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第678話 対応が決まった
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みんなが来る前に行った会議の内容を、後から来たメンバーに伝えるが、異論もなく最低限の対策は決まった。他にもいくつも対策の話が上がるが、すぐに実行が可能という案は無く、ディストピアに来たら遊撃的な迎撃になる、と言った感じで落ち着いてしまった。
俺以外のメンバーは、このまま会議を続けてもう少し話し合ってみると、俺は俺の仕事をする事にした。
この街を実質管理している、グリエルとガリアに報告に行くため、街の中心を目指す。中心を目指して歩いている間に、メイに四大精霊にも集まってほしいから声をかけてもらう。風の精霊だけあって、自分のテリトリー内の声は、簡単に聞くことができるので、重宝している。
勝手知ったる我が家というわけではないが、この街で俺の入れない場所は無いので、誰に止められる事もなく進んでいく。
グリエルの執務室に入ると、都合のいいことにガリアもいた。他にもゼニスがいて何やら話していた。
「あれ? シュウ様じゃないですか。どうなさいましたか?」
「ちょっと報告があって来たよ。俺が声をかけてないのに、ここにゼニスがいるのって珍しくないか?」
「相談があったので、直接お話ししていた所であります。シュウ様の指示で、貯まっていく一方の資金を、どうするかの話し合いです。何度か話し合いをしましたが、やはり素材を買い込む方向で、話が落ち着きました。
素材の劣化に関しては、収納系のアイテムに時間停止の機能があるから可能なんですけど。他にもお金を使う機会があれば、どんどん使っていこうと言う話になっています。っと、シュウ様も何か話があったのではないですか?」
「あ~すまんすまん。話をそらしてしまったな。ちょっと厄介事があってな」
三人が険しい顔になっている。話を始めようとした時に、窓から四大精霊が入って来た。
「来てくれたか。四大精霊は知ってるかもしれないけど、実はな……」
ドラゴンが樹海に向かってきている事、その際の対応について途中経過を伝える。
「ドラゴンですか……航空戦力でしたっけ? 空を飛んで戦う術が、人間にはないですからね。人間には? あっ!」
ガリアが何かに気付いたようだ。
「空を飛ぶ魔物が、ディストピアにもいるじゃないですか!」
「……?」
「ミリーさんの従魔になっているワイバーンがいるじゃないですか!」
「そういえば、そんな奴もいたな。でも、ワイバーンって亜竜だから、ドラゴンより弱いんじゃなかったっけ?」
「シュウ様、ワイバーンでもLvが上がれば、強くなりますよ? ミリーさんの従魔のワイバーンは、シュウ様のダンジョンで、大暴れしているのでかなり強くなっています。ワイバーンの見た目をしたドラゴンと言っても、過言ではないと思いますよ?
スキルも魔法も使いこなすので、成体になりたてのドラゴン位なら、余裕で倒す可能性がありますね。単体でも倒せる可能性があるのに、それが五匹いますからね、負ける気がしないです」
青い顔をしていたガリアの顔色が、良くなっている。
「ミリーのワイバーンがいるなら問題なさそうだけど、念のため避難させてくれよな」
ミリーに確認に行くために、自分の家に戻る。Lv四〇〇位のドラゴンなら、ハクとニコのコンビでも倒せる気がするな。家に戻っても会議はまだ続いていたようで、暗い顔になっていた。
「みんな、朗報があるよ!」
俺の声に反応して、みんなが食堂の入り口にいる俺の事を振り返る。
「この話をする前に、ミリー! 君の従魔のワイバーンって、今どこにいる?」
俺の質問を受けて、ミリーがハッとした顔になる。
「そっか、あの子たちなら空飛んで戦えるし、スキルも魔法も覚えて、ワイバーンとは言い難い強さになっているもんね。でもあの子たちで、ドラゴンに勝てるのかしら?」
「ガリアの話だと、一対一でも勝てるんじゃないかって言ってた。魔物の強さって、一般的にはランクで区切られてるけど、実際はLvで区切られている部分もあるからな。
今向かってきているドラゴンと、ミリーのワイバーンが同じくらいのLvだし、スキルも魔法もあって、それが五匹もいる。戦う前から勝ちが決まっているようなものだろうだってさ。それに、俺のハクとハクにニコを乗せたコンビを、一緒に戦わせてば負けないだろう」
