ダンマス(異端者)

AN@RCHY

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第641話 ガーディアン撃破

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 これで死ぬわけないよな。

 魔法の影響がはれると、盾を持っている腕を前にして防御姿勢をとっていた。鎧が本体とはいえ、多少はダメージがあるかな?

 魔法の影響がはれると、シュリが接敵してシールドバッシュを使い、ひるませている。そういえば、体を作り替えた俺より、シュリのステータスの方が高いんだよな。英雄症候群ってすごいな。

 そんなシュリは、ファイアナイトと切り合っている。攻防の合間をぬって、アタッカーがダメージを与えている。その中にはシェリルの姿もあり、素手で殴っている。浸透勁を使っているので、きっちりとダメージを与えている。

 十分位切り会った後に、シュリからリリーにタンクが、バトンタッチされる。

 シュリは盾で綺麗に受け止めているのに対して、リリーは盾で綺麗にさばいている感じだ。受け流すのが上手くなっているようだ。受け流してからの反撃を中心に、ダメージを与えている。

 受け流す方向も仲間の事を考えながら、少しずつ位置をかえているようで、シュリとは違った安定感が見られる。

 俺は体をほぐしなおしながら、戦闘の様子を眺めている。

 やはりと言っていいのか、魔法や斬撃系のダメージはあまり高くない気がする。それに対して、打撃や斧や大剣の様な武器の攻撃は、ダメージが大きいか? それなら俺も武器を変えるべきだな。メンテナンスをしてから、まだ使っていなかったメイスの出番だろう。

 片手剣をしまいメイスを取り出す。しっかりと力が入るように握りを確認する。

 リリーがタンクを交換してから十分位が経ったので、俺が前に出てタンクの役割を交換する。

「鎧の魔物でもダメージが蓄積すれば、動きが鈍るんだな」

 端から見ていては気付かなかったが、対面してよくわかった事がある。ニ十分前のファイアナイトの動きと、今の動きが違っているのだ。

 俺に合わせた動き方になってはいるが、ダメージの所為か動きが悪くなっているのだ。鎧とはいえ魔物なので、学習能力はあるのだろう。

 メイスを持った俺は、多少強引に攻める事にした。ファイアナイトの攻撃をさばきながら、体を低くして足を執拗に攻める。特に関節の膝を中心に、攻撃を重ねて行く。

 こいつがどんな条件で、動きが鈍くなっているか分からないが、足がダメになれば、こいつの行動力は激減するわけで、盾に守られている上半身や腕に、無駄に攻撃するよりはいいと考えての行動だ。敵を倒すための常套手段の一つだしな。

 交換の十分が経つ頃には、相手の左足がボコボコにへこんでおり、端から見ても明らかに、動きが遅くなっているのが分かるくらいだ。タンクをシュリに交換してから、俺は武器を持ち替える。

 重量級の武器である、大薙刀を取り出す。カエデのメンテナンスは、完璧だな。それに少しグレードアップしている感じだ。これなら今のあいつの足位なら、切り落とせるんじゃないかと思わせる程だ。

 次々に攻撃を仕掛けているみんなに声をかけてから、俺も攻撃の輪の中に入る。俺の順番が回ってくると、シュリが攻撃しやすいように位置取りをしてくれる。

 別に俺に限った事じゃないが、攻撃しやすいように調節してくれて、最大のダメージを引き出せるように、考えてくれているのだ。

 シュリが作ってくれたチャンスを生かすために、全身に魔力を廻らせて、肉体活性のスキルで強化する。魔力は十分に残っていたので、ここで一気にダメージを与えるつもりだ。

 俺の意識が加速して、世界がゆっくりになる。ファイアナイトとの距離を詰める。攻撃する場所は、もちろん左膝だ。今さっきまで十分にダメージを与えていたので、力押しで膝を壊すつもりだ。

 下段から切り上げる様に、左膝を切り付ける。ファイアナイトは反応する事も出来ずに、俺の攻撃が左膝に命中する。

 切り落とせると思っていたが、半ば位までしか大薙刀の刃が、通らなかった。それでも十分なダメージになり、追撃を行ったシュリの斬撃で、完ぺきに左膝が切り飛ばされた。

 足が無くなれば、もう相手ではない。集中攻撃を受けて死んだ。ダメージから考えると、デカいワームに力はさすがにおよばないが、身体の頑丈さやタフネスは、圧倒的だったと言ってもいいだろう。

「ふ~強かったな。Sランクの強さはあったかな。みんな使った武器のチェックをしてくれ、あんなに硬いものを攻撃したら、メンテナンスをしなきゃいけないだろうし、しっかりと不具合がないか調べてくれ」

 みんなが武器だけじゃなく、防具のチェックを始めた。俺も武器と盾を見るが、細かいへこみがあるな。自動修復で何とかなるレベルだと思う。大薙刀は一回しか振っていないけど、少しへたっている感じが見られる。カエデに見てもらおう。

「ちょっと研いでおいた方が、いいかもしれないね。後でやるから、しばらくは使わないでね。あ、コーティングは剥がしておいてね」

 やっぱり研いだ方がいいのか。この武器に関しては、カエデ以外にメンテナンスは難しいから、後でやってもらおう。周りを見ていると、スライムが集まって何かをしていたので、様子を見に行く。

 ファイアナイトからドロップをした、鎧や盾に群がって遊んでいた。鎧の中に入って、ファイアナイトの真似をしているような感じが見られるが、動きは良くないので、遊んでいるとしか言えないな。

 この鎧は、装備する気になれないから、今度リビングアーマーでも憑依させてみるか。

 鎧、盾、兜、魔石、インゴット等など、他にも色々なものがドロップしているが、気になる物がドロップしている。

「鍵だな」

「鍵ですね」

「鍵!」

 俺と近くにいた、ピーチとシェリルが同じ言葉を口にした。

「鍵はいいんだけど……何の鍵なのか、どこの鍵かよくわからんよな、何のヒントも無いからな。バイ〇ハザー〇みたいに、ヒントが分かりやすければいいんだけどな」

「それっぽい所があったら、試してみるしかなさそうですね」

「確かにその通りだよな。罠の可能性だけ考えて、問題なければ使っていこうか」

 ドロップ品を確認していると、俺の前にニコが来て体の中から、何かを取り出した。体の中に何かを取り込んだのを、外に出しただけだろう。

 出してきたのは、目を凝らしてやっと見えるレベルで、透明度の高い水晶のような物を俺に渡してきた。何だろなこれ? とりあえず、腕輪の中にしまっておく。

 少し休憩を挟み移動速度を上げて、今日も六階分の移動をできるように移動を始めた。
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