえた方が楽だからな。

 バッハの寝床は何ていうか、鳥の巣みたいな器状だった。三十メートルの巨体が寝るのだから、相応にデカい物になっている。

 ワイバーンたちの寝床は、横穴みたいな物がいいらしい。山を多少高くして、ワイバーンがすれ違えるだけの広い通路を、あちこちに作り全部を内部で繋げて、中心にワイバーンたちが全員で、寝起きできるように広い空間がある。

 ワイバーンの話を聞いてびっくりしたけど、この世界のワイバーンは、洞窟を好むとは思わなかった。ちょっとずんぐりむっくりしたフォルムだけど、後ろ足が異様に発達しているのは、洞窟の中を歩くためだったようだ。中に入っていき、満足そうな鳴き声が聞こえてくる。喜んでくれているようで何よりだ。

 二時間程かけて、バッハとワイバーンの寝床を作った。

「みんな、よろしく頼むな。先輩の五匹は、その内Lv上げに連れてってやるんだぞ。それともうちょっとしたら、お前たちのエサ場を作る予定だから、楽しみにしておけよ。

 食べ過ぎて太ったら出禁になるから気をつけるように! 後、食事は子ども優先だからな! バッハもその内Lv上げ出来る場所に、連れて行くから楽しみに待っててくれ。食事はワイバーンたちと、同じ所で出来るようにしておくから」

 魔物だとドロップに変わってしまうので、量を食べれないのだが、ダンマスとしての格が上がったのか、ダンジョンの中に動物もポップ出来るようになったので、DPを大量に使えばかなりの量の家畜を、生み続けさせることができる。

 ちなみに家畜は嗜好品というくくりのためか、この世界のを呼びだそうとすると、異世界、日本から呼び出す時の十倍以上するのだ。Bランクの魔物と、同等のDPがかかると言うとんでもない物だ。俺はダンジョンに付与するのは、日本製のそこそこ美味しい家畜たちを、生み出すように設定した。

「予想以上にDP使ったな。DP錬金してるから大した額じゃないけど、下手なダンジョンを作るよりよっぽど、DPを消費したな。大型魔獣のエサ場ダンジョンを準備できたから、多少なら増えても問題ないよな? まぁ増えたら、同じような物を作ればいいだろう」

 独り言を言いながら、ダマの背中に乗ってディストピアに戻った。

「あ~グリエルとガリアに話をしておかないとな。みんながどこまで話してるか分からないから、確認してからだな。ダマ、街の中心に向かってくれ」

『了解した!』

 そういうとスピードを上げて山を駆け下りていく。規則性のないジェットコースターに、乗っている気分だった。ダマの頭に乗っているニコはもっと行け! と言わんばかりにプルプル震えており、ゆっくりできないと判断したハクは、自分で飛んで木の上から付いてきていた。

 個人的には絶叫系は好きなので、途中までは楽しかったが、動きが激しくなってくると、ちょっとついていけなくなった。

「ダマ、ちょっとスピード下げてくれ……」

『主殿、早すぎたでござるか?』

「早すぎると言うか、左右に動く乗り物に乗るのが、こんなにきついと思わなかったんだわ。俺の想像不足だった。とりあえずゆっくりで頼む」

『了解です。スピードを落とします』

 ちょうど楽しめる位のスピードになったが、俺の前、ダマの頭の上にいるニコが、もっと早くとペチペチとダマの頭を叩いている。だがさすがにまたスピードを上げられると困るので、上から鷲づかみにして黙るように伝えると、抗議のためか高速でプルプル震え出した。

 早いのに乗りたかったら、俺がいない時にダマに頼めばいい! と丸投げすると、一転して喜びを体いっぱいで表している。後で頼むよといっているように、ダマの頭をペチペチ叩いているのでこの問題は解決だ。ダマ、頑張れ!

 いつの間にか、ディストピアの中央に到着していた。

 ダマを降りて、ダマの頭の上に乗っているニコを俺の頭の上に乗せ、ハクは俺の胸に飛び込んできて、俺の腕の中におさまり、ダマは小さくなり俺の肩に手を置いてぶら下がっている形だ。子どもたちよ、羨ましそうな目で見ないでくれ、これ意外に大変なんだよ。

 あれ? 何で子どもたちがここにいるんだ? と思い聞いてみたら、戦闘が終わったと同時に、妻たちが連絡を入れたみたいで、全員が日常生活に戻ったそうだ。

 その際に学校を開いてほしいと、子どもたちにねだられて、学校を開いているとの事だ。みんなの狙いは、学校の給食だという事は分かってる! しっかり勉強をしてから食べろよ!

 グリエルの執務室へ向かい、勢いよくあけ放つ!

「シュウ様、危ないですからその開け方やめませんか?」

 グリエルに怒られてしまった。

「……努力する」

「努力するって、どういうことですか?」

 呆れた顔で見られてしまった。でもこの程度じゃ、へこたれない!

「報告に来たぞ! 誰かから報告受けてる?」

「終了したと言う報告だけですね」

「じゃぁ、簡単に説明するわ。ミリーの従魔のワイバーンが黒龍を完封して、俺が支配下に置いた! バハムートと名付けて、普段は長いのでバッハって呼んでる。そのバッハを、あの山の頂上に連れてって、寝床を作ったり、ワイバーンの管理を任せることにした。だからもう騒動は終了したよ」

「終わったのは理解しましたが、黒龍と山の上のワイバーンが、シュウ様の支配下にはいったって事でいいですか?」

「その認識で間違ってないと思う」

 俺がそんなことを言うと、こめかみをもむしぐさをグリエルがした。

「頭が痛いのか? ポーション飲むか?」

「頭が痛く感じているのは、シュウ様の規格外な対応のせいですよ。慣れたと思ったのに、斜め上を行かれましたからね。それにこんな事でポーション飲んだら、本当に必要としている人たちに、顔向けできませんよ」

「そっか、何かすまんな。でもこれが俺だからあきらめてくれ!」

「そうですね。こんな事で疲れてたらいけませんね。黒龍のバッハでしたっけ? 山の上に住むって事は、ディストピアからも見えるって事ですよね?」

「そうだな。だから、ワイバーンも含めて、俺のペットになったとでも言っておいてくれ」

「了解しました。おそらく、それが一番騒動が少なくて済むと思います。その方向で周知しておきます」

「よろしく!」

 俺のすることも終わったから、家に帰ってくつろぐことにした。何もしてないけど疲れたからな!
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