そういうと、みんなも落ち着いてきた。みんなが心配していたのは、倒せる倒せないではなく、倒せることは決まっているが、倒す際の街への被害についてだった。せっかく作った街が、壊れる可能性があるとなると、それだけで気持ちが落ちていたようだ。
明るくなったみんなを見て俺は安心した。しばらくして立ち上がったと思ったら、ワイバーンの所にみんなで行くようだ。俺も様子見についていく。
ワイバーンたちは、ディストピアの周辺を自由に飛び回っているので、ミリーが呼びよせていた。何かを話したと思ったら、ミリーがワイバーンのために作ってほしいと、お願いしてきたダンジョンに連れていくようだ。
ダンジョン農園の下の階層が、ワイバーンが飛びまわても問題ない、巨大なフロアを作っているのだ。狩りも出来るように野性の動物もいるが、Lv上げのために結構強い魔物も配置している。
そのフロアについて行って、ちょっと後悔した……元々ワイバーンに魔法の訓練や、人間の戦い方を教え始めていたのだ。だけど、いくらディストピアが大切な街で、壊されたくないと思っても、さすがに人間の戦い方なんて今更詰め込んでも、体の構造が違うんだから無理に決まってるだろ。
みんなで「さすがにそれは意味が無い」とミリーたしなめてから、集団戦の役割などを教え始めた。
もともとは兄弟? 姉妹? 親子? どういう関係か分からんが、全員がここに来る前から一緒に生活していたのは間違いなく、連携にも問題は無かった。これなら多少格上でも、倒せそうな雰囲気だな。
到着するのは、二日後のおやつあたりと予想を立てたので、二日後の朝食後にみんなを避難させることになった。ドラゴンなのに遅くないか? とも思ったが、休憩したり飯を食べたりしているので、そんなものだろうとの事だ。
でも困ったことが……どう伝わったのか、ディストピアの街の中にいなければ、問題ないという事になっており、冒険者組の人間は、朝から夜まで潜るから大丈夫と、日常生活を止めずにそのままダンジョンにもぐるから、問題ないとなってしまっていたのだ。
四大精霊に、防御結界を張ってもらうので、街の中でも危険はかなり少なくなっている。それにしても、樹海に住んでいるためか、神経が図太くなってるな。
俺以外のメンバーは、このまま会議を続けてもう少し話し合ってみると、俺は俺の仕事をする事にした。
この街を実質管理している、グリエルとガリアに報告に行くため、街の中心を目指す。中心を目指して歩いている間に、メイに四大精霊にも集まってほしいから声をかけてもらう。風の精霊だけあって、自分のテリトリー内の声は、簡単に聞くことができるので、重宝している。
勝手知ったる我が家というわけではないが、この街で俺の入れない場所は無いので、誰に止められる事もなく進んでいく。
グリエルの執務室に入ると、都合のいいことにガリアもいた。他にもゼニスがいて何やら話していた。
「あれ? シュウ様じゃないですか。どうなさいましたか?」
「ちょっと報告があって来たよ。俺が声をかけてないのに、ここにゼニスがいるのって珍しくないか?」
「相談があったので、直接お話ししていた所であります。シュウ様の指示で、貯まっていく一方の資金を、どうするかの話し合いです。何度か話し合いをしましたが、やはり素材を買い込む方向で、話が落ち着きました。
素材の劣化に関しては、収納系のアイテムに時間停止の機能があるから可能なんですけど。他にもお金を使う機会があれば、どんどん使っていこうと言う話になっています。っと、シュウ様も何か話があったのではないですか?」
「あ~すまんすまん。話をそらしてしまったな。ちょっと厄介事があってな」
三人が険しい顔になっている。話を始めようとした時に、窓から四大精霊が入って来た。
「来てくれたか。四大精霊は知ってるかもしれないけど、実はな……」
ドラゴンが樹海に向かってきている事、その際の対応について途中経過を伝える。
「ドラゴンですか……航空戦力でしたっけ? 空を飛んで戦う術が、人間にはないですからね。人間には? あっ!」
ガリアが何かに気付いたようだ。
「空を飛ぶ魔物が、ディストピアにもいるじゃないですか!」
「……?」
「ミリーさんの従魔になっているワイバーンがいるじゃないですか!」
「そういえば、そんな奴もいたな。でも、ワイバーンって亜竜だから、ドラゴンより弱いんじゃなかったっけ?」
「シュウ様、ワイバーンでもLvが上がれば、強くなりますよ? ミリーさんの従魔のワイバーンは、シュウ様のダンジョンで、大暴れしているのでかなり強くなっています。ワイバーンの見た目をしたドラゴンと言っても、過言ではないと思いますよ?
スキルも魔法も使いこなすので、成体になりたてのドラゴン位なら、余裕で倒す可能性がありますね。単体でも倒せる可能性があるのに、それが五匹いますからね、負ける気がしないです」
青い顔をしていたガリアの顔色が、良くなっている。
「ミリーのワイバーンがいるなら問題なさそうだけど、念のため避難させてくれよな」
ミリーに確認に行くために、自分の家に戻る。Lv四〇〇位のドラゴンなら、ハクとニコのコンビでも倒せる気がするな。家に戻っても会議はまだ続いていたようで、暗い顔になっていた。
「みんな、朗報があるよ!」
俺の声に反応して、みんなが食堂の入り口にいる俺の事を振り返る。
「この話をする前に、ミリー! 君の従魔のワイバーンって、今どこにいる?」
俺の質問を受けて、ミリーがハッとした顔になる。
「そっか、あの子たちなら空飛んで戦えるし、スキルも魔法も覚えて、ワイバーンとは言い難い強さになっているもんね。でもあの子たちで、ドラゴンに勝てるのかしら?」
「ガリアの話だと、一対一でも勝てるんじゃないかって言ってた。魔物の強さって、一般的にはランクで区切られてるけど、実際はLvで区切られている部分もあるからな。
今向かってきているドラゴンと、ミリーのワイバーンが同じくらいのLvだし、スキルも魔法もあって、それが五匹もいる。戦う前から勝ちが決まっているようなものだろうだってさ。それに、俺のハクとハクにニコを乗せたコンビを、一緒に戦わせてば負けないだろう」
そういうと、みんなも落ち着いてきた。みんなが心配していたのは、倒せる倒せないではなく、倒せることは決まっているが、倒す際の街への被害についてだった。せっかく作った街が、壊れる可能性があるとなると、それだけで気持ちが落ちていたようだ。
明るくなったみんなを見て俺は安心した。しばらくして立ち上がったと思ったら、ワイバーンの所にみんなで行くようだ。俺も様子見についていく。
ワイバーンたちは、ディストピアの周辺を自由に飛び回っているので、ミリーが呼びよせていた。何かを話したと思ったら、ミリーがワイバーンのために作ってほしいと、お願いしてきたダンジョンに連れていくようだ。
ダンジョン農園の下の階層が、ワイバーンが飛びまわても問題ない、巨大なフロアを作っているのだ。狩りも出来るように野性の動物もいるが、Lv上げのために結構強い魔物も配置している。
そのフロアについて行って、ちょっと後悔した……元々ワイバーンに魔法の訓練や、人間の戦い方を教え始めていたのだ。だけど、いくらディストピアが大切な街で、壊されたくないと思っても、さすがに人間の戦い方なんて今更詰め込んでも、体の構造が違うんだから無理に決まってるだろ。
みんなで「さすがにそれは意味が無い」とミリーたしなめてから、集団戦の役割などを教え始めた。
もともとは兄弟? 姉妹? 親子? どういう関係か分からんが、全員がここに来る前から一緒に生活していたのは間違いなく、連携にも問題は無かった。これなら多少格上でも、倒せそうな雰囲気だな。
到着するのは、二日後のおやつあたりと予想を立てたので、二日後の朝食後にみんなを避難させることになった。ドラゴンなのに遅くないか? とも思ったが、休憩したり飯を食べたりしているので、そんなものだろうとの事だ。
でも困ったことが……どう伝わったのか、ディストピアの街の中にいなければ、問題ないという事になっており、冒険者組の人間は、朝から夜まで潜るから大丈夫と、日常生活を止めずにそのままダンジョンにもぐるから、問題ないとなってしまっていたのだ。
四大精霊に、防御結界を張ってもらうので、街の中でも危険はかなり少なくなっている。それにしても、樹海に住んでいるためか、神経が図太くなってるな。
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